海外情報

◇2023年4月3日
 1.トリチウム汚染水問題をめぐる韓国での議論
  2020年6月に「特定テーマについて」で「トリチウム汚染水問題」を取り上げましたが、日本政府は、トリチウム汚染水の放出時期を今年の春から
 夏頃と見込んでいる、としています(2023年1月13日松野博一官房長官記者会見)。
  トリチウム(三重水素)は、ALPS(汚水処理施設)で処理することが困難であるうえ、水素と構造が似ているため、生物の体内に取り込まれ、被害を
 及ぼすことが危惧されている放射性物質です。
  放出予定時期が近づき、周辺諸国から放出を問題視する声が高まっていますが、この問題について、韓国の循環経済研究所の李承茂(Lee Seung
 Moo,イ・スンム)氏が、循環経済通信No.202313を送ってくださいました。
  李承茂さんは、韓国の環境問題や循環経済問題について大きな影響力を持っておられるエキスパートで、環境や脱原発のNGOとも連携されている
 方です。拙著『日本の循環型社会はどこが間違っているのか?』を韓国語に訳して下さり、韓国語訳の出版に際して韓国に招いていただいたこと
 から、その後もお付き合いいただいており、かねてから大変信頼申し上げている友人です。
  循環経済通信No.202313を次に掲載します。
  循環経済通信No.202313
  循環経済通信のホームページは、次のサイトです。
 循環経済通信のホームページ
  日本政府は、100倍の水で希釈して1500Bq/L(1リットル当たり1500ベクレル)の濃度で放出するので大丈夫、としていますが、トリチウムの濃度基準
 は、国によって異なっており、USA740Bq/L,EU100Bq/Lである、と指摘されています(韓国語から日本語への翻訳はGoogle翻訳によります)。
  関連して、トリチウム汚染水の放出に関して太平洋諸島から問題視されているとのBBC記事も次に掲げます。
  BBCNews
  日本は、中から変えることが難しい国で、外圧でしか変わらないと言われています。嘆かわしいことですが、現状ではそんな体質が否めないだけに、
 外国からの批判の声は、大変有難いと思います。