〇築地市場廃止・解体問題(東京都)

   東京都が築地市場を閉鎖し、豊洲に移転させようとしている問題です
   築地市場の仲卸業者の方たちは、その多くが移転に反対の意向であると聞きますが、なぜ移転することになっているのでしょうか。
   築地市場の豊洲移転に関しては、1998年12月に東京魚市場卸協同組合(略称「東卸」)の臨時総代会において「現在地(築地)再整備」が可決されたものの、
  2014年11月14日の東卸総代会において当時の伊藤淳一理事長が、1998年12月の臨時総代会の決議について「私のほうから白紙の宣言をさせていただく」と宣言
  し、それが拍手で承認されたことが豊洲移転の法的根拠とされています(詳しくは週刊金曜日2018年1月26日号掲載の永尾俊彦氏の論文を参照)。
   週刊金曜日(2018.1.26)

   白紙宣言がなぜ移転の根拠になるかわけがわかりませんが、そもそも、事業を営んでいるのは仲卸業者の方たちであるのに、なぜ東卸が移転を決められるの
  でしょうか。
   これは、漁業を営んでいるのは組合員であるのに漁協が埋立やダム建設に同意している問題(上関原発の事例を参照)と全く同じで、組合の決議がゴマカシに
  利用されているのです。40年余り埋立と漁業権について研究してきた私には、そのゴマカシがピンとくるのです。永尾俊彦氏も、川辺川ダムや諌早湾や大入島埋立
  等で私と漁民との勉強会に参加され、また拙著を読んでくださっているので、ゴマカシに気づかれ、私にコメントを求めてこられたのでした。

   週刊金曜日の記事を見た共産党都議団の方たちが、私に連絡をとってこられ、2月13日に勉強会を持ちました。都議会で質問してくださることになり、その後、
  質問結果の連絡が来るのを心待ちにしていましたが、なかなか来ないので連絡を取ったところ、質問前に都に説明を求めたところ「仲卸業者は借地権を持たない。
  都営住宅の入居者と同じようなもの」との説明を受けたために質問をあきらめたとのことでした。
   しかし、仮に仲卸業者が借地権を持たないとしても、「東卸が何らかの権利を持っていて、総代会決議で移転を決められる」はずはありません。権利を持ってい
  るのは、事業を営んでいる仲卸業者に違いありません。また、東卸の総代会決議を根拠にして誤魔化しているということは、仲卸業者が何らかの権利を持っている
  からに違いありません。

   そのような視点から、仲卸業者の持つ権利を検討して、「営業権」という概念に行きあたりました。「営業権」とは、行政庁の許可を受けて営業していたり、長
  年の営業により暖簾を得て営業していたりする事業者の持つ財産権です。築地の仲卸業者は、都知事の許可を受けていますから、それだけで「営業権」を持つこと
  になります。そのうえ、「築地市場」は、いまや世界的に有名なブランド(暖簾)ですから、その点に基づいても「営業権」を持っていることになります。

   とすれば、築地市場の豊洲移転は、築地市場仲卸業者の方たちの持つ「営業権」を侵害します。財産権の侵害にあたっては、その権利者からの同意を得、かつ権
  利者の受ける損失を補償しなければなりません。
   しかし、東京都は、仲卸業者の方たちに「営業権」や「財産権の侵害」の話を一切していません。それどころか、仲卸業者の方たちとの話合いを拒み、東卸との
  交渉だけで移転を進めています。これは明らかに財産権の侵害に当たり、財産権を保障した憲法29条に違反する行為です。

   5月29日に築地厚生会館で開かれた仲卸業者の方たちの勉強会でのレジュメと資料を次に掲載します。仲卸業者の方たち各自が営業権を持っていること、及び
  都と東卸がそれを誤魔化して営業権を侵害してきたことが分かると思います。
   5月29日勉強会レジュメ(2018.1.26)
   5月29日勉強会資料
   ルポライターの永尾俊彦氏が5月29日勉強会の概要を週刊金曜日(2018.6.8)に掲載してくださいました。
   週刊金曜日(2018.6.8)
  ・築地仲卸業者の取組みについては、次のホームページを参照してください。
  築地女将さん会のホームページ
  ・築地女将さん会のホームページお知らせ欄(6月6日)にとても光栄な勉強会の感想を掲載してくださいました。感謝の気持ちを込めつつ紹介します。
   小よく大を制す、熊本一規先生
  ・仲卸業者の方々の取組みは迅速かつ素晴らしいです。早速、規約を作り築地市場営業権組合を結成されました。6月21日15時より都庁記者クラブで記者会見です。
  ・6月21日15時より都庁記者クラブで営業権組合の記者会見が開かれました。自分の権利に基づいて闘えることがわかった仲卸業者の方たちが熱心に発言されたこ
  とが印象的でした。質問の数も従来の記者会見よりも2,3倍多かったとのことです。当日の配布資料(規約・公開質問状等)を次に掲げます。公開質問状は7月6日
  までの回答を要求しています。
   6月21日記者会見配布資料
   記者会見の模様は、次のサイトで見ることができます。
  YouTube:築地仲卸業者の営業権新組合発足
  ・6月27日、市民報道クミチャンネルに営業権のことやこれまでの私の取組みに関する動画を撮っていただきました。次のサイトに掲載されています。
  YouTube:築地仲卸業者の営業権について
  ・営業権組合結成企画第一弾として7月7日(土)と7月10日(火)に連続学習会が企画されました。その案内チラシと会場地図を掲載します。
   チラシ表
   チラシ裏
   会場地図
  ・7月21日(土)に学習会が企画されました、12:30から、場所は講堂(上記会場地図参照)です。
  ・7月21日学習会では、営業権の侵害に伴う補償について具体的な質問が出て、詳しい説明を行ないました。
   席上、村木営業権組合共同代表から、「組合員が100名を突破した」との報告がなされました。また、営業権組合は、仲卸業者など営業権を持つ人たちを核と
  するとともに、『公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱』に基づいて交渉がなされるよう求めていくことも確認されました。今後、組合員加入が加速すること
  が期待されます。
   当日のチラシを下に掲げます。疑問に答える形でわかりやすく、かつ法的にも正確に書かれた大変優れたチラシです(チラシ裏にご注目!)。
   第3回学習会チラシ表
   第3回学習会チラシ裏

  ・公共事業に伴う損失補償基準としては、通常「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」(昭和37年閣議決定)が適用されるのですが、築地市場の豊洲移転は既に
  公共用地として利用されている土地における事業のため、別の「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」(昭和42年閣議決定)のほうが適用になります。
   国(国交省)は、公共事業を実施する都道府県等に対して、両要綱に基づく「基準」をそれぞれ策定するように指導しています。
   ところが、前者の要綱に基づく基準は、たいていの都道府県で既に定められていますが、後者の要綱に基づく基準は、あまり定められていません。実際、埼玉県
  は平成21年にようやく定めましたが、東京都は要綱制定から半世紀以上を経た今でも定めていません。
   そこで、まず国交省公共用地室に「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」の解釈について、問合せをし、議論しました。その結果、豊洲移転に関する条項に
  ついて私見への同意を得ることができました(8月8日)。
   次いで、東京都の公共補償についての法解釈担当部局(資産運用部管理課)に問合せたところ、やはり私見に全く同意してくれました(8月10日)。ちなみに、
  公共補償基準が未制定なので、公共用地における公共事業では、「公共用地の取得に伴う損失補償基準(都では「東京都の公共事業の施行に伴う損失補償基準」と
  名付けています)」と「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」の二つを参考にするとのことでした。
   これで、国及び都の法解釈担当者は、私見、すなわち「営業権の侵害について補償することなく豊洲移転を強行すれば憲法29条違反になること」に同意してくれた
  ことになります。
   豊洲移転を進めているのは、東京都中央卸売市場事業部ですが、国や都の法的見解を無視して、今後も事業を強行するのでしょうか?法治国家では許されないこと
  です。
  ・8月18日、営業権組合の第1回臨時総会が開かれました。「公共事業の施行に伴う損失補償」に関する法解釈について、国(国交省公共用地室)も東京都(財産運用
  部管理課)も私見に同意したこと、いいかえれば、築地市場の豊洲移転が、営業権を無視して違法(憲法29条違反)に進められていることを説明しました。
  ・8月21日、東京都中央卸売市場事業部に豊洲移転に伴う損失補償について問い合わせました。驚いたことに、豊洲移転を担当している部署でありながら、「公共事
  業の施行に伴う公共補償基準要綱」のことを全く知りませんでした。東京都が同要綱に基づく基準を定めていないためでしょう。
   そこで、次の①~④を教えました。
   ①都では「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」に基づく「東京都の事業の施行に伴う損失補償基準」は制定しているが、「公共事業の施行に伴う公共補償
    基準要綱」に基づく基準は制定していないこと
   ②都では公共事業に伴う損失補償については財産運用部管理課が所管していること
   ③財産運用部では、第一に「東京都の事業の施行に伴う損失補償基準」に基づき、それで足りないところは「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」に基づい
    て損失補償するとしていること
   ④財産運用部の法解釈は私見と全く一致していること、また国交省公共用地室も私見と一致していること
    注:ただし、財産運用部管理課は、その後、何度連絡しても見解の一致した祝係長を出さなくなり、代わりに強引な福地課長を出すようになりました。
   それに対し、事業部は「公共事業の施行に伴う公共補償基準要綱」を知らなかったので、それを勉強してから回答します、ということでした。
   勉強すればするほど、都資産運用部や国交省公共用地室と同様、私見と一致するはずですし、都が豊洲移転に関し、憲法29条違反を犯していることにも気づくはず
  です。
  ・9月5日、都庁で記者会見を行ない、そこでこれまでの東京都との法律論争を報告しました。報告の際、配布したレジュメ・資料を下に紹介しますが、概要は次の
   通りです。
   1.営業権の侵害について
   ・都(中央卸売市場事業部業務課)は、まず次のように答えました。
    ①豊洲移転に伴う経済的損失はすべて受忍限度内である。
    ②受忍限度内か否かは、損失額及び事業の性質(公共事業として行なうという性質)により判断する。
    ちなみに、受忍限度とは、騒音、振動、悪臭等の被害について、社会生活上、被害者が受忍(我慢)しなければならない限度という意味です。
    騒音、振動、悪臭等の被害が主張された場合に、被害が生じていればすべて違法性を認めるのでなく、諸事情を考慮して、被害が社会生活上受忍すべき限度を超え
    ていると評価される場合に初めて違法性を認める法理を受忍限度論と呼びます。
   ・これに対し、②受忍限度の判断に「事業の性質は関係ない」と反論し、国(公共用地室)の同意も得られたので、それを伝えると、
   「都の関係部局が集まって決めたのだから、すべて受忍限度内だ」とのビックリするような回答が返ってきました。
    加害者が一方的に受忍限度を決められるのなら、どんな加害行為も許されることになってしまいます。暴行だってセクハラだって「受忍限度内だ」と決めれば、い
   くらでもできることになってしまいます。そのような、常識人なら誰もができる判断さえ都はできないのかと驚きました。これは、乱暴であるだけでなく、明らかに
   憲法29条(財産権は、これを侵してはならない)に反した回答です。また、騒音等はゼロにするのが不可能ですから「受忍限度論」を適用できるとしても、憲法29
   条で「財産権は、これを侵してはならない」とされている「財産権侵害」に騒音等と同じように「受忍限度論」を適用するのは、そもそも間違いだと思います
   ・しかし、そんな乱暴かつ違法な発言をせざるを得ないほど都が追い詰められたと見ることもできます。
   2.築地移転に公共補償基準が適用されるか
   ・これは、補償の要否に関わる問題ではなく、補償する場合の基準の問題です。
    私は、築地移転事業に公共補償基準が適用になると思いますが、都は適用にならないとしています。詳しくは、両者の見解を比較した別表をご覧下さい。
    『公共用地補償基準の解説』から抜粋した引用文を読まれると私の見解が正しいことがおわかりになるはずです。
    都の間違いは、公共事業を「用地取得を伴う事業」に限定していることに起因しています。公共補償基準は、公共事業を「土地収用法3条に列記されている事業」
   と定義しており、土地収用法3条は、「土地を収用し、又は使用することができる事業」として35の事業を列記しています(中央卸売市場に関連する事業は28号
   に含まれています)が、あくまで「土地収用等ができる事業」であって、「用地取得を伴う」ことは要件とはされていません。
   ・また、仮に築地移転事業に公共補償基準が適用にならないとしても、事業主体が都でないような公共事業であれば疑いの余地なく公共補償基準が適用されますが、
   事業主体が国であろうと都であろうと営業権者の受ける損失には変わりないのですから、少なくとも公共補償基準を準用すべき、と主張していますが、都は「所管外
   である」と言って逃げています。
   3.認可と事業との関係
    これは都(中央卸売市場事業部業務課)も知らなかったので教えてあげたことですが、農水省の認可がなされたとしても、それで事業を実施できることにはなりま
   せん。
    認可は、事業者と公との関係(公法関係)にすぎません。東京都は、事業者と公との関係において認可を得るのみならず、事業者と民との関係(私法関係)におい
   て権利者の同意を得なければ事業を実施できません。
    例としては、埋立の手続きが好例です。公有水面埋立法では「埋立免許を取得しても水面権者に補償しなければ着工できない」とされています。つまり、事業者と
   公の関係が埋立免許を得ることでクリアできても、事業者と民との関係をクリアしなければ(権利者の同意を得なければ)事業を実施できないのです
    この点を全く知らなかったことが、これまで築地事業者の営業権を都が一貫して無視してきたことの一因かもしれません。
   〇農水省の法的責任と社会的責任
   ・農水省は、卸売市場法の認可要件を満たせば法的には認可できますが、他の法律(憲法、建築基準法等)に照らして、あるいは私法関係において明らかに違法な
   事業を認可すると後で社会的責任を問われることになります。埋立の手続きで、法律上は補償の前に出されることになっている埋立免許が実際には補償後に出される
   のが常であることも埋立免許を出す行政庁が免許後に責任を問われることを回避しようとするからです。
   ・築地移転に関して、事業者(都)が「すべて受忍限度内だから損失補償は必要ないと都が決めたんだ」との乱暴かつ憲法違反の見解に基づいて事業を進めているこ
   とを農水省がどれだけ重く受け止めるか、注視していきましょう。
   記者会見報告レジュメ
   記者会見報告別表
  ・9月10日農水省が築地移転事業を認可しました。やはり、築地移転事業ほどの巨大な利権が絡んだ事業を一官庁が止めることなどできなかったようです。
   しかし、「3.認可と事業との関係」に書きましたように、認可は、「事業者と公との関係」(公法関係)にすぎません。東京都は「事業者と公との関係」におい
  て認可を得るのみならず、「事業者と民との関係」(私法関係)において権利者の同意を得なければ事業を実施できません。今まで20余りの公共事業を止めてきまし
  たが、すべて「事業者と公との関係」でなく「事業者と民との関係」で止めてきています(拙著『漁業権とはなにか』を参照)。
   代表的な例が上関原発です。上関原発で「事業者(中国電力)と公の関係」がクリアされたのは、埋立免許が出た2000年です。以後18年も経つのに、いまだに中国
  電力は着工できていません。祝島漁民が漁業補償金を受け取っていないからです。中国電力は、何とかして祝島漁民に補償金を受け取らせようと躍起になっています
  が、上手くいかず、そのため、着工できないでいるのです(「上関原発計画」参照)。ですから、農水省の認可が出たからといって悲観することはありません。
   実際、神田市場の大田市場への移転には56年もの年月がかかったようです(「かつての市場移転」https://mir.biz/2007/04/1316-4635.htmlを参照)。
   上関原発の経緯や神田市場の歴史を思えば、築地市場移転の問題は、これからが本番とも言えるくらいです。  
  ・9月14日、朝堂院大覚総裁の所を訪ね、築地営業権問題に関し、「営業権とはなにか」及び「営業権でなぜ工事を止められるか」についての説明の動画を撮って
  いただきました。総裁の正義感溢れる真っ直ぐな生き方に感銘を受けました。そんな総裁に動画を作っていただき、大変光栄に思います。
   早速、動画がアップされました。次のサイトです。
  築地解体を阻止するための法律を説明
  ・9月16日、茶屋の猿渡誠さんが「営業権に基づき築地に残りましょう」というビラを1500部も作り、築地市場の業者の皆さんに配布されています。猿渡さんは、
  30年前から毎日欠かさず、水神社の掃除をしてこられました。魚の命をいただいていることに感謝の気持ちを表わすためです。そんな敬虔な猿渡さんらしい心の
  こもった文書ですので、ぜひお読みください。
   猿渡氏文書
  ・9月21日、東京都と話し合いを持ちました。
   都の大谷俊也中央卸市場業務課長は、依然として前述の「豊洲移転に伴う経済的損失はすべて受忍限度内である」との乱暴な主張を繰り返しました。反論す
  ると「自分は法律のことはよくわからないが、法律担当の課も含めて決めたんだから間違いはない」と言いながら、「では、法律担当の課も呼んで話し合いを
  持ちましょうよ」と言うと、逃げてしまうのです(9月21日の話合いにしても直前まで法律担当課も出ると言っておきながら、当日には来ませんでした)。こ
  れでは話になりません。
   9月21日に、日頃は傲慢で上から目線の新宿都庁の3名の幹部役人(大谷業務課長、市沢拓也物流調整担当課長、小野崎浩誉業務課総括課長代理)が、何故
  築地市場まで足を運んだか、当日は「珍しく殊勝なことをするもんだ」と思ったのですが、後からその理由に気づきました。もしも、新宿都庁で話し合いを持
  っていたら、「法律担当の課も呼びなさいよ」と言われた場合に呼ばざるを得なくなるからです。どこまでも卑怯な人たちです。
   9月21日の都の暴論に対する反論をまとめておきました。次のファイルを参照してください。
   東京都との話合いについて
   公共事業に伴い、建物を構外に建てる同種建物に移転させることを構外再築と言います。建物内に営業権がある場合、構外再築に際しては営業休止補償が必要
  とされています。営業休止補償のうち、最も大きな割合を占めるのは得意先喪失補償です。構外への移転に伴ってそれまでの得意先を失うからです。築地市場の
  場合、得意先喪失がいかに大きいかは業者の方々が口々に言われることですし、常識でもわかります。しかし、都は一切、営業補償を支払うことなく、豊洲移転
  と築地解体を強行しようとしています。明白な憲法29条違反(財産権侵害)です。詳しくは、次のレジュメを参照してください。
   築地解体と得意先喪失補償
  ・これまで都は「判例がある」とあたかも判例が都に有利であるかのような発言をしていました。「どの裁判所のいつの判例か?」と尋ねても「あなたに教える
  必要はない」と言ってきました。これでは根拠になるはずがありません。
   そこで、私のほうで判例を調べてみたところ、見つかりました。千葉市の中央卸売市場の移転に関する判例で東京高裁平成3年7月30日判決及び原判決(地裁
  判決)です。移転の際に千葉市が千葉青果に出した補助金や補償金が適法かどうかを争った案件です。判決を読んでみたら、東京都に有利どころでなく、反対に
  すべて私の見解に有利な判決でした。その重要部分をまとめたファイル及び判決全文を以下に掲載します。
   東京高裁H3.7.30判決及び原判決の重要部分
   東京高裁H3.7.30判決及び原判決全文
   自分に都合の悪い判決でも、あたかも有利であるかのように宣伝する東京都、「どの判例か」と私から聞かれても「あなたには教えない」とごまかす東京都には
  呆れるばかりです。
  ・10月10日、午後3時から開かれた都庁記者クラブでの記者会見における私の報告レジュメ及び資料(農水省pdfファイル)を掲載します。
   10月10日記者会見報告レジュメ
   10月10日記者会見資料
   レジュメに記載している通り、10月1日に東京都に築地閉場・解体事業の法的根拠を尋ねましたが、10月9日16:20に電話連絡があり、まず①予算を付けた、を根
  拠に挙げました。しかし、「予算を付けたから法的根拠がある」とはおかしな話で、「法的根拠があって初めて予算を付けられる」のです。全く本末転倒の馬鹿げた
  論です(都は、一週間以上もかけて、お粗末なことにこの程度の根拠しか示し得なかったのでした)。そう反論すると、すぐに引っ込めました。このままではまずいと
  思ったのか、次に17:50にまた電話をかけてきて②「条例改正が10月11日に施行される」と言ってきました。わずか1時間半ほどで急ごしらえしただけに、これも話
  にならないほど馬鹿げた根拠です。条例は法令の範囲内でのみ制定できる(憲法94条)ため、「法令に違反した条例は無効」なのです。すなわち、卸売市場法第14条
  は「一般消費者及び関連事業者の利益が害されるおそれがないと認めるときでなければ中央卸売市場の廃止の認可をしてはならない」と規定していますので、関連事業
  者が営業を続け、一般消費者が買いに来る限り、卸売市場法第14条に反して条例で廃止すると決めても全く無効なのです。
   低レベル過ぎて詳しい説明などするまでもないので、電話では「条例が無効なのは、明日の記者会見での私の報告レジュメを読めばわかる」と言って切りました。
   いやしくも日本の首都なのですから、少しはまともな論を展開してほしいものです。今まで経験した都道府県の中で最低です。
   しかし、都が最低なのは、批判勢力(野党、マスコミ、ひいては都民)のレベルの低さの反映でもあると思います。マスコミに取り上げられやすいせいか、デモや
  集会などパフォーマンスだけの運動、仲間内で気勢をあげるだけの運動が目立ちます。相手への攻撃には全くなっていません。このような東京都での運動の質を築地
  を契機として、少しでもレベルアップしたいものです。
   ちなみに、記者会見でも言いましたが、神田市場の移転には56年もかかった理由は、営業を続けた業者が居たからに違いありません。つまり、「壊されなかったか
  ら営業できた」わけではなく、「営業を続けた業者が居たから壊せなかった(営業権の主張はしなかったようです)」のです。もしも、営業を続けている業者が居ても
  法的に壊せるものならば、移転に56年もかかるはずがありません。「56年かかった」は、そのことを意味しています。

  ・10月11日、都が「業者の引っ越し手伝い以外の入場を認めない」と嫌がらせをするなか、予定通り築地市場買物ツアーを実施することができました。
   都の西坂部長・猪口部長は、約100名のツアーの一行に一カ所以外ずっと付きまとって「営業はできません」、「営業はしていません」を壊れたレコードのように繰
  り返していましたが、気の毒にも無視されっぱなしでした。一カ所とは、すでに中に入って営業していた物販業者丸八さんの店でした。「営業はしていません」が嘘で
  あることがバレるので付きまとえなかったのでしょう。どこかに隠れた理由は見え見えでした。思わず笑ってしまいました。
   仲卸業者も明藤さんと山口さんが営業されて、水産物が飛ぶように売れ、完売しました。いつもより売上げが多かったに違いありません
   茶屋では、皆さん、猿渡さんのとても奥の深い話に聞き入っておられました。築地市場と豊洲市場の相違点を見事に突かれているお話です。
   私も、数回、法的な説明をしました。理解していただけたように感じました。
   今後もツアーを続けますので、機会をみてどうぞご参加ください。
  ・もうおわかりでしょうが、築地問題を「築地市場移転」と捉えていては問題の本質を把握できません。本質は「豊洲市場の新設」及び「築地市場の廃止」です。
   都は、従来「築地市場の業務規程変更(位置及び面積の変更)により豊洲市場になる」と説明してきましたが、「築地市場の業務規程」を変更することで「築地市場
  が豊洲市場に変わる」はずはありません。「築地市場at築地」が「築地市場at豊洲」に変わるだけです。この説明は、卸売市場法第14条「廃止の認可」の必要性を誤魔
  化すためのトリックなのです。
   本質に気づくヒントになったのは、都の財産運用部管理課の福地課長が8月29日に「今回の事業の起業地は豊洲だけ。築地は含まれない」と言われたことです。
  「築地市場の業務規程変更により豊洲に移転する事業なら変更前の築地も変更後の豊洲も起業地に含まれるではないか」と言ったのですが、ムキになって「豊洲だ
  け」と断言されました。初めに「起業地はどこですか?」と尋ねた際に、一瞬怯まれたこともまたヒントになりました。
   福地発言は、公共用地補償要綱が築地問題に適用されるか否かをめぐる議論のなかで言われたのですが、実は、要綱を巡る議論の狙いはここにあったのでした。極
  めて貴重な発言をされた福地課長に感謝します。
  ・以上のようなわけで、築地問題の見出しを「築地市場移転問題」から「築地市場廃止・解体問題」に変更します。

  ・10月12日、第2回築地市場買物ツアーの報告です。
   とうとう都は築地市場内で営業すること、及び市民が買物をするために入場することを認めざるを得なくなりました。法的には完全勝利です。
   朝8時半頃正門前に着くと、西坂啓之(東京都中央卸売市場事業支援担当)部長から、「水谷さんと先生にまず話がある」と言われました。初めは、そんな個別の
  話合いには応じられないと断っていたのですが、どうしても応じてくださいと請われたので、正門前に集まっていた皆さんの了承を得たうえで応じました。水谷さん
  に電話したら到着が一時間ほど遅れるということで、一人で西坂部長の話を聞きました。
   話の内容は、食品衛生法に基づく営業許可の話でした。一枚の資料を基に、「食品衛生法に基づく営業許可が必要である」旨の話をされ、その資料を渡されました。
  「今日のこちらからの要請はこれだけです。中で買物をされる方にその旨説明をしてください」ということでした。
   渡された資料を下に掲載します。
   食品衛生法に基づく営業許可
   西坂部長の要請を了承すると、集まっていた市民全員が入場でき、第2回買物ツアーをきわめて順調に実施できました。
   ツアー中は資料を熟読する余裕がないので、帰宅後、資料に目を通しました。一読して呆れました。食品衛生法に基づく営業許可は、鮮魚以外には必要なく、鮮魚も
  店舗でなく行商の場合には必要ありません。現在営業されている仲卸業者の中で鮮魚は山口タイさんだけなので、山口さんには自転車の荷台で売ってもらおうかなど
  と愚考を巡らせたのですが、仙台の東北地区水産物卸組合連合会の菅原邦昭さんから「築地の仲卸業者はすでに食品衛生法の許可は受けてますよ」という貴重なご指摘
  を受け、自転車も不要であることがわかりました。
   不可解なのは、一体なぜ西坂部長がこんなくだらない資料を渡したかです。しかも、別れ際には「明日は正門前に集まった皆さん全員にこの説明をします」と言わ
  れていました。いくら考えてもその理由がわかりません。冗談かユーモアなのでしょうか。
   ともあれ、営業すること及び買物目的で入場することに法的問題点が全くないことは今日で明確になりました。
   どうぞ、安心して明日以降の買物ツアーにご参加ください。明日は、8:40開始予定、営業は9:00-11:00です。

  ・10月13日、第3回築地市場買物ツアーの報告です。
   1.今朝は西坂部長から正門前に集まった皆さんに「食品衛生法に基づく営業許可」の説明があるはずでしたが、実際には何の説明もありませんでした。おそらくこの
  ホームページを覗かれて説明するのが恥ずかしくなられたのでしょう。今後は同様の愚行を重ねられないよう願いたいものです。
   それにしても、なぜ「食品衛生法に基づく営業許可」を持ち出されたのか、依然として不可解です。小池知事ブレーンの小島敏郎氏(環境省OB)がツイッターで同
  様のことをつぶやかれた(もちろんペンネーム)ためではないかとも言われていますが、ツイッターをやらない私には真偽のほどは分かりません。
   2.今日は入場にとても苦労しました。昨日は、買物の際に「食品衛生法に基づく許可」を私が説明するとの条件だけで入場できたのに、今日は「中で営業している業
  者がいない」を理由に入場を拒まれたのでした。というのは、今日は明藤さんが疲労等の理由で営業を休まれたからです。山口さんや丸八は営業されていましたが、
  それを言っても全く効果はありませんでした。営業されていたのが店主ではなく、従業員だったからです。営業権は店主の持つ権利ですので、やむを得ません。
   30分ほど押し問答を繰り返した挙句、せっかく正門前に集まられた皆さんをいつまでも待たせるわけにはいかないので、今日だけはやむを得ず「買物及び引越しの手
  伝い」を理由に挙げて入場しました。「引越しの手伝い」を理由に挙げれば17日までは入場できることは知っていたものの、その理由だけで入場しても「営業と買物で
  解体を防ぐ方針」にそぐわないので理由に挙げるのをためらっていましたが、明日以降は必ず営業権者(店主)に営業してもらうことを前提に、機転を利かせて「買物
  及び引越しの手伝い」を理由にしたのでした。約束通り、店からゴミ袋を持ち帰って「引越しの手伝い」をしました。
   もちろん、正直にこれを書くのも、明日以降は必ず店主に営業してもらう目処が立った(ただし、営業時間は11:00-12:30に変更)からです。営業の意思のある店
  主は複数おられるものの、今日は打ち合わせ不十分で一人もおられなかったために苦労したわけで、店主の皆さんに強く要請して、明日以降、買物ツアーの開始時には
  必ず一店は店主に営業していただくように打ち合わせていただいたのでした。
   しかし、以上の事実は、図らずも、店主による営業が一店さえあれば買物ツアーを実施できることが明確になったことを意味していますので、かえって「怪我の功名
  」になったとも言えます。
   関連して、丸八では、ツアー一行が到着するまで、先回りして店を訪ねた西坂部長が「販売するな」と命令して従業員の方が困り切っておられました。そのため、私
  が「販売するなというのは、営業権(財産権)の侵害であり、憲法違反である。これに対する反論がない限り、買物を実行する」と言って買物を実行しました。もちろ
  ん西坂部長からは何の反論もありませんでした。
  3.今までの記述から、西坂部長・猪口部長は、ずいぶんひどい人だと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。ひどいのは小池知事及び都の数人の最高
  幹部であり、両部長とも上司の方針に逆らえないのです。安倍政権下で、政治家や官僚等々に蔓延してしまったありふれた現象の一例にすぎません。責任は、小池知事
  及び最高幹部、さらに言えば、小池・舛添・猪瀬・石原(青島も含まれるように思います)というふうに、私利私欲に満ちた人たちを見抜けずにまんまと騙されてきた
  都民にあると思います。
   これまでのツアーの過程で西坂部長を罵倒する人を目にしたことがありますが、その人に「人格攻撃するのはやめなさい。欝憤晴らしをしているだけで何の意味もな
  い」と言いました。攻撃の対象は都政であり、都政に従わされている役人個人ではありません。
   政策・方針をめぐって激しく対立することは当然です。しかし、そのなかでもふと相手の人間性を感じることがあります。私も対決の場面以外では、挨拶や礼儀を欠
  かさないように心がけています。
   昨日は、築地市場を出る際などに挨拶を交わす西坂部長に人間性を感じましたが、今日は、猪口部長に人間性を感じました。というのも、入場の際に西坂部長が「記
  帳しなさい」と言うのに対して、「昨日記帳なしの入場を認めたので、今日も記帳なしでいいです」と言ってくれたからです(昨日は、猪口部長から記帳を要求された
  際に、私が「それは命令ですか、それともお願いですか」と問うて「お願いです」との回答を引き出していたのでした)。
   実際に現場で闘った経験のある方ならお分かりになると思いますが、対決している相手に人間性を感じる瞬間は、とても嬉しいものです。今日は、猪口部長に人間性
  を感じたため、「フェアーにやっていただいて有難うございます。フェアーさが大事だと思います」とか「貴方個人を責めているわけではないですよ。ひどい都政に従
  わざるを得なくて貴方も大変だと思います」などの会話をすることができました。こんな会話を交わせることが、現場で闘うことの醍醐味の一つと思います。
   「罪を憎んで人を憎まず」にも通じる姿勢と言えますが、この姿勢を大事にしたいものです。

  ・10月14日、現在の攻防戦の焦点は撤回書です。
   築地市場の業者は営業権を持っていますので、都は営業権者の同意を得なければ、建物の解体はできません。営業権者が通常の営業を続けるだけで解体を止められる
  のです。営業権者(財産権者)は「都が強大で自分は微々たる存在」と錯覚させられていますが、本当は「自分が強く都は弱い」のです。
   ところが、この力関係は、都の書類に署名捺印することで逆転します。署名捺印は権利を放棄することを意味するからです。
   築地市場の場合も、都がもろもろの書類への署名捺印を求めました。それに署名捺印しない限り、都は弱いままであり、解体事業を実施できなかったのです。
   ところが、築地の運動の長い間のリーダーだった中澤誠氏が「署名捺印してもいい」と言ったために、多くの営業権者が署名捺印してしまい、力関係が逆転して
  しまったのでした。ちなみに、その後中澤氏は、自らの判断の過ちを一切謝罪していません。責任感のかけらでもあれば必死で集めるはずの撤回書(後述)も一通
  も集めていません。また、わざわざ茶屋の猿渡氏の所まで来て、前掲「猿渡氏文書」の中の撤回書集めに関する記述を削れと言ったそうです(その他にもいろいろ
  ありますが、今は時間がもったいないので、いずれまた書くことにします)。重要な局面になると、その人間の本質・正体があぶり出されるということです。言葉で
  は誤魔化せても行動が証明します。実際に営業を続け、懸命に奮闘されている方々からは、もう誰からも信用されていません。
   力関係を再逆転するために取り組んだのが、撤回書です。撤回とは、新しく発生した事情に基づいて以前の意思表示を撤回することです。築地業者の場合、豊洲市場
  でのカビ及び陥没の発生を知ったからという理由で「いずれ築地市場に戻る可能性を残しておきたいので私有物を残し、電気・水道も引き続き使用します」との撤回書
  を作りました。私有物を残しておけば、解体工事などできません。
   ちなみに、豊洲市場の構造的・機能的欠陥は、今後次々に明らかになりますから、撤回書はこれからも何度でも出せます。欠陥だらけの豊洲市場を造ってくださった
  東京都には心からお礼申し上げます。

  ・10月15日
   本日は、撤回書物語をお届けします。
  1.撤回書物語1
   10月2日、撤回書を88通集め、明藤さんと猿渡さんが築地市場内の都事務所に提出しました。何も注文を付けられることなく、受領スタンプを押して受領してくれま
  した。
   ところが、翌日、88通を明藤さんに返しに来ました。理由は「実印でないものも含まれる」、さらには「気持ちのこもっていないものも含まれる(???気持ちのこ
  もった文書とやらを見せてほしいものです)」というものでした。人のいい明藤さんはそれを受け取ってしまわれました。
   その後、前から実印だったものと新しく実印を押したもの、計65通を10月6日に都事務所に提出に行きました。私も同行しました。
   ところが、驚いたことに受取りを拒否するのです。押し問答すること約30分以上。頑として受取を拒否します。とうとうしびれを切らして、私が「こんな子供じみた
  行為をして恥ずかしくないのか。受領を拒否しても、郵送すれば済むことだから、何の意味もないんだよ。こんなくだらないことで時間を潰すのはお互いにもったいな
  いじゃないか。‥‥でも、おかげで、また都を攻撃する材料が増えた。どうも有難う」と言って事務所を去りました。
   いかに撤回書が重要かを示すエピソ-ドですが、都のうろたえぶりは、逆に撤回書の重要さを自ら証明しているようなもので、かえって有難いくらいです。心の中で
  はともかく、何食わぬ顔をして素直に受け取ればいいものを、「受取り拒否」などするから重要性がバレてしまうのです。
   ひどい対応でしたが、一つだけ救いがありました。それは、担当課ではないのに「行政に携わる者として、勉強したい」と言われて同席された方がおられたことでし
  た。終了後、「勉強になりました」と言われました。役人の中にも心ある人はいるなと嬉しく思ったことでした。また、後日、その部屋にいた、ある職員の方と話す機
  会がありましたが、「先日は、恥ずかしいことをしてすみませんでした。あんなことは行政としてやってはいけないと思います。でも、我々は部下の立場なので、何に
  も言えないんです」と詫びてくれました。嬉しく拝聴しました。
  2.撤回書物語2
   65通もの撤回書が届いたことは都にとって大変な痛手です。私有財産には手を付けられず、もちろんアスベストを含む建物の解体などとうていできないからです。
   慌てふためいた都は、私有物を残した業者に「築地市場閉場に伴う市場施設の造作等原状回復計画書の提出について」というタイトルの次のような文書を送り付け
  てきました。
   東京都の撤回書対策文書(10月10日付け)
   愚か極まりない恫喝文書です。
   第一に、いたるところにゴマカシと恫喝を盛り込んでいます。例を挙げればきりがないので、二つのの大きなゴマカシを挙げましょう。
   冒頭に「条例第88条に基づき、使用指定又は使用許可を受けている市場施設」とありますが、条例第88条は次のように規定されています。

   (市場施設の使用指定等)
   第88条 市場内の用地、建物、設備その他の施設(以下「市場施設」という。)のうち、卸売業者、仲卸業者及び関連事業者が使用する市場施設の位置、面積、期間
      その他の使用条件は、知事がこれを指定する。

   すなわち、前掲「東京都との話合いについて」に書いているように、88条は、仲卸業者等が営業できることを前提として、その使用条件を定めているにすぎません。
  つまり、施設使用については許可でなく条件指定しかなされないのです。それを「使用指定又は使用許可を受けている市場施設」というふうに、「又は」を使って市場
  施設の使用に許可が必要であるかのように書くのは、ゴマカシであり、恫喝なのです。
   最も大きな恫喝として、「条例違反に基づく豊洲市場での監督処分」を示唆しています。しかし、処分としては「許可の取消し」がありますが、「業者の許可の取消
  し」は条例28条(仲卸業者)及び第42条(関連事業者)に規定されており、取消し理由として次の四号が挙げられていますが、本件に関するような号は全くありま
  せん。
  一 正当な理由がないのに第二十四条第一項の許可の通知を受けた日から一月以内に第二十六条第一項の保証金を預託しないとき。
  二 正当な理由がないのに第二十四条第一項の許可の通知を受けた日から一月以内に当該仲卸しの業務を開始しないとき。
  三 正当な理由がないのに引き続き一月以上その業務を休止したとき。
  四 正当な理由がないのに仲卸しの業務の遂行を怠つたとき。
   また、「許可の取消し」をするには、憲法31条及び行政手続法に基づき「聴聞の機会」を設け、公開で本人に弁明の機会を与えなければなりませんが、そんな機会
  を設ければ、都の数々の不法行為・恫喝行為等々が公の場で明らかにされますから、設けられるはずがありません。設けてくれれば有り難いのですが、都にできるは
  ずがありません。
   第二に、この書面は10月10日付けで出されていますが、実際に業者の皆さんに届いたのは、12日(金)又は13日(土)です。営業権組合の共同代表村木さんに届いたの
  は13日です。ところが、書類の受付日時は「10月10日(水)から14日(日)」とされています。記入事項には、造作等を撤去する場合の「造作工事契約書及び設備契
  約書の写し」まで要求されており、しかも「計画書が提出されなかった場合及び提出された計画書に上記に記載の事項が網羅されていない場合には、当初の原状回復義
  務の免除申請が有効なものとして取り扱います」とされています。分かり易く言えば、計画書を提出しない場合及び提出されても全ての事項にわたって記載されていな
  い場合には、撤回書を無効とし、当初の「原状回復義務の免除申請」の書類を有効とするということです。
   びっくりするような内容です。「撤回」という行為の法的効果を全く無視した目茶苦茶な内容です。
   そのうえ、土曜日に届いた書類に記入し、「造作工事契約書及び設備契約書の写し」まで添付して翌日曜日15時までに提出しろ、というのですから、呆れ果てて絶句
  するほかありません。
   内容のうえでも、届け出期限のうえでも、こんな目茶苦茶な書類が通用するはずがありません。おそらく、行政の出した公式文書としては、目茶苦茶さの点で史上一
  位に違いありません。「公序良俗に反する」あるいは「条理に反する」のひとことで片づけられるしろものです。
  3.撤回書物語3
   事実は小説よりも奇なり。撤回書に関しては、まだまだ予想をはるかに超えた面白い展開をします。
   東京都の撤回書対策文書について、村木さんが「公序良俗に反する」と通告しようとして、14日(日)の9:27,9:50,14:23の計三回、連絡先として記されている「中
  央卸売市場築地調整担当(跡地管理)」の電話番号03-3542-0325(直通)に電話されたそうです。
   ところが、ビックリ仰天。9:27には、畠山(漢字は正確でない可能性あり)氏が出て「担当者がいない」と言ったそうです()。9:58には、誰も電話に出ず。14:23
  には、9:27と同じ声の主が出て「担当者が居ない」と言ったので、氏名を聞いたところ「はたけやま」と名乗ったそうです。
   14日午後3時まで(午前9時から)に書類を提出しろ、提出しないと撤回書を無効にする、と書いておきながら、また異例の日曜出勤もしておきながら、「担当者が
  いない」とは、その無責任ぶりには唖然茫然です。
   そして、14日15:24、猪口部長から村木さんに電話が入りました。
   まず、届け出期限について抗議すると「村木さんは提出が遅れても受け付けます」と言ったそうです。これにも呆れますが、「公序良俗に反する」を言うと、「わか
  って下さいよ」と延々と泣き言を言ったそうです。
   いったい何をわかって欲しいというのでしょうか。これまで散々、違法行為や恫喝を重ねてきた都の行動の何をわかって欲しいというのでしょうか。
   猪口部長との電話を終えた午後3時50分頃、村木さんから電話をいただきましたが、村木さんは「泣き落としが始まりました。ということは、都はもう崖っぷちまで
  追い込まれたということです。ますます元気が出てきました」と大変喜んでおられました。
   猪口さんも、意図されたかどうかはわかりませんが、ようやく大きな貢献をされましたね。Good job! お見事です。
   村木さんは、猪口部長との電話での会話内容を15日に仲間に報告され、皆さん、大いに気勢を上げられたそうです。
   さあ、いよいよ築地劇場も大団円に差し掛かりました。都の断末魔の悪あがきをタップリ味わい、楽しみましょう。

  ・10月16日
   なんだか、ホームページではなくブログのようになってきましたが、事態が刻々動くのでやむを得ません。
  1.買物ツアー第4回・第5回
   買物ツアーは、15日(4回)も16日(5回)も順調に終えることができたようです。
   仲卸業者は、15日は杉原さんが、16日は堀富さんが営業をされました。物販の丸八(店名なので「さん」は付けません)、茶屋の猿渡さんは、もちろん両日とも営
  業されました。
   実際に営業されると、とても自信がつき、元気になられます。自分の持つ権利がいかに強いか、それを行使することがいかに大事かが肌でわかるからでしょう。
   私は1~3回を始めから終わりまでお世話しました(3回目は終了間際に田中さんと三角ベースを楽しみました)が、「法的には完全に論破しました。あとは、皆
  さんが今まで通り営業されればいいだけです」と営業権者の方々に言って、4回目からは参加していません。ただ「都から何か言われて応答に困ったら電話を下さい」
  と言ってあり、常に携帯に出られるようにしています。実際に電話があったのは、杉原さんから「西坂部長が食品衛生法の営業許可のことを言ってきた」との電話だけ
  でした(西坂さんは、私が居ないので安心して言ったのでしょう。よかったですね)。「干物は営業許可は要らない、と言えばいいですよ」と教えて簡単に解決しまし
  た。
   5回目の堀富さんは、何の問題もなく、順調だったようです。もちろん、丸八も猿渡さんもです。
   これで買物ツアーが軌道に乗ったことは間違いありません。ただ、都が18日に「閉場、電気・水の停止」と言っているので、18日を乗り越える必要はあるものの、
  さして難しくはないでしょう。
   ちなみに、「18日に警察が来たらどうしよう」と心配されていた方が居たようなので書いておきますと、全く心配は要りません。買物ツアーに、警察が関与する余
  地は全くありません。営業権者が営業し、市民が買物しているだけなので、介入できるはずがありません。
   もちろん、1回目(11日)には私服刑事が多数参加されていたようです。しかし、何もすることはないので、またお安くなっていますので買物してくれたに違いあり
  ません。ご協力、有難うございました。
   都は、ご苦労なことに、11日に備えて、暴力団が押し掛けることを想定した武闘訓練を行なっていたそうですから、私服刑事が来たのは当然です。しかし、すぐに、
  ただの「営業と買物」であることがわかったはずです。2回目は買物客を装って一人だけ参加されていたので、記念写真を撮ってあげました(ちなみに、公務員が公
  務についているときには肖像権がないそうですので、どんどん撮ってあげて、どんどん拡散して有名にしてあげましょう。できれば役職・名前付きで)。3回目はゼロ
  だったと思います。
   警察が取り締まるべきは、むしろ、何の法的根拠もなく違法事業・違法行為を行なっている都のはずです。買物ツアーを監視する暇があったら、都のほうを監視し、
  取り締まるべきでしょう。警察は心強い私たちの味方です。警察の方々、しっかりしてくださいよ。
   諌早湾では、2002年に漁民とともに埋立地に入って(私が入っても大丈夫と保証しました)埋立工事を止めていましたが、その際には、顔見知りになった刑事に
  「漁民には何の法的問題もない。詳しく説明してあげるから警察で勉強会を開きなさいよ」と再三勧めていました。残念ながら勉強会は実現しませんでしたが、本人
  は理解してくれていました。

  2.電気・水の停止をできるはずはない
   都は、18日から築地市場業者への電気・水の供給を停止すると言っています。そんな横暴なことができるのでしょうか。
   電気・水の供給に関しては供給事業者に供給義務が課せられています。
   これは、電気・水の供給事業が公益事業として営まれているからです。そのため、電気・水は長い間、地域独占(関東地方なら東京電力、というように各地域で一社
  が供給を独占すること)で営まれてきました(水は今でも地域独占です)。地域独占企業は、地域独占を認められる代わりに、当然のことながら、供給義務を課せられ
  てきました。電気も水もライフラインですから、地域独占企業に供給拒否を認めれば、人の生死に関わるからです。電力は自由化が進んできましたが、2020年発送電
  分離までは、東京電力等の電力会社(従来の地域独占事業者)に最終供給義務が課せられています。
   では、借地人や借家人が給電を希望しているのに、地主や大家が同意しないからといって供給を停止することはできるでしょうか。
   この点について、明確に回答している厚生省水道課長通知(昭和33年9月25日)があります。同通知は、多くの設問に答える形式を採っていますが、問53の問答は
  次の通りです。

   第15条(給水義務)関係
   問53 給水契約は需要者から申込があると拒むことはできないが、家主、地主の同意は不要なのか。例えば家賃の滞納で家屋明渡問題の起っている場合家主から反
    対がある場合は正当な理由として拒み得るか。
   答 給水区域内から、工事費を添えて給水工事施行の申込があつた以上、拒み得ない。水道事業者は、給水義務があるのであって、単に家主等の反対があるからとい
    って拒否の理由にはならないものと解する。

   電気もまた水と同じく供給義務がありますので、同じことが言えるのは明らかです。
   したがって、築地市場の地主である都が拒んでも、営業権者が供給を希望すれば、電気・水の供給を止めることはできません。
   ましてや、公共機関たる都が、ライフラインの供給を停止するとしたら、それこそ前代未聞の大変な違法行為になります。

  3.損失補償・損害賠償請求書
   営業権、撤回書につづく第三弾、「損失補償・損害賠償請求書」を放ちました。
   銀座に近く便利な築地から「陸の孤島・豊洲」に移転した業者は、多くの得意先を失っています。移転に伴って業者の売上げが減少する最も大きな要因です。
   本来、この経済的損失に対して事業(加害行為)を行なう前に補償が必要なこと、すなわち損失補償の必要性については、すでに述べた通りですが、要点をまとめた
  ファイルを次に再掲しておきます。
   築地解体と得意先喪失補償
   得意先喪失補償は事業の前にだけ必要とは限りません。事業前に得意先喪失の損失補償を受けなかった人は事業後に損害賠償として得意先喪失補償を請求できます。
   営業権組合では、築地で営業を続けている方からは得意先喪失の損失補償の請求書を、また移転後、豊洲でのみ営業されている方からは得意先喪失の損害賠償請求書
  を集めることにしました。次に掲げます。
   得意先喪失補償請求書
   また、築地に置いてある私有物の中には、豊洲に移動できない物や豊洲では使えない物があります。それらに対しては、上掲の東京高裁平成3年7月30日判決で損失
  補償が必要とされていますので、やはり、損失補償請求書を集めることにしました。次に掲げます。
   設備・備品に関する損失補償請求書
   豊洲に移転した皆さんも築地で営業されている方も売上げが減少して困窮しておられますから、多くの補償請求書が集まると思います。
   今回の補償請求書集めにより、業者には次の三つのグループができると思います(二つのグループにダブって属する方もおられます)。
    A.築地で営業を続けるグループ
    B.豊洲に移転したが、いずれ築地に戻る可能性を確保しているグループ
    C.豊洲に移転し、得意先喪失の損害賠償を請求するグループ
   Cグループには、A・B以外のほとんどすべての業者が属することになると思われます。。そして、今後、CからBやAへ、BからAへと移行する方が次第に増えていく
  でしょう。
   豊洲市場の欠陥は次々に露呈していきますので、いずれは、豊洲がガラガラになり、築地が再建される。そうなることが目標ですし、充分実現性はあると思います。
   ちなみに、豊洲に移転された方が廃業される場合には、どうなるでしょうか?
   移転に起因して廃業される場合には、当然「営業廃止補償」が必要です。また、営業権は売買できますので売ることもできます。もちろん売る場合には、営業廃止補
  償は受けられません。
   では、築地と豊洲の両方で営業されている方は、豊洲の営業権を売って築地での営業を続けることができるでしょうか?
   当然できます。豊洲の営業権は許可に基づき、築地の営業権は暖簾に基づいているからです。現に両方で営業されている方がおられることがそれを証明しています。
   豊洲の欠陥が次々に明らかになっていくので、豊洲の営業権価格は今後下っていく一方でしょう。豊洲移転で経済的に困窮されている方は、できるだけ早く豊洲を売
  り、築地に戻って営業されることが、経済的にはベストの方法でしょう。売るならお早めに。
   他方で築地に戻ってくる業者が増えて、改築等をせざるを得なくなるでしょうから、その後、高くなった築地を売ることも可能です。

  4.畏友の金言
   私事にわたって恐縮ですが、私は31年間大学の教員を務めました。31年前私の就任した学部は大学のステータスを高めようとの意図で創られた新設学部で、有名教
  授がキラ星のごとくおられました。しかし、残念ながら、今日まで、その学問の姿勢や生き方に尊敬の念を覚えた学者は、他大学を含め、わずか2~3名しかおられ
  ません。弁護士とも100名以上知り合いましたが、信頼できる方は数名しかいません。地位や名声のある方の大部分は、お付き合いしているうちに、金や地位や名誉を
  欲しがって生きていることが見えてきて、最近では「地位ある人はそんなもの」と初めから思うようになっています。他方で、無名で黙々と生きてこられた方々の中に
  素晴らしい方を見出すことが少なくありません。築地でもそのような方に出会えたことが、関わるうえでの原動力になっています。
   全く場違いの感のある、こんな私事を書いたのも、今日、一年前に知り合ったものの、もう数十年間お付き合いしてきたかのように、生き方に共鳴でき、尊敬できる
  畏友から、昨日ホームページに書いた中澤氏についてのコメントに関するメールをいただいたからです。畏友が中澤氏をご存知だったとは知りませんでしたが、何度か
  会われたり、話を聞かれたりしたことがあるとのことです。
   そこには、中澤氏について、次のように書かれていました(本人のご了承を得て、主要部分を抜粋します)。
   ・運動の「主導権は俺にある」ことを、様々な謙遜な表現を装ったつもりながらも、恥知らずに、ぬけぬけと語る。この取り組みは、業者が主役で、最後は彼らの踏
    ん張りぬきこそが死命を決する、ということには気づいていない?少なくとも「反対運動の宣伝のための反対」としか考えていない(どっかの党派集会などで見聞
    した、ありきたりのカッコウ付け挨拶を自分もしているという「喜び」に溢れている姿に、心底、辟易したことを、つくづく思い出します)。
   ・「排他的」である。つまりは、自分の所属する党派に「俺が頑張ってる」姿を知ってもらいたいという欲望、あるいはヘツライが、セクショナル臭の元にある。
    だから、リーダーは俺でなければならないと「顔に書いて」いる。⇒本人気づかず。
   実に的を射ていると思います。私が漠然と感じていたことを見事に表現されています。
   拙著『漁業権とはなにか』でも強調していますが、運動は、権利者たちが自らの持つ権利を自覚して、それに基づいて闘うようなスタイルでなければ勝てないと思い
  ます。実際、私は、これまで主としてそのスタイルで、約20例余りの埋立・ダム・原発を止めてきました(詳しくは『漁業権とはなにか』参照)。
   権利者の自覚や主体性を促すのでなく、「私が指導してあげる」としゃしゃり出てくるようなリーダーは、所詮、自分の私利私欲に根差しているとみて間違いないと
  思います。彼らは、権利が侵害されようが、運動が負けようが、どうでもいいのです。彼らがリーダーシップをとったというお手柄だけが欲しいのです。ですから、権
  利者が「指導者」への依存を脱し、自らの権利に基づいて闘おうとすると、自分のリーダーシップが脅かされるため、「最後のデモ」などを企画したり、勝つつもりも
  勝つはずもない訴訟(ヒラメ裁判官が敗訴させてくれることは先刻承知、だから初めから「勇気ある裁判官に恵まれれば」などと敗訴時の言い訳・責任回避の逃げ口上
  を言うのです。これで約50万円もの訴訟費を原告から巻き上げたのですから、ヒラメ裁判官とグルになった詐欺のようなものです)を起こしたりして運動の収束を図る
  のです。このように整理すると「署名捺印してもいい」とか「撤回書集めの文章を削れ」などと言った中澤氏の行動がよくわかるでしょう。
   この問題は、日本の革新運動や住民運動全般に共通の問題だと思います。要するに、運動が、当事者自身を主体とするのでなく、「指導者」の手柄争いに利用されて
  いるということです。もうそろそろ、この問題に気づいて、権利者が主体となる方向に切替えていかなければ、日本の革新運動・住民運動は、いつまでも負け続けるこ
  とになるでしょう。
   私は、1976年以来、40年以上住民運動のサポートを続けてきましたが、最も厄介で苦労させられたのは、いつも、相手との闘いではなく、「味方」の中の「指
  導者」の存在でした。どこでも「指導者」は、権利者自身が運動の主体となることを嫌がるからです。そもそも左翼でよく使われる「前衛」という言葉・意識自体
  が、「指導者」の傲慢さを示していると思います。
   畏友からのメールは、この「指導者」、「前衛」の問題を鋭く突いておられます。
   メールをいただいて、すぐに電話しましたが、「ヒラメ」には「赤ヒラメ」も居るとの名言に感心しました。「ヒラメ裁判官」は周知の言葉ですが、いわゆる左翼の
  中にも、党派の中で上を向いてばかりいる「ヒラメ」が居るという意味です。あのオウム真理教の中でも尊師等の称号をめぐって出世争いが起きていたのですから、
  よくわかりますし、実例を挙げるまでもなく、どの組織にもみられることです。誰もが多かれ少なかれ持つ、この人間の卑しい側面が、支配に丸ごと利用されている
  と思います。
   しかし、タイトルにある「金言」とは、メールの文章でも「赤ヒラメ」でもありません。畏友は、これだけ中澤氏を酷評されながらも、「いま批判を受けることが
  中澤氏の為になる。成長につながる」と言われたのでした。さすがは畏友です。とてもそこまで思いが及びませんでした。敬意を表しつつ、私も見習いたいと思いま
  す。
   実際、中澤氏は優秀な人です。その優秀さを「赤ヒラメ」の方向ではなく、人に貢献する方向で活かされれば、将来とてもいい仕事をされるようになると思います。
   その方向でのご健闘を祈ります。

  ・10月18日(木)
   今日、「一世一代の晴れ舞台」に立とうとは夢にも思っていませんでした。しかし、私が何歳まで生きようと、そうなるのは間違いありません。しかも、その舞台
  が、築地でありながら、歌舞伎座でなくバリケード上というのが、私にふさわしくて最高でした。苦労して私の晴れ舞台を準備してくださった小池都知事始め、東京
  都の皆様に心より御礼申し上げます。
   以下、2018年10月18日築地劇場のシナリオの報告です。
  1.第一幕
   築地市場正門に高くて頑丈なバリケードが築かれ、とても入れる状況ではありませんでした。
   それで、バリケードを登り、向こう側が見える所に立って、中にいる都の役人・ガードマンを見渡しながら、「入場制限の法的根拠」を問いました。
   しかし、都は一切回答しませんでした。今さら「10月11日施行の改正条例」を持ち出しても、このHPでとっくに論破されているため、公衆の面前で恥をかくのが
  目に見えているからでしょう。「入場できません」を、また「壊れたレコード」のように繰り返してはいましたが。
   そこで、「都は先に閉場・解体事業の根拠を10月11日施行の改正条例と回答してきたが、のれんに基づく営業権は築地業者の長年の営業努力に因る権利であり、条
  例の存在や改正とは何の関係もない」旨説明し、「何か反論があるか」と問いました。そして、何の反論もないので、「都には入場制限の法的根拠が全くないことを
  確認した」と告げました。
  2.第二幕
   次に、バリケードの外の市民側(公安も多数来ているとの情報を得ていました)を振り返り、「警察・公安の人、手を挙げてください」と呼びかけました。
   誰も手を挙げないので、「今日は、警察・公安は私たちの味方なんですから、安心して名乗り出てください」と言いましたが、それでも誰も名乗り出ません。
   そこで、こちらから「もしも都が営業業権者の入場を妨害したら、刑法第234条、威力業務妨害罪にあたります。警察・公安の方、逮捕してください」と言いま
  した。威力業務妨害罪とは、通常、警察が市民に対する脅しに使う言葉ですが、今日は、市民が警察に対してその適用を要請したわけです。おそらく、聞かれてい
  た市民も都の役人も警備会社も警察・公安もビックリされたことでしょうが、その内容を知れば、決して驚くようなことではありません。
   刑法第234条は、「威力を用いて人の業務を妨害した者は、懲役3年以下、又は50万円以下の罰金に処する」旨規定しています。そして、ここにいう「業務」に
  は、平穏になされている限り、法律に違反した業務や無許可の業務も含まれる、とされています(例えば、次のサイトを参照)。
     http://park.geocities.jp/funotch/keiho/kakuron/kojinhoueki3/35/234.html。
   違法どころか、財産権である「のれんに基づく営業権」の行使を妨害すれば威力業務妨害罪にあたることは、火を見るよりも明らかです。
   実は、警察はパトカー1台及び装甲車(20~30人乗り)5台が近く(朝日新聞社のそば)まで来ていたのです(11時半頃来たと目撃者の方から聞きましたし、私
  自身も待機しているのを目撃しました)。しかし、攻防戦の戦場までは来れなかったのです。理由は明白。来れば、私たちから都の役人等を逮捕せよ、と迫られるか
  らです。戦場には来れなかったとはいえ、あれだけのパトカー・装甲車に待機していただき、大変心強く思いました。
   小池都知事が、2,3日前から、NHK等を通じてしきりに「築地市場に警察を呼ぶ」と宣伝されていましたが、本当に有難うございました。小池さん、Good job!
  3.第三幕
   市民から青果門が入りやすいとの情報が入ったので、青果門から入場をしました。
   しかし、あり得ないことに、都の役人や警備会社(会社名を忘れたので後日、掲載します)の社員が、数十名で入場を妨害しました。日刊ゲンダイが「人間の盾を
  次々に突破」と報道したようですが、言い得て妙の表現、まさにピッタリでした。あんなスリルに満ちた体験は滅多にできるものではありません。
   警察なら刑法を順守するはずですが、警備会社社員は全く無知なせいでしょう、ためらいなく暴力的に妨害するのには呆れました。こんな会社は、コンプライアンス
  の点から先行きが暗いに違いありません。潰れたくなければ、もっと社員教育をしっかりしなさい。社員も自ら少しは勉強しなさい。
   やむを得ず、私も二回ほど力比べをすることになりました(二回目は猪口部長と)。自分でも驚いたことに、勝ちました。猪口部長は、背も高く力もありそうなの
  に、古希を一年後に控えた老爺の私が勝ったのは、私は正しい行動をとっているとの信念に基づいているの対して、猪口部長たちは後ろめたさを感じながら行動して
  いたからでしょう。要するに、信念に基づく気合の差です。
   私は、営業権組合の勉強会で、事業を止める鍵は「事業の法的根拠をめぐる法律論と権利者が身体を張ってでも権利を行使すること」と言ってきました(これまで
  20例余りの埋立等を止めてきた経験から得ている教訓です)が、築地もまさにその通りの展開となりました。
   しかし、本来はシャイで温厚な、ただのメタボ爺さんの私に、こんな力比べをさせるなんて、まったく都はひどいことをするもんです。

   おかげさまで、第6回買物ツアーも、「無事に」とはとても言えませんが、幾多の妨害を乗り越え、完遂することがことができました。コース最終の猿渡さんのお話
  を聞く茶屋では、数々の妨害を共に乗り越えた達成感・満足感と連帯感がしみじみと漂い、皆さん幸せな表情をされていました。

   今日はくたびれているので、築地劇場報告はここまでです(後に付け加えたいとは思っています)が、簡潔に追記を三点だけ。
   ①西坂部長が寝転がる動画を拝見。みんなして笑わせてもらいました。あなたも、なかなかの役者ですな。少しおまけ付きで、Good job!
   ②都に対し、営業権組合が次のような「威力業務妨害是正の勧告文」を送付しました。
    威力業務妨害是正の勧告文
   ③ツアー終了後、忘れ物を取りに戻った方の言によれば、中では都職員が疲労困憊、いたるところでグッタリしていたとのことです。肉体的疲労だけでなく、今後、
    逮捕されるかもしれないという精神的ショックからすれば無理もありません。

  ・10月20日(土)
   更新が遅れ、すみません。
   実は、肝腎な時にFTPソフトの期限が切れたのですが、わけがわからずに、修復に時間がかかったのでした。そして、悪戦苦闘しているうちに、同じくわけがわか
  らないまま回復しました。一時は権力の妨害かと疑ったのですが、そうではなかったようです。権力の皆様、疑ったりして、どうもすみませんでした。

   19日第7回買物ツアーも、初めはかなり苦労したのですが、市民(19日に「ヒーロー」と呼んでしまいましたが、すみません、「ヒロイン」でした。毎回参加くだ
  さっている、顔馴染みの年配ご婦人Kさんです)の知恵のおかげで克服し、無事終了。またまた完売でした。市価の3割引きですので、お得ですよ。
   今日は市場内営業場所の管理権限の関係で、都の妨害は一切なかった代わりに中央区の役人5名程度が無謀にも「中央区の管理区域だから営業するな」と言ってきま
  したが、「法的根拠を私のホームページで勉強したうえで文書で示さない限り、認められない」と言っただけで解決、宿題を課した形になりました。大恥をかいたうえ
  に全く法的根拠を失った都に続き、中央区も法的根拠を示し得ないか、仮に示したとしても恥をかくばかりか、威力業務妨害罪で逮捕されるだけです。やめておいたほ
  うがいいですよ。警察への連絡は、110番がいい(他の電話番号では必ずしも駆けつけてくれない)との知恵を提供してくださった市民もおられました。有難うござい
  ました。おかげさまで今まで経験のない110番通報をする機会を楽しみにしております。
   20日も買物ツアーを実施します。ただし、19日ツアーの営業者及び買物客全員一致で決めましたが、20日以後の買物ツアーは13時~14時実施。集合は正門前です。
   警察は残念ながら来てくれないでしょうが、都も区も110番通報が怖くて妨害などできません。万一、警察が来たら、豊洲移転にまつわる都のその他の犯罪をも教え
  てあげます。おいでになるのを心待ちにしています。
   そういうわけで、万一の恐れもありませんので、どうぞ、安心してお買い得の築地市場買物ツアーをお楽しみください。

  ・10月21日(日)
   大変長らく、お待たせいたしました。10月20日に上記のように書いた後、また悪戦苦闘が続きましたが、ようやく更新可能になりました。ホッとしました。
   ただ、行始めが乱れていることに気づき、縮小機能を使ったら見やすくなりましたので、同じ問題で見にくい方は参考にしてください。

   20日の第8回買物ツアーについて事後報告になりましたが、場所は旧ガソリンスタンドで行ないました。やはり完売しましたが、15分ほどで売り切れてしまいまし
  たので、今後、もっと品ぞろえしなければ、と思っております。
   にもかかわらず、買物ツアーに来てくださる方々(中には皆勤の方も何人もいらっしゃいます)には、感謝感謝です。
   午後3時からの営業権組合の反省会兼打ち合わせは、時間の9割方は笑顔と笑い声に満ちた楽しいものでした。皆さん、自信に満ちた表情です。18日という最大・最後
  の山場を乗り越えたからでしょう。威力業務妨害罪という大きな武器を手にしましたので、あとは東京都と築地署を攻める一方、相手は防戦一方になります。この間の
  経緯を知人の弁護士に話したところ、「東京都は、それほど持たないのでは(ギブアップ間近ではないか)」と感想を漏らしていました。
   打ち合わせの結果、来週からは、買物ツアーを定例化し、「火・木・土の13:00-14:00、集合場所は築地市場正門前」で行ないます。販売場所も決めましたが、皆さ
  んが驚かれると思いますので、当日のお楽しみに。
   定例化するとともに、毎回、営業権者の一人(数人のローテーション)が「東京都及び築地署に対する通告(内容のうえでは警告)」をした後、販売を開始することに
  しました。民衆が役所・警察に警告するのですから、痛快ですよ。
   そのほか、買物客の皆さんに笑顔になっていただける新製品も用意しております。権力を恐れぬようになれば面白いアイデアも次々に浮かぶということです。
   最大・最後の山場を越えて、笑顔と余裕たっぷりの買物ツアーの開始です。
   どうぞ、お楽しみに。

  ・10月24日(水)
   23日には、実にいろいろなことがありました。
   すべて書き終えるにはかなり時間がかかりますので、まずは目次を紹介するとともに、各項目ごとに書き終えたら順次アップすることにします。
   1.条例74条で販売妨害を図るも直ちに撃退
   2.正門前での通告・販売
   3.築地署へ威力業務妨害の被害届提出
   4.地上権/借地権に基づく仮処分申請

  1.条例74条で販売妨害を図るも直ちに撃退
   午前10時半頃、築地に向かおうとしていたところ、杉原さんから電話が入り、深刻な表情で「都から、条例74条に基づき、築地での営業まかりならん」と言っ
  てきたとのことでした。条例74条は「豊洲で許可を受けた仲卸業者は、豊洲市場の開設区域(築地も含まれます)内において、豊洲での許可に係る取扱品目の販
  売をする場合には、知事に申請して承認を受けなければならない」旨を規定しています。
   都の法的根拠としては、今までのもの(閉場・解体事業についての①予算を付けた、②改正条例の10月11日施行)よりも少しマシになっています。
   しかし、条例74条を見て、5秒後に(①,②については1秒もかからないで反論が浮かびました)反論を考えつきました
   反論は、「仲卸業者は複数いるから、豊洲から築地に運ぶまでの間に物々交換した」というものです。これで簡単に解決。都の役人たちが懸命に考えたであろう
  主張を一蹴、簡単に撃退しました。その旨杉原さんに伝えるとともに、午後の買物ツアーの冒頭でも紹介しました(注:その後も都の役人が引き続き74条を主張して
  いるとの情報が入りましたので、26日午前中に田中賢也市場長に直通電話(03-3520-8200)して話しておきました。もう二度と言わないはずです。それにしても、
  杉原さんを通じて説明し、正門前で説明し、HPに記したにもかかわらず、直通電話まで全くご存知なかったとは驚きました。都の皆さんには、利権がらみの事業
  で難しいとはいえ、もっと気合を入れて懸命に仕事をしてほしいと一納税者として切実に思います。汚名挽回、捲土重来、大奮起を期待しています)。
   ですが、都の皆さん、都道府県の中で最低の都でも成長できるということです。この調子です。皆さんでも成長できるんです。次回は10秒を目指して、めげずに
  努力しなさいよ。
  2.正門前での通告・販売

   21日にお知らせしたとおり、23日第9回買物ツアーは、正門前での「都・築地署への通告」から始まりました。営業権組合の村木共同代表が、椅子の上に立ち、
  ハンドマイクを持って通告されました。
   通告後、直ちに正門前で販売を始めました。実は、20日の打ち合わせでは「正門前で通告⇒ガソリンスタンドで販売」と決めていたのでした。その後、私が「正門
  前販売」がベターと思い、村木さんに提案して、営業権者の皆さんで相談してもらって、正門前に変更したのでした。「正門前販売」がベターと思った理由は、もし
  も警官が「こんなところで販売するな」と言ってきたら、捕まえて「入場して販売したいのに、都が違法に妨害しているからここで販売してるんじゃないか」、「つ
  まらんこと言ってないで、都の役人を威力業務妨害罪で逮捕しろ」と要求できるからです。他の場所を探して販売できたとしても、それは守りに過ぎず、攻めるには、
  ど真ん中の剛球ストレート(正攻法)がいいということです。
   狙いは的中。200mくらい離れたところにパトカーが一台止まっていましたが、車が近づくどころか、刑事等が車中から出てくることも全くありませんでした。
   嬉しいことに、23日から仲卸業者の吉野さんが営業に加わって下さいましたが、椅子に座っておられた吉野さんに「ほら、パトカーが止まっていても、刑事等が一切
  来れないでしょ。貴方の営業権はそれほど強いということですよ」と現場解説しました。
   「正門前販売」は思わぬ副次的効果をもたらしました。買物ツアーに参加してくださった市民が、売り子になってくださったり、交通整理をしてくださったりしたの
  でした。大いに助かるとともに、思いがけないご協力に一同感激しました。何よりお気持ちが嬉しいです。今後とも、宜しくお願いいたします。
   予告通り、私は、ねじり鉢巻きをして、新商品を販売しました。「何か?」って。それは、買物ツアーにご参加くださった方のみが知ることができる秘密です。23日
  には、皆さん、新商品を見て笑顔になられ、大好評のうちに完売しました。お買いくださる方には、説明のチラシをプレゼントしています。「チラシも保存していただ
  ければ一個百円が一年後には一万円以上になりますよ」との口上も述べました(ただし、売り子の口上の信頼度は「ガマの油」の口上で皆さんご存知のとおり。それを
  承知のうえで買ってくださるのですから、一万円以上にならなくても責任の問いっこなしですよ)。
  3.築地署へ威力業務妨害の被害届提出
  1)築地署でお茶を出させる
   買物ツアー終了後、村木さん、猿渡さんと三人で築地署を訪ねました。ど真ん中剛球ストレート第二球めです。
   まず、受付けで担当課を聞いて、4階の課(名前は忘れました)を訪ねました。
   戸塚亮平巡査長ともう一人日大体育会出身と思われる体格・態度の人(ICレコーダーを見て、「録音するな」と言ってきましたが、「法的根拠を示せ」と切り返した
  ところ、どっかへ行き、約10分後に戻ってきて、何も言わず、初めの高圧的態度はどこへやら、すっかり小さくなっていました)が対応されましたが、「築地市場の件
  で被害届けを出す」と言うと「担当がいますので、そちらで対応します」と言い、しばらくして「担当は外出していますので、出張先から署に戻るよう連絡しました」
  と言われ、一階の部屋に案内されました。思わず、心の中で笑ってしまいました。出張先は築地市場に決まっているからです。おそらく、あのパトカーの中にいたので
  しょう。
   待たされること30分余り。途中、長すぎるので、飲料を買いに部屋を出たところ、戸塚氏が居たので、「被害届を出しに来た市民をこんなに待たせて、お茶も出さん
  のか。こんな対応していたら、被害届を出す市民が来なくなり、そうなればあんたたちの中から失業者が出るんだぞ。お茶ぐらい出しなさいよ」と叱りました。戸塚氏
  は即座に「私が出します」と言って、数分後に、本当に自分でお茶三杯を持ってきてくれました。
   戸塚さん、貴方は大した方です。普通なら女性に出させるところです。それを「巡査長」という地位にありながら、ご自分で持ってきてくださったのですから、いい
  人だと思いました。なんとなくユーモアも通じる方です(肌感覚でわかります)。「あなたはいい人です」と正直に褒めてあげました。「築地署に戸塚亮平あり」、皆
  さん、いい意味で戸塚亮平氏の名前を拡散して有名にしてあげましょうね。

   ようやく、担当の二人が部屋に入ってきました。一人は長瀬一広警部、もう一人は豊田??警部補です。私が名刺を出したのに、無礼千万、二人は名刺を寄こしませ
  ん。長瀬氏は、フルネームを言った後、私が「電話番号は?」と聞いたら、直通は言わず、署の代表番号03-3543-0111だけを言いました。豊田氏には、「下の名前は
  ?」と聞いたら「築地署には豊田は一人です」との答え。呆れましたが、続いて「役職は?」、「警部とは警察の警に部分の部か?」などと尋ねて、質問をひととおり
  終えたとき、豊田氏が名言を放ちました。一言、「厳しい取り調べでした」。吹き出し笑いしました。この名言で、豊田氏もいい人だとわかりました。
   豊田さん、フルネームを教えてくれれば、あなたも戸塚亮平氏同様、いい意味で有名にしてあげますからね。次はフルネームを教えてくださいよ。
   注:皆さん、奇術と同様、私の手法を決してマネしてはいけませんよ。警部が怒って、ますます居丈高になる危険大ですよ。私の命令・尋問口調にはコツがあるんで
    すよ。コツを心得ないで形だけマネしたらとんでもないことになりますよ。下手すりゃ逮捕です。
    「じゃ、コツを教えろ」だって?そう簡単に教えられるもんですか。70年近い人生の中で会得したものですし、各人それぞれ個性がありますから、私の会得したコ
    ツを真似すりゃいいってもんではないんです。人生、苦労を重ねることが大事です。
     しかし、日本の民衆力を高めるには、一つの参考にはなると思いますので、いずれ教えます。今は「〇〇で言うことです」とだけ書いておきます。いずれ〇〇を
    埋めますので、知りたい方は時折HPを訪問してください。
  2)被害届を提出
   長瀬氏が「どういう被害ですか?」と聞いてきました。白々しいにも程がありますが、こちらは大人です。そんなことは言わず、村木さんが被害の経緯を説明し、威
  力業務妨害罪にあたるから、被害届を出す旨説明されました。続いて、私が「営業権の侵害」及び「威力業務妨害」について法的説明を補足しました。
   さらに、丸八の電気・ガス・電話が止められたこと、つまり、威力業務妨害がなされたこと、また、地上権者の方に、都の役人が「建物を寄付しろ」と脅したこと
  等を話し、これは「恐喝にあたる」と言いました。続いて、「今も、営業権者の方々を都の役人が個別に訪ねて残置物を移動するよう脅しているが、今後、それらの
  脅しの実例リストを作り、まとめて『脅迫罪』として訴える」と予告しました。
   皆さんは「親告罪」という言葉をご存知でしょうか。「被害者からの告訴がなければ、検察が起訴できない罪のこと」です。威力業務妨害罪は親告罪ではないのです
  が、けしからんことに、最近の警察は、親告罪扱いしているそうです。しかし、被害届を出しましたから、警察は何らかの対応をしなければなりません。
   ちなみに、私の中・高時代(神戸・灘校)の、しかも軟庭部の3年後輩に、2013-2015年に警察庁長官を務めた米田壮君が居ます。米田君には私がテニスの手ほどき
  をしてあげました。中高一貫なので、私が高一で主将を務めていた時、米田君がE君とともに初の中一部員として入部してきましたので懇切丁寧に教えてあげたのでし
  た。もしも、築地署がこの被害届をぞんざいに扱ったら、米田君、君に連絡しますからね。よろしくね。ちなみに、君が長官就任中に友人に放った「〇〇以外は何とか
  します」との名言は私の耳にもしっかり入っていますよ(皆さんがビックリ仰天される〇〇ですが、「セレブの世界はそうなんだ」とある意味感心しました)。今後の
  築地署の対応次第では〇〇が埋まるかもしれませんよ。
   被害届を終え、築地署を出ようとしたら、わざわざ玄関まで長瀬・豊田両氏が見送ってくださいました。私の近くにいた豊田氏に「私は対決時には戦闘モードになり
  ますが、対決が終われば、本来の温和なおじさん(お爺さん)に戻るんですよ」と言いました。豊田氏は「わかっております。大学教授までやられた方ですから」と言
  われました。好意で言われているので、あえて突っ込みませんでしたが、後段は間違いです。
   大学教授には、派閥を作って自分たちの利益を図り、派閥に入れば人事等でサポートし、入らなければ叩くような連中、任期付き教員の身分保全など全く考えない
  連中がゴロゴロいるんですよ。「赤ヒラメ」ならぬ「学ヒラメ」とでも言えるでしょうか。自分の利益しか考えぬ、口先で美辞麗句を並べる(中には、差別や格差問題
  を研究テーマとしている者もいます)だけの人間性のかけらもない連中です。
  3)神様と二人の霊が応援してくださっています
   今は、詳しくは書けませんが、この間の築地問題への取組みの中で、神様が応援してくださっているとしか思えない現象が何回も起きています。信じられないくらい
  です。猿渡さんたちも同様に感じられていて、時折、その話題になります。
   これは、一つには、猿渡さんが水神社を30年間、一日も欠かさず掃除され、また「魚の生命をいただく」ことに感謝されてきた賜物と思います。猿渡さんのお話し
  は、その深さに誰もが(といっても心の綺麗な人だけですが)感動するはずです。買物ツアーの目玉でしたが、今は茶屋にまで行けませんので、残念ながら、話は聞
  けません(いずれ復活できると思います)。
   しかし、私は、もう一つの応援者がいるように感じています。また馬鹿なことを、と言われるかもしれませんが、それは、二名の人の霊です。
   実は、そのことを、「最後に付け加えておきます」と言って、長瀬・豊田両氏に話したのでした。
   話は、いきなり霊のことから始めず、「築地市場は83年の歴史を持っていますが、それが開設された頃、正確にはその二年前に、築地で起きた有名な事件をご存知で
  すか」との質問から切り出しました。両氏は、何のことか?とキョトンとしています。続けて「しかも、それは築地署で起きた事件ですよ。あなた方の先輩が起こした
  んですよ。それくらい知っときなさい」と言いましたが、それでも両氏とも???でした。
   そこで私の方から「小林多喜二が拷問で殺されたんですよ。何の罪もないのに(1933年2月20日に)逮捕され、その日のうちにこの築地署で拷問を受けて虐殺されたん
  ですよ」と言いました。初めて気づいてハッとされたようでした。
   続けて、「築地市場が開設された頃、小林多喜二虐殺という汚点を築地署は残したんです。その築地署が、築地市場が閉場されようとしている今、築地市場の営業権
  者から被害届を出されたんです。ぜひ、築地署にとっての汚名挽回の機会として受け止めていただきたい」と言いました。長瀬氏も豊田氏も、この話を神妙に聞いてく
  ださいました(実は、この点に気づかせてくださったのも、先述の、生涯を通じて「日本の世直し」を追求されてきた畏友です。さすがというほかありません)。
   小林多喜二は、いうまでもなく、当時の貧困問題・格差問題を告発する数々の名作を残した作家(プロレタリア作家とも呼ばれています)です。その代表作『蟹工船
  』は、新自由主義が横行し、再び格差問題が深刻になった今、若者の間でも広く読まれるようになっているそうです。
   多喜二は、もちろん偉大ですが、私は多喜二の母も偉大だと思っています。多喜二の無残に腫れあがった遺体を抱きしめて、母・セキは次のように叫んだそうです。
   「それ、立たねか、みんなのために、もう一度立たねか!」。この母にしてこの子あり。
   私には、築地問題への取組みにおける数々の幸運な現象は、水神様に加え、多喜二とセキの霊の応援の賜物と思えてならないのです。
   恥ずかしながら、私はとても涙もろいのです。映画を観てもすぐに涙が出ます。ゼミ生を連れてのタイの校外実習で山岳民族の少女の差別されてきた話を聞いたと
  きに、20名あまりのゼミ生たちがケロっとしているなか、一人涙が止まらなくなり、司会不能になってゼミを中止したこともあります。
   白状すると、そんな私ですので、セキの言葉を思い出す度に涙が止まらなくなります。今もまた。
   恥ずかしくて治したいとも思いますが、涙もろさが、同時に戦闘モードになった時の強さの源になっているとも思いますので、このままでよいとも思っています。
   今日はここまで。「4.地上権/借地権に基づく仮処分申請」は、明日にします。お休みなさい。

  ・10月25日(木)
   今日の買物ツアー第10回は、何事もなく、また多くの市民の皆さんが売り子や交通整理を担当してくださって、大変楽しく実施できました。協力してくださった市
  民の皆様に厚くお礼申し上げます。大好評の新商品(買物に来られて新商品が分かった方も広めないでください。客が笑ってくださることを楽しみにしていますので
  )も、市民が売り子になって下さったおかげでしょう。開始後わずか10分程度で完売しました。
   都及び警察への通告は、「自分は話が苦手だから」と断られる営業権者が多くて難儀しましたが、若手の小松さんが行なってくれました。なるべく多様なほうがい
  いいのですが、「苦手」と断られる営業権者が多いので、「できるだけ多様」という方針で御容赦ください。
   営業はきわめて順調だったものの、開始後20分程度で、それまでに参加してくださった市民の買物がほぼ終わり(いつも開始初めにお客が殺到するのです)、売り
  手が暇になった一方で、買物後に、営業権者や私が権力をからかっている様子(末廣亭よりも笑えますよ、しかもただで)を楽しんで見物されている方が大勢おられ
  たので、13:25にアナウンスし、了解を得たうえで、13:30に営業を終了しました。
   そして、今日の打ち合わせで、13:00開始はそのままにするものの、今後は、14:00前でも13:20頃までに来られた買物客の買物が終われば、営業を終えることに
  しました。今後は、「13:00開始~13:20までに来られたお客様の買物終了時ないし14:00」といたしますので、ご協力のほど、宜しくお願いいたします。

   ところで、昨日「『4.地上権/借地権に基づく仮処分申請』は、明日にします」と書きましたが、今日はくたびれ果てたので、明日に延期させてください。以下、
  くたびれ果てた理由だけ簡潔に記します(詳細は明日書きます)。
   理由は、いうまでもなく、都でも警察でもありません。ごく一部の「心なき市民」、「マナーを欠いた市民」です。実は、この問題には今までもずっと苦しめられて
  きたのですが、今日で受忍限度を超え、堪忍袋の緒が切れましたので、明日、書くことにしました。

   ちなみに、都は、噂には聞いていましたが、仮処分命令申立書を18日付けで東京地裁に出しました。権力御用達の報道機関NHKでも報道されたそうで(私はこの間
  、一切テレビを見ず、音楽だけ聴いていますので見ていません)ご心配の方も多いと思いますので記しますと、今日の打ち合わせの終了間際、16:55頃に村木さんから
  都の申請書類を見せてもらいました。ですが、全くご心配には及びません。詳しくは、明日説明します。
   警察のほうは、第9回には200mほど離れたところに来ていたパトカー(おそらく中には長瀬・豊田両氏が居たのでしょう)が、今日は、期待に反して、全く姿を現し
  ませんでした。見つけたら、豊田さんからフルネームを教えてもらって、戸塚氏と同様、「築地署に豊田〇〇あり」と全国的有名人にしてあげようと楽しみにしていた
  のに、返す返すも残念に思いました。
   豊田さん、次回以降は、パトカーでも徒歩でもいいですから、ぜひいらしてくださいよ。築地市場担当ということはわかっていますので、期待を裏切って長期にわた
  っていらっしゃらないと、職務怠慢で築地署に訴えますよ。

   疲労(肉体的でなく精神的疲労)困憊、まるで18日の築地劇場後の都の職員のような状態ですので、今日はここまでで精一杯です。
   お休みなさい。

  ・10月26日(金)
   いろいろなリラックス法を用いて、ようやくHPの更新ができるまでに回復しました。
   今日の報告予定は、次の通りです。項目を書き終えれば、順にアップします。
   1.地上権/借地権に基づく仮処分申請
   2.都の仮処分申立書について
   3.心なき市民・マナーを欠いた市民
  1. 地上権/借地権に基づく仮処分申請
   営業権組合では、要約すれば次のような論理で都を攻めてきて、これまでの記述で明らかなように完勝しました(25日のツアーでは、見るからに賢明そうな市民Mさ
  んが「HPを熟読しましたが、完勝ですね」と感想を言ってくださいました。また、水谷さんの信頼しておられる弁護士さんも、HPを見て「これなら訴訟でも勝てる
  でしょう」と言ってくださったそうです)。
   ①仲卸業者等は暖簾に基づく営業権を持つ‥‥10月11日以降の買物ツアーの経緯(都は店主一人の有無で入場の可否を判断したのですから、それだけでも明らか。都
    庁の皆さん、やりましたね。とぼけつつ利権から都民を守るなんざあ、なかなかできる芸当ではありません。最高のGood job!Best job!)が何より雄弁に物語っ
    ています。
   ②築地市場の閉場・解体事業は営業権(財産権)の侵害であり、憲法違反である(疑問の余地なし)。
   ③都が築地市場を閉場し、また建物を解体しようとしている行為は威力業務妨害罪にあたる(業務には、平穏に営まれていさえすれば、違法な業務も含まれるので
    すから、ましてや「暖簾に基づく営業」が含まれることは疑問の余地なし)。

   以上の「疑問の余地なし三連発」だけでも都は崖っぷちに追い詰められているのですが、近々、「地上権/借地権に基づく仮処分申請」を行ないます。これは「剛球
  ストレート」というより「大型爆弾」にあたります。おそらく「止めの一撃」になるでしょう。
   内容を知れば、皆さん、確実に「東京都とはこれほどひどい違法行為をやるのか」と驚愕されることになります。都には、せめて、ヤクザや地上げ屋並みにはなって
  ほしいと念じています。
   手続きとしては、まずは都に内容証明を送り、その回答(どうせ今まで同様ろくな回答しかできません)を踏まえて、仮処分を申請します。
   この申請は、これまでの取組みのなかで、初めて弁護士の協力を得て行ないます。先に「これまでに知り合った百人を超える弁護士の中で信頼できる人は数名」と記
  しましたが、私が依頼したのは、そのうちの一人のH弁護士です。すでに地上権者のYさんとともに2回H弁護士の事務所を訪ねて打ち合わせを行ない、2回目には早
  くも正式契約にまで至りました。この仮処分申請は、近々、公になりますので、その時に、より詳しく書きます。
   一点だけ、Y氏から事情を聞き、本件を把握されたH弁護士の感想を記しますと、「東京都は、なぜこれほど明らかな違法行為をやったのだろうか。不可解すぎる」
  というものでした。すでに度々HPに記してきた上記①~③に関する私の感想と全く同じですので、HPに先に記したその理由をH弁護士に話しておきました。
   ちなみに、10月10日の記者会見でも言いましたが、Yさんからは、法的にも、またマスコミ対応も一任されており(もちろん弁護士法に抵触しないよう無償です)、
  Yさんは、マスコミに登場することを好まれない(実は私もそうなので、よく理解できるんです)方なので、私もY氏のご意向を尊重して、マスコミ取材に応じる気は全
  くありませんので、予めご了解ください。

  2. 都の仮処分命令申立書について
   東京都は、10月18日付けで東京地裁に仮処分申立を行ないました。
   あまりにもお粗末で全文掲載するに忍びないので、他方で、こんなにひどい申立の代理人も有名にしてあげたいので、始めの3頁(要旨は十分わかります)を次に掲げ
  ます。
    東京都の仮処分命令申立書1-3頁
   申立書は、内容の乏しさを誤魔化すべく、専門用語をたくさん散りばめているので、わかり難いだけです。専門家の市民だましの常套手段です。わかり易く言えば「
  都の土地を違法に占有(事実上の支配)しているので明け渡せ」ということです。
   「所有」と「占有」は違います。わかりやすい例を用いると、自転車を買った人は、当然、自転車を所有かつ占有していますが、盗まれれば、所有はしていますが、
  占有は自転車泥棒がすることになります。本件では、都が、築地市場の敷地(都有地)を占有している仲卸業者等に土地を明け渡せ、と主張しているということです。
   こういえば誰にでもわかるのに、専門家というのは本当に困った人たちです。
   この申立書が如何にお粗末か、ここまでHPを熟読された方にはもう詳しい説明は不要と思いますので簡潔に言っておきます。上記①~③を読むだけでわかります。
  要するに、「違法な占有」でなく、「違法な財産権侵害」及び「違法な業務妨害」なのです。「違法な占有」とは自らの違法行為を棚に上げてのヤクザまがいの難癖
  にほかなりません。
   ここで都及び代理人の皆さんに質問です。
  ①10月13日(10月11日改正条例施行後)に、都が「店主が一人でも居れば入場及び営業できること」を認めたことと、その店主が「店を違法に占有している」との主
   張の矛盾の説明、これ如何に?
  ②10月11日以降「のれんに基づく営業」・買物ツアーを認めざるを得ず、それを遠巻きにして苦々しく見守らざるを得なかったことと「店を違法に占有している」と
   の主張の間の矛盾の説明、これ如何に?
   これらの質問に回答できなければ、法廷で恥をかきますから、早く取り下げたほうがいいですよ。
   申立書の論旨についての反論は以上で十分。詳しく述べる必要もありませんし、第一、馬鹿馬鹿しすぎます。
   ここでは、やはり都の得意技なのでしょうか、申立書に不可解な点がいくつもありますので、以下、それらについてのコメントをすることにします。⇒と書きまし
  たが、あまりにも些細なことで、馬鹿馬鹿しいので、いずれ必要を感じることがあれば、その時に書くことにします。

   ここまで書いて、今日もお休み時間になりました。昨日までの文章にもかなり加筆しましたので、また、いまだに疲労が残っていますので、予定していたほどには
  進みませんでした。ご容赦ください。
   では、27日、第11回買物ツアーでお会いしましょう。

  ・10月27日(土)
   今日の報告予定は、次の通りです(お休み時間が来たら途中で終わります。おそらく2か3まででしょう。「心なき市民」は明日以降に)。
   1. 第11回買物ツアー報告
   2. 都の仮処分命令申立書について その2
   3. 築地市場の神様
   4.「泣き落としの競演」始まる

  1. 第11買物ツアー報告
   第11回買物ツアーは順調そのもの。13:00杉原さんが大きな声で通告された後、約5分後に販売開始、今日からは上田陶器さんの陶器も加わり、大盛況でした。売
  り子にも交通整理係も多くの市民が志願して下さいました。ご協力いただいた市民の皆さん、買物をしてくださった市民の皆さん、有難うございました。
   多くの市民の方は、営業権者をサポートする目的で参加してくださっているのですが、他方で、単なる「安い買物」目的で参加されている市民もおられるようなの
  で一言だけ申しておきますと、築地市場営業権組合の取組みは、自らの営業権を守る闘いであるだけでなく、都民の生活を守る闘いでもあるんですよ。豊洲移転や卸
  売市場法改悪の本質は、仲卸業者を潰すことを通じて卸売市場の持つ公共性(生産者側に立つ卸売業者と消費者側に立つ仲卸業者が「せり」を通じて競争価格を実現
  する機能)を破壊し、流通大資本(大手スーパー等)が支配する物流センターに変えることにあるんですよ。これを許せば、あなたたち市民の生活も破壊されるんで
  すよ。だから、買物ツアーを支えることは自らの生活を守ることにもなるんです(この点は、いずれ小看板に書いて、買物ツアーで展示したいと思っています)。

   なお、今日の打ち合わせで、今後の買物ツアーの日程を次のように決めました。開始時刻は毎回13:00~です。
   来週:10/30(火),11/1(木)の2回。11/3(土)は祝日なので休み。
   再来週以降:原則、火・土の週2回(ただし、いずれかが祝日になる場合には、代わりに木)。
   来週以降、週2回にする理由は、一つには営業権者及び協力市民の負担軽減ですが、もう一つの大きな理由は、買物ツアーの後に行なう打合わせは、実は営業権者
  の勉強会をも兼ねており、これまで重ねてきた勉強会を通じて営業権者の理解度がかなり進んだからです。また、「暖簾に基づく営業権」を主張するには持続性が必
  要ですが、それも週2回で十分です(週1回でもOKです)。
   実は、新商品の買出しはこれまで全て私が担当。ダイソーの店に電話を入れ、在庫を確認し、予約して買いに行くのですが、自宅から遠い立川店にまでわざわざ買
  いに行ったこともあるんです。ダイソーは、レジを通した後でしか新規注文できず、しかも入荷まで2週間かかるし、支店どうしの融通は全くしない(頭固すぎです
  よ)ので、20個+30個、計50個注文したものの、入荷は11月5日以降になります。
   幸い、来週火・木には市民Sさん・Kさんが自宅近くのダイソー店で入手したものを販売してくださることになって大助かりですが、皆さんには見えない、こんな隠れ
  た苦労もあるのですよ。
   週2回になれば、みーんな楽になり、販売も購入もゆとりを持って楽しめるようになると思います。

  2. 都の仮処分命令申立書について その2
   内容については昨日記したとおり。今日は、東京地裁の手続きのひどさについて報告します。
   東京地裁からの村木さんへの10月30日午後3時半出頭命令及び関連書類が届いたのは、10月25日午後5時近くです。
   出頭命令書を見るまで、村木さんが仮処分の経験から「先生も同席できる」と言われていたので安心していましたが、命令書を読むと「本人又は代理人たる弁護士」
  と書いてあるではありませんか。打合わせ終了間際になってそれに気づき、あわてふためいて、H弁護士に電話しましたが「営業権組合の取組みについては何も知らな
  いので引き受けられない」とつれない返事。しかし「補佐人の制度があるので、地裁に相談したら」という貴重な助言をもらいました。
   翌26日(金)午前9時に地裁に電話しましたが、たらい回しされた後、ようやく担当(民事第9部)のM氏と話すことができました。M氏は「今までに例がないので
  裁判官3名に相談して回答します」と言われました。それを水谷さんに知らせると「知合いの弁護士が、そんなに短期間はあり得ないので、1カ月の延期願を出すと
  必ず認められる、と言われていた」とのことで、すぐに、村木さんにM氏の電話番号を知らせ、延期願を出す旨の電話をしてもらいました。
   「1カ月延期されれば時間は十分」と安心していたところ、午後5時頃でしたでしょうか、村木さんから延期願いが認められなかったとの連絡が入りました。驚きま
  した。「代理人たる弁護士」との契約を結ぶことは、27(土)28日(日)には不可能なので、前日の29日(月)しかなく、H弁護士が「何も知らない案件は引き受けら
  れない」と言われたことを考慮すれば、契約を結べることは事実上不可能です。こんな手続きを強いるとは、あの都の目茶苦茶な撤回書対策文書(断られた猪口部長が
  延々と泣き落としをした文書)と同じ悪辣文書ではないか、と憤激したのでした。ところが、今回は、訴えても判断権限を持つ裁判所自体がそんな行為をしているので
  、都相手のように「泣き落とし」させることはできません。
   憤激していたところに追い打ちをかけるように、ようやく17:50にM氏から電話が入り、「裁判官の判断は、口頭での申し出に応じることはできない、正式に文書で
  提出するように、とのことでした」と言われました。憤激していたのですぐに戦闘モードのスイッチがオンになり、「なんと形式的なことを。呆れます。どうせ、そん
  な回答が來るだろうとは予想していました。何しろ裁判官の多くはヒラメ裁判官と言われているくらいですから。延期願いの拒否と合わせて考えると、これは都とグル
  になって、私に同席を認めないための措置としか考えられない。29日(月)に正式書類を出しても、前日で急だから等の理由をあげて認めないに決まっている。そんな
  書類を出すつもりはない。しかし、この経緯を私のHPに書くからね」とカンカンになって言いました。M氏は、慌てたように「先生のHPは印刷して読みました。裁
  判官も読みました」と正直な発言。「だったら、私が都に完勝していることはわかるはずだ」、「営業権者はもうかなり勉強して力を付けているので、私がレジュメを
  作れば、それに基づいて十分に主張できる。加えて、HPのほか、HPではクリックしないと見られない文書のいくつかを参考資料として添付すれば十分だ」旨言い。
  さらに「地裁とのやり取りもHPに載せますよ」と言ったところ、掲載を認めたので、電話を切りました。
   ところが、この電話内容をH弁護士に伝えたところ、「それはまずい、熊本さんの経歴・業績を添えて正式文書で申し入れれば、認められない理由はない。書式は
  先ほど送ったので、提出したら」と勧められました。メールを開いてみたら、書式の添付ファイルは17:09に届いていました。「なんだ、書式が届いていることが分
  かっていたら、それほど怒らなくてすんだのに」と思いましたが、ともあれ、正式文書で申請して、断られれば断られたでHPで責めればよいと思い直し、29日に村
  木さんから「補佐人許可申請書」を出してもらうことにしました。
   「出すつもりはない」と啖呵を切っておいて提出するのは少々ばつが悪いですが、M氏はいい人そうなので、また電話でそう褒めておきましたので、OKですよね。
   3名の裁判官さん、あなた方をヒラメと決めつけたわけではないですからね。あれは一般論。何しろ、最高裁が裏金をつくって、最高裁事務総局が裁判官全体を支
  配している構造があるそうですね。判事補がすべて判事になれたものとして予算をもらい、実際には権力の意向に沿わない判事補を判事に昇格させないで裏金をつく
  るとともに、人事・給与をつうじてヒラメ化させるという構造だそうです(瀬木比呂志氏、生田暉雄氏等の元判事の著作を参照)。誰もがわかるように、これって明
  白な犯罪なんですが、権威ある最高裁様が、何を恐れてなのか要塞のような建物内でなさることなので大丈夫なんだそうです。ほんとに最高裁って偉いんですね。
   しかし、もちろん、一般論に基づく断定は良くないので、お三方については実際にお目にかかるまで予断を排しておきます。

   さあ、今度は東京地裁が舞台の新しい幕が開きます。きっと面白いですよ。成り行き次第で、灘校同期生の最高裁判事山崎敏充君(元最高裁事務総長)にもご登
  場願うかもしれません。
   また、あの全国区スターになられた西坂部長が「この書類に印を押したら、裁判を取り下げますから」との貴重な発言をされ、仮処分命令申立の軽さ、いい加減さ
  がバレてしまいました(詳細は、明日報告します)ので、東京地裁の対応がますます楽しみになりました。
   西坂さーん、全国区スターの次は「泣き落とし」のMVP狙いですか。野心満々ですね。応援してますよ。
   皆さんも、「築地劇場東京地裁の巻」の今後の展開をどうぞお楽しみに。加えて、西坂さんのMVPにどうぞ清きご一票を!

  ・10月28日(日)
   今日の報告予定は、昨日の残りの順番を入れ替え、新たに一つ加えて、次の通りです(3で終わりたいので、お待ちかね「心なき市民」は明日以降)。
   1.「泣き落としの競演」始まる
   2. 諌早湾松永氏からの情報
   3. 築地市場の神様たち

  1.「泣き落としの競演」始まる
   昨日の打ち合わせは、「市民」の参加なく、共に山場を乗り越えて心から信頼し合える営業権者と私だけでしたので、終始笑いっぱなし(とはいえ、時折、法的問
  題について私から営業権者に質問し、考えてもらったうえで回答してもらいます。大学での私のゼミと同じ手法で、楽しく笑いながら力をつけていくのです(と一応
  言っておきますので、ゼミ生の諸君、恥じぬよう頑張るんだぞ)。
   なかでも、杉原さんからの報告には、一同笑い転げてしまいました。私も、あの有名な動画の西坂氏のように、畳の上で仰向けになって笑い転げました。
  1)杉原さんの名言 その1
   都のお歴々が私有物を残したり営業を続けたりしている営業権者を個別訪問して、恫喝していることは既に書いた通りです。杉原さんのところには、本件以前から
  あの西坂部長が個別訪問してきたとのことです。しかし、その態度が、最近一変。以前はふんぞり返ってたのが、最近は平身低頭、態度がガラッと変わったそうです。
  印を押さないことで力関係が逆転したからですが、加えて、あの名優のことですから、いろいろな役ができるのでしょう。
   直近の訪問は、都の仮処分命令申立の後のことらしいですが、西坂部長は「これに印を押していただければ、仮処分命令申立を取り下げます」と言ったそうです。
   皆さん、お分かりですよね。仮処分申立は、印を押したぐらいで取下げられるほどいい加減なものなのですよ。押印してもらうためのコケ脅し程度のものですよ。
   加えて、いよいよ西坂部長の「泣き落とし」が始まったということです。「撤回書対策文書」で先手を打った猪口部長にライバル意識を燃やしているのでしょうか
  、はたまた、熾烈なMVP争いを繰り広げているのでしょうか。
   これから展開される、お二人を始めとした(他の方も負けておられませんぞ)都の役人の「泣き落とし」の競演をタップリ楽しませていただきましょう。
   西坂さん、誤解したらいけませんよ。18日の動画の20万回突破は、あなたの名演技が受けたのではないですよ。あんな見え透いた演技で公務執行妨害に引っ掛けよ
  うとした大根ぶりが受けたのですよ。今のところ、猪口部長が数歩リードですから、これから芸を磨いて追いつくんですよ。

   これから「泣き落としの競演」に励まれる都の皆様に、私から、芸を磨くうえでの心構えを説いた(ほんとの)名言をプレゼントします。
   かの(ほんとの)名優、大河内伝次郎扮する島田虎之助が、映画「大菩薩峠」のなかで机龍之介に対して放つ次の名言です。
   「剣は心なり。心正しからざれば剣又正しからず。剣を学ばんと欲する者は、まず心より学べ」
   さすがは、心と剣を磨き、「幕末の三剣士」と謳われた島田虎之助の言葉です。この言葉の「剣」を「芸」や「学」等に置き換えてもそのまま当てはまる名言です。
   都の皆様にも心に刻んでいただきたいと念じつつ、プレゼントします。

   閑話休題。お待ちかね、西坂部長についての杉原さんの名言です。
   「最近は可哀そうなんだよな」。これが一発目。大受けでした。しかし、二発目はもっと強力ですよ。
  2)杉原さんの名言 その2
   個別訪問は、訪問を受けた営業権者が「あること」を言うようになってから、ほとんどなくなりました。それは、「個別には応えない。まとまって、公開の場で応え
  る」です。これを言うと、都の皆さん、以降、一切を断念されるようです(都民の税金で仕事されている方々がそんなに無気力でいいんでしょうかね)。
   もしも、なかで勇気ある方が公開の場に来てくだされば、みんなで「おもてなし」してあげるのですが、来てくださることはないでしょう。残念です。
   さて、お次は、正確には、杉原さんの名言というより杉原さんのお嬢ちゃんの名言です。
   「最近、西坂さん、どうして来なくなっちゃったの?お父さんのお友達じゃなかったの?」
   いやー、無邪気な言葉って強力ですね。大人はとてもかないまへんわ。
   西坂さーん、杉原さんのお嬢ちゃんが寂しがってますよ。早く訪ねてあげなさいよ。
   ただし、あんなに可愛いお嬢ちゃん(私も18日激戦後の茶屋で可愛く、また嬉しい挨拶を受けました)が待ち焦がれているからといって、調子に乗って、都の皆さ
  んお得意の「受忍限度論」を持ち出して、〇〇〇〇行為に及んではいけませんよ。お嬢ちゃんには、ちゃんと築地署のTelを教えておきますから、また、長瀬さんも
  豊田さんも暇を持て余しているはずですから、また職務怠慢で訴えられることを心配されているはずですから、携帯電話一本で飛んできてくれますよ。

  2. 諌早湾松永氏からの情報
   少し余裕が出てきたので、埋立・原発で共に闘った、あるいは闘っている、信頼できる知人たちに電話しました。上関原発、諌早湾等です。皆さん、たいていは築
  地戦争のことを知っておられ(TVで見たという方が多い)、励ましていただいたり、身体を心配してくださったりします。有難いことです。
   ただ、なかには、心配されるあまり「いい年なんだから」と励ましているのか傷つけているのか、よくわからない言葉を言ってくださる方もおられましたので、同
  様の方がHPの読者の中にもおられるかもしれないと思い、ご報告しておきますと、身体はいたって元気、あの18日激戦後も、どうってことありませんでした。とは
  いえ、営業権者等の権利を守ることや、今や強力な武器となったHPの更新や新商品の買出し等々で大忙しで、睡眠不足が大きな悩みです。
   どうぞ、築地戦争真っただ中で闘っていることをご理解いただき、善意の「情報提供」や「お世話」は、善意であればあるほど恐ろしいものですので、ご容赦・ご
  勘弁下さい。ただし、新商品をダイソーで購入・販売してくださるSさん・Kさんのようなお世話は、私が築地に取り組む時間を増やしてくださるので、とても有難
  いです。私の築地への取組み時間を増やすことになるか、削ることになるかでご判断ください。

   ところで、諌早湾の松永秀則さん(2007年に農水省の導流堤工事を3名の漁民で止めた際の中心メンバー、詳しくは『漁業権とはなにか』を参照)から貴重な情
  報をいただきましたので、紹介しておきます。
   有明海のコハダは、全国の40%のシェアーだそうですが、出荷先が築地から豊洲に変わったことに伴い、価格が600円/kg下がったそうです。
   要するに、豊洲移転は、都民の生活のみならず、全国の漁民、卸業者、仲卸業者等々の生活を脅かすということです。理屈ではわかっていても、長崎県の漁民か
  ら直接話を聞くと実感がわきます。
   これほど民衆の生活を破壊する馬鹿な事業をなぜ強行するのか?そのわけは、他方で大儲けする人達が居るからに違いありません。要するに、豊洲移転の問題も
  また「1%と99%」の問題なのです。

   今日は、あと他の用件が控えているので、ここまで。「築地市場の神様たち」は今後のお楽しみに。
   以下、予告編(順不同)
   〇築地市場の神様たち
   〇7%と1% 七人の侍
   〇島田虎之助 広瀬淡窓 吉田松陰 福沢諭吉 山縣有朋
   〇心なき市民・心なき権利者

  ・10月29日(月)
   今日は、用件が溜まっているので簡潔に報告します。

  1.補佐人の件
   午後3時過ぎ、明日、裁判官に説明予定の村木さん・杉原さんのお二人と猿渡さんのお三方とともに、東京地裁民事第9部のM氏を訪問。補佐人許可申請書を提
  出しました。しかし、予想通り、午後5時半頃、M氏から村木さんに電話が入り、裁判官の「認めない」との判断を伝えてきました。
   やはり、予想通りでした。手続きの異常さ(都の撤回書対策文書とほとんど同じような無茶苦茶な日程設定)及び「延期願」の却下から判断すると、先に書いた
  ように、当然そうなると思っていました。勇気ある裁判官は今や貴重種であることを再確認しただけです(H弁護士、わかったでしょう。貴方は、「認められない
  理由はない」と言われましたが、権力はそんなに甘くないんですよ。)
   しかし、落胆など、全くしていません。そのいくつかの理由を、以下、箇条書きにします。
   ①「認められない理由はない」のに認めなかったのは、私のHPを見て、私が都に完勝していることが分かり、私の同席を恐れたからと推測される
   ②杉原さんも村木さんも今までの打ち合わせをつうじて十分に力を付けておられるので、補佐人なしでも大丈夫
   ③通常あり得ない日程設定、延期願拒否、補佐人拒否の三点セットのおかげで、裁判結果の信憑性が薄らいだ
   ④この仮処分申請自体が、現在の築地戦争の戦況全体から見て、全く意味を持っていない
   最も大きな理由は④です。都の役人がいかにお粗末か、今までの記述から十分お分かりと思いますが、大組織、縦割り行政の弊害でしょう、全く戦況全体が見え
  ていないのです。戦況全体を俯瞰できている点、戦略を立てられる点では、すでに杉原さん・村木さんのほうがはるかに上です(そう遠くないうち、遅くとも11月
  中には明らかになるでしょう。お楽しみに)。
   もちろん、代理人となっている弁護士もわかっていません。もしもわかっていたら、こんな馬鹿馬鹿しい仮処分の代理人など、後から恥をかくだけですから、引
  き受けるはずがありません。馬鹿な都に付き合わされて可哀そうですが、弁護士は、金さえもらえれば、どんな悪人でも弁護するのが仕事ですから、引き受けるの
  が当然なのでしょう。でも、あなたたち、そんな守銭奴のような姿勢が、あなたたち自身の人間性を蝕んでいることに早く気づかれたほうがいいですよ。無意味な
  人生を送ることになりますよ。
   弁護士の皆さんにも裁判官の皆さんにも、上記の島田虎之助の名言を心に刻まれることをお勧めします。

  2.山崎敏充君及び地裁判事の皆様へ  
   山崎君、最高裁事務総長を経て最高裁判事になられたこと、おめでとうございます。
   しかし、実は、貴方の最高裁判事就任は、私にとってもおめでたかったのです。貴方が灘校時代の得意科目として文語文法をあげられていた記事を読んだことが
  ありますが、おかげで私は、私の法解釈に大きな自信を持てたのです。というのも、私たちの国語の先生(『銀の匙』を用いた教授法で全国的に有名になられた「
  伝説の国語教師」橋本武先生)は、文語文法の時間に生徒に一語ごとに品詞と活用形を順に答えさせ、間違うと「わかる人?」と言って挙手を求めていましたね。
  一クラス56人の生徒中、たいてい挙手は2~3人でしたが、挙手率は、私100%に対し、あなたは、2位で30-40%程度だったのではないでしょうか。こんな、どうで
  もいいような細かい数字をいま推測できるのも、橋本先生は、三人目が居たときには必ず三人目を指名し、貴方と私の二人だけが挙手したときには必ずあなたを指
  名されていましたね。そのため、「山崎君がいなければ、もっと指名してもらえるのに」(すみません。当時、人間ができていなくて。今では少しはマシです)と
  思っていましたが、残念に思うよりも指名してもらえたことのほうが多かったように記憶しているからです。
   その記憶があるので、また、文語文法と法解釈に共通性が多いと思っていますので、貴方の最高裁判事就任を聞いたおかげで、私の法解釈に自信を持てたのです。
  有難うございます。ちなみに、もう一つの自信源に数学もありますが、数学に関しては、必要性を感じたときに、フィールズ賞をとられた森重文氏との高校時代以
  来の長い縁を記すことにします。(以上で、山崎君宛は終了)

   何故、こんな、見方によってはいやらしいと思われることを書いたかというと、法曹界の方々、とりわけ明日の東京地裁民事第9部の裁判官の中に私の法解釈につ
  いて「法学部も出ていないのに偉そうに」と思われる方がおられるかもしれない、と思うからです。
   実際に20余りの埋立・ダム・原発事業を止めてきた実績に加え、山崎君宛の文章に記したように、高校時代に数学と文語文法だけは得意だったことが、私が自分の
  法律論に自信を持っている、主たる理由です。
   また、実は、実戦では「条文を知っている」ことはほとんど役に立たず、論理的思考力や道理に基づいて考える力や「一休さん」に示される頓智のほうがはるかに
  役に立つのです(ですから、皆さん、大学を出ていないことや法学部を出ていないことは全く関係ないのです。大学の専門学部といっても、わずかに2年程度、うち
  半分は休みですから、実質1年しかありません。自慢ではないですが、私の場合、専門の学部・大学院を通じて出席した時間は、計10時間程度。ほとんどが御用学者
  の学科でしたから、内容もペラペラ、聞く価値など全くありませんでした。また、法学の授業を受けた経験はゼロ。法律の知識は、すべて現実の問題との格闘をつう
  じて身につけたものです。熱意さえあれば、充分に法学部卒を凌駕できるのです)。ですから、司法試験科目の法律の条文を知っている程度の弁護士では、実戦で全
  く役に立たないのです。だから、運動に貢献するのでなく、運動を手柄及び「ヒラメ裁判官とグルになった金儲け」に利用しようとするのです。
   考えてみれば当たり前のことです。実際にしばしば法律論争が起きますが、法律の条文をそのまま適用するだけ(この点だけは弁護士は優秀)で解決できるような
  案件は、そもそも法律論争になるはずはなく、そうじゃないからこそ生じているのですから、いかにして、法律を含め、道理(条理)や論理や頓智を駆使して誰もが
  納得し得る論理を組み立てられるかの勝負になるのです。そのことは「物々交換論」により都の見解を5秒で一蹴したことだけからもお分かりいただけると思います。
    注:「物々交換論」によりわずか5秒で一蹴、撃退され、都が大恥かいた歴史的公文書を次に掲げておきます。
       都が大恥かいた歴史的公文書
   制度や形式が整えば整うほど、中身は薄くなります。制度に身分や格差や権威付けが加わると、中身の劣化はさらに加速化します。周知のように、軍隊組織や官僚
  組織が腐敗していくこと(実は学界も同じです)も、また歴史上の例を挙げれば、実戦で鍛え上げた宮本武蔵が当時の制度上の権威であった吉岡道場を破ることがで
  きたのも、この点に起因していると思います。現場や実践を軽視すればするほど、形式や身分や権威を重んじれば重んじるほど、組織全体が、劣化し、堕落し、腐敗
  し、腐敗した組織の中でヒラメが大量発生するのです。メンバーの大半がヒラメになるから、当然、権力欲・名誉欲の塊のような人間がトップに選ばれることになり
  、そのようなトップが周りを「ゴマすりヒラメ」で固めるから、ますます腐敗が進みます。少しでも洞察力がある方は、今の日本では、官邸を始めとして、そのよう
  な組織だらけになっていることを見抜いておられるはずです。
   ここまで書いても、上記の話を優等生の自慢話と誤解される方がおられるかもしれませんので、付け加えておきますと、灘校時代、詰込み教育に嫌気がさして暗記
  物は全く勉強しなかったため、決して優等生ではありませんでした。国語でも、文学史の時間には、文語文法の時間と全く逆に、「誰がいつ何を著したか」というク
  イズのような問題に「できなかった人」で手を挙げる2~3人の中に100%近く入っていたことも付け加えておきます。
    注:灘校卒業生の中には、「灘は、いわれているほど、受験教育、受験校ではなかった」などと母校を誉めている人をしばしば見かけますが、あんな言葉、信じ
     ちゃいけませんよ。あれは、実は、受験校を出たという自分の負い目、コンプレックスを覆い隠すための言葉、あるいは、ただの「エエ恰好しい」の言葉です
     よ。騙されちゃいけません。
      そもそも、今の日本に受験教育でない学校があるはずないじゃありませんか。少数の先生が例外的に健闘されているだけで、受験教育しなきゃ父兄からの文
     句が出るんですから、学校全体としては受験教育せざるを得ないんです。ひどすぎる都政の責任が都民にあるように、愚かな受験教育の責任も行きつくところ
     「いい学校に進学すれば、いい会社に入れ、‥‥」などという愚かな人生観しか持たない父兄や生徒にあるんです。
      しかし、灘校では、詰め教育をやっておきながら、進学状況が良いためにそれを自覚せず、「自分は教え方が上手い」と錯覚している教員が他校よりも多い
     だけに、よけいに始末が悪いんです。
      いま思い出しても腹が立つのは、アメーバ類等の微生物の名を属・科・目など細部に至るまで暗記させられた生物の授業。「今は分からなくても、大きく
     なったら、必ず意味が解る」と言われて、まだ子供だったのでその言葉を信じて取り組もうとしたものの、早々に挫折、その後暗記科目にアレルギー症状
     が出るようになりました。古希を前にした今振り返っても意味を見出せることなどあろうはずはなく、よくあれだけ無意味な教育ができたもんだと感心します。
     無意味なことでも疑うことなく忠実に従う、お上(かみ)に従順な「本当の知性ゼロ」のエリートを育てるうえでは意味があるんでしょうが。
      もちろん、中には、教え方も上手で人格も素晴らしい先生が例外的におられました。私の学年では、数学の宮原繁先生は素晴らしかったです。
      本当のことを教えてあげましょう。灘校の進学状況がよいのは、そもそも入学時にペーパーテストの成績の良い生徒が入ってくるのと、授業に期待できない
     ため、自分で勉強するようになるからなんです。
      世のお母さん方、分かりましたか?。勉強する意味を考えさせることなく、子供を「いい学校」に進学させようなんて「百害あって一利なし」。愚かなこ
     となんですよ。たとえ、進学できたところで、詰め込み教育を受けさせられ、社会に出ても定年まで競争を通じて優越感と劣等感のるつぼの中に入れられ、
     定年後は「濡れ落ち葉」扱い、厄介者扱いされるだけの空しい人生を送ることになるんですよ。

   そもそも、私は、点数や地位や職業等によって人を上に見たり下に見たりし、優越感や劣等感を感じるような世界からは、二十歳の頃からおさらばしています。
   ですから、受験校故でもないと思いますが、この齢になっても、同期生の中に、人の能力の高低を学校当時の成績でいまだに判断している人が少なくないことに
  呆れ果てています。学歴は高くとも、本当の知性はゼロということです。
    注:ただし、皆さん、勉強しなければいいというわけではありませんよ。勉強することが自分の能力を高め得ることも事実です。要は、それを学ぶことが如何な
     る意味を持つかを問いつつ、また自分の個性にも配慮しつつ、学ぶことだと思います。その姿勢さえ備われば、おのずと勉強するようになるんです。

   以上、M氏から、東京地裁民事第9部の3名の裁判官が私のHPに目を通されているとお聞きしたため、記した次第です。

  皆さんへ
   今日は、つい真面目な話になってしまって、すみませんね。でも、たまには寄席からの脱線もご容赦ください。
   30日の買物ツアー(13:00開始)でお会いしましょう。

  ・10月30日(火)
   今も感動で胸がいっぱいになっています。話をお聞きしたときは、もう少しで涙を流してしまうほど感動し、その余韻が今も残っています。
   午後4時30分頃、村木さんに電話したところ、「ちょうど東京地裁を出たところで、これから向かいます」と言われ、数分後に、杉原さんとともに日比谷公園
  松本楼で待機していた猿渡さんと私に合流されました。杉原さん・村木さんの二名合同で午後3時半から40分の予定だったのが、20分も超過して終わったのでし
  た。お二人のお話を伺って、数年ぶり(あるいは数十年ぶり)に心の底からの感動を覚えたのでした。

   10月27日に、あまりにも誠意のない裁判官の姿勢に私がカンカンになって「営業権者はもうかなり勉強して力を付けているので、私がレジュメを作れば、それ
  に基づいて十分に主張できる」旨、M氏に話したことを記しました。10月29日には、補佐人を拒まれても落胆しない理由として「②杉原さんも村木さんも今まで
  の打ち合わせをつうじて十分に力を付けておられるので、補佐人なしでも大丈夫」と書きましたが、裁判官3人と「都の代理人弁護士」5人を前にしてのお二人の
  大奮闘は、予想を超えて素晴らしいものでした。裁判官が名刺を出さないので、氏名・役職等の尋問(築地署での私の尋問を参考にされたそうです。特許をとる
  つもりはありませんので、皆さんも今後、どうぞご活用ください)から始まり、終始、彼らを圧倒されました。村木さんの総評は、「ノックアウト寸前の判定勝
  ち」とのことでした。
    注:村木さん、わざと忘れ物して取りに帰ればよかったね。そうすれば、ノックアウトされて、息も絶え絶えになって横たわっている裁判官たちを見れたの
     にね。18日に忘れ物を取りに帰った市民が都の役人の疲れ切って横たわる無惨な敗残兵姿を見れたように。

   初めは「上から目線」で話していた裁判官が徐々に「下から目線」(おそらく村木さんから痛烈パンチを立て続けに浴びたため、虚勢がはがれて上方だけを向く
  ヒラメ本来の目線に戻ったのでしょう)になり、代理人弁護士は、不勉強が暴露され、次第に、村木さんの話を一生懸命にノートするようになったそうです。呆れ
  たことに、東京高裁平成3年7月30日判決すら全く知らず、村木さん持参のものをコピーさせてもらったそうです。コピーに時間がかかったため、予定時間を20分
  も超えたのだそうです。溜息‥‥

   こらっ! 裁判官に都の代理人弁護士。あんたたち、恥ずかしいとは思わんのか。10回近くの勉強会を重ねたとはいえ、6月22日組合結成からわずか四カ月しか経っ
  ていないというのに、法律にはずぶの素人の村木さんから、プロのあんたたちがレクチャーを受け、最も重要な判例までコピーさせてもらったんだぞ。
   国や都から税金で雇われてんだから、それくらい勉強しときなさいよ。教えてもらったんだから、「授業料払え」とまでは言わないけど、頭を下げてお礼や感謝の言
  葉くらい言いなさいよ。築地警察署の長瀬さんと豊田さんが小林多喜二を教えてもらった御礼にされたように、玄関までお見送りくらいしなさいよ。
   これほど不勉強だったんだから、「1カ月の延期願」を認めて、その間に懸命に勉強すれば大恥かかずに済んだのに、ほんまに、アホとちゃいまっか。
   27日にM氏から「裁判官が私のHPに目を通した」と聞いてたけど、にもかかわらず、この体たらく。理解不足も甚だしい!とても単位あげられんぞ!‥‥‥
  などと、本来はシャイで温厚なので、おっとり品よく構えていたいと念じている私を鬼のように憤激させたのでした。ほんとに悪い人たちです。

   こうして、東京都、築地署に続き、東京地裁も難なく粉砕したのでした。ご両人とも「相手にとって不足大あり」で物足りなかったようですが。
   続いて本編もお届けしたいところですが、すみません。今夜は、感動に浸りたいので、短縮版だけの報告にとどめます。
   「築地劇場東京地裁の巻」本編では、前座を務めていただいた名優西坂さんの変身ぶりや田中賢也市場長・柏原弘幸副場長のうろたえぶり等々についての杉原名人
  、村木さんの面白過ぎるコメントも盛り込みます。抱腹絶倒、間違いなし。もちろん、第12回買物ツアーの報告もいたします。
   お楽しみに。

  ・10月31日(水)
   すみません。今日は疲れました。明日の買物ツアー向けに「商品A(これまで新商品と呼んできた物を今後、こう呼びます)」を買い出しに行ったからです。
   注文していたものが届いたとの連絡を受けたので、近くのダイソー店で20個、立川店(大型店)で30個、買ってきたのですが、先日行ったばかりの立川店にたどり
  着けなくて、1時間以上も立川駅近くをウロウロしていました。原因は、ダイソー立川店が看板を出していないことにもあるんです。何しろ、隣のビルの車の出入りを
  制御しているおじさんさえ、ダイソー店を知らなかったのですから。やっとたどり着いて、店員さんには「看板を出すように」としっかり言っておきました。
   先日行ったので、今日は地図を鞄に入れずに来た、と思って記憶だけを頼りに探したのですが、帰宅してみたら、鞄に地図が入っており、二重のショック。
   認知症になったのかもしれませんが、先日、医者から常用している薬の副作用として最近の学説で認知症が指摘されたと聞いて「それなら安心、元からですから」と
  一蹴したばかりですので、これくらいの症状で動じる私ではありません。今日の失態も、徘徊老人として補導されなくてよかったと前向きにとらえます。
   しかし、疲れたので、昨日お約束した本編は明日以降に延期させてください。
   今日は、一点だけ記します。

  1.地裁での報告レジュメと余裕の報告準備
   昨日の、村木さん・杉原さんの地裁での大奮闘は、民衆が裁判官・弁護士をノックアウトした出来事、日本の民衆運動における画期的な出来事として将来評価される
  可能性を十分持っていると思いますよ。
   そんな重要文書になる可能性を持つ報告レジュメを下に掲げますので、HPの昨日・今日の記述と共に保存されれば、将来、価値が出ますよ。ただし、商品Aの売り
  口上と同じく、責任の問っこなしということで。
   民衆が裁判官をノックアウトした報告レジュメ
   訪ねていただいたHP読者のため、以下、おまけに報告準備の秘話を記しましょう。
   村木さん・杉原さんとの地裁報告の打合せは、報告前日の29日(月)午後3時に地裁に補佐人許可申請書を提出した後、お二人と猿渡さんに私の四名で松本楼で行な
  いました。
   ところが、皆さん、松本楼は初めて(日比谷公園も)ということで、その風格あるたたずまいに感激され、また、名物のカレーに舌鼓を打っているうちに「地裁報告
  の打ち合わせ」目的で集まったことを全員すっかり忘れてしまいました。さらに、私が、つい、今後の戦略を話したもんですから、その話題で盛り上がり、皆さん、笑
  顔と余裕で、「都を如何に料理するか」の話に夢中になられました。
   そりゃ、当然です。皆さん、「魚料理は、お手の物」だけに、都を料理する話には夢中になってしまわれたのでした。煮て食おうか、焼いて食おうか、それとも刺身
  がいいか、議論沸騰。翌日、法廷で「さばかれる」ことをすっかり忘れて、都を「さばく」方法論で盛り上がったのでした。
    注:HPを更新しているうちに、最近、喜劇脚本作家としての自分の才能に目ざめ始めております。上記二行だけでも座布団十枚くらいはいただけると思います。
   恥ずかしながら、当初の会合の目的の為に用意した上掲レジュメに気づいたのは、松本楼での勘定を終えて出た後でした。「あっ、うっかりしてた」と言ってお三方
  に渡しましたが、それを一瞥した皆さん、「これなら十分わかってるわ。説明できるわ、資料も付いてるし」と自信満々で言われました。

   なぜ、前日の秘話を紹介したか、もうおわかりでしょう。皆さん、営業権をもう十分理解されていて余裕綽綽だったし、私もそのことを十分知っていましたので何の
  心配もしていなかったということをお伝えしたかったからです。30日の圧勝は、29日よりも以前にお三方と私にはすでに十分確信できていたのです。
   権力が設定している「お白洲(おさばき)」の場で権力自身が「さばかれた」のは、ひょっとしたら、日本のみならず、世界でも初めてのことかもしれません。この
  「魚さばきの達人」による歴史的快挙の味を30日、31日のHPを繰り返し読みながら、たっぷり堪能して下さい(いずれHP等を通じて詳しく報告しますので、それ
  もお楽しみに)。
   はい、今日はここまで。本編は明日以降。

   明日の買物ツアーは、いつものように13:00~ですが、明日は、待ちに待った大スター(西坂さんではないですよ)のデヴューが見られます。また、デヴューを記念
  して「新商品B(今日、立川ダイソーで仕入れてきました)も新発売しますので、早めに来られることをお勧めします。
   今までよりもさらにさらに面白いツアーになりますよ。お楽しみに。

  ・11月1日(木)
   ここのところ、帰宅してから「癒しの音楽」を聴く時間が長くなっています。そのため、HP更新に取り組み始める時間が次第に遅れ気味になっています。申し訳
  ありません。心苦しく思っていますが、理由は何なのでしょうか?
   自分の深層心理は自分でもよくわからないものですが、いま思い当たる理由は二つあります。
   一つには、10月11日以来、「鬼になる」時間、より正確に言えば、「鬼にならざるを得ない」時間が多かったため、「癒しの音楽」を聴く時間を増やすことで、よ
  うやく「心の平安」を保てるからと思われます。長年、権力いじめを趣味としてきたとはいえ、正直申しますと、この二十日間あまりのその密度は、従来の「趣味の
  範囲」を超えていました。これまで以上に楽しかったこと、やりがいがあったことも確かですが、他方で、急に密度アップしたため、ストレスがたまってきたという
  ことでしょう。
   ご安心ください。決して弱音を吐いたり、今後を悲観したりしているからではありません。むしろ逆です。次の「もう一つの理由」を読まれればわかります。
   もう一つの理由は、全体の戦闘状況を「魚さばきの達人」たちとともに最も把握できていると自負している私には、「都のギブアップ」が間近に迫っていることが
  見えるからです。その安心感から、この二十日間あまり蓄積されてきた疲労がどっと出ているように思われます。
   安心してホッとしているからこそ、今日新発売し、おかげさまで大好評のうちに完売できた「商品B」の次に私が考えているのは、勝利の瞬間に何をやって喜び
  を表現しようか、ということなんです。だからこそ、観察力豊かな方はお気づきになったと思いますが、また数人の方にはこっそりお話ししましたが、今日の買物
  ツアーの間に数秒間だけ出来た自由時間に、現時点の私のアイデアの予行演習を行なったのでした。喜んで下さい。予想以上に上手くいきましたよ。
   それは「何か」って?ここで公表できるわけありませんよ。まだ私だけのアイデアですし、公表したら、実行時の感激が薄れるので、事前に公表はいたしません。
   次回の営業権組合の打ち合わせでは、営業権者の皆さんからも案を出していただきたいと思っており、一案として私案(現時点の案になるとはかぎりません)も
  提案するつもりす。
   明日以降、しばらく築地に行かなくても済みますので、HP更新に割ける時間も増えるでしょうから、それをじっくり読まれれば、皆さんにも確信していただける
  と思います。

   今日も、実に多くの出来事がありました。買物ツアーはこれまで以上に大盛況。熱気を帯びていて第二段階にレベルアップしたと感じました。ただし、予告して
  いた「大スターの登場」は空振りでした。すみません。約束してあったのに。しかし、誠実な方ですから、近いうちに必ず登場されます(第12回・第13回ツアーにつ
  いて詳しくは明日以降に掲載します)。

   都が断末魔の悪あがきをしています。まさかとは思っていましたが、都は、やることなすこと、すべて墓穴を堀っていることにいまだに気づいていないようです。
  可哀そうに。大組織ゆえに戦況全体が見えずに、〇〇な所業を重ねていることにも全く気づいていません。「〇〇ちゃいまっか」どころか、「真正の〇〇」です。
   都の皆さん、まさか、都の職員全員(数万人)の墓穴を掘る気ではないでしょうね。とてもペースについていけません(悲鳴)。せめて、担当課の職員数だけにし
  ぼって下さい。青山墓地や多摩霊園程度に留めて下さい。お願いだから、少しは、HPで「都の墓穴堀り」の説明をしなければならない私の身にもなって下さい。
   今日はここまで。あとは癒しの音楽を聴くことにします。と書いたのですが、結局、今日も2時過ぎになってしまいました。お休みなさい。

  以下、次々に増えて困っていますが、私自身が忘れないために、また、皆さんの想像力を豊かにするために記しておく「予告編」(順不同、また必ずしも今後の記
 載を保証するものではありません)
 〇築地市場の神様たち 神様との対話 肺がジンジン 葉っぱ遊びに目覚める そんなことしてはいけません 声に真心がこもる 鼠の行先を心配する
 〇神は一念に恵み給う 神宣わく「鬼になることも必要」
 〇「のれん」は、なぜ「最強の権利」なのか 「のれん」・「自由漁業」の奥深さと強さ 物々交換も同類
 〇「かっぱえび煎」じゃあるまいし、いっこうにやめられない、止まらない「都の墓穴堀り」
 〇修羅場でこそわかる「本物は1%未満、かつ、それで十分」 室原知幸(蜂の巣城) 山口武秀(高浜入干拓反対闘争) 七人の侍 サポートに取組む理由 宝物
 〇なぜ「取材お断り」なのか なんで貴方の手柄あげに協力せんならんの 取材できても記事内容で試されるんですよ 「有名人ツアー」への協力は御免
 〇島田虎之助 広瀬淡窓 「咸宜園と松下村塾は月とスッポン」 「吉田松陰・福沢諭吉・山縣有朋の大罪」ー「明治は偉大」などとんでもない
 〇眼力とは何だろう 何に由来するのだろう 匂い、言葉、歌でわかる 眼力磨かなきゃいつまでも騙され続けますよ
 〇心なき市民・心なき権利者・心なき法律家

 ◇11月2日(金)
  1.買物ツアー
  1)10月30日第12回
   10月30日第12回買物ツアーでは、猿渡さんが通告されました。水神社の掃除を一日も欠かさず30年間も続け、神様の声を伝えてきた方なので、神の声を伝えるこ
  とは大得意であるものの通告にあまり向かない方だったのですが、最近は、マイクを持っての通告等もメキメキ上達されています。素晴らしいです。
   通告後、買物ツアーを始めましたが、この日は、灘校同期生の平野敏夫君が来てくれました。平野君は、亀戸ひまわり診療所を開くとともに、東京労働安全衛生セ
  ンター代表理事を務め、労災・職業病問題に取り組み続けている大変頼もしい友人です。現在、築地市場のアスベスト問題をめぐって東京都と交渉を持っているそう
  で、共に築地市場問題に取り組んでいることを嬉しく思いました。まだ都の説明会の段階で、その後、交渉が始まる、また、その交渉が終わらなければ、アスベスト
  を含む建物の解体はできないとの貴重な情報を教えてくれました。
  2)11月1日第13回第1ラウンド
   11月1日の第13回買物ツアーは、村木さんが通告された後、始まりました。第12回もですが、多くの市民の方が、売り子や交通整理やパネルを持っての誘導役を
  かってくださっているのですが、この日は、特にそれが目立ちました。外国人向けの英語のパネルを用意してくださった方もおられます。ご協力いただいた市民の皆
  さん、有難うございます。今後とも、宜しくお願いいたします。
   第13回買物ツアーは、これまで以上に大盛況。熱気を帯びていました。お客さんの数もかなり増え、売る方も忙しくて大変でした。
   新商品(商品B)は、吉野さんが売ってくださいましたが、大好評(チラシに書いた「使い方」が特に好評)で、皆さん、大笑いしながら買ってくださいました。
  当日分がまたたく間に完売、やむなく次回分まで補充しました。買出し人としての私としては、嬉しいような悲しいような。
   商品AもBも、市民の皆さんで、ダイソー店で購入してきて、買物ツアーで販売してくださる方が名乗りをあげて下されば、大歓迎です。チラシは、こちらで用意
  しますので。もちろんピンはねゼロです。宜しくお願いしまーす。
  3)11月1日第13回第2ラウンド
   実は、第13回には、急遽、第2ラウンドを設けたのでした。第1ラウンドに参加された地上権者Yさんが、入場して、そろそろ繁忙期になる店の準備をしたいと希望さ
  れ、仲卸業者の方々も自分の店に行って、整理したり、私物を取ってきたりしたいと希望されていたので、市民有志のご協力を得て、第2ラウンドを持つことを企画した
  のでした。13:40頃、私が都に電話して「地上権・営業権に基づき入場する。妨害したら威力業務妨害にあたる」と通告したうえで、14:00頃、勝鬨門から入場しようと
  しました。ところが、都は、門(フェンス等)を固く閉ざし、門外からの私たちの通告を一切聞き入れませんでした。
   村木さんによれば、あの西坂部長が、中でウロチョロされていたとのこと。18日には市民に少し触れただけでひっくり返ったのに、すっかり元気になられたんです
  ね。快復おめでとうございます。
   営業権者の方は全員が代わるがわるマイクを持って都に語りかけられました。私も一度マイクを手にとって、第一声、「こら!西坂」と言ってしまいました。すぐに
  呼び捨ては失礼と気づき、「あっ、ごめん。西坂、部長」と言い直しました。
   周りの方々がプッと吹き出しました。とっさの場合には地が出てしまうもんですね。面目ない。
   西坂さん、あんたも塀の中で笑ったでしょう。私としたことが、うかつだったけど、この間、数多くの笑いを提供してくれたあなたへのささやかなお返しということ
  にしておきましょう。
   11月1日には、われわれも後に用件が控えてたから、あのくらいにしておいてあげたけど、長瀬警部から心強い電話をもらった(後掲)こともあるし、次からはとて
  もあの程度ではすまんよ。一度経験したから、10-20分前に通告すればいいこともわかったし、これからは、いつ何時、急襲するかわからんよ。いつ手錠を掛けられて
  もいいよう覚悟して、よーく手首を洗って待っときなさい。
   その後、数人でレストランで食事していたところ、築地署の長瀬警部から村木さんの携帯に電話が入り、「被害届けの公式受理はできないけど、違法行為があった時
  は、通報してくれれば、法に従って対応します」とのことでした。これで十分でしょう。長瀬さーん、そばで市民がICレコーダにしっかり録音しましたからね。約束守
  ってくださいね。警部が嘘ついちゃいけませんよ。

  2.築地劇場東京地裁の巻 本編
   お待ちかね。築地劇場東京地裁の巻、本編を始めます。まずは、前座から。
  1)前座
   前座だからと言って軽く見てはいけません、そうそうたる役者が登場します。
   先陣を切ったのが、かの名優西坂部長。朝8時過ぎに、豊洲市場の杉原さんの店の前を通り過ぎて行ったそうです。驚いたことに私服で。制服姿しか見たことのない
  杉原さん、「どうしちゃったのか」と首をひねったそうです。それを聞いた私が「ひょっとしたら辞職するんじゃないでしょうね」と言ったところ「自分もそう思った
  」とのこと。
   西坂さん、せっかく全国区の名優になられたのに、引退されちゃもったいないですよ。MVP争いでも、いい位置に付けてるんだし。それとも、20万件ヒットに気を良
  くして本格的に俳優に転身されるんでしょうか。それだけは止めといたほうがいいですよ。あれは大根だから受けたんで、芸が上手くなったりしたら、端役しかもらえ
  なくなりますよ。
   続いての登場は、田中賢也市場長。村木さんが、損失補償請求書を届けに行ったら、素早く察知して、あっという間にスーッと横をすり抜けていかれたんだとか。急
  にトイレに行きたくなったんでしょうかね。本人だけは芸達者のつもりでしょうが、下手過ぎだし、迫力不足の感は否めません。今後の奮起・精進に期待します。
   迫力満点は、柏原弘幸副場長。田中市場長がトイレ?へ行かれたので、やむなく、村木さんが柏原副場長に届けようとしたところ、頑として拒否されたんだそうです
  。田中市場長の逃走ぶりを目の当たりにして、ここは「中央卸売市場」担当の名誉を挽回しようと張り切られたのか、はたまた「市場長はなんで嫌な役を俺に回すんだ
  よ」と内心怒りに燃えておられたのか、とにかく猛烈な迫力で受領拒否されたんだそうです。
   しかし、柏原さん。迫力がありゃいいってもんじゃないですよ。10月15日の撤回書の受領拒否の時に記したでしょうが。涼しい顔して受け取ればいいものを必死にな
  って受領拒否するから重要書類であることがバレるって。また、簡易書留で送れば済むんだから、受領拒否は何の意味もないって。
   せっかく懇切丁寧に教えてあげたのに、また同じ過ちを繰り返して。ほんとに、あんたらには、忍耐強い私もお手上げです。受忍限度を超えました。付ける薬は、も
  うありません!
  2)「東京地裁の巻」の配役
   さて、次に「東京地裁の巻」の配役をご紹介します(名刺をよこさないもんだから、一部漢字不明)。
    裁判長      小川 直人
    裁判官      広瀬 たかし
    裁判官      みさか あゆみ
    東京都指定代理人 松下 博之
    同        榎本 洋一
    同        石澤 洋一
    同        岡田 太一郎
    同        黒田 修平(この人、裁判終了後、裁判長に駆け寄って何かひそひそ話をしてたとか。グルがバレちゃいますよ、もっと上手にやりなさいよ)
   エーッ。これって、村木さんは8人もノックアウトしたっていうこと?!杉原さんは、村木さんが8人をボコボコにして片づけるのをあの涼しげな笑顔で見物してた
  っていうこと?!
   そんなこと、ボクシングではあり得ませんよ。同時に8人もかかって全員ノックアウトされるなんて、あの八百長プロレスでさえもあり得ません。しかも、アマ1人
  でプロ8人をノックアウトしちゃったんですから。
   村木さんが10月30日にされたこと、ほんとに凄いことなんですね。空前絶後・前人未踏の快挙、歴史的偉業であること、間違いなしです。
   さらに驚くのは、冒頭、指定代理人が「東京都の役人5名の参加を認めてもらえませんか」と村木さん・杉原さんにお願いしたそうです。ホントに呆れ果てた連中で
  す。図々しさにも程があります。裁判官も、私の補佐人申請を認めないでおいて、よくそんな発言を許したもんです。恥知らずにもほどがあります。
   村木さん・杉原さんは、もちろん拒否されましたが、都の役人は、どうせ〇〇に決まってますので、参加させて計13人を一挙にさばいてもよかったかもしれません。
  村木さんの「魚料理の腕」なら、鼻歌交じりでさばけたに違いありません。何しろ、対象はヒラメですから経験も豊富です。
   ちなみに、「小川直人裁判官」でネット検索すると、次のように、かなり評判がよろしくありません。本来上品な私には、とても使えないような言葉が並んでいます
  。
   「バカ裁判官」https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/business/4361/1534043341/
   「裁判官アウト」https://medaka.5ch.net/test/read.cgi/4649/1534050506/l50
   「鼻つまみ者」https://rosie.5ch.net/test/read.cgi/tokyo/1534042491/l50
   「仮処分ミス」https://egg.5ch.net/test/read.cgi/court/1534042375/l50

   せっかく猛勉強して裁判官にまでなられたのに、ネットでこれほど酷評されるとは。ご両親が知ったらさぞ嘆かれるでしょうね。貴方もずいぶん落ち込んでおられる
  んでしょうね。
   ネットにこれほど聞くに堪えない評価ばかり載っているのは、きっと貴方が「名さばき」をされた場合は投稿されてこなかったからに違いありません。世の中、あん
  なにひどい言葉を使う「心ない人」ばかりじゃないから、そう思うほかないもんね。
   よろしい。常に「弱者の味方」、「月光仮面」をもって任ずる私が、補佐人を拒まれたことも忘れてあげて、貴方の応援をかって出ましょう。
   小川直人裁判長、是非、力を合わせて、本件で汚名挽回をめざしましょう!私がついてますから、きっと大丈夫ですよ。
   全力挙げて応援しますよ。貴方の「名さばき」ぶりを、こと細かにネットに流して、あちこち拡散してもらって、西坂さんのように全国区スターにしてあげますよ。
  3)「損失補償請求書と東京高裁判決」で勝訴は明らか
   東京高裁判決は、残置物について損失補償が必要という判決(下に掲示資料①参照)。営業権者が「損失補償請求署」を出しているのだから、損失補償なしには事業
  ができないことは明らか。残置物は損失補償の根拠となるものですから、都が撤去を求めることなどできるはずはありません。
  4)東京都の得意技「墓穴堀」 証拠写真の巻
   残置物の写真は、当然営業権者側も撮っています。ですが、受領拒否はじめ「何でもあり」の都のことですから、「写真に信憑性がない」などと無茶苦茶な主張をし
  てくる可能性もあると心配していました。ところが、この訴訟で、都が残置物の写真を撮り、証拠として出してきたものだから、心配無用となりました。都自らが「残
  置物の存在」の証明をしてくれたのだから、これほど有難いことはありません。仮に都が代執行により撤去しても、残置物があったことは動かぬ事実となりましたので
  、損失補償の必要性、及び損失補償なしの事業強行の違法性には何ら影響ありません。「墓穴堀の名人」東京都が、また得意技を発揮してくれました。
   都の皆さん、有難う。
  5)裁判長が和解に言及
   ノックアウトが明らかになった頃、小川裁判長が「和解」の話を切り出したそうです。その時の村木さん、「それ、来た来た」と思ったのとことです。さすがです。
  この時点での「和解提案」は、裁判長が、法的には都に勝たせられないとの判断をしたということを意味するからです。
   村木さんは、きっぱり「和解の条件は築地市場の存続」と言われたそうです。お見事、素晴らしいです。

◇11月5日(今日から、日付の前のマークを◇に変え、かつ左端に寄せて記すことにします。見やすいようにとの配慮からです)
  11月2日に「2)『東京地裁の巻』の配役」まで書いた後、しばらくご無沙汰したのには、実は理由があったのです。都の代理人から村木さん・杉原さんに「主張書面
 (平成30年11月1日)」(下掲)が届き(杉原さんから11月2日(金)15:06にFaxで送ってもらいました)、かつ地裁から11月5日(月)13:30~法廷を開くとの通知が
 来たため、5日の報告文書を作成しなければならなくなったからです。
   東京都「主張書面」
  でも、当初は、前回のレジュメ程度(1時間もかからずに作成)でいいだろうと甘く見ていたため、執筆にとりかかったのは、3日(土)の午後2時頃でした。しかし
 、今回は「主張書面」に対する反論ですから、レジュメでは済まず、反論文書及び公開質問状を作り終えたのは、午後10時頃だったでしょうか。そして、翌4日午後3時
 から、村木さん、杉原さん、猿渡さんと計4名で勉強会(5日報告の打ち合わせ)を持ちました。約90分弱、大学の講義1コマの時間と同じです。お三方とも、自信満々
 になられました。学生よりもはるかに優秀です。

  学生よりも年齢ははるかに上(おそらく50代、60代、70代各一名)、しかも講義や試験などとはとうの昔に縁がなくなっておられるお三方が、何故それほど優秀なの
 か、皆さん、おわかりでしょうか?答えは「自分の権利及びその侵害」について学ぶからです。これこそが「真の学問」、「生きた学問」なんです。単位を取りたいとか
 、いい学校に入りたいというレベルの動機とは根本的に質が違うんです。自分の半生、あるいは一生がかかっているからなんです。
  猿渡さんなど、しばしば寝ないで勉強した、と言われています。私が持参した高価な本を自分でも買っておられます。小学校以来、ひたすら神との対話を一途に追求
 されてきたという「この上ない変人」のため、学校の成績は悪かったでしょう(当たり前です。自認もされてます)が、本質を追求する力、論理的思考力は、中身もな
 いのにふんぞり返っているような大学教授・弁護士よりはるかに上です。
  人の能力は無限に多様であり、能力を測る尺度も無限にあるのです。学校では、数学とか国語とかの尺度で、しかも各回の試験問題という尺度で計っているだけなん
 です。そのうえ、席次や合否は、複数の科目の総合点や平均点で計りますから、ますます尺度としての意味がなくなるんです(後者については数学的に証明できるので
 すが、ここでは割愛)。じゃ何故、入試などは総合点で合否を決めてるのかって?それは、尺度の問題を深く考える人があまりにも少ないため、インチキ尺度(総合点)
 が正しいとの洗脳が浸透しているから、また、それ以外の尺度がベターであるとの提案が難しいからです(ただし、私の所属した大学では、私が教務部長をやらされた時
 に提案した「それ以外の尺度」が、以後、定着しています。その提案時にも、狭い専門しか知らないくせに偉いと錯覚している教授たちよりも入試制度を真剣に研究して
 きた職員久保倉氏の理解のほうがはるかに上で、それが制度実現の大きな力になりました。久保倉さん、有難うございました)。
  ですから、自分の価値を、人と比べて優れているとか劣っているとか思うこと自体、不要だし、間違っているんです。世界にただ一つの能力・個性を持つ自分の可能性
 を、自分を磨くことをつうじて開花させていきさえすればいいのです。
  要するに「Number oneよりもOnly one」。この言葉は歌詞にもなったくらいですから、誰もが聞いたことあるでしょう。しかし、言葉として知っているだけでは
 何の意味もないんですよ。この言葉の意味を深く理解し、自分の人生哲学に採り入れている人(前掲の灘校宮原繁先生は、私が還暦を過ぎてお会いした際、この言葉を
 「好きな言葉」として挙げられました。やはり尊敬してきて間違いなかったと嬉しく思ったことでした)は、決して多くないと思われます(多ければ、もっとましな社
 会になっています)。
  この言葉を人生哲学に採り入れるか否かで、あなたの人生はずいぶん違ってきますよ。心を貧しくする優越感からも、心を卑しくする劣等感からも解放され、自分を
 磨くことに専念できますよ。
  是非、皆さんも、この言葉を受け止めて熟考するとともに、お三方のこの間の努力に注目し、「熱意次第で自分でもできるんだ」と、自信とやる気を持ってください。

 (教師の悪い癖で、また説教調になってごめんなさい。元に戻ります)
  地裁の結果を先に申しますと、もちろん、またまた完勝。ただ、完勝の中身が全く違います。完勝しても村木・杉原ご両名、何やら不満そうな顔で日比谷公園に現わ
 れました。その理由が面白過ぎるのですが、それについては明日のお楽しみに。
  今日は、とりあえず、今日の村木報告で使用した文書・公開質問状及び付属資料を下に掲げておきます。このHPを丹念に読まれてきた方は、これらの文書・資料に
 目を通されるだけで、都を完膚なきまでに叩きのめしていることが、おわかりになるはずです(わからない方は、繰り返し熟読されればわかるはずです)。特に、公開
 質問状は我ながら傑作だと思います(なかでも注記は4日の帰宅途中の電車内で浮かんだことですが、神の啓示としか思えないほどのgoodアイデアです)。この間の法
 律論争を理解されている方は、笑い転げられること間違いありません。
  都が何の反論もできなかった村木報告
  笑い転げられますよ、都への公開質問状
  資料①東京高裁H3.7.30判決及び原判決の重要部分
  資料②農水省「中央卸売市場整備計画の変更」(重要資料)
  資料③原龍之助『公物営造物法』
  資料④『公共補償基準要綱の解説』

  都との法律論争は、これで完勝確定。村木報告と公開質問状は、今後の「都の料理法」の宝庫です。都の役人は、この二つを読むと真っ青になるはずです。なにしろ、
 都の役人が築地市場にいることにも、築地で事業をやることにも法的根拠がなく、9月10日以降の改築(バリケード構築等)もすべて違法なのですから。
  これで、都の代理人弁護士も地裁裁判官も成敗。愚かにも何か言ってきたら、「フェアーでオープンな議論の場」でおもてなしすればいいだけです。都代理人が出して
 きた主張文書のおかげでまとまった説明ができておおいに助かりました。
  都代理人の皆様、2日にご登場願ったばかりなのに早速のGood job!大変有難うございました。あなた方も西坂部長に負けず劣らずの素質をお持ちのようで。さす
 がは、あの「付ける薬のない」東京都のお眼鏡にかなっただけのことはあります(ただし、素質は十分ですが、都のGive upが間近に迫っているため、MVP争い参入
 は、ちょっと無理だと思います)。心から感謝しながらも、老爺心より一言申し上げておきます。
  「素質十分なのに、一瞬の活躍で終わって残念でしたね。私もあなた方を全国区スターにしてあげられなくてガッカリしてます」。

  ところで、法廷後、村木さんと二人で不思議がったのですが、中澤誠氏の出頭日は11月10日(土)だそうです。なぜ5日も違うんでしょうかね?不思議すぎます。
  実際、11月1日付けの主張書面を11月2日(金)着で送りつけ、11月5日(月)に出頭せよ、とは、あまりにも急ではないでしょうか。どう考えても変ですね。
  ようやく帰宅後にその理由がわかったので、今晩はそれだけ書いて終わりにします。

  理由に気づいて、都代理人の卑劣さに改めて猛烈に怒りがこみあげてきましたので、ここは、自慢話になるかも、などとためらっちゃおられません。
  啖呵を切らせてもらいます。
  こらっ!「松下、代理人」ども!グルになった「小川、裁判官」ども!、10月30日に法律アマの村木さんからボコボコにされ、惨めなノックアウトを食らったことが
 よっぽど悔しかったんだね。
  悔しかったんなら、ちったあ「なるほど」と思わせるところのある主張をしてプロの矜持を示せばよいのに。司法試験科目の法律条文しか入っていない「サメの脳み
 そ」ならぬ「ヒラメの脳みそ」しかないあんたらには、その能力も気概もないので、卑しく、さもしい報復法を考えたってわけだ。つまりこうだ。

  聞くところによると、村木さんには熊本とかいう「権力いじめ」を趣味とするトンデモ学者がついているそうだ。でも、奴は古希前の老爺、しかもメタボ気味。「2
 日到着、5日出頭」という日程では、とても書面を書く体力はあるまい。書けたとしても、それを村木さんに説明して、理解してもらうことなどできっこない。シメシ
 メ、この無理な日程で出頭を命じてやれ‥‥
  ほーら、図星だろうが。そもそも「ヒラメ脳」による発想が、この私に読めないわけないだろ。ヒラメ脳で私に挑もうなんて、思い上がりも甚だしい。百年、いや千年
 早い(正確には改悛して心を入れない限り千年経っても無理)わ!
  こんなさもしい根性しかないくせして、日ごろ弁護士バッジ・裁判官バッジ付けてふんぞり返るとは、お前ら、それでも人間か!築地署の長瀬さん・豊田さんに全員
 「お縄」にしてもらって、水族館まで連行して、ヒラメ水槽にぶちこんでもらうぞ。
  図星にされて地団太踏んで悔しがってるだろうが、残念でした。村木さんから見事返り討ちにあい、またまた醜態を晒しました(詳細は明日)。恥の上塗り。惨めー。

  わしゃ、日頃はボケーっとして認知症気味なのでわからんだろが、あれは敵を油断させるためのポーズ。戦闘モードになったら、体力も知力も数十倍になるんじゃよ。
  18日の激戦で、都職員らの人間の壁に先陣切って切り込み、後に続く営業権者や市民に道を開いて「さあ、早く通りなさい」と言ったのはわしじゃ。動画見ればわか
 る(恥ずかしいのでわしゃ観とらんが)。ついでに言っとくと、火事場の馬鹿力を発揮したのは二度目。川辺川ダム問題でも国交省の工事事務所で「伝説の武勇伝」を残
 しとる。もちろん、今回と同じく、暴力など一切ふるっとらん。権利者の行く手に道を開いただけだ。
  日頃は、学生から「優し過ぎる」,「面白い」,「可愛い」などと言われてる「わし」(ほんとですよ)じゃが、いったん戦闘モードになったら鬼になって猛威を発揮
 することは、10月18日と11月5日で十分すぎるほどわかっただろ。
  以後、心しておけ。
 などと、憤激のあまり、日頃の品の良さをかなぐり捨て、怒髪天を衝く勢いで啖呵を切ったあとは、スッキリして、再びシャイで温和な本来の私に戻れたのでした。よか
 った。
  では、お休みなさい。
  6日13:00からの買物ツアーでお会いしましょう。

◇11月6日(火)
 1.第14回買物ツアー(通告役は村木さん)
  今日、来てくださったお客様は神様に見えました。
  午前中から降り続いていた雨が、開始間際から大雨になり、とても営業することは不可能に感じられるほどでした。
  ごめんなさい。一時は迂闊にも、この雨じゃ営業不可能、雨天のため中止にしても、お客さんに理解してもらえるよ、などととんでもないことを言いました。
  しかし、開始時刻が近づくにつれてお客さんが増えていき、行列を作って並んでくださったお客の表情を見て、即座に考えを変えました。中止したら、この雨の中、来
 てくださった皆さんに申し訳ない。皆さんの買物が終わるまでは営業を続けないと罰が当たる。そう思わせるほど、皆さんの「買物ツアーを支えたい」という真剣な思い
 とご好意が伝わってきたからです。神様のように見えたというのは決して大げさではありません。
  後の打ち合わせでも、村木さんはじめ、営業権者の全員が、口々にそう言われていました。
  心からお礼申し上げます。
  2.村木さん・杉原さんからの法廷報告
  大雨のため、30分遅れて午後3時半から始まった打合わせでは、村木さん・杉原さんからの2回にわたる法廷の報告が中心でした。地上権者のYさんも初めて参加されま
 した。
  1回目の法廷で村木さんが一方的にパンチを浴びせ、裁判官・弁護士どもをノックアウトされたことは、既に紹介した通りですので繰り返しません。
  以下、2回目(11月4日)の法廷報告全体を象徴する部分を紹介します。
  それは、最重要で鍵になる文書「公開質問状」に対する裁判官・弁護士の反応です。
  ①村木さんが報告を踏まえて公開質問状への回答を求めたところ、都代理人及び裁判官が読む時間が欲しいと休憩に入った。
  ②都代理人は約5分後、裁判官は約10分後に戻った。
  ③都代理人は、質問状の全ての項目にわたって「答えない」と言い、村木さんが「答えない理由は?」と尋ねると「理由はない」と言った。その後、ひたすら沈黙。(
   村木さんによれば「黙秘権を行使した」)。
  ④都代理人が黙秘権を行使したため、法廷は、村木さん・杉原さんと裁判官とのやり取りだけになった(杉原さんは打ち合わせで「法廷ってそんな所なんですかね。
   持ってたイメージと違うんで驚いた」と質問されたので、「法廷とは、原告と被告が議論を戦わせ、行司役の裁判官が、いずれのほうがより正しいかを判断すると
   ころで、被告又は原告と裁判官が話し合ったり、議論したりするなんて、あり得ない」と説明しておきました)。
  ⑤都代理人の「黙秘権行使」後、裁判官は「築地市場の廃止(廃城)や閉場」に関する報告や公開質問状における質問に関し、本仮処分命令申立書のテーマは「残置物
   撤去」なので、関係ない話をしないように、というのみであった。
  凄いですね。このヒラメたちの惨めな状況は。言葉を失います。ヒラメがすっかり貝になってしまったんですから。
  誰もが分かるように、③は、都が完璧に敗北したことを意味します。白旗挙げるにしても、「答えない」、「答えないことの理由はない」は、あまりにもお粗末。潔く
 ない、恥知らずにもほどがある、往生際が悪い、人間のクズ等々の表現をもってしても言い足りないほどです。こんなにひどい対応しても、ヒラメだから安泰と思ってい
 るのでしょう。それで通ってしまうかもしれないほど、この国の権力、統治機構が腐りきっているということです。
  また、⑤は、裁判官は、都代理人が「黙秘権」を行使したため、話題をそらすのに必死だったことを意味しています。そもそも、「築地市場の廃止(廃場)や閉場」をテー
 マに取り上げたのは、都代理人の「主張書面」であり、こちらはそれに対する反論を展開しただけ。それを言うなら、都代理人に対して言うべきは明らか。助け舟になる
 どころか、自分の馬鹿さ加減及び都との癒着ぶりを露呈しただけ。ここまでお粗末な発言をするとは、さすがは、ネットで評判の裁判官小川直人氏です。
  要するに、2回目の都代理人は、ボクシングに例えれば、ひたすら自陣コーナーで頭を抱えて沈み込んでいただけ。柔道に例えれば、初めの礼すらせずに、あの西坂さん
 の動画のように、その場でひっくり返って大の字になっただけ。スポーツなら、開始10秒程度で「戦意ゼロ」で判定が下される内容です。
  これでおわかりですね。村木さん・杉原さんが、1回目ほどスッキリしない表情で日比谷公園に現れたのは、痛烈パンチを浴びせようにも、相手の戦意喪失のために浴び
 せられなかったからなのでした。面白いですね。
  これで第2回法廷の様子がお分かりになったと思いますが、より生々しくお伝えするために、村木さんの報告を聞いた際のメモから主要部分を掲載しておきます。
  以下、村木さんは「村」、東京都は「都」、裁判長は「裁」と略記します。

    13:30開廷
    村:(開廷後すぐに)今日の法廷は何時までなのか。
    裁:時間は無制限。
   (村木報告後、公開質問状を熟読するための休憩)
    村:回答をお願いしたい。
    都:回答いたしません。
    村:答えられるものだけでもいい。
    都:すべて答えない。
    村:どういう理由か。「答えない」のは今だけなら、まだわかるが、今後もか。
    都:理由はない。今後も答えない。(村木さん感想:何もしゃべらないぞという強い意思を感じた)。
   (以後、都は完全に沈黙、ヒラメ貝に)
    村:我々は、法に基づいて書面及び公開質問状を出している。
      それに対して都は何も答えないし、答えない理由すら言わない。
      明らかにわれわれが完勝しているのに、裁判長が変な決定を出すなら、末代までの恥になる。
   (都、ヒラメ貝のまま)
    裁:あと5分くらいでいいですか。
    村:初めに「今日は無制限」と言ったではないか。
    裁:次の公判があるので。
    14:30頃閉廷
   村木さん感想:裁判官も都代理人もバツの悪い顔してた。私と顔・目を合わせられなかった(熊本注:貝やヒラメには顔・目を合わせることは無理。大目に見て
         あげましょう)
   杉原名人感想:弁護士が黙秘権を使えるんでしょうかね、不思議な感じがした(熊本注:お嬢ちゃん同様、無邪気に相手の一番痛いところを直撃されてます)

  まったく、都代理人も裁判官も、情けなさすぎ、不甲斐なさすぎ。小川裁判長も芝居が下手過ぎ、西坂氏の足元にも及ばん。少しは西坂氏を見習いなさい。
  公判が入っていれば、最初に「無制限」とは言わんでしょう。裁判長って、法廷で嘘ついても平気なんですかね。証人が嘘ついたら「偽証罪」に問われるのに不公平
 ではないでしょうか?そうか、最高裁が「裏金作り」(前掲)という違法行為をやってるから、それに比べりゃ「裁判官の嘘」くらいなんてことないわけだ。納得。
  でも、こんなことで、この国、大丈夫なんでしょうかね。エッ、「もう壊れてる」って。そうだった。

  しかし、皆さん、法廷内でこれほどひどい醜態を晒していても、そこは密室。ヒラメ裁判長のことですから、都側に軍配をあげる可能性は十分あります。
  小川直人裁判長によるヒラメ裁断を防ぐ方法は、皆さんが、公開質問状の内容(完璧に都を論破していますし、各項目が都の急所を突いています)を理解して下さり、
 それを広めてくださることです。皆さん、ご協力をよろしくお願いします。ぜひ、力を合わせて、小川直人裁判長を全国区スターにしてあげましょう。

  加えて、どうも村木さん・杉原さんの余裕の表情から判断して、お二人は、何かをお持ちのように感じています。というのも、この間、お二人に限らず、営業権者の皆
 さん全員、都の脅しから自衛するために、①「法的根拠を文書で示せ」という言葉、②カメラ、及び③ICレコーダーの「三種の神器」を備えておられたからです。
  最近は、超小型かつ高性能のカメラやICレコーダー等が発売されてますので、わからないように画面・動画や録音をすることは、いくらでも可能ですからね。
  お二人が法廷で画面・動画や録音をとられたかどうか、伺っていませんが、とられた可能性は十分あると推測しています。

  いずれ、画面・動画や録音等がネットに流れることになるかもしれませんが、小川直人氏を始めとした裁判官の皆様、松下博之氏を始めとした弁護士の皆様、そうなっ
 たとしても、おかげで皆様が全国区スターになれるんですから、楽しみにしといてくださいな。
  皆様の全国区デビューの暁には、営業権者の皆さんと私も乾杯して祝ってあげますよ。おそらく、HP読者の皆さんもお祝いの印に拡散してくださることでしょう。

◇11月8日(水)
 1.公開質問状Ver.2を送る
  都庁の皆さん(かの名優西坂氏や都庁至上主義者大谷課長にも)に、次のようなメール(公開質問状Ver.2を添付)を送りました。

  Date: 2018/11/8, Thu 09:33
  Subject: 公開質問状Ver.2をお送りします
  都庁の皆様
  東京地裁11月5日に営業権組合から都代理人に公開質問状を示しましたが、「今も今後も一切答えない」、「答えない理由はない」と「黙秘権」を使われました。
  そこで、改めて、改良版のVer.2を皆様にお送りします。代理人の皆さんには、送りたいもののメールアドレスを知らないものですから、転送しておいて下さい。
  また、公開質問状を作るうえで、大きなヒントを下さった財産運用部管理課の福地課長にも転送願います。
  回答をお待ちしています。宜しくお願いいたします。

  皆さんにも、下に掲げてお届けします。
   笑い転げられますよ、都への公開質問状Ver.2
  追加部分は2カ所で、赤字で示してあります。5-1~5-5を追加したのと「公開質問状に回答がない場合にも、都が当方の見解に同意したものとみなす」とした点
 の2か所です。5-1~5-5は、一段と面白いですよ。

  これで法律面での都庁退治は一段落。あっさり成敗しました。それにしても、1回目にノックアウトされた悔しさから、触れる必要のない「築地市場の廃止(廃場)
 や閉場」をテーマに主張書面を出されてきた行為は、最大最高級の「墓穴堀」でした。さすがです。
  実は、公開質問状で突いた点は、あの10月18日の晴れ舞台の時点で既に気づいていたのでした。しかし、二日前に威力業務妨害罪に気づいた(いずれ書きますが、
 これも神の啓示かと思われるほどの幸運に恵まれたことです)ので、そちらに切替えたのでした。その後、効果的に公表する機会を窺っていたのですが、法廷という
 最高の機会を提供していただいて、とても有り難かったです。都代理人の皆様に心からお礼申し上げます。Best job!一気にMVP有力候補になられましたよ。

  今後のHPでは、いまのところ、法律面では「のれんの奥深さ・強さ」(予告編参照)くらいしか予定していません。
  法律面で、翌日までにHPを更新したり書面を準備したりしなければならないような日々が続きましたので大変でしたが、ホッとしました。そのせいか、昨夜は久し
  ぶりにグッスリ眠れました。
  付記:12時前に村木さんから連絡があり、杉原さんとともに都に「損失補償請求書」を都に提出してきた旨、聞きました。以下、その時のやりとり。
     村:損失補償請求書を提出してきました。だけど、この間、役人も弁護士も裁判官も「バッカじゃなかろか」と思いました。
     (大笑い)
     熊:そうでしょ。だけど、それは村木さんたちが自分の権利を勉強してきたから、思えるんですよ。自分の権利を勉強して主張することがいかに大事か、とい
      うことなんですよ。
     村:そうですね。権利を持ちながら、主張しないのもいっぱいいたけど。
     熊:そんな人たちは、権利を侵害されても仕方がないんです。もっといえば、自分で身体を張ってでも主張しないようならば、そもそも「権利」とはいえない
      んです。
    1回目のやり取りの主要部分は以上、その後、「誰が受け取ったんだろう」との疑問が浮かび、私から村木さんに電話。以下、2回目の電話のやり取り。
     熊:誰が受け取ったの?
     村:柏原副場長。
     熊:エーッ。前回、あれだけ受取を拒否したのに。前回と今回の違いを追及すればよかったのに。何故、前回拒否して、今回受け取るのか、その法的根拠を明ら
      かにせよ、と追及したの?
     村:それはやらなかったです。今日は元気なかったですよ。ずいぶん。
     熊:それはね。都がギブアップしたからですよ。地裁で代理人が1回目ノックアウト、2回目戦意喪失したもんだから、あきらめたんですよ。前回の受取り拒否
      をHPでからかったこともあるかもしれないけど、メインの理由はギブアップですよ。
     村:一見、真面目風だから、からかうと面白いタイプですよ。
     熊:今日のところはそこまでやる必要ないけど、悔い改めないようなら、一緒にからかいに行きましょ。
    さあ、柏原さん、どうしましょう。都の代理人のようになりたくなければ、早いとこ改悛したほうがいいですよ。
    他の役人の皆さんも、笑って読んでる場合じゃないよ。他人事ではないんだよ。

    かくして、都のギブアップが明らかになりました。強制収用もできないし(下の週刊金曜日2018.10.26の永尾俊彦氏の記事を参照)、都に残された道は、和解
   をお願いしてくるのみ。
    週刊金曜日2018.10.26永尾氏記事
    「あの小川裁判長の下で和解するんですか?」って。そんなわけないでしょ。小川裁判長の下でやったら、私が度々鬼になるから、和解どころか修羅場と化すぞ。
    和解とは、法廷で行なうとは限らず、それどころか、原則は当事者間の話合い。しかし、まずは、都がこれまでの数々の違法行為、恫喝行為の謝罪をしなければ、
   話合いに入ることもできんだろうな。

◇11月9日(金)
 1.チュウ太物語 その1.「チュウ太からのお願い」の巻
  10日13:00~の第15回目買物ツアーは、買物ツアー開業1カ月にあたる記念のツアーになります。
  皆さん、ご参加・ご協力、宜しくお願いいたします。
  記念となる買物ツアーを前に、チュウ太君からの緊急のお願いが入りました。
  チュウ太君は、私が築地市場を数十回訪ねるうちに唯一出会った、築地市場在住のネズミです。
  都が大々的に「ネズミの駆除」をすると息巻いていますので、どうぞ仲間たちを助けてください、とのお願いです。次に紹介します。
   チュウ太からのお願い
  どうぞ、皆さん、買物ツアーでチュウ太君の願いをかなえてください。
  ちなみに、チュウ太君の願いは、築地市場に込められた知恵や豊洲市場の問題点への洞察を含んでいると思われますので、いずれHPで「チュウ太物語」の続編とし
 て論じたいと思っています。

 2.のれんの強さと奥深さ
 1)のれんの強さ
  買物ツアーを一カ月続けてこられたのは、のれん(のれんに基づく営業権を単に「のれん」ということもあります)があるから、ということは、何度も記してきたので、
 皆さん、ご承知のことと思います。
  営業権には、許可に基づくものと「のれん」に基づくものがありますが、買物ツアーは「のれん」に基づいて開催しているのです。ですから、豊洲で「許可に基づく営
 業」をしている業者が、同時に築地正門前の買物ツアーで「のれんに基づく営業」をすることができるのです。
  実は、「のれんに基づく営業」という点が、都が買物ツアーに手も足も出ない大きな理由なのです。
  「許可に基づく営業」の場合、営業場所は知事により指定され、業者はそれ以外の場所では営めません。また、条例に基づく「許可の取消し」も可能です。
  しかし、「のれんに基づく営業」では、「営業場所の指定」も「権利の取消し」もできません。実際、買物ツアーは、当初の巡回コースから、駐車場→ガソリンスタ
 ンド→正門前、と場所を変えてきましたが、場所如何に関わらず、実施できています。仲卸棟内の「使用指定場所」に残している残置物は、他の場所に移動されたとして
 も、「のれんに基づく営業」のための私有財産であり続けます。
  要するに、のれんは、お上による制限・禁止や取消しができない強力な権利なのです。
 2)のれんは、なぜ強いのか
  では、のれんは、なぜ強いのでしょうか。
  その理由は、のれんが、築地業者の長年の営業努力によって培われてきた信用に基づく権利だからです。
  権利とは、お上が与えるものとは限りません。お上から与えらえる権利は、お上がその制限・禁止や取消しを容易に行なえます。しかし、権利には、民衆が長年営々と
 積み重ねてきた努力・実績に基づいて創出される権利もあり、そのような権利には、お上は、制限・禁止や取消しを行なえず、手も足も出ないのです。
  漁業でも全く同じことが言えます。
  漁業は、一般に免許を受ける「漁業権漁業」、許可を受ける「許可漁業」、免許も許可も不要な「自由漁業」に分類されます。漁業法を研究している人でも、たいてい
 は、そのうち最も強い漁業は「漁業権漁業」だと思っています。「免許」とは「権利の設定」行為であり、したがって、免許を受ければ、漁業権という強力な権利を得る
 ことになる、と思うからです。私も、志布志湾に取り組んでいた頃(1990年頃)までは、そう思っていました。
  しかし、その後、石垣島白保の新空港問題、上関原発、大分県大入島の埋立、諌早湾導流堤工事等々に取り組むうちに、最も強いのは、自由漁業であることに気づきま
 した(詳しくは、拙著『漁業権とは何か』を参照)。自由漁業の権利も、漁民が長年営々と積み重ねてきた努力・実績に基づいて創出される権利であり、お上が手も足でも
 出ない権利だから強いのです。
  また、地先海面で貝や海藻を採る漁業は共同漁業ですが、共同漁業の権利は、免許を受ける場合よりも免許を受けずに慣習(実態の積み重ね)に基づいて営むほうがお
 上の干渉を排除できるため、より強力であることも分かってきました(これは漁業法をかなり勉強しないとわからないので、わからなければ読み飛ばしてください)。
  これらの権利は「慣習上の権利」と呼ばれます。慣習とは「民衆の営みの積み重ね」ということです。民衆は、慣習によって権利を創出できるのです。そして、お上
 は、それに対して手も足も出ないのです。
  「慣習上の権利」は、民衆がお上の横暴に抗するうえで大きな力になるものであり、「世直し」をめざす人たちにとって注目すべき権利だと思います。
  買物ツアーも、漁業における「自由漁業」に相当する「のれん」に基づいて行なわれているからこそ、都が制限も禁止もできないでいるのです。
 3)近代を超えた「人の営み」に基づく権利
  「慣習上の権利」についてお上が手も足も出ないということは、歴史を翻れば、何を意味しているのでしょうか。
  私たちが生きている社会は「近代社会」と呼ばれます。「近代社会」は、産業革命による「封建制社会」の崩壊に伴って生まれたとされています。封建制社会より前に
 は、「奴隷制社会」、さらには「原始共同体社会」があったと区分されています。この区分が適切か否かはともかく、人は、通常、生まれてきた時の社会に固有の制度
 が普遍的なものと思い込んで、あるいは思い込まされて一生を過ごすことになります。例えば、近代社会では、「土地の売買」は当たり前のことと思われていますが、
 近代社会より前の時代には存在せず、当時の人々には想像もできなかったことなのです。これは、近代社会には、近代社会固有の制度があるということを意味します。
  他方、海辺に生まれた人が海で貝や海藻を採ったり、魚を捕獲するような行為は、人類の誕生以来、行なわれてきたことであり、いかなる社会、いかなる国家といえど
 もそれを制限したり禁止したりすることなどできるはずがありません。人間の生活があって初めて国があるのですから、人間の生活・生存に欠かせない営みを国が規制す
 ることなどできるはずがないのです。
  現代日本においては官僚統制がいきわたっており、あらゆる領域で「お上による規制」が行なわれていますが、それらは近代法に基づいて行なわれます。したがって、
 近代法に基づいて「お上の規制」に抵抗することは困難です。しかし、近代社会以前から、時代を超えて存在し続ける「人の営み」に関しては「お上による規制」は不可
 能なのです。
  こう考えれば、「のれん」や「慣習上の権利」が、お上の横暴に抵抗する有力な武器になることがわかると思います。条例74条に対して「物々交換」という人類誕生以
 来の商行為で一蹴したことも、同じ脈絡でとらえられると思います。
 4)神は一念に恵み給う
  のれんや「慣習上の権利」について、営業権者の方々に話したところ、猿渡さんが強い反応を示されました。猿渡さんが反応されたのは、民衆が長年営々と積み重ねて
 きた努力に基づいて権利になる、という点でした。買物ツアーを築地市場内の巡回コースで行なっていた頃、茶屋で行なわれていた猿渡さんのお話は大変好評でしたが、
 その中で、このような趣旨の話を聞かれた方も多いと思います。
  猿渡さんは、子供時代から「神との対話」を追求されてきて、とてつもない能力を持たれていますが、のれんや「慣習上の権利」の話を聞いて、「神は強い信念をもっ
 て何かに取り組み続けている人には恵みを与えてくださる」という話をしてくださいました。この間のお付き合いを通じて、猿渡さんの「神との対話」能力を信じている
 私には、納得がいく話でした。
  一言で言えば、「神は一念に恵み給う」。
  猿渡さんが、子供時代から追求されてきて、いま「神との対話」ができるようになっておられるのも、私が、40年以上追求してきて、漁業権によって埋立等を止めるこ
 とができるようになったのも、そして、いま、漁業権の成果を「のれん」に適用して築地市場の解体を止められているのも、その証かもしれません。
  ですから、皆さん。「のれん」によって築地市場の解体を止め、築地市場の再生を追求している私たちの取組みには、神様がついていてくださるのです。自信をもって
 取り組み続けましょう。
  また、皆さん自身も、何かに強い信念をもって取り組み続けられれば、きっと「神の恵み」があると思います。

 以下、予告編(順不同、また必ずしも今後の記載を保証するものではありません)
 〇築地市場の神様たち 肺がジンジン 葉っぱ遊びに目覚める そんなことしてはいけません 声に真心がこもる 鼠の行先を心配する
 〇神宣わく「鬼になることも必要」
 〇修羅場でこそわかる「本物は1%未満、かつ、それで十分」 室原知幸(蜂の巣城) 山口武秀(高浜入干拓反対闘争) 七人の侍 サポートに取組む理由 宝物
 〇なぜ「取材お断り」なのか なんで貴方の手柄あげに協力せんならんの 取材できても記事内容で試されるんですよ 「有名人ツアー」への協力は御免
 〇島田虎之助 広瀬淡窓 「咸宜園と松下村塾は月とスッポン」 「吉田松陰・福沢諭吉・山縣有朋の大罪」ー「明治は偉大」などとんでもない
 〇眼力とは何だろう 何に由来するのだろう 匂い、言葉、歌でわかる 眼力磨かなきゃいつまでも騙され続けますよ
 〇心なき市民・心なき権利者・心なき法律家

◇11月10日(土)
 1.第15回買物ツアー
  おかげさまで、開業1カ月記念の第15回買物ツアーも盛況、楽しく行なうことができました。
  通告は小松さん。公開質問状に、都代理人が「黙秘権」を行使したことから、解体工事も改築も違法であるとの内容も盛り込まれ、これまでよりさらに意気上がる
 通告となりました。今後も「都の違法性」を厳しく指摘していくといいですね。
 2.アコーディオン式の門に変化
  注意深い方は気づかれたと思いますが、都がギブアップしたことが門の変化に現れていました。今まで正門はバリケードが築かれていましたが、今日は、アコーディ
 オンのような折り畳み開閉式のものに変わっていました。真ん中で鍵がかけられていましたが、あれでは、鍵又はチェーンを壊すだけで容易に入れます。
  このような方式は、2002年に諌早湾干拓のゲートで経験済み。閉じることが違法だけれども閉じておきたい場合に使う方式です。諌早湾では、漁民が鍵を壊して中
 に入ったことがありますが、警察は「不法侵入」(私が「閉じたこと自体が違法であること」を警察から呼び出しを受けた漁民に教えておきました)には問えず、「器
 物破損」の700円ですみました(詳しくは、拙著『漁業権とはなにか』参照)。
  今回も、営業権者が「のれん」を持っていますので、閉じること自体が違法であることは明らか。したがって、鍵を壊して入っても「不法侵入」には問えず、器物破
 損で済みます。今回は鍵でなくチェーンを壊せば済みそうなので、もっと安いでしょう。
 3.マスコミ取材が始まる
  今日は、テレビ局、新聞社が来ていて、さらに来週、週刊朝日に買物ツアーが掲載されるそうです。一斉にマスコミ取材が始まったことは、都のギブアップがマスコ
 ミにも明らかになったからだと思います。
  取材は、買物ツアーに支障がない範囲で、営業権者の方たちが受ければよいでしょう。私は、「法的説明も営業権者ができます。また、私のHPで詳しく説明してい
 ますので、それを読んでください。読んだうえでわからないことがあれば説明します」と対応しています。
 4.埼玉県からのお客さん
  今日は、浦和市に住んでいた頃、共にごみ問題に取り組んで以来、ずっとお付き合いしているグループからCさんが来てくださいました。タイやドイツでお迎えして
 案内したこともあるグループで、今後、他のメンバーの方々も、Cさんから伝え聞いて訪問してくださることでしょう。
  もう一人、埼玉県から度々参加されているFさんが「公開質問状を初めて読んだときはよくわからなかったですが、HPを繰り返し読んでいるうちに、わかって大笑
 いしました」と言われた(そうなんです。繰り返し読めば、大笑いできるんです)ので、「どちらから?」と尋ねたところ、「新座」との答。「新座には、太田博子さ
 ん(元県議なので実名にしました)主催の勉強会に何度も行きましたよ」と話したところ、太田さんのグループに属しておられるとのこと。「太田さんにお会いしたいの
 で、次回はできればお誘いいただければ」と依頼したところ、快く引き受けてくださいました。太田さん、久しぶりにお目にかかれるのを楽しみにしています。
  昔なじみの信頼できる知人の方々にお会いできるのも、買物ツアーの思わぬ効用です。

  今日は、開業一カ月を記念して、買物ツアーを実施してきた方々とカラオケ大会を楽しみました。この間、苦労も感動も共にしてきた、心から信頼できる方々とのカラ
 オケ大会は最高でした。何よりの宝物を得て、大変嬉しく、有り難く思っています。
  では、明日は中国地方まで日帰り出張なので、今日は、ここまで。
  お休みなさい。

◇11月12日(月)
 1.米子産廃処分場問題の報告
  11日に米子まで日帰りで行ってきました。
  2014年にも行ったことがあるのですが、今回は、運動の最終局面になってぜひとも事業を中止させる知恵を教えてほしいとの依頼を受けて、報告をしてきました。
  詳しくは、本HPの「米子産廃処分場問題」を参照していただきたいですが、報告レジュメを次に紹介します。
   公共事業を止めるための運動論
  レジュメをご覧いただければわかるように、営業権でも漁業権でも水利権でも事業を止める方法は、全く同じなのです。そして、水利権でたった一人の水利権者がゴ
 ルフ場開発を止めた、次の判例(とても優れた判決です)に示されるように、たった一人の権利者が事業を止めることができるのです。
   慣行水利権に関する長野地裁諏訪支部1981.4.28判決
  要するに、権利者を主体にして運動を組み立てれば、そして、一人の権利者が頑として事業に同意しなければ、事業は実施できないのです。分かれば簡単なことなん
 です。
  皆さん、もうおわかりですね。築地市場では、7名もの権利者が買物ツアー等で健闘されています。私たちの勝利は確実だということです。
 2.「本物は1%未満、かつ、それで十分」
 1)まな板の上のヒラメ
  築地市場では、上掲判決に照らしても100%勝てるうえ、すぐに思いつくだけでも、つぎのような数々の事業の違法性が明らかになっています(分からない人は復習し
 なさい。特に、11月5日の村木報告及び公開質問状を熟読すること)ので、勝利の確率は、100%をはるかに超えて800%~1000%くらいなんです。
   ①威力業務妨害罪
   ②損失補償なし,営業補償(得意先喪失補償の必要性は明らか)なし=憲法29条違反
   ③地上権/借地権を無視
   ④恐喝罪(「借地権・建物を寄付しろ」との脅し、営業権者への数々の脅し)
   ⑤閉場・解体事業の法的根拠なし、違法
   ⑥改築も法的根拠なし、違法
   ⑦公務員の不法就労(築地市場at築地では公務ができないのに行なった。公文書偽造に類似)
   ⑧証拠隠滅罪(残置物を撤去した場合、威力業務妨害罪に関して「業務」の証拠隠滅)
  よくここまで違法行為を重ねられたものです。ヤクザもビックリして腰を抜かすでしょう。川辺川ダム問題で、国交省のひどさを知ったヤクザが「ヤクザはここま
 でひどいことはやらん」と憤激していましたが、私の実感では、川辺川ダムでの国交省のひどさの数倍、いや数十倍はあると思います。
  悪業を尽くしたあげく、都の最後の砦であったはずの代理人弁護士たちが、法律アマの村木さんから1回目ノックアウトを食らい、2回目は戦意喪失して完黙し、
 (にもかかわらず、あの小川裁判長のことですから、全国区スター狙いで都を勝たせるかもしれませんが、そうなったとしても、全体の戦況から見れば「屁の足し」に
 もならんことくらい、もうわかったでしょう)あっけなく撃沈されたのですから、惨めったらありゃしない。全員、恥ずかしくて穴の中に入らなきゃいけないのでは。
  アッ、そうか。あれほど懸命に墓穴を掘ってたのは、そのためだったのか!納得。まったく、用意だけはいいんだから。
  都の皆様、大き過ぎる組織、縦割りに加え、そもそも全員〇〇過ぎて、全く戦況を読めずに墓穴を掘られてきましたが、あなたがた、既に「まな板の上のヒラメ」
 (一部、ヒラメ貝)なんですよ。こちらには、築地市場で鍛え上げた「さばきの達人」がそろっていますから、「さばく」のは簡単。もういくら何でも気づいたでしょ
 うが、「さばき」は、その気になれば、いつでもできるんですよ。
  しかし、簡単には、さばいてあげないよ。これまでの都の悪業の数々をもっともっと公にして、轟々たる非難を浴びせさせてから、じっくりさばいてあげるよ。生よ
 りも炙ったほうがおいしいからね。
  こうなった以上、「お縄」(買物ツアーの「商品B」は、実は「お縄」です)を買いに來て自ら手首にかける(これがほんとの「自首」)など、少しは潔さを示されたら
 如何でしょう。そのまま築地署の長瀬さん、豊田さんとこまで行って、俗にいう「自首」をしたほうがいい人も居るし。
  往生際だけは、大東京都の矜持を示してほしいと願っていますよ。
 2)本物は1%未満
  買物ツアーを支えている業者の方々は、7名です。築地市場の業者全体のうち約1%未満に過ぎません。
  たいていの方は、「たった1%未満か」と思われることでしょうが、私は、逆に「本物が7名も居るのか」と感激しているのです。というのは、私は、事業を止めた
 だけでも約20例、40年以上も漁民・住民運動と関わってきているからです。
  例えば、川辺川ダム・荒瀬ダムの運動では、関わった数千人、あるいは万を超える人のうち、本物は、共著『よみがえれ!清流球磨川』を書いた三室勇・木本生光・
 小鶴隆一郎の三名だけです。他に市民運動などで、良心的に関わられた方が居ないわけではないですが、お三方の苦労に比べれば、比較になりません。それどころか、
 運動の勝利を自分の手柄であるかのように吹聴・宣伝して「環境アドバイサー」などにおさまっているような市民も居ます。諌早の漁民運動では、三名の漁民が導流堤
 工事を止めたことを何度か記しましたが、うち「本物」は、松永さんお一人です。あとの二名は、金を欲しがるようなタイプの人で先行き心配だったのですが、松永さん
 一人では心細いので、誘ったのでした。案の定、二名の金を欲しがる点につけこまれて、4カ月で導流堤工事阻止を崩されてしまいました。志布志湾では、運動の初期に
 は、革新団体などが「一万人集会」を何度も開いていましたが、結局、最終段階まで健闘した人は、志布志町の藤後惣兵衛さんや高山町の若松与吉さんら数人、片手で数
 えられるほどです。
  しょせん、「本物」は、そんなものなんです。築地で7名も「本物」がおられるのは、実はすごいことなんです。
  「輪を広げよう」などといって、集会やデモばかりやっている人、「今日は、大勢集まったから成功だ」などと言っている人、ようく覚えておいてください。他人を運
 動の主体として尊重するのでなく、操作や動員の対象(駒)として扱っている運動は、形だけ大きくても中身はスカスカなんですよ。何万人集めても、一人の本物に適わ
 ないんですよ。「大勢集めたい」のは、運動に勝つためでなく、自分の手柄を大きく見せたいからじゃないんですか。
 3)室原知幸の慧眼
  本物の権利者が一人でもいれば勝てることは、上記判決にも示されているとおりです。
  勝利にはつながらなかったものの、最後まで一人で公共事業と闘い、事業主体である当時の建設省も、その闘いに敬意を払った方をご存知でしょうか。
  名は「室原知幸」。熊本・大分両県境に計画された松原・下筌ダムの建設に反対し、自宅を「蜂の巣城」と呼ばれた要塞にして、上から糞尿を投げるなどの奇策
 を用いて徹底抗戦した方です。マスコミが奇策などを面白おかしく伝えたのですが、実は大変な「本物」です。法律を駆使されたほか、この国の公共事業の本質を
 いち早く見抜いて、「公共事業は、理に叶い、法に叶い、情に叶うものでなければならない」という名言を残されています。
  注目に値するのは、大変な苦労をさせられたにもかかわらず、事業主体の建設省が、後々まで室原氏に敬意を払っていることです。ネットで調べても書名は見つ
 かりませんが、私は、氏の没後、建設省の官僚たちが氏を追悼するべくまとめた分厚い本を手にして感動したことがあります。
  そんなものなんです。官僚たちにも、「本物」に感動する心を持っている方が居るのです。事業には都合が悪くとも、私心なく、仲間たちや社会全体のことを思
 って健闘している人のことをきちんと見ていて、内心敬意を払っている人は、決して多数ではないものの、確実に居るんです(ですから、住民運動に関わりながら、
 事業主体を一方的に非難・罵倒する人には違和感を覚えますし、そのような人を私はあまり信用しません)。
  「本物」かどうかを判断する最大の基準は、自分の利益ばかりを考えているか否か、また、利益誘導に強いか弱いかです。私は、どこでも、それを最大の基準に
 「本物」かどうかを判断しているのですが、この点に関しては、どうも権力側も同じ基準で判断しているように感じています。私が「あの人は危ないな」と感じる人
 は、たいてい、権力からも狙われて、脱落していきます。
  そして、私も築地で初めて明確に気づいたのですが、「本物」でない人には、むしろ早く脱落してもらったほうがいいのです。そのほうが、自分の利益しか考え
 ないような意見や自分は何もしないくせに注文や批判ばかりするような意見を聞かなくてすんで、「本物」のチームワークがよくなり、結束が強まるのです。
  実は、私は、村木さんが「あいつだけは許せん」とカンカンになられたのを、「私も彼には何度も切れかけたことがあるが、今は一人でも多いほうがいいと思って
 我慢してきた。だからあなたも今回我慢してほしい」と言って懸命になだめたことがありますが、振り返ってみて、あれは私の間違いだったと思います。そんな人に
 は早く出て行ってもらったほうが、今がそうであるように、「本物」だけの、温かな配慮に満ちた、気持ち良く楽しい運動ができるのです(もっとも村木さんと私の
 会話を伝え聞いたらしく、彼はその後出てこなくなりましたが)。「本物」が一人でもいれば勝てるのですから、「本物」以外の人は要らないのです。
  たいていの運動が方針に掲げている「輪を広げたほうがいい」、「人数が多いほうがいい」は間違いであり、そんな間違った方針を採っているからこそ、運動内部の
 人間関係でいつも苦労させられるのだ、と思います。いっそのこと、住民運動に関わるうえでの資格・条件を憲章などで決めて、それを満たした人だけ入会を認めるよ
 うにすればいいとも思いますが、これもまた心ない人に悪用されたら余計大変なことになりますから、難しく、頭の痛い問題です。
 4)民衆の意識変革を重視した「山口武秀」
  暗記が嫌いで、クイズ番組はたいてい零点で、認知症に自信のある私ですが、世直しに関連したことだけは、よく覚えています。
  私が、室原知幸氏と並んで尊敬している人が、「山口武秀」です。武秀は、北総の農民・漁民の運動、特に高浜入干拓反対の漁民運動の指導者として有名な人です。
 印象に残っているのは、高浜入干拓反対運動について著された『権力と闘う住民』という本です。
  本は、いま研究室に置いてあるので正確さを欠くかもしれませんが、「運動で最も肝腎なのは、民衆の権力を恐れる意識を払拭すること」という指摘が最も印象に残
 っています。そうなんです。私が、本HPにおいて、権力を散々からかっているのは、この指摘を覚えている、というより私自身に染みついて既に私自身の考えになっ
 ているからなのです。
  武秀は、「権力を恐れる意識を払拭した結果、逮捕された後、釈放されて帰ってきた人をみんなで英雄として褒め称えるようになった。こうなれば大丈夫だ」と記し
 ています。この点に関連して、志布志湾の賢者、漁民の若松与吉さんが言われた「権力が怖いのは、権力自体が怖いのではない。権力を恐れている地元の人々から白眼
 視されるのが怖いんだ」という言葉が記憶に強く残っています。「周囲の人がお上を恐れなくなれば、お上も怖くなくなる」ということで、民衆にとっての名言だと思
 います。
  武秀は、さらに「お上を恐れなくなった漁民たちが武装して、早朝、機動隊の詰め所を襲った。機動隊員が逃げ回った」と記しています。これには、さすがの私も腰
 を抜かしました。
  もちろん、細部まで武秀に同意しているわけではありません。機動隊の中には、不本意ながら民衆を抑える仕事に従事させられている人も居るはずで、一括りにす
 るのも間違いですし、人の考えや意識はいくらでも変わり得るのに、肉体を傷つけてしまうことは、よくないと思います。また、私は、そもそも「指導」という言葉が
 嫌いで、いつも「指導はしません。判断の主体は貴方がた自身、私は助言しかしません」というスタンスを貫いています。
  こうした違いはあれ、「民衆のお上を恐れる意識を払拭することが鍵」と指摘した武秀は、やはり偉大だし、尊敬に値すると思っています。
 5)新「七人の侍」にご期待を
  ようやく、本項も終わりに近づきました。
  なぜ、「本物」論を展開したか、お気づきでしょうか?
  そうです。今、営業権や地上権で都と闘っている方々が「本物」だからなんです。だからこそ、もう結束が崩れることはないと確信しているからなんです。
  実は、「本物」論よりも先に思いついたのは、「七人の侍」でした。買物ツアーの最中に、寡黙で、心温かく、しかも渋い、ある方に、「七人の侍」の宮口精二
 扮する「久蔵」のイメージが、ふと重なったからです。ネット上のあるサイトで、七人の侍のうちの人気No.1が久蔵であったことも思い出しました。
  ごめんなさい。白状します。その後、しばらく、買物ツアーの合間に、不遜にも「七人の侍」のそれぞれの役がどなたに適しているかを想像したのでした。
  しかし、その後、それが如何に馬鹿馬鹿しいことかに気づきました。
  築地市場の「七人の侍」は、黒澤明の「七人の侍」よりも、よっぽど個性的で、素晴らしい方々であることに気づいたからです。ですから、黒沢の「七人の侍」の役
 に我らが誇りの七人を当てはめるのでなく、七人の個性に基づいて、新「七人の侍」を作ればよいと気づいたのです。
  いま、私は、秘かに(といいながらバラしていますが)、HPで初めて気づき、更新を通じて格段にアップした(喜劇)脚本家としての才能を活かして、数年後、新「七
 人の侍」の脚本を書き、映画にしようと企てています。主役七人が素晴らしいだけでなく、西坂氏、猪口氏、大谷氏、小川氏、松下氏等々、脇役陣も「左卜全」なみの
 名優ぞろいですから、きっと抱腹絶倒間違いなし、黒沢をはるかに超える名作を作れると確信しています。
  皆さんも、どうぞご期待ください。また、映画上映の節は、どうぞ、HP同様、よろしう、ごひいきに願います。

◇11月13日(水)
 1.第16回買物ツアー
  正門は、また、少し、簡素になっていました。アコーディオン扉は二重になっているのですが、内側のアコーディオンの上部が、網状に変わっていました。そのため
 、ある程度、市場の内側が見えるようになりました。
  閉場に法的根拠などないんだから、代理人も完黙してそれを認めたんだから、いっぺんに見えるようにすればいいのに、一体何をしたいんでしょうか。まさか、あの
 、少しずつ見えるようにすることで興味をそそるという「チラリズムの美学」を実践するんじゃないでしょうね。なかなか粋なはからいではありますが、公共機関がそ
 んなこと、やっていいんでしょうかね(初心な私など、書くだけでも赤面しているというのに)。心配です。
  今日の通告は、猿渡さん。もうすっかりハンドマイクでの通告に馴れられ、都の違法性もしっかり指摘されました。
  今日のお客は、開始時に殺到されるのではなく、行列して並ばれるとともに、開業時間中、満遍なくお出でになったと感じました。こちらも楽です。そのためもあっ
 て終了時刻は、いつもより遅く、13:45頃だったでしょうか。
  とても嬉しいことに、市民のYさんが営業権組合の旗を作ってきてくださいました。今日、デビューとなり、営業時に背後に掲げて営業しました。さらに、今後、若者
 のバンドに参加を呼び掛けて下さるそうです。バンドのご協力を得られれば、お客さんも私たちも楽しめるので、ぜひお願いしますね。
  驚いたことに、開始直前に、巡査のような方が見えました。長瀬さん、豊田さんが期待に反してお出でにならないのに、「まさか」と思いましたが、「市民から自動車
 が停止しているとの通報があったので、伝えに来ました」とのことでした。とても人柄の良さそうな紳士だったので、「都の役人を逮捕しなさい」と言いそびれ、「はい
 、わかりました」と即座に答えました(人柄の良い人には弱いんです)。しかし、すぐに「でも、片づけるだけでも40~50分くらいかかるんです。それはいいんでしょう」
 と付け加えたところ、肯いておられました。認知症患者(私)に理解ある方でよかったです。それほどいい方なので、名前もお聞きし、商品Bの「お縄」もプレゼントし
 ました。商品Bは、セットになっているチラシ(使い方を明記)に価値があるのですが、しっかり「使い方」も読んでいただき、「ご感想は?」と尋ねたところ、紳士のH
 さん、困りきった表情で「感想をここで言うのは無理ですよ」と言われました。ごめんなさい、おかしくてたまりませんでした(周りからもクスクス笑いが漏れてました
 )が、笑いをこらえ、「じゃあ、2,3日後に私の携帯電話に電話して、こっそり話してください。真面目な感想でなく、ジョークでお願いしますよ」と言っておきました。
 Hさん、ご感想を楽しみにしていますよ。
 2.打ち合わせで早速、カラオケの成果が
  15:30からの打ち合わせで、12日のHPに「本物でない人には、むしろ早く脱落してもらったほうがいい」と記したことについて、まず村木さんが「全く同感」と発言
 され、他の皆さんも「その通り」と全員同意されていました。嬉しく思うとともに、皆さん、私と同じように、本物でない人に苦しめられてきて、いま本物だけになった
 ことを心から喜んでおられるんだな、と思いました。
  そこから、さらに、議論は、今後の戦略をめぐって、想像を超えた展開をしたのでした。なぜ、こんなにいいアイデアが続くのか、と驚くほどでした。帰宅後、猿渡さ
 んに電話したところ、「村木さんと、なぜあんなにすごい展開をしたんでしょうか、と話しました」と言われたので、「神のご加護があるからに決まってるじゃないです
 か、そのことは何より神様と対話されているあなたがおわかりのことじゃないですか」と言って、大笑いしたことでした。
  「どんな内容か?」って。ここで言えるわけないですよ。いずれ来週中までには報告できると思いますので、楽しみにしていてください。
  今日の打ち合わせでは、全体をとおして、10日のカラオケ大会で親密さと信頼感を増したことを実感したことでした。それが、素晴らしい議論と戦略を生んだように感
 じています。
  素晴らしい仲間を得たことを心から嬉しく思います。

◇11月14日(水)
 1.チュウ太物語 その2.「分別はよくない」の巻
  11月9日の「チュウ太物語 その1.『チュウ太からのお願い』の巻」に含まれている問題を掘り下げて考えてみましょう。
  東京都は、「築地市場にはネズミがたくさんいるので近寄らないように」とか、「ネズミを駆除します」と言っています。しかし、市場にネズミがいることが、なぜ問
 題なのでしょうか?また、そもそも、市場になぜネズミが多くいるのでしょうか?
  市場にネズミがいるのは、当たり前ですが、そこに餌があるからです。ネズミは餌をたべているだけ。そのどこが悪いのでしょうか。
 1) 生物多様性は環境をきれいにする
  皆さんは、「生物多様性」という言葉を聞いたことがあるでしょう。生態系には、多様な生物が存在していることが好ましい、という意味の言葉です。
  川の生物多様性が増せば増すほど、川の水はきれいになります。なぜなら、水中の養分が植物に取り込まれ、その植物を動物が食べ、それをさらに動物が食べ、……と
 いった食物連鎖によって、養分を動植物が貯め込みますから、水はそれだけきれいになるのです。ですから、最近では、河岸をコンクリートで固めるのではなく、なるべ
 く自然状態に近づけて、生物が棲息できるようにする「近自然工法」が採用されるようになっています。
  要するに、生物多様性は環境をきれいにするのです。
  ならば、ネズミが居ることは生物多様性を豊かにしますから、いいことではないでしょうか。実際、ネズミが市場に残った餌(有機物)を食べなかったら、それらは汚水
 や廃棄物となったはずです。築地市場が長年、汚染の少ない市場として存続してきたのには、ネズミが大きく貢献してくれていたのです。
 2) イナゴの大発生の原因は?
  生物多様性が増すのはいいけど、一種だけが大量に発生するのはイヤという方がおられるかもしれません。
  しかし、自然界では一種だけが大量に発生することは、決してありません。にもかかわらず、なぜ現実には、一種だけの大発生という現象が起きるのでしょうか。
  田んぼでしばしば生じる「イナゴの大発生」を例にとりましょう。田んぼでイナゴが大発生するのは、当然のことながら、人が稲ばかり作るからです。つまり、原因は
 、人間が作っているのです。人間が原因を作っておきながら、その結果生じる「イナゴの大発生」に対して、「イナゴが稲に被害を与える。けしからん。殺してしまえ」
 とばかりに、農薬を撒いてイナゴを殺すのは、あまりに身勝手なのではないでしょうか。ひるがえって、築地市場のネズミにも全く同じことが言えるのではないでしょう
 か。
  もう、わかりましたよね、皆さん。そう、ネズミは、餌があるから食べているだけ。原因である「大量の餌」を残したのは、人間なんです。豊洲移転に伴い、築地の餌
 が急減したため、餌とネズミのバランスが崩れ、ネズミが餌を求めて行き場を探しているのが、今の「築地のネズミ問題」の根本原因なんです。なのに、ネズミを悪者視
 し、「駆除する」とは、人間の、あまりに身勝手な行為というほかありません。
 3) 害虫と益虫に二分できるのか
  イナゴに示されるように、人は、よく虫を「害虫」と「益虫」に分けます。しかし、生物をそのように「善」と「悪」にきれいに区分できるのでしょうか。
  イナゴが稲に付いていれば、イナゴが稲を食べますから、「害虫」に見えるのは当然です。しかし、そこにアヒルを入れたらどうなるでしょうか。イナゴはアヒルに食
 べられますが、太ったアヒルを人間が食べれば、イナゴは「益虫」に変わります。つまり、虫自体に「害虫」とか「益虫」がいるのではなく、人間と虫の関係が貧しいか
 、豊かかによって、「害虫」に見えたり、「益虫」に見えるだけなんです。
  生きとし生けるものは、それぞれ精一杯生きているだけです。それを人間から見てプラスかマイナスかで、善と悪に二分するとは、とんでもないことです。それほど傲
 慢なこと、悪いことをしているのは、それこそ「人間」だけです。
  生きていないものについても同様のことが言えます。例えば、人は、水銀やカドミウムを含む廃棄物を「有害廃棄物」と呼んで危険視し、忌み嫌いますが、それでいい
 のでしょうか。
  それほど危険で嫌なものなら、初めから地下から掘り起こさなければいいのです。なのに、鉱物として掘り起こして、生産者がそれを材料として使用して製品をつくり
 、消費者がそれを購入して消費を楽しんでおいて、廃棄物となったとたんに、それまでの恩に感謝するどころか、危険物、厄介者として指弾するのは、水銀やカドミウム
 にあまりにも非礼なのではないでしょうか。
  この非礼も、水銀やカドミウムと人間の関係性を工夫することで解決できるのです。たとえば、水銀を含む廃棄物から水銀を抽出して再資源化するようにすれば、厄介
 者から有用物に変わるのです。害虫の場合と全く同じように、悪いのは、水銀やカドミウムではなく、それらと豊かな関係をつくれていない人間なのです。
 4) 分別はよくない
  皆さんは、もちろん「分別」という言葉を知ってますよね。「ふんべつ」とも「ぶんべつ」とも読みますが、どちらもいいことを意味する言葉です。
  ところが、仏教では、悪い言葉として使われるのだそうです。仏教の「分別」(読みはわかりません)とは、とは、人間から見てプラスかマイナスかによって善か悪かに
 区分することだそうです。3)で述べたことは、仏教の「分別」を用いれば、まさに、「分別はよくない」、「分別をしてはならない」ということを意味していることにな
 ります。
  お釈迦さんも、なかなかやりますね。いいこと言いますね。
  ただし、私は、3)をお釈迦さんから習ったのではありません。環境問題の研究者として、また、生来の「あまのじゃく」の性分から、悪者視されているものの声に耳を
 傾けていくうちに、「悪者」の嘆きが聞こえてくるようになったのでした。これも「一念に神様が恵んでくださった」のかもしれません。
  今回も、一般には「悪者」視されている、築地市場のチュウ太君からのお願いを聞いて、皆さんに訴えようと思って綴った次第です。
  どうぞ、皆さん、11月17日の第17回買物ツアーでは、チュウ太君の願いを受け止めていただき、商品Aをお求めくださるよう、宜しくお願いいたします。

◇11月15日(木)
 1.菅原邦昭さんから贈っていただいた「卸売市場の社会的役割と使命」
  10月12日に紹介しました仙台の東北地区水産物卸組合連合会の菅原邦昭さんから「都民(住民)の暮らしを支える卸売市場の社会的役割と使命とは」と題する文書を贈っ
 ていただきました。卸売市場制度について大変造詣の深い方なので、買物ツアーのお客さんに勉強していただけるよう、文書寄贈をお願いしていたのでした。
  すでに第15回買物ツアーから、拡大して額に入れたものをお客さんに見ていただいているのですが、額のことばかり考えていて、このHPで紹介することをすっかり忘
 れていました。次に文書と額の写真を紹介します。
   都民(住民)の暮らしを支える卸売市場の社会的役割と使命とは
   菅原文書の額
  菅原さん、HPでの紹介が遅くなってすみません。第15回以来、貴方の溢れんばかりの情熱とエネルギーが額をつうじて伝わってきて、買物ツアーを励ましてくれてい
 ますよ。営業権者の方々ともども、深く感謝しております。

 2.チュウ太物語 その3.「『いのちを豊かにする社会』を創れるか」の巻
 1)村上真平さんの農法
  いまや有機農業や自然農法を実践されている農民は数多くおられますが、私の信頼している農法実践家の一人に村上真平さんがおられます。
  村上さんと初めてお会いしたのは、バングラディシュのNGOで自然農法に取り組んでおられるときで、そこでの経験をもとにまとめられた本,Lessons from
 Nature(自然からの学習)は、東南アジアの五カ国余りで翻訳されたと聞きます。その後、タイでノンジョック農園という自然農法の研修センターの所長を担当され
 ましたが、ノンジョック農園には、ゼミ生を連れて、7,8回訪ねました。
  農法は嘘をつきません。成果が見事に、あるいは残酷に現れます。石ころだらけだったノンジョック農園の開園前の土地が年を経るごとに緑したたる農地へと変貌して
 いく様を見て驚愕したものです。
  村上さんの言葉で特に印象に残っているものに、「作物に虫が付いていると、虫が自分の農法の至らなさを教えてくれていると受け止めて、農法をより多様にする」と
 いう言葉があります。「農薬で殺してしまう」とは全く正反対の、謙虚で、自然への深い洞察に基づく農法に感動を覚えました。
 2)化学合成農薬は戦争の産物
  しかし、残念ながら、虫が付いていたら「農薬で殺してしまう」が依然として農業の主流です。第二次大戦後に、化学合成農薬が広範に普及したからです。
  では、なぜ、第二次大戦後に普及したのでしょうか?それは、化学合成農薬の起源が「毒ガス」にあるからです。戦争中に生れ、大きくなった毒ガス産業が、戦後に需
 要を失ったため、平和時の需要として農薬に目を付けたというわけです。
  皆さんは、サリン事件の時、サリン製造を疑われたオウム真理教が「サリンでなく農薬をつくっている」と言い訳したのを覚えておられると思います。両者の製造工程
 はほとんど同じなので、そんな言い訳をしたのです。
 3)築地と豊洲
  村上さんの農法と農薬の話を聞いて、築地と豊洲の対照を連想された方も少なくないでしょう。
  もちろん、村上農法にあたるのが築地です。築地ではネズミの棲息に加え、海水散布が殺菌・消毒機能を発揮しています。海水が塩分を含んでいるからです。塩は、
 古くから、保存料として使用されてきましたが、それは、塩が殺菌機能を持ち、微生物の繁殖を防いでくれることに起因しています。
  また、海水を散布しても、それが地下に浸透していくよう、築地市場の仲卸棟は、日本では珍しく、石畳でできています。これは、朝堂院大覚氏によれば、開場当時
 の役人がイタリアの水産物市場を見学し、徹底的に研究して、築地市場の構造に活かしたからだそうです。
  このように、ネズミと海水によって、築地市場は、世界でも珍しい、ハエ一匹いない市場として存続してきたのでした。
  他方、豊洲市場は密閉空間ですので、ネズミは棲息できませんし、もしも見つかればすぐに駆除されます。海水散布の仕組みも全く備わっていません。そのため、市場
 で必ず生じる有機物(動植物性残渣)は、腐敗して大気汚染や水質汚染をもたらします。その対策として、農薬と成分が似た化学合成薬剤が使われます。薬剤は、常温でも
 容易に気化しますから、市場内で働く人たちの身体にも悪影響を及ぼすうえ、売買される魚介類等も汚染されます。
  要するに、ネズミと海水のおかげで汚染のない築地市場に対し、豊洲市場は合成化学物質で人も魚も汚染される毒まみれの市場になるのです。
 4)現代人のいのちを脅かすもの
  第二次大戦中の毒ガスに端を発した農薬産業は、近年さらに種子までも支配しようとしています。自社の農薬を撒いても抵抗性のある種子をGM(遺伝子組み換え)によ
 って開発し、農薬とセットにして売ろうというのです。GM食品を食べ続けるとガン等の病気になると言われていますが、不十分な試験しか義務づけられていません。
  同じく、現代人のいのちを脅かしている原発も、第二次大戦で生れた原爆の平和時需要(平和利用)として目を付けられたものです。
  戦争は、戦争中に人を殺すだけではありません。戦争で生れた産業が平和時需要を見出すことによって、平和時にもジワジワと人を殺していくのです。戦争の恐ろしさ
 は、戦後の産業構造に「死の産業」が組み込まれ、肥大化していくところにもあるのです。
  第二次大戦以降の世界は、農薬・GM食品と原発という第二次大戦に由来する「死の産業」がいのちを脅かしている時代であることを認識しておく必要があります。
 5)「いのちを脅かす勢力」と「いのちを豊かにする勢力」の闘い
  人間の生存・生活に最も必要なものは、食と水とエネルギーです。第二次大戦後、次第に肥大化してきた「死の産業」は、食と水とエネルギーに食い込み、シェアー
 を拡大し、自らの支配下におさめようと企てています。食における「GM食品の増加」,「種子法の廃止」,「TPP」,「農漁業への企業進出」等、水における「水の
 商品化」,「水道民営化」、エネルギーにおける「原発の維持・拡大」等は、いずれも「いのちを脅かす勢力」が推進しているもので、根は共通です。
  そして、「いのちを脅かす勢力」が新たに目を付けた分野が「卸売市場」であり、「卸売市場」から消費者の立場に立つ仲卸業者を排除していって、物流センターに変
 え、完全競争機能をなくして価格決定権を握ろうとしているのです。
   注:「卸売市場の在り方研究会」の高木勇樹委員長(元農水省次官)は、企業に水産業への道を開く水産業改革委員会の委員長でもある。
  要するに、現代は、「いのちを脅かす勢力」と「いのちを豊かにする勢力」とがせめぎ合っている時代であり、食・水・エネルギーに加えて、新たに卸売市場が戦場に
 なったということです。
  とすれば、築地市場の存続をめぐる闘いは、築地市場の営業権者にとってのみならず、「いのちを豊かにする勢力」にとって極めて大事な闘いということができます。
 先述の「汚染のない築地市場と毒まみれの豊洲市場」という対比は、それを象徴しているのです。
  この闘いで勝利すれば、「いのちを豊かにする勢力」全体の今後の闘いをおおいに勇気づけるものとなるでしょう。
  勝利まであと一息。どうぞ今までにも優るご支援・ご協力をお願いいたします。

◇11月17日(土)
 1.第17回買物ツアー
  今回から、ツアー前に踊りを披露してくださる方が登場されました。以前からカニのぬいぐるみ(というか帽子というか)を頭にかぶって参加されていた「あすなろ」さ
 んです。
  数日前、電話をくださり、踊りを披露してもいいか打診され、「あそこは解放空間なので、大丈夫。こちらからお願いしたいくらいです。ただし、横断歩道があるので
 、通行人の邪魔にならないように気を付けてください」と返答したのですが、今日、早速見事な踊りを披露され、買物ツアーに参加された方、大喜びで、手拍子を打った
 り、映像におさめたりして楽しんでおられました。開業時の午後1時にはピッタリ終えられるなど、礼儀面でもお見事でした。あすなろさん、今後も披露してくださると
 のこと、宜しくお願いしますね。皆さんも、ぜひご期待ください。
  前回初登場の営業権組合の旗に加え、大漁旗も複数登場し、背景もとっても見事なものになってきました。皆さんのご好意の賜物で実に有難いことです。
  私が今回初めて用意したのが「お触れ」です。都の違法行為を説明したものです。この内容は、なるべく多くの方々に知っていただきたいので、次に掲げておきます。
   お触れ
  ほんとは木の札に書きたかったのですが、大変なので額に入れ、菅原さんの文書の額と並べて、磁石でくっつけて展示しました。どちらも、参加者の皆さんに熱心に読
 んでいただいていました。
 2.都が脅し文書を撤回
  東京都は、村木さん・杉原さんに「残置物を撤去しなければ、許可取り消しなどの不利益処分をする」との脅し文書を送りつけていました(あまりにもたわいないもの
 なのでHPで紹介しませんでした)が、同時に送られてきた「弁明書」に二本線を引いて「警告書」に訂正したうえで「都こそ違法行為をしている」こと等を書いて送っ
 たところ、柏原副場長が村木さんの所に来て、「もっともなことが書いてあったので、処分はしません」と言って帰ったそうです。
  柏原さんも、ずいぶん低姿勢になられたらしいですね。でも、ご自分でもおわかりでしょうが、これくらいではとうてい償いにはなりませんよ。
 3.マスコミ対応を増やす
  午後3時からの打ち合わせでは、都との法律論争で完勝して時間的に余裕ができたこともあり、今後、記者会見を設定したり、マスコミ対応も今までよりも多くしたり
 して、法律論争で都をKOし、戦意喪失させたことを広めていくことにしました。ご期待ください。
◇11月19日(月)
  17日にマスコミ対応のことを書いたら、早速記者会見の日程が入りました。都庁記者クラブで21日(水)午後2時~です。記者クラブは、新宿の都庁の6Fにあります。
  記者クラブに送った会見の趣旨や登壇者・報告者は次の通りです。
   11月21日都庁記者会見趣旨等
  一般市民も自由に参加できるので、関心をお持ちの方は、どうぞご参加ください。
◇11月20日(火)
 1.11月20日第18回買物ツアー
 ・小松さんの通告で始まりました。法的問題点を随所に盛り込まれ、素晴らしい内容でした。お客さんもきちんと通告を聞き、終わると拍手してくださるのが、とても嬉
 しいです。有難うございます。
 ・村木さんが、「東京都への感謝状」も額に入れて展示され、展示物がますますにぎやかになりました。
 ・Sさんが毎週火曜日に商品Aを販売してくださることになりました。大変有難うございます。助かります。
 ・商品Bは大学時代以来の友人H氏が担当してくれました。なかなかの売り子ぶりでしたよ。あとで電話したら、「結構面白かった」とのことでした。
 ・「お触れ」で都の閉場・解体事業や改築が違法であることを記していますが、この内容を欲しいと言われる方が数人おられましたので、次回には、10部ほど印刷して「
 自由にお取りください」としておこうかと思います。このHPをご覧の方には不要ですが、ネットをやられない方には入手困難でしょうから。
 2.都が強引に茶屋を解体
  都が強引に茶屋の解体を始めました。既に耳に入っていたのですが、今日、建物の屋上から確認しました。
  茶屋の解体事業は、予定では12月から。他の建物解体が順調に進まないため前倒しされたのでしょうか。猿渡さんの私物をどうしたかを含め、今後追及していきます。

◇11月21日(水)
 1.都庁で記者会見
 ・14時から約1時間45分、都庁記者クラブで記者会見を行ないました。
 ・記者会見の概要(趣旨、登壇者、報告者)及び資料は次の通りです。
   11月21日都庁記者会見概要
   11月21日都庁記者会見資料
 ・猿渡さんの司会のもと、村木さんがメインの報告、私が特に公開質問状について詳しい報告をしました。築地警察をこちらの味方につけ、都職員を逮捕できるようにし
 たこと、また地裁で、都の代理人5名(及びそれとグルになった裁判官3名)を1回目(10月30日)にはノックアウト、2回目(11月5日)には戦意喪失させたことを詳しく
 報告できました。
 ・猿渡さんは、茶屋・水神社が解体されていることについて、自分の思いを語られるとともに、私物を撤去されたことについて窃盗罪で訴える所存であることを報告され
 ました。杉原さんは、なぜ自分たちが都から数々の違法行為・恫喝行為を受けてきたのに、議員等が何も動かないのか、不思議だと語られました。小松さんは、デモなど
 の形に現れる動きだけでなく、自分たちが権利を学んで、主張していっているような、形に現れないところでの取組みについても報道して欲しいと要望されました。
 ・私の方から、冒頭に、営業権組合の取組みには、日本の民衆運動にはなかった画期的な三つの特徴が含まれているとの話もしました。それは次の三つです。
 ①権利者が自分の権利を学習し主張することを柱にしている
  従来の運動は、指導者が権利者たちを指導し、権利者は指導者にお願いしたり頼ったりするだけの運動でしかなかった。
 ②警察を味方につけた
  従来の民衆運動は、警察を敵視し、糾弾することばかり考えていた。
 ③権利者が法廷で権力者をさばいた
  法廷という権力が民衆をさばく場で、逆に民衆が権力をさばいた。
 ・営業権者の方々の訴えは、この間の営業権の学習と買物ツアー等々の実践に裏付けられているだけに、それぞれ切実で、心の琴線に触れるものでした。しかし、これば
 かりは相手に人間的感性がないと届かないものですから、都の記者クラブの皆さんの心にどれだけ響いたかはわかりません。届いていてほしいと念じるばかりです。

 2.当てが外れた警備相談
  水谷さんから、次のようなメールが届きました。

   ツイッター上の情報ですが、猪口部長等が9月26日、築地市場内部の警備に関して警視庁と相談をしていた事が警視庁宛ての開示資料で出てきました。
   営業権組合員が築地市場内に残って、営業を続ける事を想定したいたかの様な内容です。
   18日に西坂部長が「転び公妨」まがいのパフォーマンスをした事が動画で出回っています。
   「暴行」➡「逮捕」を誘導する事も話し合われていた可能性も読み取れます。

  ツイッター上に既に流れた情報なので、警備相談の内容の画像も次に掲載します。
   当てが外れた9月26日警備相談
  あの「泣き落としの猪口部長」、やってくれてますね。また、長瀬警部は「永瀬警部」だったようですね。取り調べ不十分ですみませんでした。
  当てが外れ、今や自らが逮捕対象になってしまった東京都職員の方々、今や猪口部長はじめ、逮捕候補者全員、涙目でしょう。あなた方が行なってきた悪業の報い
 です。「天網恢恢、疎にして漏らさず」とは、よく言ったものです。
  これも、警察を敵と決めつけなかったからこそ得られた成果です。10月16日のHPに「警察が取り締まるべきは、むしろ、何の法的根拠もなく違法事業・違法行為
 を行なっている都のはずです」と書いた後、「待てよ、きっと刑法にこれにあたる条文があるはずだ」と思い、テレビ等で聞いたことのある「威力業務妨害罪」が頭
 に浮かんで、調べてみたところ、ピッタリだったのでした。これが、あのバリケード上から「威力業務妨害罪」を通告する二日前に起きた「神の啓示」としか思えない
 現象なのでした。
  再度、10月16日のHPの記述を次に掲載しておきます。

   ちなみに、「18日に警察が来たらどうしよう」と心配されていた方が居たようなので書いておきますと、全く心配は要りません。買物ツアーに、警察が関与する余
  地は全くありません。営業権者が営業し、市民が買物しているだけなので、介入できるはずがありません。[中略]
   警察が取り締まるべきは、むしろ、何の法的根拠もなく違法事業・違法行為を行なっている都のはずです。買物ツアーを監視する暇があったら、都のほうを監視し、
  取り締まるべきでしょう。警察は心強い私たちの味方です。警察の方々、しっかりしてくださいよ。

  この秘話をここに記したのも、法律に強くなるには、条文の暗記などではなく、「待てよ、きっと刑法にこれにあたる条文があるはずだ」と思う感覚が大事だというこ
 とを言いたかったからです。つまり、日常生活の中で道理に基づいて考える習慣をつけておくこと、その訓練をしておくことが大事なのです。条文を知っているだけの弁
 護士が、あの山場で何の役にも立たなかったことからも、そのことは納得していただけると思います。
  実は、「18日に警察が来たらどうしよう」と心配している人がいると伝えられた方は、堀富さんの奥さんです。10月16日には買物ツアーに参加しなかった(理由があ
 るのですが、今は秘密です)ので、当日買物ツアーを担当された堀富さんと電話で話していて、お聞きしたのでした。
  こうしてみると、如何に偶然が重なって、ギリギリのタイミングで威力業務妨害罪に気づくことになったか、驚くばかりです。なにしろ、それまで私は刑法のことなど
 考えたこともなく、もちろん本も一冊も持っていなかったのですから、なぜ降ってわいたように、「威力業務妨害罪」が浮かんだか、自分でも実に不思議なのです。
  私たちの取組みには「神様が味方してくださっている」と信じていることもご理解いただけると思います。

◇11月23日(金)
 1.公開質問状の期限が過ぎる
  東京都への公開質問状の期限は、Ver.1(地裁で11月5日に示したもの)が11月19日、Ver.2が11月22日でしたが、都からは何の回答もありませんでした。
  二つの公開質問状を比較しやすいように改めて次に掲げます。
   笑い転げられますよ、都への公開質問状
   笑い転げられますよ、都への公開質問状Ver.2
  比較するとおわかりのように、両者はほとんど同じです。違うのは、後者に赤字で示した部分だけです。
  内容のうえではほぼ同じなのにVer.2をつくった最大の理由は、注記4にあります。Ver.1では「『フェアーでオープンな討論の場』に応じられない場合には、都が当
 方の見解に同意したものとみなす」としており、公開質問状に一切答えないことを想定していなかったのでした。ところが、地裁で都の代理人は「一切答えない、今後も
 答えない」、「答えない理由はない」との信じられないほどの情けない対応をしたので、Ver.2では注記4を「4. 本質問状に回答がない場合、及び「『フェアーでオー
 プンな討論の場』に応じられない場合には、都が当方の見解に同意したものとみなす」と変えたのでした。
  昨日で、Ver.1もVer.2もいずれも期限が過ぎました。都からは何の回答もありませんでした。11月5日に都の代理人5人が戦意喪失したのですから、当然の結果とも
 言えます。
  昨日、ルポライターの永尾俊彦氏が都の大谷俊也中央卸市場業務課長に問い合わせられたところ、初めは「Ver.2を受け取っていない」と答えたそうです。それで私に
 連絡されたので、「メールで大谷課長にも送った」旨答えたところ、改めてそれを大谷課長に伝えると、ようやく受け取ったことを認めたそうです。
  今後、こんな嘘をつくことを予防するため、都の役人7名宛て(名優西坂部長にも)に送ったメールをWordファイルにして、次に掲げておきます。
   公開質問状Ver.2を送ったメール
  大谷さん、すぐにバレる嘘をつくとは、あまりにも役人として未熟ですよ(バレない嘘ならついてもいいと申しているわけではないですが)。そんな嘘をついたら、かえ
 って自分が不利になることくらい、子供でもわかってますよ。都にもいろんな方がおられますが、特にあなたは、高慢、かつ強引です。法律に強くなるには、日頃から、
 道理に基づいて物事を判断するようにしておくことが大事だと申しましたが、この言葉を「都だけに通用する受忍限度論」をはじめ、数々の強引な主張を平気でされるあ
 なたに特別に贈ります。都の役人こそが他の府県や国の役人よりも優秀だとの「井の中の蛙」的発想も改められたほうがいいと思います。この間の経緯でわかったように
 、むしろ逆に都の役人こそ最低レベルなのですから。何事にも是々非々の態度で臨むこと、フェアーな姿勢を持つことが、法律に強くなるうえでも、真っ当な役人、いや
 、それ以前に真っ当な人間になるうえでも最も大事だと思います。
  ともあれ、昨日で都から一切回答がなく、都が何の反論もできなかったことが確定しました。Ver.2注記4に書いているように、「都が当方の見解に同意したものとみ
 なす」とされてもやむを得ないことになりました。

 2.長崎の「動物実験施設建設計画」をめぐって
  長崎の広瀬洋爾氏からメールが入り、築地の取組みに激励をいただくとともに、長崎大学が進めようとしている「動物実験施設建設計画」に関して問合せを受けました
 。次のようです。

   地元長崎大学が狭いキャンパスの中に作ろうとしている「BSL4動物実験施設建設計画」が発表されたのが2010年のことで、以来阻止運動を続けてきたのです
  が残念ながら決定的な打撃を与ええず、来月21日に工事着工を公言されています。近隣自治会の方々と、行政や議会などに(市長、議員は建設推進で動いている街で
  す)我々の意思を伝えたのですが、一貫して大学側に立って計画推進の役割を変えません。
  法廷闘争をということで急遽立ち上げたのですが、正当な「工事差止めの仮処分」は、経済的に難しい状況です。
  何らかヒントがあればお願いします。

  広瀬氏とは、2007年に諌早湾導流堤工事を止めた前後の数年間、一緒に有明海沿岸を車で這いずり回ったことがあり、以来時折連絡を取り合っています。
  今回の問い合わせに関して、さっそく電話をして、いろいろ話しました。話の要点は、次の通りです。
 1)裁判は避けたほうがよい
  裁判は、「むつごろう裁判」(「動物の権利」に基づいて動物を原告として提訴する裁判の一つで、有明海では名物「むつごろう」を原告とした)を担当した弁護士が
 「人格権」(憲法13条)に基づいて提訴することを提案しているとのことですが、①「動物の権利」裁判を担当したという点だけからも、本気で事業を止める気がないこ
 とがわかる、②「人格権」で国(長崎大学)に勝てるわけはない。100%敗訴する、と話しておきました。
  少し解説を加えますと、①は、動物を原告として、動物の代わりに人間が動物の訴えを法廷で述べる、という裁判ですが、長期的に「動物の権利」を主張していくこと
 はいいと思いますが、裁判でやるのは、しかも勝つつもりでやるのはやめたほうがいい、というよりもハッキリやめるべきだと思います。
  ②は、原発事故前まで、人格権で勝訴したのは、民間の産廃処分場建設くらいで、国を相手に勝てるはずがありません。「人格権」とか「環境権」とかの、紋切り型の
 主張しかしない弁護士、個別事例に即して法的根拠を掘り下げることをしない弁護士は、それだけで信用しないほうがいいと思います。
 2)事業の法的根拠を問い質す
  では、どういう攻め手があるかというと、築地と同様、「事業の法的根拠を問い質す」ことだと思います。というのも、広瀬氏が、バイオハザード予防市民センターの
 方から聞いたらしいですが、「法律がまだない」とのことだからです。
  公共機関の行なう事業には、必ず法律上の根拠が必要です。たとえば、本HPでも紹介している福島の中間貯蔵施設の場合には、「中間貯蔵・環境安全事業㈱(JESCO)
 」という、国の全額出資により設立された特殊会社に関するJESCO法を改正するという、かなり変則的な手法を採ってでも、事業の法的根拠を作りました。ですから、動
 物実験施設を建設する際にも、その法的根拠を作ることが必要です。それがまだないとすれば、重大な欠陥です。
  築地でもそうであったように、事業の法的根拠を問い質し、掘り下げていくことこそが、住民運動の大きな力になることを、もっと住民は知り、広め、実践していく必
 要があると思います。
  さもなければ、「人格権」や「環境権」や「動物の権利」といった、ヒラメ裁判官とグルになった、単なるコピペで済むだけのワンパターン詐欺により、運動が止め
 を刺されるばかりか、多額の金員を巻き上げられる二重の被害を受け続けることになるだけです。いくつもの運動を経験すれば、この詐欺に気づくようになるのですが
 、住民運動は、次々に新しい場所で起こり、運動の担い手はいつも新人が多いですから、次々にワンパターン詐欺にひっかかってしまうのです。
  オレオレ詐欺は、わかったら逮捕されるからまだ可愛いもの。この詐欺は、合法的に行なえるだけよけいに性質が悪いというほかありません。提訴の際には、「勇気
 ある裁判官に恵まれたら」などと、また判決時には「不当判決」と言っておけばすむのですから、これほど気楽に行なえる詐欺は他に例を見ないでしょう。

 3.長崎大学医学部は御用学者の巣窟
  長崎大学に触れたついでに記しておきますと、長崎大学医学部というのは、大変なところです。
  山下俊一長崎大学副学長は、福島原発事故後の「活躍」で大変有名になった人です。事故後、福島県立医大の副学長に就任(現在も非常勤の副学長)し、事故後の福
 島県民の診療に最大の責任を負った人ですが、「ミスター100mSv」という称号を県民から頂戴しました。「年間100mSvを下回ったら心配ない。笑っていれば大丈夫
 」と県内各所での講演で触れ回ったからです。
  他方で、その2,3年前に書いた自分の論文では「年間10mSvを超えたら若者には発がんのリスクがある」と書いていたのですから、……。人間のやれる範囲を超えて
 います。
  その山下俊一氏の師匠が長瀧重信。長崎原爆被曝者の被害やチェルノブイリ原発事故による被害に関し、御用学者として活躍しました。そして、長瀧氏の兄貴分が福見
 秀雄。長崎大学の学長を務めたこの人、なんとあの中国人に人体実験を施したことで知られる731部隊の隊員だったのです。長崎大学には福見のほか3人、計4人の731
 部隊隊員が教授として就任したとされています(詳しくは、次のサイトを参照)。
  御用学者をさかのぼると、すぐに731部隊に行き着く
  また、水俣病発覚時に「漁民が腐った魚を食べた」ことが原因とするゴマカシ説を発表した厚生省田宮委員会の座長、田宮猛雄氏(日本医学会会長や日本医師会会長も
 務めた)もまた731部隊の隊員だったのです。
  こうしてみると、本来なら戦犯として裁かれるべき731部隊の隊員が戦後如何に医学界で重用されたかがわかります。また、なぜ今、福島の子供たちに多発している甲
 状腺がんのことが大きな問題にならないのかもわかります。
  政界でも、岸信介という東条英機に次ぐ戦犯がCIAのスパイを引き受けたことにより延命し(岸は731部隊の責任者でもあり、その資料を米国に渡したために助かった
 とも言われています)、巣鴨拘置所を出て10年足らずで首相になり(詳しくは次のサイトを参照)、岸の孫の安倍晋三まで首相になる国ですから、医学界での戦犯の重用も
 当たり前のことかもしれませんが、これほどの無責任体制の国は、残念ながら、歴史上にもきわめて稀ではないかと思われます。
  CIAのスパイだった岸信介
  日本は、残念ながら、そんな国なのです。

◇11月25日
 1.11月24日第19回買物ツアー
  第19回買物ツアーは、猿渡さんの通告で始まりました。都の法的問題の指摘に加え、築地のネズミの立場に立った通告が印象的でした。本HPに記したチュウ太物語
 は、猿渡さんの思想(神との対話)と共通するものがあり、猿渡さんと私は互いに共鳴しながら、チュウ太の言葉を考えてきているのです。
  加えて、猿渡さんにしては珍しく、都に「チュウ告する」とジョークを飛ばされて、喜んでおられました(「チュウ告」は、そもそもYさんのオリジナルのようです。
 Yさんもなかなかのセンスですよ)。ジョークの面でも成長されています。
  この日は、いつもの品に加え、エビもカニもあり、大盛況でした。
 2.馬鹿みたいな仮処分決定、出る
  24日、都が申し立てていた仮処分命令申立書に関し、仮処分決定(11月22日付け)が届きました。次のような内容です。ついでに仮処分命令申立書も掲げておきます。
   東京地裁11月22日仮処分決定
   東京都10月18日仮処分命令申立書
  仮処分決定についての論評は、内容上の疑問が解けてからにしようかと思っていたのですが、心待ちにしている方もおられるようなので、また、疑問点は、決定自体
 とは、あまり関係がないので、疑問点と論評とを記すことにします。
  ・疑問点
   ①主文があるだけで、理由が何も書かれていないが、そんな決定があり得るのか
    いくら、都の代理人が1回目ノックアウトを食らい、2回目「黙秘権」を使ったからといって、理由を何も書かないような決定があり得るのでしょうか。
    実態に基づけば、「理由を書かない」というより、「理由を書けない」にほかならず、いくらヒラメ裁判官でもひどすぎるのではないでしょうか。
   ②決定中の「債権者に債務者のため金120万円の担保を立てさせて」の意味がよくわからない
    なぜ、債権者が債務者のために「担保を立てる」必要があるのか、よくわかりません。この点は、26日以降、担保に詳しい友人弁護士に尋ねてみます。
    ですが、「債権者の申し立てを相当と認め、…土地・建物を仮に明け渡せ」とした決定内容に係る疑問ではないので、論評には影響ありません。
  ・論評
   ①入場を拒んでおいて撤去命令も何もないもんだ
    都は、10月19日以降、築地市場への入場を一切拒んでいるが、他方で営業権者に「残置物を撤去せよ」と命令している。決定は、この矛盾について、何も触
   れていない。「撤去」や「明渡し」を言うなら、何よりもまず入場拒否を解除しなさいな。
   ②決定は、「許可に基づく営業」についてのものであり、「のれんに基づく営業」については無効
    仮処分命令申立書も仮処分決定もいずれも、「許可に基づく営業」に関し、条例88条1項の「使用指定」をした場所の土地・建物の明渡しについて論じたもの
   に過ぎない。営業権者は、「許可に基づく営業」でなく、「のれんに基づく営業」を行なっているのであり、それに関しては、決定は全く無効である。
   ③仮に決定が有効としても、場所を変えればすむだけ
    反論は②で十分であるが、仮に百歩譲って決定が有効としても、仲卸棟内の別の場所に私物を移動しさえすればよいだけのことである。
    たとえば、杉原さんと村木さんは隣同士なので、私物を隣に運べばよいだけ。さらに、私物を物々交換すれば、元の位置に置いておくだけで済むことである。
  ・結論
   判決とか決定と言うと、営業権者が恐れ入ると思ったら大間違い。あなたたちをノックアウトしたり、完黙に追い込んだりしたのだから、恐れる気など全くあり
  ませんよ。東京都は、悪あがきを辞め、潔く観念しなさい。以上。

◇11月26日(月)
 1.仮処分決定の疑問点、解消
  H弁護士に問い合わせて、上記の疑問点がわかりました。
  ・疑問点
   ①主文があるだけで、理由が何も書かれていないが、そんな決定があり得るのか
    普通はあり得ないとのことです。しかし、ノックアウトも完黙もあり得ないことですので、決定も「あり得ない決定」になるのは当然とも言えます。
    これで、「あり得ない」三点セットの完成です。
   ②決定中の「債権者に債務者のため金120万円の担保を立てさせて」の意味がよくわからない
    現状を変更することになるため、債務者から損害賠償請求されることがあるので、それに備えて債権者に担保を立てさせるのだそうです。
    ということは、杉原さんが、決定に従って私物を他所に移動すれば、120万円までの損害賠償請求が可能で、支払われる可能性も高いということです。こちら
   は、事業実施後の損害賠償でなく、事業実施前に必要な損失補償を請求し、東京高裁H3.7.30判決まで教えてあげたのに、「損害賠償」でお茶を濁すなど、いか
   にもヒラメ裁判官らしいやり方です。まあ、一方的に都を勝たせるわけにもいかないので、ヒラメとしては「おあいこ」の決定を考えたと、好意的に理解してあ
   げましょう。
  というわけで、やはり、上記論評には何の係りもない、ただ裁判官のヒラメ度を示すだけの疑問点に過ぎないのでした。これにて一件落着。
  しかし、それにしても、都は、撤回書60通分をどうするつもりなんでしょうか。まさか、あの手続き・内容共に「公序良俗に反する」の一言で斥けられる書面を有効
 とするんじゃないでしょうね(10月15日撤回書物語3を参照)。そんなことしたら、末代までの恥になるし、懸命に泣き落としをした猪口部長が可哀想過ぎますよ。

◇11月28日
  11月26日に都が村木・杉原両氏に行政処分を出していることがわかりました。次に掲げます。
   処分決定通知書
  都が一段と凶暴性を露わにし、裁判所と組んで弾圧にかかったといういうことです。
  築地から豊洲に移転することに伴い、大部分の業者が大幅な収益減を被るのに、一切損失補償をせずに強行するなど、民間でもあり得ない暴挙です。
  11月17日に村木さん・杉原さんに「残置物を撤去しなければ、許可取り消しなどの不利益処分をする」旨の脅し文書を送ってきたこと、及びそれについての弁明書に
 「もっともなことが書いてあったので、処分はしません」と柏原氏が言って帰ったことを書きましたが、その柏原氏が処分通知書を持ってきたそうです。先日の発言に触
 れると「そんなこと言っていない」と言ったそうです。口頭ではいくらでも嘘をつく人たちです。
  不利益処分をするには、行政手続法(憲法31条を行政手続きにも反映させるべく作られた法律)で「意見陳述の機会」(聴聞又は「弁明の機会の付与」)を設けること
 が義務付けられており、今回の不利益処分にその機会が設けられていないことを聞くと「今回は必要ない」と答えたそうです。
  行政手続法を調べてみたら、13条2項1号に「公益上、緊急に不利益処分をする必要があるため、前項に規定する意見陳述のための手続を執ることができないとき」
 には意見陳述のための手続きをとらなくてもよい旨の規定があり、これを適用したためと思われますが、「仲卸業の業務の停止」がなぜ「公益上、緊急に不利益処分を
 する必要があるため」の処分にあたるか、とうてい説明できません。
  また、従来から指摘しているように、憲法29条や東京高裁判決を無視し、損失補償を全くしないでおいて、条例のみを根拠とした違法な処分です。
  処分の違法性を指摘する文書を作りました。下に掲げます。
   行政処分決定通知書について
  処分の手続きも内容も強引すぎますが、こんなにひどい処分をやるのか、という民衆の怒りをかきたてることにつながるのではないか、また、つなげられるのではな
 いか、と思っています。とくに、豊洲に移転して収入が激減している方たちが、「自分たちの代わりに自分たちを代表して都政と闘ってきている方が弾圧されるのを見
 過ごしてはならない」との意識を持ち、都政への怒りを形にしていただければ、と念じています。
  追記:しばらく出張なので、ペースダウンすると思います。予めご容赦願います。

◇12月2日(日)
  出張先から11月30日深夜に帰京し、12月1日(土)の第21回買物ツアーに参加しました。
 1.12月1日第21回買物ツアー
  第21回買物ツアーは村木さんの通告から始まりました。営業停止処分後、初の買物ツアーで、営業権者も市民も営業停止処分のことを十分に意識した、気持ち・気合
 のこもったツアーになりました。村木さんが「営業停止の村木です」と挨拶されると市民から、笑いと拍手がわき、村木さん・杉原さんを支えようとの市民の熱意がひ
 しひしと伝わってきました。実際、今までにもまして、市民の方々が熱心に買物ツアーを手伝ってくださいました。有難うございました。
  この日は、仙台から東北地区水産物卸組合連合会の菅原邦昭氏(ツアーで掲示している「卸売市場の社会的役割と使命」の筆者)も買物ツアーに駆けつけて下さり、
 築地の営業権者の方々の取組みにに感謝されるとともに、おおいに激励してくださいました。エネルギー溢れる菅原さんの激励を受け、おかげさまで営業権者の方々も
 大変元気になられました。
 2.チャンネル ベリタスの記事
 チャンネル ベリタス(https://www.channelveritas.org/)に貴重な情報が掲載されました。次の通りです。

 〇築地市場は閉場していない
  11月30日築地市場の豊洲移転について都に聞いた。
  都の担当者は、最初は築地は閉場としていたが、農水省の閉場認可はあるかとの問いに、閉場ではなく、名称と位置の変更、つまり、東京卸売市場の名称変更と場所
 の移転であると説明した。
  したがって築地市場は閉場しているわけではないことが確認された。
  次に、なぜ毎年のように市場取扱高が減少しているのに、6000億円もかけて豊洲に移転したのかと聞くと、なぞ、と話す。
  また、来年1月末までに築地跡地を売却するか、貸付するかについて審議するとされているが、仮に売却ならどれくらいで売れるかと聞くと、あくまでまだ決まった
 話ではないがとしたうえで、4500億円か、それより高く売れる可能性があると話す。
  売却する場合、その売却金は豊洲の減価償却費縮小にあてられることになると思われるが、その場合であっても本紙調査では、毎年数十億円程度の赤字が依然として
 出ることになるがどうかとの問いには、仮定の話ではあるが、毎年3%程度の市場取引高減少の場合、赤字が引き続き発生する見込みという。
  次に、2017年6月20日に小池都知事が、都知事の役職(行政の長)の立場で表明した、「築地は守る、豊洲はいかす」との公約について聞いた。
  仮に、築地跡地を売却するにせよ、貸付するにせよ、築地市場が守られない場合、この公約表明を聞いて、多くの豊洲移転に反対していた市場関係者が、築地市場存
 続を勝取ったと錯誤し、移転費を自ら負担し、補償金等を要求しないとしたとすれば、都知事は市場関係者や税金を負担する都民にうそをついて(騙して)、豊洲移転
 したことになる。
  それは道義的にも、政治的にも、法的にも大きな責任が生じると質したところ、あくまで一般論の仮定の話としながらも、うそをついたことになるという点では、見
 解の一致をみた。
  都は、築地存続を望む業者に立ち退きの仮処分を申請し、残置物撤去等の強制執行を行っているが、都民の立場から見て、豊洲移転の経済合理性、移転最終決定の経
 緯など、行政の長である都知事がうそをついて、市場関係者や都民を騙し、豊洲移転を正当化しようとしているとしか見えない。
  今後、大きな責任問題(都知事及び都)にも発展しそうだ。

  ①築地市場が存続していること、②豊洲市場が、毎年赤字を出すことになるので、できるだけ早く豊洲を売ることが都の財政上好ましいこと、③小池知事が「ウソをつ
 いた」ことにより損失補償なしの豊洲移転が強行され得たことの指摘は大変貴重で、かつ都の急所を突いています。
  小池知事が知事として「築地は守る、豊洲はいかす」とのウソをついて、損失補償なしの豊洲移転を可能ならしめたことは、今後、道義的にも、政治的にも、法的にも
 大きな責任を生じさせることになるでしょう。
 3.異常極まりない「明け渡しの強制執行」
  東京地裁からの11月22日付け仮処分通知書(土地・建物を仮に明け渡せ、という仮処分決定を通知する書面)が届いたのが11月24日(土)でした。
  ところが、驚いたことに、わずかその二日後の11月26日(月)に東京地裁は、仮処分決定に基づく「仮引渡執行」を強行しました。村木・杉原両氏に「土地・建物を明
 け渡せ」と命令しておきながら、両氏による自主的な明け渡しの時間をほとんど(わずかに2日足らず、しかも24日(土)に両氏に届いて、26日(月)に強制執行したのです
 から「間髪を入れず」と言えます)与えないで、いきなり裁判所が強行するとは、どう考えてもおかしなことです。
  「仮引渡執行」の内容を記した11月26日付け仮処分調書を次に掲載します。
   仮処分調書(平成30年11月26日)
  民事執行法に定められた強制執行手続の流れは次のとおりです。
  1.強制執行の申立
  2.執行官との打ち合わせ
  3.明け渡しの催告
  4.明け渡しの断行
  この流れにおいて「明け渡しの催告」が鍵になりますが、それは、「引き渡し期限」とその数日前に設定される「断行日(強制執行を行う日」を公示書に記載し、物件
 に貼り付ける手続きのことです(民事執行法第168条の2)。
  建物明渡・強制執行の進め方(https://tateake.authense.jp/manual/manual_5.html)には、次のように説明されています。

   執行官との打ち合わせで「明渡しの催告」の日が決まったら、実際に賃貸物件にいくことになります。「明渡しの催告」とは、賃貸物件に執行官、立会人(執行官
  が用意してくれる場合が多いです。)、賃貸人または賃貸人の代理人、執行補助者、鍵技術者が出向き、物件の占有状況を確認した後、引き渡し期限と実際に強制執
  行を行う日を公示書に記載し、物件内に貼り付ける手続のことをいいます。
   引渡し期限は、明渡しの催告があった日から1カ月を経過した日と定められており(同条第2項)、実際に強制執行が行われる日(通常、実際に強制執行を行うこ
  とを「断行」といい、その日のことを「断行日」といいます。)は明渡し期限の数日前に設定されるのが通常です。引き渡し期限=断行日ではありませんので注意し
  てください。賃貸人にとって重要なのは断行日ですので、その日は忘れずに確認しておく必要があります。強制執行の申立てをしてから「明渡し催告」の日までは、
  約2週間程度かかります。したがって、断行日までは、さらに4週間程度かかるということになります。

  要するに、民事執行法に基づけば、強制執行の申し立てをしてから、断行日までに約6週間かかるところを、本件では、仮処分決定からわずか4日後(実質的には「間髪
 を入れず」)に強制執行したのですから、本件手続きがいかに異常だったか、明らかです。
  しかも、手続きのうえで鍵になる「明け渡しの催告」は、村木・杉原両氏に対して全く行なわれていません。両氏には全く知らされないまま強行された全くの不意打
 ちだったのです。「明け渡しの催告」が物件内に貼り付ける方法を通じてなされた可能性はありますが、東京都は両氏の築地市場への入場を拒んでいたのですから、両
 氏がそれを知ることなど不可能で、そんな方法で「催告」をしたなどと言えるはずがありません。仮処分調書は、これらの問題点を全く無視して、「債務者が不在のた
 め引き渡すことができず」の一言で片づけています。
  これほど横暴な「強制明け渡し」が法的に可能とは、とても思えません。
  明日以降、本件の手続きに違法性がないかどうか、詰めてみたいと思います。

◇12月3日(月)
 1.築地市場廃止事業の違法性 その1.損失補償を全く支払っていないことが問題の根源
  東京都は、築地市場廃止事業に際して、さまざまな違法行為を犯しています。
  いままでの復習にもなるのですが、改めて整理して、かつわかりやすく記していきたいと思います。
 1)築地市場が豊洲に移転すれば収益が減る
  築地市場から豊洲市場に移転した業者は、収益が激減しているようです。当日の買い物客に依存している業者は、売上げが三分の一程度に減ったようです。銀座に近
 い一等地の築地から陸の孤島の豊洲に移転したのですから、当然です。豊洲移転に伴う収益減は、移転する前から十分予測されたことです。
 2)収益減をもたらす公共事業には補償が必要
  業者は、自ら選択して移転したわけではありません。都の企てた公共事業によって移転させられたのです。ならば、収益減をもたらす公共事業を強制したのですから、
 事業主体の都が収益減に対して補償すべきは当然のことです。
  その当然の補償を都が全く支払っていないことが問題の根源です。
 3)補償には損失補償と損害賠償がある
  補償には損失補償と損害賠償の二種類があります。
  損失補償とは、公共事業に伴って収益減が確実に見込まれる場合、事業に先立って予め支払われる補償です。損害賠償とは、収益減が確実には見込まれなかったけれど
 も事業を実施したら明確になった収益減に対して支払われる補償です。
  損失補償は、補償を支払わずに事業を実施したら、事業自体が違法になるので、事業に先立って予め支払わなければなりません。損失補償を支払ったうえで実施される
 場合には、その事業は適法になりますから、損失補償は「適法行為に伴う補償」と言えます。
  それに対して、損失補償を予め支払うことなく、事業を実施して収益減がもたらされれば、その事業は違法行為になり、損害賠償が必要になりますから、損害賠償は
 「違法行為に伴う補償」と言えます。
 4)都は損失補償(営業補償)を全く支払っていない
  公共事業に伴う損失補償に関しては、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」という要綱が1962年に閣議決定されており、事業主体は、要綱に基づいて損失補償
 を支払わなければなりません。要綱は、厳密に言えば「公共用地を取得する」場合に適用されるのですが、用地取得を伴うか伴わないかに関わらず、収益減は同じように
 もたらされますから、用地取得を伴わない場合にも要綱に照らして損失補償しなければなりません。
   注:例えば、築地市場に国道が通る場合は「用地取得を伴う」ことになり、築地市場を廃止して豊洲に移転させる場合には「用地取得を伴わない」ことになります。
  ところが、都は、要綱及びそれに基づいて策定した基準があるにもかかわらず、損失補償を全く支払っていないのです。
 5)損失補償の無視は憲法29条違反
  損失補償の無視は憲法29条違反になります。要綱は、憲法29条「財産権は、これを侵してはならない」に関して、「財産権の侵害」に際しての補償について定めたも
 のだからです。
  築地業者の持つ財産権は営業権です。営業権は、一般的な場所における営業よりも高い収益力(超過収益力)のある営業が持つ権利です。許可を得て営業していたり、
 長年の営業努力によって培われた信用(のれん)を伴っていたりする場合に営業権を持つのです。築地業者の場合には、許可に基づいても「のれん」に基づいても営業権を
 持っているのです。
  営業権の侵害に関して、要綱は、「営業廃止の補償」、「営業休止の補償」、「営業規模縮小の補償」が必要と定めています。移転に伴う営業補償の代表的なものが「
 得意先喪失補償」です。
  ところが、都は、営業を廃止した業者に対して「営業廃止の補償」を支払わず、得意先を喪失した業者に「得意先喪失補償」を支払わないなど、一切の損失補償を支払
 っていないのです。これは、明らかに憲法29条違反です。
 6)損失補償を支払わない根拠は「受忍限度論」
  都が損失補償を支払わない根拠としているのが、HPで度々触れてきた「受忍限度論」です。経済的損失があったとしても「受忍限度(我慢できる限度)」内におさまる
 程度だというのです。
  「受忍限度論」のおかしさについては、度々紹介してきた「加害者が加害行為の受忍限度を一方的に決められない(セクハラ行為に即して考えれば明らか)」で十分でし
 ょう。
 7)損害賠償の無視も憲法29条違反
  憲法29条違反は、損失補償の無視だけではありません。損害賠償を無視することも憲法29条違反になります。
  ですから、築地市場から豊洲市場に移転して収益が減少した業者は損害賠償を請求できます。売り上げが三分の一に減った業者が、移転を強制した都に対して損害賠償
 を請求することは、常識的にも当然ですが、憲法にも、また民法(709条)にも根拠があることなのです。
  収益減に陥っているのは、場外市場の業者も同様です。築地市場近くのある場外業者は、売上げが4割程度減ったそうです。場内業者の「三分の一に減少」よりもまし
 とはいえ、売上げ4割減でも赤字経営に陥ることは明らかでしょう。
  ちなみに、場外業者も「築地」という「のれん」に基づく営業権を持っていますから、収益減に陥っていることは、営業権が侵害されたことを意味しています。
 8)都がなぜ損失補償を無視したか
  都がなぜ損失補償を無視したか、もうおわかりでしょう。日本一、世界でも有数の築地市場、世界的に有名なブランド力を持つ築地市場の移転に際して、損失補償を払
 ったら莫大になるからです。
  損失補償を払ったら莫大になるということは、損失補償を無視されたら業者は大変な経営難に陥るということにほかなりません。都の憲法違反の行為によって業者が
 赤字経営に陥り、倒産の危険に曝されることになるのです。
  ましてや、築地移転に際しては、小池都知事の「築地は守る、豊洲はいかす」発言により、築地業者がだまされて損失補償なしの移転に同意したのですから、都の違法
 性は明らかであり、都の責任は重大です。
 9)泣き寝入りせずに損害賠償を請求しよう
  豊洲に移転させられて収益減に陥っている業者が、このまま泣き寝入りすれば、都は「ほら見ろ、受忍限度内だったじゃないか」と居直ることになります。そうなるこ
 とは、業者にとって好ましくないばかりか、横暴な都政を許すことになり、社会的にも好ましいものではありません。
  収益が減少し、経営難に陥っているのは、いうまでもなく個々の業者の責任ではありません。明らかに収益減につながる豊洲移転を強行した都の責任です。
  そのうえ、12月2日のチャンネルベリタスの記事に指摘されているように、豊洲市場を続けることは、都財政にとっても負担となり、そのツケは都民に押し付けられる
 ことになるのです。
  収益減に陥って困窮している場内・場外の業者が泣き寝入りせずに声をあげること。これが、築地市場問題を解決していくうえでの最大の鍵なのです。

◇12月5日(水)
 1.12月4日第22回買物ツアー
  第22回は新企画になりました。村木さんのアイデアで、これまで買物ツアーの初めに営業権者が行なってきた「都への通告」を市民が行なうようにしたからです。
  いつも、買物ツアーを支えてくださっているKさんを皮切りに、約10名の市民の皆さんが、自分の思い・考えを都に向けて話してくださいました。それぞれの方が
 築地市場問題をいかに深く考えておられるか、また、いかにいろいろな視点があるかに感銘を受けました。大成功の試みでした。ご協力、有難うございました。
 2.撤回書物語3を微修正
  10月15日に記した「撤回書物語3」の電話の時刻・回数、及び電話に出た方の氏名がわかりましたので、より正確にするべく、以下のように微修正します。

  3.撤回書物語3
   事実は小説よりも奇なり。撤回書に関しては、まだまだ予想をはるかに超えた面白い展開をします。
   東京都の撤回書対策文書について、村木さんが「公序良俗に反する」と通告しようとして、14日(日)の9:27,9:50,14:23の計三回、連絡先として記されている「中
  央卸売市場築地調整担当(跡地管理)」の電話番号03-3542-0325(直通)に電話されたそうです。
   ところが、ビックリ仰天。9:27には、畠山(漢字は正確でない可能性あり)氏が出て「担当者がいない」と言ったそうです(氏名は三回目の電話で判明)。二回目9:58
  には、誰も電話に出ず。三回目14:23には、9:27と同じ声の主が出て「担当者が居ない」と言ったので、氏名を聞いたところ「はたけやま」と名乗ったそうです。
   14日午後3時まで(午前9時から)に書類を提出しろ、提出しないと撤回書を無効にする、と書いておきながら、また異例の日曜出勤もしておきながら、「担当者
  がいない」とは、その無責任ぶりには唖然茫然です。
   そして、14日15:24、猪口部長から村木さんに電話が入りました。
   まず、届け出期限について抗議すると「村木さんは提出が遅れても受け付けます」と言ったそうです。これにも呆れますが、「公序良俗に反する」を言うと、「わ
  かって下さいよ」と延々と泣き言を言ったそうです。

  この機会に改めて10月15日記載の「撤回書物語1~3」を読まれると、都の横暴さ・無茶苦茶ぶりがよくわかります。とても面白いですよ。
 3.営業権組合の口座開設のお知らせ
  営業権組合の口座を開設しました。村木・杉原両氏への不当極まる行政処分に関し、多くの激励・支援の声が届けられたため、支援カンパの受け入れを可能にするた
 めです。
  口座番号は次の通りです。
  中ノ郷信用組合 京橋支店(店番号017) 普通預金 口座番号2056883 築地魚市場営業権組合(ツキジウオイチバエイギョウケンクミアイ)
  ちなみに、中ノ郷信用組合は、1923年関東大震災後の復興時に、協同組合運動で奮闘された賀川豊彦氏が創設された信用組合だそうです。営業権組合の口座として
 大変ふさわしい金融機関だと思います。
  築地市場存続・再生のため奮闘している営業権組合の取組みに賛同いただける方々のご支援を宜しくお願いいたします。

◇12月6日(木)
 1.仮処分決定についての反論
  東京地裁11月22日付け仮処分決定についての現時点での反論をまとめましたので、次に掲げます。同仮処分決定及び東京都10月18日付け仮処分命令申立書も掲げて
 おきます。なお、近々、村木・杉原両氏への行政処分についての反論もアップする予定です。
   東京地裁11月22日仮処分決定についての反論
   東京地裁11月22日仮処分決定
   東京都10月18日仮処分命令申立書
 2.東京都11月1日付け「主張書面」を掲載
  遅ればせながら、東京都11月1日付け「主張書面」を「11月5日」に掲載しました。下にも掲載します。
   東京都「主張書面」

◇12月7日(金)
  行政処分に「重大かつ明白な瑕疵」がある場合には無効になりますが、村木・杉原両氏への行政処分には、「重大かつ明白な瑕疵」とも言えるほどの著しい瑕疵が
 あります。
  ぜひ、みなさんで「重大かつ明白な瑕疵がある」と広めていただき、無効に追い込みたいと思います。仮に無効に追い込めなくても、みんなが関心を持つようになれ
 ば、取消訴訟で断然有利になります。
  では、その「重大かつ明白な瑕疵」は何かって?
  今日、村木さんにも東京都の田中市場長にもH弁護士にも話しましたが、もう眠いので明日以降に記すことにします。明日も買物ツアー等々があるので、9日(日)
 までには記すようにします。わかれば簡単なことなので、理解も広めやすいと思います。
  お楽しみに。

◇12月9日(日)
 1.12月8日第23回買物ツアー
  12月8日第23回買物ツアーは、前回と同じくツアーの開始から終了間際まで市民からの都への通告が行なわれるなかで実施されました。最近の買物ツアーで見られ
 るようになった傾向ですが、開始時に集中せずに、営業時間中に分散して来られるお客が増えました。そのほうが、待ち時間が少なくて済むためでしょう。リピーター
 の方が身につけられた知恵でしょう。
  また、村木さんから、市民の方も含めた忘年会を持つ予定であることが報告されました。期日は、次回の12月11日買物ツアーで発表すると報告されましたが、その後
 の打ち合わせで12月22日午後2時半頃から持つことを決めました。今後の変更はおそらくないと思います。ご希望の方はどうぞご参加ください。
 2.カンパ口座の会計報告について
  ムラキ・杉原水産への行政処分を機に、営業権組合へのカンパを受け入れる口座を開設しましたが、それに伴い、会計報告をどのように行なうかを決める必要があり
 ますので、8日の打ち合わせで次のように決めました。
  収入:収入の年月日・氏名(個人情報保護のため原則としてイニシャルにします)及び金額を表の形で、時折、当HPに掲載する。
  支出:①行政処分を受けたムラキ・杉原水産の営業停止中の社長・従業員の生活費+②築地市場存続・再生のための営業権組合の活動費に充てる。
  以上のことをご理解の上、カンパを宜しくお願いいたします。
 3.ムラキ・杉原水産への行政処分は無効である
 1)行政処分の法的根拠は条例第91条
  東京都が11月26日付けで交付したムラキ・杉原水産への行政処分の通知書を次に再掲します。
   処分決定通知書
  通知書に示されているように、行政処分の法的根拠は条例第91条と第103条第1項第5号です。しかし、条例第103条第1項第5号は「条例に違反したときは処分でき
 る」旨の規定ですから、実質的な法的根拠は第91条しかありません。
 2)条例第91条のポイントは「使用資格が消滅したとき」
  第91条は次のような規定です。
   (市場施設の返還)
   第91条 使用者の死亡、解散若しくは廃業等又は業務の許可の取消しその他の理由により市場施設の使用資格が消滅したときは、相続人、清算人、代理人又は本人
      は、知事の指定する期間内に自己の費用で当該施設を原状に復して返還しなければならない。ただし、知事の承認を受けた場合は、この限りでない。
  この規定のポイントは、使用者に起因して「使用資格が消滅したとき」にあります。
 3)本件は「使用場所が消滅した」に過ぎない
  では、本件は、使用者に起因して「使用資格が消滅したとき」にあたるでしょうか。
  明らかに違います。本件では、都が築地市場を豊洲に移転することを決めたために、使用者の使用場所が消滅したに過ぎません。
  原因は使用者には全くなく、都にあります。そして、使用者の使用資格が消滅したわけでも全くありません。
  要するに、都は「使用場所が消滅したとき」を第91条の適用要件「使用資格が消滅したとき」にすり替えて本件に第91条を適用したのです。
  「使用者に起因して使用資格が消滅したとき」にあたらない本件に第91条を適用することは「重大かつ明白な瑕疵」にあたります。
  したがって、本件行政処分は無効です。

  皆さん、ぜひ、この「重大かつ明白な瑕疵」を広めて、都の凶暴で違法な行為を多くの人に知ってもらうようにしてください。
  これを広めれば広めるほど、本件行政処分の無効あるいは取消しを勝ちることができるようになります。
  皆さんのご協力を切にお願いいたします。
  広めやすいよう、3.の記述をWordファイルにして脚色を加え、次に掲載しておきます。
   仲卸業者への行政処分は無効である

◇12月10日(月)
 1.山本太郎議員、來る
  12月11日(火)の買物ツアーに山本太郎議員が来られるそうです。熱弁が聞けると思います。
  ご期待ください。

◇12月11日(火)
 1.田中賢也市場長が質問の伝達を約束
  12月7日に村木さんとともに田中市場長及び福田政之水産納品課長と会いました。
  会った理由は近いうちに報告しますが、ここでは、その際に行なった都への三つの質問事項を紹介するとともに、コメントを付しておきます。

  ①10月18日以降の築地での事業の法的根拠は何か?
   熊本コメント:10月9日に都は築地での事業の法的根拠を「改正条例の10月11日施行」と答えてきました。改正条例の内容は築地市場の「位置及び面積の変更」で
  あり、改正条例に基づいて10月11日~17日に豊洲に移転したのです。
   では、10月18日以降、築地市場で行なわれている事業の法的根拠はどこにあるのでしょうか?それが「位置及び面積の変更」を決めただけの改正条例にあるはずは
  ありません。では、何なのでしょうか?
  ②のれんに基づく営業に都が関与できるのか?できるとすれば、その法的根拠は何か?
   熊本コメント:築地市場正門前での買物ツアーは「のれん」に基づいて行なわれています。「のれん」に因る営業に条例は一切関与できないはずです。都が買物ツア
  ーに関与できるとすれば、その法的根拠は一体何にあるのでしょうか?
  ③条例91条は「使用者に起因する使用資格の消滅」にのみ適用できる規定であるのに、なぜ「都の政策(移転決定)に因る使用場所の消滅」に適用したのか?
   熊本コメント:上掲の「仲卸業者への行政処分は無効である」文書をお読みください。ちなみに、上掲「処分決定通知書(11月26日付け)」には、「築地市場の閉場に
  伴い、当該市場施設の使用指定は消滅しました。使用資格が消滅したときは、……」と、さりげなく「使用指定(場所)消滅」が「使用資格消滅」にすり替えられていま
  す。

  田中市場長は、以上三項目の質問に「私は回答しません」としながら、都の担当部局に伝えることを約束してくれました。
  担当部局の方々、回答を楽しみにしていますよ。

◇12月12日(水)
 1.12月11日(火)第24回買物ツアー
  山本太郎議員が買物ツアーを訪れ、スピーチをされ、買物もして下さいました。また、その後、国会での質問に備え、営業権者からの聞き取りや打ち合わせも行なって
 下さいました。やはり、一味も二味も違う本物の国会議員です。
  打ち合わせでは「議員一人では限界があるので、これまで築地問題について関りを持ってきた国会議員に改めて支援を要請してほしい」と言われていました。皆さんも
 そのような議員をご存知であれば、働きかけをお願いいたします。
 2.「行政処分は無効」に関する身近な事例
  ムラキ・杉原水産への行政処分についてマスコミも大きな関心を寄せています。
  この行政処分は「重大かつ明白な瑕疵を含むので無効」であることについては12月9日に指摘した通りですが、皆さんの身近な事例をつうじて分かり易く説明しておき
 ます。
  借家からの立退きの際、「大家(貸主)都合の立退き」と「借家人都合の立退き」では、手続きが全く違うことは常識です。
  「借家人都合の立退き」では、借家人が原状回復して部屋を明け渡さなければならないことは言うまでもありません。
  他方、「大家都合の立退き」では、手続きは厄介です。https://110web.net/evictionによれば、次の通りです。

  借地借家法では、大家が借家人に立退きを求める場合には、「6カ月前の賃貸契約解約の申し入れが必要」とされていますが、それだけでは足りず、「正当事由が必要
 」とされています。
  正当事由は、
  ・賃貸人・賃借人が建物を必要とする事情
  ・建物の賃貸借に関する従前の経過
  ・建物の利用状況および現況
  により判断され、さらに「立退料の提供によって正当事由を補完すること」によって最終的に判断されます。
  よくある「老朽化による建替え」などは、オーナーの自己都合によるものなので正当事由とみなされることはないと考えたほうがよいです。

  「大家都合の立退き」に関する以上のことの概略は常識にもなっています。
  ところで、本件が豊洲移転という「東京都の都合」による立退き請求にあたることに疑問の余地はありません。
  民間でも「大家都合の立退き」では「立退き料の提供」なしに「借家人による原状回復と部屋の明け渡し」を求めることはできないのに、「都の都合による立退き」で
 補償なしに「使用者による原状回復と施設の明け渡し」を強制できるはずがありません。
  しかも、公共事業により特定の者に特別の犠牲を強いる場合には、憲法29条3項に基づき「損失補償が必要」とされています。
  都が、損失補償を全く支払わずに「使用者に起因する使用資格の消滅」にのみ適用できる条例第91条を本件に適用したことは、民間の貸借に照らして常識でもおかしい
 ことがわかるうえ、憲法29条にも違反しているのです。
  東京都は、築地市場という世界最大の中央卸売市場を廃止するのに、損失補償を全く支払わないという、とんでもない違法行為を犯しています。
  ムラキ・杉原水産への行政処分をそのまま許せば、今後の一切の公共事業における損失補償の無視という暴挙につながりかねません。
  本件は、それほど重大な事件であることを理解し、広めてくださるよう、お願いいたします。

◇12月14日(金)
 1.都が東卸のみを窓口とするのは違法
 1)補償を受ける者は経済的損失を受ける者
  本HPの冒頭に次のように書きました。

   築地市場の豊洲移転に関しては、1998年12月に東京魚市場卸協同組合(略称「東卸」)の臨時総代会において「現在地(築地)再整備」が可決されたものの、2014
  年11月14日の東卸総代会において当時の伊藤淳一理事長が、1998年12月の臨時総代会の決議について「私のほうから白紙の宣言をさせていただく」と宣言し、それが
  拍手で承認されたことが豊洲移転の法的根拠とされています(詳しくは週刊金曜日2018年1月26日号掲載の永尾俊彦氏の論文を参照)。
   週刊金曜日(2018.1.26)
  白紙宣言がなぜ移転の根拠になるかわけがわかりませんが、そもそも事業を営んでいるのは仲卸業者の方たちであるのに、なぜ東卸が移転を決められるのでしょうか。

  この文章を何故再掲したかと言いますと、東京都は、いまだに「東卸としか交渉しない」、「補償請求は東卸を通じて以外受け付けない」などと言っているからです。
  しかし、補償を受ける者は「経済的損失を受ける者」ですから、個々の仲卸業者にほかなりません。東卸は仲卸業者を組合員とする協同組合であって、東卸自体が仲卸
 業を営んでいるわけではありませんので、補償を受ける者ではありません。
  いいかえれば、営業権という財産権を持つのは仲卸業者であり、補償は「営業権(財産権)の侵害」に対して支払われるのですから、補償を受ける者は、個々の仲卸業
 者(営業権者)です。
 2)東卸には補償に関する何の権限もない
  埋立事業の場合に漁協が補償の請求・受領を行なったり、補償契約を締結したりすることは珍しくありません。
  しかし、漁協は通常、漁業を営んでいませんから、補償を受ける者ではありません。補償を受ける者は、事業によって経済的損失を受ける組合員です。
  ですから、水産庁は、次に掲げるように、漁協が補償契約を締結したり、補償金の請求や受領をしたりするには、組合員からの同意ないし委任状を取るようにとの通達
 を出しているのです。

  ①昭和四七年九月二二日漁政部長通達
   埋立事業等に伴う漁業補償契約の締結にあたっては、組合は関係する組合員全員の同意をとって臨むよう指導されたい。
  ②昭和五一年三月一三日漁政部長通達
   漁業協同組合が組合員の漁業に関する損害賠償の請求、受領及び配分を行うことは、組合という社会的公益的組織体の存立目的の範囲内の行為であり、組合の行いう
  る業務には含まれると解する。
   また、この場合において、関係海面においても漁業を行っている組合員からの委任行為が必要と解する。

  いいかえれば、経済的損失を受ける組合員からの同意ないし委任状を取らない限り、漁協には補償に関する何の権限もないということです。
  このことを東卸に即して言えば、仲卸業者からの同意ないし委任状を取らない限り、東卸には補償に関する何の権限もないということになります。
 3)損失補償は「個別払い」が原則
  憲法29条に関して定められた「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」第5条には、損失補償の原則として「個別払いの原則」が規定されています。次のようです。

  (個別払いの原則)
  第5条 損失の補償は、各人別にするものとする。

  「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」に基づいて定められた「東京都の事業の施行に伴う損失補償基準」の第5条も全く同じ条文です。
 4)東卸しか窓口にしないのは違法
  東京都は、豊洲移転に伴う補償に関して、「東卸としか話さない」、「東卸しか窓口にしない」と主張しています。
  しかし、補償を受ける者は個々の仲卸業者(営業権者)であり、東卸は、仲卸業者からの同意ないし委任状を取得して初めて補償に関して権限を持つのです。
  仲卸業者からの同意ないし委任状を取得できるのは東卸に限りません。他の誰であっても、仲卸業者からの同意ないし委任状を取得すれば、補償に関する権限を持て
 ます。
  また、仲卸業者が誰に委任するかは、個々の仲卸業者が決められることです。
  したがって、営業権組合に委任する仲卸業者が居れば、営業権組合が補償に関する権限を持つことになります。また、誰にも委任しない仲卸業者が居れば、その仲卸
 業者と補償交渉しなければなりません。
  「補償に関して営業権組合とは話し合いを持たない」としている東京都は、「営業権(財産権)の侵害」という違法行為(憲法29条違反)を犯し、かつ自ら定めている「
 東京都の事業の施行に伴う損失補償基準」にも違反していることになります。

  私たちが、損失補償の重要性を強調するのは、お金が欲しいからではありません。損失補償が適法になされないと「財産権の侵害」が横行する社会になってしまい、
 民衆の生活、さらには生存が脅かされるからです。
  日本でいかに行政が「財産権の侵害」を無視しているか、また、それに如何に組合が悪用されているか、本件を通じて広く知ってほしいと願っています。それを知る
 ことが、「民衆が主人公の社会」を創るうえでの重要な鍵になると思います。
  上掲の文章も拡散してほしいので、Wordファイルにして次に掲げておきます。
   都が東卸のみを窓口とするのは違法

◇12月18日(火)
 1.12月15日第25回買物ツアー及び12月18日第26回買物ツアー
  二回とも市民の協力を得て、無事買物ツアーを実施できました。ご協力くださった市民の方々、有難うございました。
  買物ツアーは、もうすっかり築地名物になったようです。「のれん」に基づく営業になったともいえるでしょう。
  第28回では、毎回原稿を用意されてハンドマイクで語られる市民のSさんが、歌まで披露されました。
  次回は、12月22日(土)、年内の最終回になります。正月が近づき、カズノコも格安で販売されています。奮ってご参加ください。
 2.村木さんが12月11日の質問への回答を催促
  12月11日に私から田中市場長を通じて都に提出した質問への回答がまだなされていないので、村木さんが都に催促してくれました。
  質問項目は、次の三点です。
  ①10月18日以降の築地での事業の法的根拠は何か?
  ②のれんに基づく営業に都が関与できるのか?できるとすれば、その法的根拠は何か?
  ③条例91条は「使用者に起因する使用資格の消滅」にのみ適用できる規定であるのに、なぜ「都の政策(移転決定)に因る使用場所の消滅」に適用したのか?
  各質問項目への説明・コメントは、12月11日HPをご覧ください。
 3.東京新聞に行政処分についての記事が掲載される
  東京新聞12月16日に村木・杉原両氏への行政処分についての記事が掲載されました。次に掲げます。
   年の瀬、一カ月営業できず
  記事掲載は大きな力になります。片山さん、有難うございました。今後とも宜しくお願いいたします。

◇12月21日(金)
 1.菅原邦昭さんが所属される東北地区水産物卸組合連合会(東北地区連)が、卸売市場法改悪を阻止するためのホームページを開設されました。
  次のサイトです。
  卸売市場法改悪阻止のホームページ
  卸売市場法の改悪が大手流通資本や多国籍企業による「住民(国民)の生活破壊」の動きであることを指摘し、それを阻止しようという趣旨のホームページです。
  築地の買物ツアーも取り上げていただいています。
  ぜひ、皆さんもお訪ねください。

◇12月23日(日)
 1.12月22日第27回買物ツアー
  第27回買物ツアーも、猿渡さんの熱のこもった報告の後、市民の協力を得て無事終えることができました。
  この日は、東京新聞の記事や正月がせまってきたことの影響でしょうか。いつもにも増して多くのお客さんが参加され、大忙しでした。
  おかげさまで、10月11日以降、27回もの買物ツアーを実施できました。
  買物ツアーは、私たちが思っている以上に効果を上げているようです(いずれご報告します)。   来年もどうぞ宜しく、ご贔屓にお願いいたします。
 2.忘年会を開催
  買物ツアー終了後、市民の方々の参加を得て、忘年会を持ちました。
  仙台から菅原邦昭さんも参加くださり、熱のこもった、ユーモア溢れる激励の言葉の数々に、一同大いに元気をいただきました。
  ホームページ(上掲)を今後ますます充実させていくとのことで、大変心強く思ったことでした。
 3.小池知事が築地場外市場を訪ねたのはなぜか
  小池知事が12月20日に築地場外市場を訪問したそうです。
  訪問した理由は、築地場外市場の客足が減り、問題化しようとしているから、と思われます。実際、築地場外市場では、豊洲移転後、売上げが30%も40%も減っ
 たと言われています。なかには、二十分の一に減った店もあるそうです。
  築地市場のような世界一の規模を持つ巨大な市場を移すうえでは、地域に与える影響も考慮しなければならなかったのです。そのことは、前掲の次のような文献で
 指摘されています。特に、資料④は、公共施設の移転に伴う補償に関する要綱の解説書での指摘ですので重要です。
   資料③原龍之助『公物営造物法』
   資料④『公共補償基準要綱の解説』
  他方で、立地も悪く、かつ物流センターのような豊洲市場が築地のような「市場としての賑わい」を獲得できるはずはなく、このままでは、豊洲も築地も共倒れに
 なることは間違いありません。
  そのような見通しが確実視されるようになってきたのに、業者の方々は、このまま声をあげずに、廃業に追い込まれていくのでしょうか。ゆでガエルのように、じ
 じわ殺されていくのでしょうか。
  業者の方々の意地のみせどころが迫っています。

◇12月28日(金)
 1.「業務停止処分取り消し求め提訴」の記事
  永尾俊彦氏が週刊金曜日電子版に「業務停止処分取り消し求め提訴」の記事を書いてくださいました。
  業務停止処分取り消し求め提訴
  お知らせが遅くなって申し訳ありませんが、pdfファイルでも掲載しておきます。
   業務停止処分取消し求め提訴
 2.業務停止処分は、あと2日
  村木さん・杉原さんへの業務停止処分は12月1日から30日間でしたので30日で終わります。
  終わったら反転攻勢開始です。上掲の提訴のみならず、東京都への審査請求も含めて検討しています。
  お楽しみに。

◇12月30日(日)
 1.業務停止処分、終了
  村木・杉原両氏への業務停止処分は、本日で終了しました。村木氏は午前10時に1カ月ぶりに店のシャッターを開けたそうです。意外にもカビは生えていなかった
 そうです。
  12月12日の記述からお分かりと思いますが、都は、損失補償を支払わないで移転を強行するという大きな違法行為を犯しておきながら、条例の些細な規定を、しか
 も歪曲して適用して行政処分したということです。いずれ、子細に明らかにしたいと思います。
  1月上旬には、反転攻勢開始です。
  2019年、よい年にしましょう。

◇2019年1月6日
  あけましておめでとうございます。
 1.買物ツアーは12日開始をめざします
  買物ツアーの開始日は12日(土)を予定しています。正式通知は、10日までに掲載します。
  猿渡さんが自動車事故にあわれるという不慮の事態が生じたため、及び反転攻勢の準備に時間をかけているためです。ご理解・ご容赦下さい。
 2.市場問題プロジェクトチーム第1次報告書で「豊洲には仲卸業者がいなくなる」と予測
  かきいれどきの12月を過ぎ、ますます豊洲と築地の共倒れの可能性が明らかになってきました。
  この間、遅ればせながら、『市場問題プロジェクトチーム第1次報告書(平成29年6月13日)』に目を通ししたのですが、驚いたことに、そこでは、豊洲では「仲卸
 業者の姿はなくなるだろう」と予測されているのです。同報告書42頁に次のように記載されています。

  (3)豊洲市場の将来像(概ね 10 年後までの想定)
   ………
  〇豊洲市場の将来の姿は、かつて人が入り乱れて株の取引を行っていた兜町から、IT で取引される証券取引所への変化を思い起こさせる。そこには、競りを行い、
  買受人に商品を届ける仲買の姿はない。

  「仲買」と「仲卸」とは同じ意味ですから、「仲買の姿はない」とは「仲卸業者がいなくなる」ということです。また、ここにいう「将来の姿」の「将来」とは、「
 遠い将来」ではなく「10年後」のことです。要するに、豊洲の仲卸業者は、10年後までにはいなくなるということです。
  このような「仲卸殺し」の豊洲移転を仲卸業者が容認したのは、同報告書において、築地市場を改修して新築地市場として再生させ、場外市場と一体となった「食の
 テーマパーク」を創る、という構想が次のように謳われていたからでしょう(43頁)。

  (4)新しい築地市場(概ね 10 年後までの想定)
  〇新築地市場の特徴は、仲卸を中心としたモノとカネが結合した市場であり、築地の立地と伝統を最大限活かした機能的で、観光資源にもなる「にぎわい」のある
  市場である。
  〇築地市場の魅力は「仲卸」にある。
  ①仲卸の「目利きの技」は、仲卸業者が1人で身につけるものではなく、築地市場を利用する料理人、寿司屋、魚屋さんなどの買受人との相互作用によって育まれ
   るものである。
  ②築地という抜群の立地は、築地市場の大きな利点である。
  〇場外と一体となった食のテーマパークである。
   ①築地の場外は築地市場と関連のある食の店が多く、一体となって「築地」を形成する。
   ②公共交通機関が整備され、銀座からも徒歩圏であるという抜群の立地のため、多くの観光客が訪れる「東京の観光スポット」である。

  「築地市場の魅力は『仲卸』にある」とされているのですから、「食のテーマパーク」の鍵を握るのも「仲卸にある」はずです。つまり、仲卸業者は、豊洲では生き
 残れないけれども、新築地市場及び「食のテーマパーク」の核として位置付けられていたのです。
  ところが、現在、新築地市場が整備されるか否か、全く不明になっています。整備されなければ、仲卸業者は、豊洲市場で倒産・廃業を余儀なくされるだけです。
  そのような移転を損失補償もなく強行したとなれば、憲法29条違反は明らかであり、そのうえ、仲卸業者は同報告書及びそれに基づく「築地は守る、豊洲は活かす」
 に騙されたのですから、大掛かりな訴訟につながっていくことは間違いないでしょう。
  今後も同報告書から引用することがあると思いますが、とりあえず、次に掲載しておきますので、ぜひ関連部分を参照してください。
   市場問題プロジェクトチーム第1次報告書

◇1月8日(火)
 1.豊洲移転は不適切・無能な市場経営の産物である
  市場問題プロジェクトチーム第1次報告書(平成29年6月13日、以下「PT報告書」という)を読むと豊洲移転が如何に不適切かつ無能な市場経営の産物かがわかり
 ます。
 (1)豊洲市場は「多額の赤字を生み出す施設」
  PT報告書2頁には次のように記載されています。

   3)豊洲市場は、 6000 億円を投じ、開場して更に多額の赤字を生み出す」施設である。
   〇一般論として、中央卸売市場は、 公の施設」であるから税金をつぎ込んで施設を整備し、運営が赤字になれば更に税金で赤字を補てんする。一般会計からの繰
    り出しは、建設改良費(企業債元利償還金)の 50%及び営業費用の 30%ということが、国の通知で示されているので、限度まではつぎ込める。これが従来の日本
    の地方自治体の考えである。
   〇豊洲市場については、市場の経営を考慮せずに約 6000 億円の資金をつぎ込み、開場後も100 億円から 150 億円の赤字が発生することさえ検討していなかっ
    たことが判明している。
  「市場の経営を考慮せずに約6000億円の資金をつぎ込み、開場後も100億円から150億円の赤字が発生することさえ検討していなかった」とは呆れ果てます。
 (2)築地市場は、日本において唯一市場がブランドになっている優良市場である
  他方、築地市場の価値については、極めて高く評価されています。23-24頁に次のように記載されています。

   3.築地市場の価値と現状
    築地市場に特徴的な価値は「築地ブランド」である。これは、卸による豊富な商品揃え、多様な買受人を対象に商売をする仲卸の目利きの技、場外市場と一体と
   なったにぎわい、長い歴史と都心に近い好立地などに支えられている。その経済的価値は高い。
    <中略>
   (1)圧倒的ブランド力が作りだす“にぎわい”と食の技・流通の拠点
    1)高い知名度と長い歴史を持った卸売市場である。
    〇築地ブランドは、これまで「のれん代」としての経済的な価値が計算されてこなかったが、日本において唯一市場がブランドとなっている例であり、その経済
     的価値を正当に考慮するべきである。
     ①世界に有名な築地市場(CNN が選ぶ「世界の生鮮市場ベスト10」の第2位)
      [参考]CNN 世界の生鮮市場ベスト10
         1.ボケリア市場(スペイン、バルセロナ)
         2.築地市場(日本、東京)
         3.ユニオン・スクエアのファーマーズ・マーケット(アメリカ、ニューヨーク市)
         4.オートーコー市場(タイ・バンコク)
         5.セント・ローレンス・マーケット(カナダ・トロント)
         6.バラ・マーケット(イギリス、ロンドン)
         7.クレタ・エヤ・ウエットマーケット(シンガポール)
         8.ランカスター・セントラル・マーケット(アメリカ、ペンシルベニア州ランカスター)
         9.プロヴァンス市場(フランス・アンティーブ)
         10.九龍ウエットマーケット(香港)
     ②国内でも圧倒的なブランド力「築地直送」
      ⅰ)水産物の「建値市場」 値段の標準を決める市場)であり、日本最大の水産物市場。
      ⅱ)料理屋や飲食店は店先に「築地直送」と掲げる。会社名や産地名がブランドとなっている例はあるが、 市場」がブランドとなっている例は、日本でも他
        に例がない。

  24頁には、さらに、次のように、仲卸業者の存在が築地市場のブランドを育んできたと記されています。

   3)食の技・目利きの技、食のテーマパーク
    ①仲卸が築地市場の中心である。
     築地市場の特徴は、仲卸を中心とした食材の目利き(品質と値段設定)の技である。
    ②仲卸と料理店などとの相互関係が築地に目利きの技をはぐくむ。
     銀座・赤坂・青山など食通の店を後背地に持ち、これらの様々な料理屋との関係が築地市場の仲卸の目利きの技を支えている。この観点からも、築地という立地
     が決定的な役割を果たしている。

 (3)不適切・無能な市場経営の原因は「市場会計と一般会計の関係」にある
  仲卸業者の努力によって「世界的ブランドとなった築地市場」を潰して、「年々多額の赤字を生み出す豊洲市場」を開くとは実に愚かなことですが、なぜこのように不
 適切・無能な市場運営がなされるのでしょうか。その原因をPT報告書は、13頁で次のように指摘しています。

   2.東京都の中央卸売市場には、自立した市場経営を行おうとする意欲も計画もないのが現状である。これは、神田市場の「売却」収入で市場会計を維持できた経験
    により、本業での収支改善に真摯に取り組んでこなかったためである。これが、投資資金の回収を企図しない約6000億円の豊洲市場の投資につながった。
     <中略>
   〇よって、市場の持続性を検討するに当たっては、一般会計に頼らない自立した経営戦略を策定することが肝要である。経営の自立性が確保されてこそ、都民に対す
    る安全・安心な食を供給する卸売市場が運営できる。

  要するに、一般会計(税金投入)に頼った市場経営が豊洲移転のような愚かな計画を生んだということです。
  税金投入の仕組みをわかりやすくするために、神田市場の事例(19頁以降に掲載されています)に即して説明すると、神田市場は、次のような手続きで売却されていま
 す。
   ①神田市場廃止(1989年)に伴って昭和 63 年度から平成 4 年までの 5 年間に 3700 億円が「神田市場売却資金」として一般会計から市場会計に移された。
   ②①に伴い、神田市場という都の行政財産(公共施設)が都の普通財産(都有地)となり、所管も「中央卸売市場」から「財務局」に変更された。
   ③都(財務局)が神田市場跡地を民間企業に400億円で売却した。
  ①~③をつうじて、都全体としては神田市場跡地を400億円で売っただけですが、都の内部で、市場会計が3700億円を財務局(一般会計)から得たことになります。こ
 れは、市場会計を税金で支えたことを意味します。
 (4)愚行の繰り返しを防ぐには
  このように、東京都の市場経営は一般会計からの税金投入に頼っているために、世界的ブランドになった築地市場を潰し、赤字続きが確実な豊洲市場を開くような愚か
 な行為をやっているのです。しかも、築地ブランドを生んだ最大の功労者である仲卸業者を豊洲市場で生き残れなくして絶滅させていくのですから、その愚かさ・無能ぶ
 りには呆れるばかりです。
  この1月にも築地市場の所管が「中央卸売市場」から「財務局」に移ると言われています。
  そうなれば、神田市場での3700億円にあたる金員、おそらくそれよりもはるかに大きな金額が一般会計から市場会計に移されることになるでしょう。神田市場等で行
 なわれた愚行が、何の反省もなく、また繰り返されようとしているのです。
  愚行を防ぐ策は、ただ一つ、新築地市場を整備し、そこに仲卸業者を戻すことです。

◇1月10日(木)
 1.改善措置命令についての審査請求書を都庁に提出
  ㈲ムラキに対する改善措置命令についての審査請求書を村木さん・杉原さんとともに都庁に提出してきました。
  ㈲ムラキの登記簿を早急に提出することを条件に受理されたのですが、その後、㈲ムラキの登記簿上の住所が築地のままであることがわかり、審査請求書には豊洲住
 所を記載していたため、近日中に、豊洲住所に変更した登記簿を添えて再提出することにしました。15日頃になりそうです。
  しかし、反転攻勢の第一歩を踏み出せたことは間違いありません。
  正式受理されれば、その後、都からの弁明書→弁明書に対する反論書→口頭弁論、というふうに進行していくことになります。口頭弁論は公開で行なわれますので、ご
 期待ください。
  また、反転攻勢の第二弾として、業務停止処分に対する審査請求書も近々提出する予定です。
 2.買物ツアーの開始は19日を予定
  改善措置命令に対する審査請求を業務停止処分に対する審査請求よりも早く行なったのは、それが買物ツアーの実施と関係してくるからです。水谷さんのツイッターに
 は5000人を超えるフォローがあるほどで、多くの皆さんが買物ツアーの開始を望んでおられるので、ご期待に早く応えたいと思ったのでした。
  しかし、㈲ムラキの住所変更の必要が生じたことから審査請求の正式受理がずれ込んだこと、及び猿渡さんの体調回復がまだ十分でないことから、申し訳ありませんが
 12日実施は難しくなりました。
  今後、19日(土)開始を目指して努力していきますので、いましばらくお待ちください。

◇1月15日(火)
 1.組合員の皆さんにファックスを送付
  営業権組合員の皆さんに、久しぶりにファックスを送りました。
  「売上げ減の問題」及び「移転に伴う補償・賠償」の問題を取り上げ、①法に基づいた正当な補償・賠償を支払わせること、及び②築地市場を復活・再生させること
 を共に目指しましょう、という内容です。次に掲げます。
  組合員の皆さんへ
  皆さん、豊洲に移転して売上げ減に困っておられますので、関心を持っていただけると思います。
 2.改善措置命令についての審査請求書を送付
  ㈲ムラキの登記簿の住所変更をしたうえで、改善措置命令の審査請求書を正式に送付しました。
  業務停止処分についての審査請求書も今週中には提出する予定です。

◇1月17日(木)
 1.買物ツアーを19日に再開
  お待たせしました。買物ツアーを19日午後1時から開催します。
  長い間、中断していましたので、奮ってご参加ください。
  お会いできるのを楽しみにお待ちしております。

◇1月18日(金)
 1.改善措置命令についての審査請求書の理由
  1月15日に送付した改善措置命令についての審査請求理由書を次に掲げます。
  改善措置命令についての審査請求理由書
 2.19日買物ツアーを延期します
  すみません。19日買物ツアー開催をいったんは決めましたが、その後、営業権組合からインフルエンザ患者が3名も出たため、延期することになりました。
  しかし、改善措置命令についての審査請求を進めつつ、、今後とも買物ツアーの再開を目指していきますので、しばらくお待ちください。

◇1月19日(土)
 1.菅原さんからの激励・連帯文書
  本HPで何度も登場していただいている東北地区連(東北地区水産物卸組合連合会)の菅原邦昭さんから激励・連帯の文書を送っていただきましたので紹介します。
  豊洲移転が卸売市場法改悪の先駆けにあたること、したがって営業権組合の取組みが卸売市場法改悪の実効性をなくすうえで鍵になる取組みであること、そして
 卸売市場法改悪は、漁業法改悪や種子法廃止と同じく大企業の利益に適うように社会を再編しようとする動きの一環であること等がよくわかります。
  築地での営業権組合の取組みは、そのような動きに抗して闘っている人たちを励ますことにもなっており、また逆にそのような人たちの存在が営業権組合の取組み
 を励ますことにもなっているのです。
  菅原さんからの激励・連帯文書

◇1月22日(火)
 1.業務停止処分についての審査請求を23日(水)に提出
  業務停止処分についての審査請求を23日に行なうことを決めました。反撃第二弾です。
  なお、改善措置命令についての審査請求理由書を15日に掲載したつもりでしたが、アップをし忘れていましたので、先ほどアップしました。
  審査請求は、「都の処分庁」が行なった行政処分を「都の審査庁」が審査する制度で馴れ合いが懸念されますが、多くの市民の皆さんが理由書を理解してくださっ
 て審査庁による審査を監視するようになれば馴れ合い審査を予防することになると思われますので、ぜひお読みください。通常の読解力で十分理解していただけると
 思います。宜しくお願いいたします。

◇1月24日(木)
 1.豊洲市場における売上げ減と認可申請書における過大予測との矛盾
  『市場問題プロジェクトチーム第一次報告書』(平成29年6月13日)において「市場取扱高が10%減少すれば仲卸業者は300程度になる」、「10年後には仲卸業者
 の姿はない」と予測していることは1月8日に報告しましたが、すでに豊洲市場における昨年10月~12月の卸売業者の売上げが10%減になったことが統計データで
 明らかになったそうです(いずれ正確に紹介します)。村木さんによれば、卸売業者の1割減は、仲卸業者以外への販売等を考慮すると仲卸業者の売上げの2~3割減
 にあたるのだそうです。仲卸業者の売上げ2~3割減が噂されていましたが、統計上も証明されたということです。
  村木さんによれば、東京都は「まだ開業後、間もないから」と言い訳しているそうですが、とんでもありません。開業後しばらくは盛んに報道されますからそれ以降
 よりも売上げが多いはずです。今後、売上げがさらに落ちることはあっても増える可能性は全くありません。
  ところで、昨年9月に農水省に提出した認可申請書(豊洲市場事業計画書)においては、豊洲市場における取扱の量・金額の推移見込みは次表のようなものでした。
  認可申請書における取扱量・金額の過大予測
  驚くほどの過大予測です。『市場問題プロジェクトチーム第一次報告書』の記述と著しく矛盾しています。
  要するに、東京都は、嘘をついて農水省の認可を得たということです。そして、その嘘が実績によって証明されつつあるということです。
  農水省も、ただ騙されるのでなく、『市場問題プロジェクトチーム第一次報告書』と認可申請書の間の矛盾を突くべきだったはずで、それを怠った責任は免れ得ない
 と言わざるを得ません。
  築地市場跡地をホテル・国際会議場にするとの案、カジノを中心とした統合型リゾート(Integrated Resort,略称IR)の構想が浮上しています。
  都民の共有財産である築地市場を潰してカジノとは呆れ果てますが、そうなれば「築地は守る、豊洲は活かす」も嘘になります。これらの嘘の責任は、いずれ厳しく
 問われることになるでしょう。
 2.業務停止処分についての審査請求を提出
  23日に業務停止処分を受けた村木さん・杉原さんとともに都庁を訪ね、審査請求書を出してきました。
  審査請求の理由書は、次の通りです。
  業務停止処分についての審査請求理由書
  今後、都処分庁から弁明書が出され、それに対して反論書を出すことになります。その後、口頭意見陳述を行なうことも希望しています。
  改善措置命令についての審査請求理由書に続き、こちらも、馴れ合い審査予防のため、ぜひお読みくださるようお願いいたします。

◇1月27日(日)
 1.公開質問状(2018.6.21)に対する回答案の存在が判明
  水谷さんのツイッターでご存知の方も多いと思いますが、WADAさんという方が都に開示請求をした結果、6月21日付で営業権組合から都に出していた公開質問状に
 対して、都が回答案を作成していたことが分かりました。次に掲げます。
  公開質問状(2018.6.21)に対する都の回答案
  用意していたのなら回答すればいいのに、都は、この公開質問状を含め、今まで一度も公開質問状に対する回答をしたことはありません。このような市民無視は他県
 では経験したことありません。この点だけからも東京都の体質が分かります。
  突っ込みどころ満載の回答案ですが、今は、業務停止処分についての審査請求に対する弁明書が来るのを待っているところですので、弁明書に対する反論書において
 この回答案に対する反論も展開したいと思います。
  ともあれ、昨年6月時点で都がこのような回答案を用意していたことは貴重な情報です。WADAさん、大変有難うございました。

◇1月30日(火)
 1.仙台市中央卸売市場水産物卸協同組合の声明文
  仙台市中央卸売市場水産物卸協同組合が、「卸売市場法改正、業務規程見直しにあたっての見解と方針」(平成31年1月28日)という声明文を発表しました。築地市場
 問題についても大変参考になりますし、公正・公平な流通にとって「仲卸必置原則」、「せり原則」がいかに大事かがよく分かりますので、次に掲げます。
  卸売市場法改正、業務規程見直しにあたっての見解と方針
  12月21日に紹介した東北地区連のホームページhttps://2019mamore.web.fc2.com/にも掲載されています。
 2.改善措置命令についての審理員の通知
  1月15日に改善措置命令についての審査請求書を送付しましたが、この度、東京都から「審理員の指名について」(平成31年1月25日)という通知が送付されてきまし
 た。次に掲げます。
  改善措置命令についての審査請求の審理員
  審理員は二名とも都庁の役人です。都の処分庁が行なった改善措置命令の審査を都の役人が審理員となって行なうのですから馴れ合い審査になる恐れ大ですが、建前の
 うえでは中立・公平ということですから、お手並みを拝見しましょう。皆さんも是非、監視してください。
  通知の二枚目にあるように、審理員が「諮問要」と判断した場合には、東京都行政不服審査会に諮問されることになり、そこで調査・審議のうえ、答申書が作成される
 ことになります。

◇2月1日(金)
 1.第28回買物ツアーを2月5日に実施
  お待たせしました。一カ月ほど中断していましたが、買物ツアーを2月5日(火)より再開します。いつものように午後1時開始です。
  久しぶりの買物ツアーですので奮ってご参加ください。
 2.撤回書を無効にした東京都
  村木さん、杉原さんが築地市場仲卸棟に私物を置いていたとの理由で、業務停止処分を受けたことは周知のとおりです。
  しかし、私物を仲卸棟に置いていたのはお二人だけではありません。撤回書を提出した65名の方々も置いていたのです。
  65名の方々の私物がどうなったか、不思議でしたが、この度、水谷さんを通じて、アスベストセンターの永倉冬史氏が撮られた最近の仲卸棟の写真が送られてき
 ました。永倉氏は、中央区のアスベスト検査に定期的に同行されているので写真を撮れたのです。
  写真を次に掲げます。
  最近の仲卸棟写真1
  最近の仲卸棟写真2
  写真を見ると、私物は片づけられてしまったようです。仲卸棟の解体工事は工程表によれば4月半ばからですが、アスベスト除去等のために高所作業車が仲卸棟
 内を移動する必要があり、その障害になるということで片づけたようです。
  ということは、都は、10月15日「撤回書物語」に記した例の「撤回書対策文書」(次に再掲します)を有効としたことを意味します。
  東京都の撤回書対策文書(10月10日付け)
  10月15日にも記したように、この撤回書対策文書は、内容の上でも手続きの上でも公序良俗に反するものです。
  内容の上では、「この文書が提出されない場合及び提出されても不完全な場合には、撤回書を無効とする」というものです。実印署名付きの撤回書を撤回書対策
 文書が提出されない場合及び提出されても不完全な場合には無効とするとは、実に強権的で乱暴な行為です。
  手続きの上でも、撤回書対策文書が仲卸業者の皆さんに届いたのは、10月12日(金)又は13日(土)ですが、書類の受付日時は「10月10日(水)から14日(日)」
 とされています。記入事項には、造作等を撤去する場合の「造作工事契約書及び設備契約書の写し」まで要求されているのですから、完全な内容での提出が不可能な
 ことは明らかです。
  そのうえ、村木さんが14日(日)の9:27,9:50,14:23の計三回、連絡先として記されている「中央卸売市場築地調整担当(跡地管理)」の電話番号に電話されたと
 ころ、9:27には畠山(漢字は正確でない可能性あり)氏が出て「担当者がいない」と言い、9:58には、誰も電話に出ず。14:23には、9:27と同じく畠山氏が出て「担
 当者が居ない」と言ったそうです。
  このような撤回書対策文書で私物撤去を強行するとは、権力の横暴にも程があります。
  東京都の人たちは、自分たちが如何に横暴で理不尽な強権的行為を行なっているか、またそのような行為によって真っ当に生きている民間人を如何に苦しめているか
 、少しでも考えたり感じたりしたことがあるのでしょうか。
 3.築地解体事業の根拠はあるのか?
  昨年10月1日に東京都に築地閉場・解体事業の法的根拠を尋ねたところ、10月9日16:20に電話連絡があり、まず①予算を付けた、を根拠に挙げましたが、「予算を
 付けたから法的根拠がある」とはおかしな話で、「法的根拠があって初めて予算を付けられる」と反論したところ、次に17:50にまた電話をかけてきて②「条例改正が
 10月11日に施行される」と言ってきました。しかし、条例改正で行なわれたのは、築地市場の「位置及び面積の変更」でしかなく、したがって「築地市場at豊洲」の
 根拠にはなっても「豊洲市場」の根拠になるわけはありません。
  以上のことは、10月10日に記したとおりです。
  そのうえ、改正条例が築地市場解体の根拠になるわけはありません。築地市場は、農水省の中央卸売市場整備計画(2018年9月10日)でも「改築のできない中央卸売
 市場」に変更になっただけです。「改築ができない」からといって「解体してもよい」ことになるはずはありません。都有地として都が管理していることは確かですが、
 都有地だからといって「改築できない中央卸売市場」を解体してよいことにはなりません。
  解体するには「中央卸売市場の廃止」の手続きが必要なはずです。そして、そのためには、何より卸売市場法に基づき「廃止の認可」が必要なはずです(地方自治法に
 基づいても「公共施設の廃止」には議会において出席議員の三分の二以上の賛成の議決が必要です)。
  中央卸売市場の「廃止の認可」は一般消費者及び関連事業者の利益を損なう場合にはできないため、築地市場の廃止の認可は不可能です。それを誤魔化すのに使われて
 いるのが、例の「都には11の中央卸売市場があり、全体として一つの中央卸売市場である」という見解です。
  この見解のおかしさについては、新たな根拠も紹介しながら日を改めて記すことにします。

◇2月4日(月)
 1.都の「築地まちづくり方針(素案)」についてのパブコメ
  東京都が、「築地まちづくり方針(素案)」についてのパブリックコメントを募集しています。期間は2月21日まで。Webサイトは次の通りです。
 「築地まちづくり方針(素案)」についてのパブリックコメント募集
  提出方法は、メール(S0000175@section.metro.tokyo.jp)かファックス(Fax:03-5388-1351)で、次の様式をご利用ください。個人の場合には氏名は不要、
 住所は区又は市町村まででOKです。
  ファックスで送る際の様式
  ぜひ、「築地市場の再整備」を盛り込むよう、コメントをお送りください。
 2.業務停止処分についての審理員の通知
  1月23日に業務停止処分についての審査請求書を提出しましたが、この度、東京都から「審理員の指名について」(平成31年2月1日)という通知が送付されてきまし
 た。次に掲げます。
  業務停止処分についての審査請求の審理員
  審理員は、改善措置命令についての審査と同じメンバーで、二名とも都庁の役人です。馴れ合い審査にならぬよう、皆さんの監視をお願いいたします。

◇2月6日(水)
 1.第28回買物ツアー
  1カ月余りにわたる中断を経て、2月5日第28回買物ツアーを敢行しました。
  冒頭に「買物ツアー再開にあたって」というチラシを配って、買物ツアーの趣旨を説明するとともにパブコメへのコメント送付をお願いしました。
  配布したチラシを次に掲げます。
  買物ツアー再開にあたって
  客として、また売り子として参加してくださった市民の皆さん、有難うございました。
  買物ツアーの主催者は、営業権組合及び営業権組合を支援する市民です。築地市場の施設を解体するには、本来は「中央卸売市場廃止の認可」が必要であり、それは
 「一般消費者及び関連事業者の利益を損なう」場合には不可能ですから、買物ツアーを事業者や市民が続ける限りは、本来、施設解体もできないはずなのです。都が権
 力で違法行為を押し通しているだけなのです。
  ところで、5日には東京都が自ら無法者であることを吐露する行為を行ないました。買物ツアーは、いつも築地市場正門入口の前で行なってきたのですが、5日には、
 いつもの開催場所を道路工事等に使う赤いコーンとロープで立入禁止区域にしていたのです。そこが横断歩道であるにもかかわらずです。
  横断歩道は公道(公共用物)であり、そこを立入禁止区域にすることなどできるはずがありません。つまり、都は、何の権限もないのに、違法に立入禁止区域を設けた
 のです。理由は明白。買物ツアーへの嫌がらせです。
  実際には、少々やりにくくなったとはいえ、ほぼいつも通りの販売ができましたので、都の違法行為は何の効果もなかったのですが、こんな姑息な嫌がらせをしてく
 る都に腹が立つどころか、情けなくなりました。やることがあまりにも陰湿・姑息すぎます。一国の予算を上回るほどの予算を持つ「大東京」なのですから、もう少
 し堂々とした態度で臨んでほしいものです。相手にとって不足大ありです
  しかし、この違法性は誰もが理解できますから。「都が違法行為などするはずがない」などと信じている純朴な都民に都が無法者であることを説明するうえで恰好
 の事例を作ってくれました。都が無法者であることを自ら示してくれたのは大変有り難いことでした。心からお礼申し上げます。
  とともに、この間わかっていたことですが、都が買物ツアーをよっぽど嫌がっていることも明白になりました。これでは止めるわけにはいきません。支援してくださ
 る市民とともに、当面、週一回の開催を続けるとともに、事業者の復帰も目指していく所存です。
 2.東京新聞2月4日社説
  東京新聞2月4日に築地跡地利用に関し、「小池さん、説明不足だ」というタイトルの社説が載りました。次に掲載します。
  小池さん、説明不足だ(東京新聞2019.2.4)
  都の築地市場青地の再開発方針に「築地市場復活」が盛り込まれていないことについて、2017年6月都議選三日前に表明した「築地は守る」の公約と矛盾する、とい
 う趣旨の社説です。きわめて的確な見解であり、今後、都民の間に広まっていくことでしょう。

◇2月8日(金)
 1.来週以降の買物ツアー
  買物ツアーは、当面、週一回開催する予定です。曜日は、今週は火曜でしたが、平日は審査請求関連で都合が悪くなる可能性もあるので、来週以降は、おそらく土曜日
 になると思います。ですから、明日9日(土)には開催しません。明日は東京は雪になるとのこと、開催を予定しなくてよかったです。
  すでに、買物ツアーは、実質的に営業権組合及びその趣旨に賛同している市民の主催になっています。卸売市場法でも「中央卸売市場には『一般消費者の利益』を伴う
 」旨規定されていますので、市民が買物ツアーの主体になることはできるはずです。
  来週以降のご参加・ご支援を宜しくお願いいたします。
◇2月11日(月)
 1.今週の買物ツアー
  今週の買物ツアーは、16日(土)開催です。審査請求を出したことから平日にはそれに関した打ち合わせ等が入る可能性があるため、火曜でなく土曜を選びました(来週
 以降も土曜日の予定です)。
  買物ツアーの主催は「営業権組合及びその趣旨に賛同する市民」です。販売主体は営業権組合です。
  当面は市民が中心になって運営し、今後、審査請求の取り組みを進めていく中で、そう遠くないうちに業者の参加も実現していく所存です。
  2月6日に掲載した「買物ツアー再開にあたって」に記したツアーの趣旨をご理解の上、参加くださるよう、よろしくお願いいたします。

◇2月13日(水)
 1.カンパ口座の会計中間報告
  12月9日に約束しましたように、業務停止処分を受けた二名の方へのカンパ口座会計の中間報告を次に掲げます。
  カンパ会計中間報告
  個人情報保護のため、氏名はイニシャルで表記しています。なお、このほかに、氏名及び金額ともに公表を希望されていない方一名からのカンパがありますが、それは
 別会計にしていますので、表には記載していません。
  カンパしてくださった方々、大変有難うございました。
  また、今後、審査請求を進めていきますので、今後ともカンパをよろしくお願いいたします。
 2.審査請求の弁明書期限は3月上旬
  すでに報告しましたように、改善措置命令についても業務停止処分についても都の審査庁に審査請求を出し、受理されて審査請求の手続きに入っています。
  今後は、①都の処分庁からの弁明書、②弁明書に対する反論書、③口頭意見陳述、④審理員が東京都行政不服審査会に諮問するか否かを決定、⑤諮問されれば調査・
 審議の後に答申、という流れで手続きが進みます。
  行政不服審査法第29条には「審理員は、相当の期間を定めて、処分庁等に対し、弁明書の提出を求めるものとする」と規定されていますので、昨日、審査庁の長尾氏
 に「相当の期間をいつごろまで、と定められたのか」と尋ねたところ、「3月上旬」とのことでした。
  これを村木さんに伝えたところ、ビックリされていました。審査請求の提出から約1.5カ月の期間を処分庁に与えたことになり、東京地裁の仮処分や都の行政処分の際
 の時間を全く与えない手続きと比べて余りにも違いがあるからです。村木さんは、仮処分や行政処分の経験から「相当の期間」は2、3日あるいはせいぜい一週間と思わ
 れていたようです。
  ですが、今回の審査請求のほうが通常の手続きで、仮処分や行政処分の手続きが異常きわまりなかったということです。地裁と東京都の癒着ぶりには、改めて呆れる
 ばかりです。
  弁明書が3月上旬頃になりそうなので、こちらも取組みの方針を立て直し、成果をあげつつあります。尋ねてよかったです。
 3.買物ツアーは雪でも決行
  第29回買物ツアーは2月16日に予定しています。雪になるかもしれないとのことですが、「雪ニモマケズ」決行しますので、ぜひご参加ください。

◇2月15日(金)
 1.築地市場の廃止には「廃止の認可」が必要である
 1)中央卸売市場の廃止には「廃止の認可」が必要
  卸売市場法第14条は、第1項で「中央卸売市場を廃止するには農水省の認可が必要」と規定し、第2項で「一般消費者及び関連事業者の利益が害されるおそれがないと
 きでなければ『廃止の認可』をしてはならない」旨、規定しています。中央卸売市場は、市場で事業を営む事業者にとっても、生鮮食料品の公正かつ公平な価格による
 供給という利益を受ける市民にとっても大切な公益施設であればこそ、卸売市場法で一般消費者及び関連事業者の利益を損なう場合には廃止できないように規定されて
 いるのです。
 2)中央卸売市場の開設都市の人口
  中央卸売市場を開設している都市は全国に約40あります。『市場問題プロジェクトチーム第1次報告書』に掲載されているそれぞれの都市の人口(将来推計を含む)
 は次表のとおりです。
  中央卸売市場の開設都市の人口
  最大は東京都約1317万人です。他方、20万人台以下の都市が青森市、八戸市、盛岡市、福井市、宇部市、徳島市と六都市もあります。
 3)大都市ほど「一般消費者及び関連事業者の利益」を損なってもよい???
  人口20万人台以下の開設都市では中央卸売市場の廃止の際には「農水省の認可」が必要であり、したがって一般消費者及び関連事業者の利益を損なう場合には廃止で
 きないことになります。
  であるなら、卸売市場法第14条の趣旨に基づけば、日本一の規模の築地市場を廃止するには、なおさら「一般消費者及び関連事業者の利益」を考慮しなければならな
 いはずです。
  ところが、東京都は、「築地市場の廃止には認可は必要ない」、「築地市場の『位置及び面積の変更』により廃止できる」としています。「都には中央卸売市場という
 名前の付いた市場が豊島市場、淀橋市場、足立市場など11ヶ所あり、全体として一つの中央卸売市場である」との見解によって、卸売市場法第14条が適用されず、一般
 消費者及び関連事業者の利益を考慮しなくても廃止できるとされているのです。
  東京都の中央卸売市場11ヶ所のうち、築地市場(及びその「位置及び面積の変更」の結果生まれたとされる豊洲市場)の規模は飛びぬけて大規模です。東京都が農水省
 に提出した『東京都中央卸売市場豊洲市場事業計画書』には、次表に見るように、豊洲市場の供給対象人口が約1419万人と記されています(築地市場はもっと多いはず
 です)。
  豊洲市場の供給対象人口
  人口が20万人台程度の都市なら「一般消費者及び関連事業者の利益」を配慮しなければ廃止できないとされる一方、人口が1000万人を超える築地市場の場合には「一
 般消費者及び関連事業者の利益」を配慮しなくとも廃止できる、とするのは、どう考えてもおかしなことです。
  また、この見解が成り立つならば、中央卸売市場の数が複数の都市では、複数の中央卸売市場が同時に廃止されることなどあり得ませんから、「一般消費者及び関連事
 業者の利益」を考慮しなくても各中央卸売市場を廃止できることになってしまいます。
  本来、市場の供給対象人口が多ければ多いほど、その廃止の際に「一般消費者及び関連事業者の利益」を損なわないよう配慮しなければならないはずであり、だからこ
 そ第14条が設けられたはずです。
  このように、「中央卸売市場の数が複数であれば『廃止の認可』は必要ない」とする見解は「大都市であればあるほど『一般消費者及び関連事業者の利益』を損なって
 も廃止可能」とする見解であり、卸売市場法第14条を全く骨抜きにする見解、いいかえれば14条の立法趣旨に全く反する見解にほかなりません。
  以上のことから、「築地市場の廃止には『廃止の認可』は必要ない」、「都には11の中央卸売市場があり、全体として一つの中央卸売市場であるから卸売市場法第14
 条が適用されない」とする見解が誤りであることは明らかです。
  築地市場の廃止には「廃止の認可」が必要であり、「廃止の認可」がなければ築地市場は解体できないのです。

◇2月18日(月)
 1.第29回買物ツアー
  第29回買物ツアーを2月16日(土)に予定通り開催しました。
  買物ツアーの主催者は営業権組合及びその趣旨に賛同する市民ですから、市民の方も売り子になれます。この日は、新たにご婦人が売り子になって下さり、大変上手に
 販売して下さいました。皆さんも、滅多にできない面白い経験になりますので、ぜひ売り子にもご参加ください。
  2月6日HPに書いたことが効いたのでしょうか。18日には、横断歩道には立入禁止区域を設けていませんでした。都には、この調子で正々堂々とやってもらいたいもの
 です。
  ちなみに、すでに10月21日及び11月2日HPに記したように、私たちは、都が威力業務妨害罪を犯していることに関し築地署に被害届を出しており、「被害届けの公式
 受理はできないけど、違法行為があった時は、通報してくれれば、法に従って対応します」との回答を得ていますから、都が買物ツアーを妨害するようなことがあれば通
 報することもあり得ます。警察も、滅多にできない市民の応援ができますので、張り切って対応してくれると思います。
  警察の応援のもとに取り組める市民活動も珍しいですから、この点も楽しみながら買物ツアーに取り組んでいきましょう。
 2.築地市場跡地は、なぜ貸付けなのか
  都は、築地市場跡地に関し、1月に「築地まちづくり(素案)」を発表するとともに、築地市場跡地を売却するのでなく、貸し付ける方針を決めました。神田市場の場合
 には売却されましたが、築地市場の場合には、なぜ貸付けなのでしょうか。貸付けは小池知事の方針だと言われています。なぜ小池知事は貸付けにこだわったのでしょう
 か。
  一つの大きな理由として、売却すると、築地市場再整備の途が閉ざされ、小池知事個人が莫大な損害賠償を支払わなければならなくなる恐れがあるからと思われます。
  国賠訴訟は、都を相手に損害賠償を請求するものですが、その後に、都民が小池知事を相手に住民監査請求(税金を無駄使いしたという趣旨の請求)を出せば、その後
 、住民訴訟(税金を無駄使いしたという趣旨の訴訟)に基づいて小池百合子個人が莫大な損害賠償を支払わなければならなくなる可能性があります。
  実際、石原元都知事は、豊洲の汚染地を土壌汚染対策費を考慮せずに購入したとの理由で現在、「石原氏に約578億円の賠償請求をするよう都に要求する」という趣旨
 の住民訴訟を起こされています。
  豊洲移転後の業者の売上げ減少は、予想をはるかに超えて深刻ですから、今後、国賠訴訟→住民訴訟をつうじて小池知事個人が損害賠償しなければならなくなる恐れが
 十分にあります。小池知事が、貸付け方針にこだわったのは、築地市場再整備の可能性を残しておいて国賠訴訟→住民訴訟によって小池知事個人が損害賠償を請求される
 可能性を低くしたかったからではないか、少なくともそれが一つの理由になっているのではないか、と思われます。
  一般には、そのような政治家個人の損害賠償にまで至ることは多くありませんが、小池知事の場合には、①PT報告書で仲卸業等の売上げ減が十分に予測されていた、
 ②PT報告書に基づいて「築地は守る、豊洲は活かす」との方針を打ち出した、③「築地は守る、豊洲は活かす」を公約にして都議選に圧勝した、という3点セットがそ
 ろっていますので、個人による損害賠償が認められる可能性は十分にあると思われます。
  2月4日に記したように、2月21日まで「築地まちづくり案」についてのパブコメ募集が続いていますが、「築地市場を再整備せよ」という趣旨のコメントを送っていた
 だければ大きな力になりますので、ぜひコメントをお送りくださるようお願いいたします。

◇2月21日(木)
 1.第30回買物ツアーのご案内
  第30回買物ツアーは、2月23日(土)に開催します。すでにご存知と思いますが、主催は営業権組合及びその趣旨に賛同する市民です。
  体調不良等でしばらくご無沙汰していた組合員も参加されます。ご期待ください。
 2.パブコメは今日まで
  「築地まちづくり案」についてのパブコメ募集は今日までです。ぜひコメントをお送りください、
  コメントはメールでもファックスでも送れます、送り方については2月4日HPを参照してください。

◇2月22日(金)
 1.2017年6月20日小池知事記者会見全文及び重要部分
  パブコメの締切り前に掲載すればよかったのですが、2017年6月20日の小池知事記者会見全文を入手しましたので、次に掲載します。その重要部分だけを抜き出した
 ファイルも併せて掲載します。
  2017年6月20日小池知事記者会見全文
  2017年6月20日小池知事記者会見重要部分
  この記者会見を読むと、「築地まちづくり」のなかで築地市場再整備を盛り込まなければ、著しい公約違反になることは明白であり、大掛かりな国賠訴訟を打たれる
 こと、及び国賠訴訟→住民訴訟をつうじて小池知事個人が損害賠償しなければならなくなることは確実と思われます。この点を念頭においてお読みください。

◇2月23日(土)
 1.永尾氏俊彦氏のWEBRONZA論文前編
  永尾俊彦氏がWEBRONZAに「築地市場の『のれん』で小池都知事と闘う人々」を掲載してくださいました。現時点においてとても重要な築地問題の経緯をわかりや
 すくまとめられていますので、皆さんもぜひお読みください(ただし、全文を読むにはログインが必要です)。
 築地市場の「のれん」で小池都知事と闘う人々

◇2月24日(日)
 1.第30回買物ツアー
  第30買物ツアーは、予定通り、23日午後1時から始まりました。
  この日、久しぶりに参加された村木さんによる「これから、営業権組合及びそれに賛同する市民による買物ツアーを始めます」との第一声から始まりました。
  都の不当な改善措置命令後、初の登場で画期的な日となりましたので、録画も録音もとりました。
  都の処分に対する審査請求が次第に効果を発揮していることの証です。反転攻勢が徐々に形になってきました。今後も業者の方がより多く参加できるよう、反転攻勢
 を進めていきたいと思います。
  市民の皆さん、ご協力・ご支援、宜しくお願いいたします。ちなみに、村木さんの復帰により、買物ツアーの品数も量も一段と豊富になりましたよ。お買い得ですよ。
  ツアー後の打ち合わせでは、卸売市場法改正(実は改悪)問題について、菅原邦昭さんを招いての学習会を開くなどの案も出ました。今後、営業権組合として築地問題
 の背景にある卸売市場法改正問題にも取り組んでいきたいと思っています。

◇3月1日(金)
 1.小池知事、築地市場再整備を否定
  小池知事は、26日、都議会で築地再整備を否定する答弁を行ないました。理由は「豊洲市場との近接性」(豊洲市場に近いから)だそうです。2017年都議選時の「築
 地は守る、豊洲は活かす」の公約は一体何だったのかと呆れ果てるような答弁です。狸もビックリでしょう。
  小池答弁を批判的に紹介した東京新聞記事を次に掲げます。
  東京新聞2019.2.27
  本人がいくら否定しようと公約違反は明白ですから、国賠訴訟及び住民訴訟をつうじて損害賠償請求される可能性が高くなりました。
 2.「有償所管換えの方針」が大問題に
  東京都の「有償所管換えの方針」が都議会で大問題になっています。
  「有償所管換えの方針」とは、築地市場用地を市場会計から一般会計に売却し、所管換えする方針で、この方針に伴い、平成30年度補正予算として5423億円が一般会
 計から市場会計に支払われる予定になっています。要するに、都内部でのお金のやり取りを通じて所管換えをするということですが、有償所管換えを行なう理由は、売却
 にしろ貸付けにしろ、一般会計に移し替えたうえで財務局が所管する必要があるからです。
  小池知事は、昨年12月11日に「有償所管換えの方針」を表明していたのですが、1月にさらに「売却」でなく「貸付」の方針を明らかにしたのです。
  ところが、都議会で「有償所管換えの方針」が大問題になり、議会で認められるか、危うくなっているそうです。
  もめている大きな理由は、いうまでもなく小池知事の公約違反です。公約違反は誰の目にも明らかですから、もめるのは当然でしょう。
  ただし、自民党等は「なぜ売却でなく貸付なのか」も問題にしているようです。売却のほうが利権につながりやすいからでしょう。
  都議会における議論の山は、3月4日の経済・港湾委員会で、来週いっぱいに議決されなければ、有償所管換えの方針が揺らぐことにもなりかねないとのことです。
 3.永尾氏俊彦氏のWEBRONZA論文後編
  永尾俊彦氏のWEBRONZA論文後編「築地市場の『のれん』を発展させる解放区」が掲載されました。「のれん」のこと、「買物ツアー」のことが詳しく紹介されていま
 す。皆さんもぜひお読みください(ただし、全文を読むにはログインが必要です)。
 築地市場の「のれん」を発展させる「解放区」

◇3月3日(日)
 1. 第31回買物ツアー   第31回買物ツアーを3月2日(土)、午後1時から開催しました。
  冒頭に、小池知事が築地再整備を否定する発言をしたことを紹介するとともに、小池知事の公約違反の責任を追及していくためにも買物ツアーを共に続けていきましょ
 う、と呼びかけました。締めの挨拶は水谷さんにしていただきました。ご参加くださった皆さん、有難うございました。
  なお、この日は組合員の売り子参加はありませんでしたが、次回(3月9日)からは、組合員も参加されますので、ご期待ください。
 2. 有償所管換えと「築地市場の廃止」
  有償所管換えと地方自治法との関係を調べていて浮かんだ疑問を以下に記します。関心を持たれた方には、さらに掘り下げていただければ、と思います。
  3月1日に記したように、有償所管換えは、築地市場の土地を市場会計から一般会計に移すことです。
  築地市場は公共施設(地方自治法では「公の施設」)ですが、その所管が財務局(一般会計)に移れば公共施設でなくなるはずです。
  地方自治法は、「公の施設」の設置・管理については条例で定めなければならない、また、重要な「公の施設」の廃止については、議会において出席議員の三分の二以
 上の同意を得なければならない、と定めています(第244条の2)。
  築地市場は重要な「公の施設」に違いありませんから、その廃止については、都議会で三分の二以上の同意が必要なのではないでしょうか。その議決は、まだとられて
 ないのではないでしょうか。
  ちなみに、この点に関し、地方自治法の有名な解説書、長野士郎『逐条地方自治法』には、次のように解説されています。
 ①「公の施設の物的要素が滅失した場合においても右に述べた手続きを執るべきものと解する」(918頁)。→これは、築地市場の建物が解体されたとしても、議会の議決
  が必要という意味です。
 ②「公の施設」の設置は、個別的に条例でも、統一条例で定めることも差しつかえない。たとえば、小学校設置条例において、数個の小学校を同時に設置する旨規定して
  も差しつかえない」(918頁)。→これは、東京都中央卸売市場条例に11の中央卸売市場が列挙されていることの説明にもなっていると思われます。
  ②に関して、総務省に「複数の小学校を一つの条例で規定していて、そのうちの一つの小学校を廃止する場合の手続きはどうなるか」を問い合わせてみたところ、「条
 例を改正するか、条例を廃止して新条例をつくる」という回答でした。
  この回答で連想されるのは、昨年10月11日に施行された改正東京都卸売市場条例の実施です。同改正では、築地市場の「位置と面積」を変更した、とされ、位置は「
 築地から豊洲に変更した」とされました。
  であるならば、築地市場は、いま豊洲にあることになり、築地市場を廃止するということは、「豊洲にある築地市場」(これが「豊洲市場」と呼ばれている)を廃止す
 ることになるはずです。また、築地市場という「公の施設」を廃止するには、議会の議決が必要であり、有償所管換えなどという手法では行なえないはずです。
  さらに、仮に今回「有償所管換え」が実現したり、それに基づいて長期貸付の契約が交わされたりしたとしても、それで築地市場再整備の芽がなくなるわけではありま
 せん。築地市場跡地は、当面はオリンピックのための駐車場として利用されることが決まっており、来年夏には都知事選がありますから、都知事選の結果次第で、築地市
 場再整備案が復活する可能性は十分あります。
  要するに、すでに政治生命が終わり、二期目があり得なくなっている小池知事の下で何を決めようと、今後、いくらでも変わり得るということです。
  築地再整備を目指すことは十分可能です。

◇3月5日(火)
 1.3月20日に卸売市場法改悪についての学習会を開催
  3月20日に営業権組合主催で卸売市場法改悪についての学習会を開くことを決めました。講師は菅原邦昭さんです。
  時間・場所は追ってお知らせしますが、時間は午後1時頃からになると思います。
 2.経済・港湾委員会での小池知事答弁が不評
  3月4日の都議会経済・港湾委員会における小池知事答弁が不評を買い、マスコミに叩かれています。豊洲市場や築地場市場の業者も口々に「騙された」と知事を批判し
 ています。
  今からでも遅くはありません。知事に騙されたと思うならば、愚痴で済ませるのではなく、築地市場再整備を要求したり、国賠訴訟を起こしたりすればいいのです。
  築地市場営業権組合では、そのような取組みを続けていきますので、組合員となって共に闘っていけば、充分に勝ち目はあるのです。

◇3月6日(水)
 1.有償所管換えが議決されるも地方自治法上の疑問あり
  6日に築地市場の有償所管換えを含む補正予算案が本会議で議決されたそうです。しかし、票決は、賛成75:反対50。奇しくも、3月3日に指摘した地方自治法第244条
 の2(重要な「公の施設」の廃止については、議会において出席議員の三分の二以上の同意を得なければならない)で必要とされている三分の二以上の同意に達していま
 せん。この点が今後問題になると思われますし、また、問題にしていきましょう。
 2.小池知事が「東卸が『築地に戻れ』という議論はやらないと言っている」と答弁
  有償所管換えに関する都議会での議論において、小池知事が「東卸が『築地に戻れ』という議論はやらない、と言っている」と答弁したそうです。
  しかし、東卸の組合員も総代も何も聞いていません。理事ですら、聞いていない人がいるそうです。おそらく、組合長を含め数人で勝手に言ったのでしょう。
  本HPの冒頭に記したように、営業権を持っているのは個々の業者であり、協同組合ではありません。ですから、仮に東卸が「『築地に戻れ』という議論はやらない」
 と言ったところで権利者(業者)が追認しない限り何の法的効力もありません(権利者が追認を拒めば無効が確定します)。
  豊洲移転に関しては、HP冒頭に記したように、2014年11月14日の総代会における伊藤淳一理事長発言の拍手による承認で誤魔化しました。総代会によるゴマカシが
 営業権組合によって指摘されたためか、今回は総代会を開くわけにもいかず、組合長ら数人によるゴマカシをしたものと思われます。
  しかし、ゴマカシ方がより稚拙になり、ゴマカシがより明白になったというほかありません。
  この知事答弁も今後、問題にされるでしょう。

◇3月10日(日)
 1. 第32回買物ツアー
  第32回買物ツアーを3月9日(土)、午後1時から開催しました。
  村木さんが参加され、村木さんの発案で商品が日陰に入るように、フェンス側に商品を並べて販売しました。冷凍物の解凍を防ぐための工夫です。
  市民のKさんからも、買物した後に、他の用事を済ませて帰宅する客のために保冷剤を用意してほしいとの要望を受け、次回から保冷剤を大量に用意することにしま
 した。また、以前に販売していた乾燥アオサの復活を希望され方もおられました。
  できるだけお客に喜んでもらえる買物ツアーにしたいと思っていますので、今後とも要望をお寄せください。

◇3月11日(月)
 1.3月20日学習会「仲卸業は存続できるのか」のご案内
  3月20日学習会の案内チラシができましたので、次に掲げます。
  3月20日学習会のご案内
  講師は菅原邦昭氏です。ぜひご参加ください。

◇3月14日(木)
 1.3月20日学習会打ち合わせ
  12日から3月20日学習会の打ち合わせのため、村木さんとともに仙台に行ってきました。
  菅原邦昭さんから20日レジュメに基づくレクチャーを受けましたが、卸売市場法改悪の本質を大変分かり易く説明していただきました。菅原さんは、卸売市場問題の
 エキスパートどころか、すでに達人の域に達しておられます。大変勉強になるとともに今後の取組みを考えるうえでも大いに得るところがありました。
  菅原さん、菊池さん、今野さん、歓待していただき、大変有難うございました。
  皆さんも3月20日の学習会をどうぞお楽しみに。
 2.都からの弁明書が届く
  都からの弁明書(平成31年3月5日付け、ただし「弁明書の送付について」という文書は3月12日付け)がようやく届きました。
  改善措置命令についての審査請求は1月15日に送付(都にはおそらく翌16日着)したので57日目、業務停止処分についての審査請求は1月23日に提出したので50日目
 にようやく弁明書が届いたのでした。
  ところが、弁明書に添えて送られてきた「弁明書の送付について」には、審理員名で「反論書は、平成31年4月12日までに提出してください」と書いてあります。都
 の弁明書には50日以上の期間を与えておいて、それへの反論書には1カ月しか与えないとは不公平です。
  早速、審理員(東京都総務局都総務部法務課)に電話して、笑いながら「期間が不公平」と言ったところ、1週間延期で4月19日まで(ただし、延期する場合にはその
 旨連絡する)ということで了解を得ました(都と同じ程度の期間とすれば、4月末あるいは連休明けまででもいいはずですが)。
  次に二つの弁明書を掲載します(業務停止処分の弁明書は㈲ムラキと杉原水産の二通ありますが、内容は同じなので一つにします)。
  業務停止処分弁明書
  改善措置命令弁明書

◇3月17日(日)
 1.第33回買物ツアー
  第33回買物ツアーを3月16日(土)、午後1時から開催しました。
  この日のヒット商品は、乾燥アオサノリとカニミソ。売れ行きの良かった商品は、ご要望に応えて今後も重点的に用意します。
  馴染みのお客さん・売り子さんとの会話も楽しいひと時です。
  売り子を担当してくださったSさんとIさん、いつもながら有難うございました。
 2.卸売市場法改悪についての記者会見設定を検討
  買物ツアー後の打ち合わせで営業権組合として卸売市場法改悪に関する記者会見設定を検討することになりました。
  3月20日学習会後に設けるのは無理なので、4月にまた学習会を開き、講師の菅原さんにも出席していただいて記者会見を持ちたいということになりました。
  審査請求による反転攻勢も3月下旬から4月にかけて本格化します。
  取組み対象に卸売市場法改悪問題と審査請求が加わり、営業権組合の活動が第2ラウンドに入ったとの感を強くします。
  ご期待ください。

◇3月21日(木)
 1.3月20日卸売市場法学習会
  卸売市場法改悪をめぐる学習会「仲卸業は存続できるのか」が、20日豊洲市場管理棟1階講堂で開かれました。
  講師の菅原邦昭氏(仙台水産仲卸組合事務局長)は、卸売市場を生涯の研究テーマとされていた枠谷光晴氏に弟子入りされ、30数年卸売市場の研究を続け、かつ現場
 も踏まえてこられた卸売市場問題の第一人者の方です。
  菅原氏の報告は、30数年の研究の蓄積を踏まえ、きわめて分かり易く整理され、かつ、現場をふまえたものだけに説得力のあるものです。
  以下、報告の要点を簡潔に記します。
  ①昭和46年制定の卸売市場法(46法)は、委託集荷原則とセリ原則を通じて完全競争の実現を図る法律
  ②完全競争実現の要は、消費者の立場に立ってセリに参加し、目利き力によって、質に応じた公平・公正な価格決定に寄与している仲卸業者であり、46法は「仲卸
   必置原則」を謳っている。
  ③46法は、完全競争の実現を妨げる行為を想定し、それらを禁止するルール(36条「差別的取扱の禁止」,37条「卸売の相手方の制限」等)を設けている。
  ④46法は、ルール原理主義でなく、開設者や関連事業者が合意すればルールを柔軟に運用することも認めている(従って、法改正の必要などないはず)。
  ⑤46法で設けられたルールのうち、38条「自己の計算による卸売の禁止」だけは、99,04年の法改正で削除された。
  ⑥今回の法改悪では、残りのルール(36,37,40,45,46条)を悉く削除している。
  ⑦完全競争実現を妨げる行為を禁止したルールを削除すれば、卸売市場は強者(大手資本)が価格支配する市場になる。
  ⑧完全競争の要は、消費者の立場に立ってセリに参加し、目利き能力に基づき質に応じた公平・公正な価格決定に寄与している仲卸業者であり、強者による価格支配
   をもくろむ勢力は、「仲卸必置原則」をなくし、仲卸業者を潰そうとしている。
  ⑨強者による価格支配が実現すれば、「質に応じた公平公正な価格決定」が崩れ、消費者が困るだけでなく、生産者も買いたたきにあうなどで困ることになる。
  ⑩1918年米騒動(米問屋による米の買占め・売り渋りに対して起こった民衆の運動、菅原氏によれば「騒動」でなく「民衆蜂起」)の経験を踏まえて1923年に中央卸売
   市場法(46法の前身)が制定されたが、法改悪が施行されれば、強者による価格支配が復活する。
  次いで、私が、「卸売市場法改悪と営業権・損失補償」というタイトルで、要旨、次のような報告をしました。
  ①法改正では条文の数が増えるのが常であるのに、今回の法改悪では多くの条文が削除され、83条から19条に減少してしまうのは、国が営業権の侵害に伴う損失補償
   を恐れたため。
  ②国は、損失補償の責任を「業務規程変更」を行なう市場開設者(都道府県・市町村)に押し付けた。
  ③開設者は、国の意向を忖度し「業務規程変更」を行なう恐れがあるが、損失補償を免れるため、関係事業者(営業権者)の意見を聞いて業務規程を変更した、との
   体裁を整えようとする。
  ④営業権者の意見を聞いて業務規程を変更したということになれば、営業権侵害は自業自得ということになり、損失補償は不要になる。
  ⑤国は開設者に業務規程見直しを指示したが、開設者を集めた法改正説明会において「見直しの結果、現行業務規程のままになってもよい」と説明しているので、
   開設者に対し、「業務規程を変更するな」と要請する取組みが重要
  ⑥営業権を侵害しないよう要求する権限を持つのは各事業者であって組合ではない。したがって、事業者が法改悪についての取組みを委任する場合には、国や開設者に
   従ってしまう東卸のような組合でなく、営業権組合に委任することが重要。
  卸売市場法改悪は、生産者(農民・漁民)にとっても消費者(市民)にとっても「百害あって一利なし」です。来年6月1日施行が予定されていますが、今後、法施行や
 、業務規程変更を防ぐべく、学習会や開設者(東京都)との交渉を重ねていきたいと思います。
◇3月24日
 1.第34回買物ツアー
  3月23日、前日までの温かさとは打って変わって寒さがぶり返しましたが、予定通り第34回買物ツアーを開催しました。
  市民の方が売り子になってくださるのが大変有難いことは何度か書きましたが、最近は、終わった後の後片付けでは、売り子を担われた方々のみならず。客として参加
 された方々も手伝ってくださいます。おかげさまで片づけ時間が短縮でき、大助かりです。有難うございます。
 2.3月20日学習会がYou-tubeにアップされる
  3月20日学習会の動画が、市民の方のご尽力でYou-tubeにアップされました。録画及び編集の労をとっていただき、大変有難うございました。
  4分割でアップされています。
  築地営業権組合学習会 3/20開催 特別講師:菅原邦昭 (仙台水産仲卸組合事務局長)
 1/4
 2/4
 3/4
 4/4
  次に報告レジュメを掲げます。
  3月20日学習会菅原氏報告レジュメ
  3月20日熊本報告レジュメ
  20日に参加できなかった方、ぜひご覧ください。
 3.卸売市場法改悪についての疑問
  3月21日の記述をした後に考えついたことですが、卸売市場法改悪が営業権を侵害するような内容でありながら損失補償を支払わないのが憲法違反であるという問題
 以前に、そもそもそのような法改正ができるのか、という疑問があります。
  というのは、資本主義社会(市場経済)では、完全競争が好ましいので、完全競争の実現を妨げる要因を排除するという公共目的に基づいて公的介入がなされることに
 なっているからです。独占禁止法や公正取引委員会が設けられているのは、そのためです。
  ところが、卸売市場法改悪は、卸売市場という完全競争市場(完全競争市場は現実には存在しませんが、それに近い市場として農産物市場及び株式市場があるとされ
 ています)に関し、完全競争実現を妨げる諸行為を禁止する旨のルールをすべて削除するという内容なのです。
  そんな、通常の公的介入とは全く逆方向の公的介入ができるものでしょうか。大いに疑問です。
  少なくとも、完全競争を好ましいものとしている主流派(新古典派)経済学者から、そんな法改正は許されないという見解が出て当然と思いますが、全くその気配すら
 ありません。所詮、国の政策に逆らおうとしない御用学者の多い領域ですからやむを得ないのかもしれませんが、不思議かつ理不尽なことです。

◇2019年3月25日(月)
 1.上関原発計画と築地市場問題
  中国電力の上関原発計画は、計画が浮上して以来30余年を経ていますが、いまだに着工されていません。その最大の理由は、祝島漁民が補償金を受け取っていないこと
 にあります(当ホームページ「上関原発計画」の頁を参照)。
  山秋真さんが祝島の状況を伝えた週刊女性(2018.5.1)記事のサイトを次にリンクします。
  原発マネーを拒否!「私たちの島は汚さ せない」山口・祝島、36年目の闘い
  リンクができなくなった場合に備え、リンク先記事をpdfファイルにして次に掲げます。
  「原発マネー」に抗い続ける住民たち
  埋立事業を実施するには、実施前に損失補償が必要で、漁民が漁業補償を受け取らない限り、事業を実施できないことを教えてくれる恰好の事例です。
  実は、豊洲移転事業も同じことなのです。豊洲移転事業は、漁業権ならぬ営業権を侵害しますが、営業権も漁業権と同じ財産権ですから、事前に損失補償を支払わな
 い限り事業は実施できないのです。埋立事業に照らせば、豊洲移転事業の違法性は明らかなのです。
  では、なぜ都が損失補償を一切払わずに移転を強行できたのでしょうか?
  その理由は、埋立やダムに伴い漁業補償が必要なことは広く知られていますが、営業権侵害に伴い営業補償が必要なことは知られていないからです。それどころか
 「営業権」を主張して闘った運動が日本では今回初めてだからです。
  日本の革新運動が、いかに当事者の持つ権利を無視・軽視してきたかを痛感します。
  築地市場営業権組合の取組みを通じて、「営業権」の存在、及び営業権を侵害する事業を実施するには事前に損失補償が必要なことが広く知られるようになれば、また
 当事者の持つ権利に基づく取組みが広がればいいな、と思っています。

◇2019年3月28日(木)
 1.祝島の特産品、ヒジキとビワ茶を販売します
  3月30日の買物ツアーでは、上関原発反対運動で有名な祝島の特産品、ヒジキとビワ茶を販売します。
  ヒジキは、鉄釜で炊いた後に天日干ししたもので、通常のヒジキと味が違います。鉄釜で炊いたものはステンレス釜で炊いものの約10倍も鉄分を含んでいるそうです。
  ビワ茶は、健康法で注目されていますが、祝島のビワ茶は自然発酵・天日干ししたものです。
  ヒジキもビワ茶も、上関原発反対運動を始めた頃、「原発の金に頼らない町おこしを」ということで販売を始め、三十数年、島の暮らしを支えてきたものです。
  楽天市場では、ヒジキは100g1080円+送料600円で、ビワ茶は100g1080円+送料700円又は50g2個1252円+送料648円で売られていますが、ヒジキ48g,ビワ茶
 50gの袋詰めを格安で販売します。
  築地市場での買物ツアーが上関原発反対運動に関心を持ってもらうきっかけになるとともに祝島の町おこしを支えるものになるといいですね。

◇2019年3月31日(日)
 1.第35回買物ツアー報告
  3月30日、第35回買物ツアーを開催しました。
  祝島の特産品のヒジキとビワ茶は大人気で開始早々に売り切れてしまいました。祝島から取り寄せたものを三回に分けて販売しますので、買いそこなった方は来週又
 は再来週にお求めくださるようお願いいたします。特注品で、売り切れるとまたすぐに注文しなければなりませんので、三回に分けること、ご理解・ご容赦ください(
 もちろん、売れ行きがよければ再注文します)。
  以前、買物ツアーで「岸壁の母」を歌われたSさんが、久しぶりに復帰され、買物ツアーの間中、築地市場の再整備を訴えるスピーチをされました。しばらく前から波
 除神社の前でスピーチをされ始めたようですが、30日には築地市場正門前で話されました。スピーチ内容が買物ツアーの意義を訴える内容にもなっているので大変有難
 いことです。
  また、大江戸線の築地市場駅で地上出口付近で、築地跡地にカジノをつくることについて、賛成・反対の投票を集めている方(買物ツアーの常連)がおられました。次
 に写真を載せますが、圧倒的に反対多数です(緑は、築地四丁目交差点での集計、オレンジが築地市場駅出口での集計)。
  「築地のカジノに?!」賛否投票
  集計されていた方によれば、東京都の「築地まちづくり案」は、まさにIR(カジノを含む統合型リゾート)そのものだそうです。都民の共有財産である築地市場を潰して
 、こともあろうにカジノをつくろうというのですから、反対が多いのは当然です。ちなみに、賛成票は、外国人2名と子供1名、及び「賑やかになるからいいじゃないの」
 と宣っていたミーハーおばさん二名だったそうです。
 2.3月20日学習会のレジュメを掲載
  要望がありましたので、3月20日学習会のレジュメを次に掲げます。3月24日のYou-tubeの後にも掲げます。
  3月20日学習会菅原氏報告レジュメ
  3月20日熊本報告レジュメ

◇2019年4月5日(金)
 1.「三方よし」の「売り手よし」とは
  祝島から連絡が入り、築地買物ツアーでの売値が安すぎて他所で販売している人たちが困ってしまう、他所が困らないように〇〇〇円以上で売ってほしい、とのこと
 でした。なるほど、他所での販売のことも考慮しなくてはいけないんだ、と気づかされました。近江商人の「三方よし」(「売り手よし、買い手よし、世間よし)の経営
 哲学の「売り手よし」には他所の売り手のことも考慮しなくてはいけないのですね。勉強になりました。
  というわけで、4月6日には3月30日よりも高い売値(といっても指定された最低売値)を付けることにします。ご理解ください。

◇2019年4月7日(日)
 1.第36回買物ツアー報告---「いのちを豊かにする勢力」の連帯
  4月6日、第36回買物ツアーを開催しました。
  最近の買物ツアーで感じるのは、市民の方々の協力が本格的になっていることです。開催時の準備、開催中の売り子、スピーチ、終了時の後片づけ等々に、積極的に
 関わって下さっています。ご協力、有難うございます。
  第36回でも祝島のヒジキとビワ茶が大人気でした。祝島ヒジキは通常のヒジキの約10倍も鉄分を含んでおり、この上なく美味で、「食べると今までのヒジキは何だっ
 たんだろう」との感想を述べられる方もおられます。ビワ茶は、最近、抗ガン作用を持つことがわかり人気が出ていますが、祝島ビワ茶は自然発酵、天日乾燥のもので
 ですので、なおさら抗ガン作用が強いと思われます。
  祝島の特産物を売ることで、30年以上も原発反対運動を続けてきた漁民と築地の営業権組合の運動が連帯できたことも意義深いことです。卸売市場法改悪の動きは、
 実は、漁業権を企業に握らせようという動きと根は同じなのです。
  そのことをHP11月15日に次のように書きました。

  5)「いのちを脅かす勢力」と「いのちを豊かにする勢力」の闘い
  人間の生存・生活に最も必要なものは、食と水とエネルギーです。第二次大戦後、次第に肥大化してきた「死の産業」は、食と水とエネルギーに食い込み、シェアー
 を拡大し、自らの支配下におさめようと企てています。食における「GM食品の増加」,「種子法の廃止」,「TPP」,「農漁業への企業進出」等、水における「水の
 商品化」,「水道民営化」、エネルギーにおける「原発の維持・拡大」等は、いずれも「いのちを脅かす勢力」が推進しているもので、根は共通です。
  そして、「いのちを脅かす勢力」が新たに目を付けた分野が「卸売市場」であり、「卸売市場」から消費者の立場に立つ仲卸業者を排除していって、物流センターに変
 え、完全競争機能をなくして価格決定権を握ろうとしているのです。
   注:「卸売市場の在り方研究会」の高木勇樹委員長(元農水省次官)は、企業に水産業への道を開く水産業改革委員会の委員長でもある。
  要するに、現代は、「いのちを脅かす勢力」と「いのちを豊かにする勢力」とがせめぎ合っている時代であり、食・水・エネルギーに加えて、新たに卸売市場が戦場に
 なったということです。

  買物ツアーで、祝島と築地とが連帯したということは、「いのちを豊かにする勢力」が連帯したことを意味するのです。そのことの意味を理解していただければ、と思
 います。
  というわけで、祝島のヒジキとビワ茶は、今後、より多く仕入れて買物ツアーの目玉商品にしていく予定です。
  さらに、そう遠くないうちに辺野古基地建設と闘う運動を支える商品の販売も予定しています。どうぞ、お楽しみに。

◇2019年4月11日(木)
 1.国賠訴訟で逆転勝訴
  島崎武雄氏が提訴した国賠訴訟の判決(4月10日東京高裁野山宏裁判長)で逆転勝訴しました。
  裁判の内容について詳しくは本HPの「島崎裁判を支える会」の頁をご覧ください。
  東京地裁判決では時効で逃げられたのですが、東京高裁野山宏裁判長は、島崎氏が加害者の氏名を知ったのはインタヴューを通じてであり、「加害者の氏名ないし
 役職を知った時から3年」は経っていない、との判断を下してくれました。権力におもねたり忖度したりする裁判官が増えているなか、よくぞきちんと法律を守って
 くれたと、その勇気と正義感に感服し、法廷で思わず一礼しました。
  野山裁判長が主文を読み上げたとき、私も含め傍聴席の皆さん、とても感激されていました。あんな感激は滅多に味わえるものではありません。
  次に、判決文と海渡雄一弁護士の判決評(メールで送られてきたもの)とを掲げます。
   2019.4.10東京高裁判決
   海渡雄一弁護士の判決評
  なぜこの高裁判決を築地の頁で紹介したか。その理由は、築地問題でもいずれ東京都を被告とした国賠訴訟を起こそうと思っているからです(国賠訴訟については
 2月18日に書きましたので、詳しいことはそちらを参照してください)。
  国相手の国賠訴訟で勝訴する経験をしましたので、都相手の国賠訴訟にも自信をもって臨めます。
  損失補償を一切支払わず、それどころか移転費用すら支払わず、築地業者の営業権を侵害した都に国賠訴訟で天誅を下しましょう。

◇2019年4月12日(金)
 1.島崎裁判判決記事
  島崎裁判東京高裁判決の記事を掲載します。
   190411東京高裁判決朝日毎日記事
   190411東京高裁判決西日本Web
 2.明日から祝島特産品を本格販売
  祝島特産品は、過去二回の買物ツアーで販売しましたが、試験販売で、量に限りがありました。
  しかし、おかげさまで大好評だったため、大量に注文し、明日からは本格販売になります。
  これまで一度に買われる量を我慢していただいていましたが、明日からは、その心配は要りません。
  築地市場営業権組合と祝島の上関原発反対運動を一石二鳥で支えることになる買物ツアーの祝島特産品をどうぞ奮ってお買い求めください。

◇2019年4月14日(日)
 1.第37回買物ツアー報告
  4月13日、第37回買物ツアーを開催しました。
  振り返れば、昨年10月11日に買物ツアーを始めてから半年になります。半年記念にふさわしく、この日は仙台から菅原邦昭さんが駆けつけられ、バンドマイクを
 持って熱弁を奮ってくださいました。卸売市場法についての第一人者の方の熱弁を聞きながら買物を楽しめるのですから、贅沢な催しです。こんな贅沢が時折、楽し
 めるのですよ。
  祝島特産品が大量に届いたのですが、ヒジキは大量に販売できたものの、ビワ茶のほうは、段ボールの下の方に入っているのに気づかなかったため、5個しか販売
 できませんでした。すみませんでした。
  次回には、ビワ茶も大量販売できますので、ご期待ください。
 2.国賠訴訟と時効
  国家賠償(自治体の賠償も含む)の時効は「加害者を知りたる時より3年間」です。時効についての学説・判例を整理したファイルを次に掲げます。
   国賠訴訟と時効問題
  築地の豊洲移転の場合、加害者を小池知事にすればよいと思われますが、とすれば、時効成立は2021年10月になります。また、移転政策決定に関わった役人の
 「氏名ないし役職」を知った時には、そこから3年間になる可能性もあります。
  さらに、卸売市場法改悪も国賠訴訟の対象になると思います。
  時間は十分ありますから、国賠訴訟を視野に入れて取り組んでいきましょう。

◇2019年4月17日(水)
 1.板舟権のこと
  「板舟権」という権利をご存知でしょうか。
  東京日本橋にあった魚河岸で江戸時代以降、認められていた権利で、魚類を販売するのに幅1尺、長さ5、6尺の平板を並べて売ったのですが、この平板を「板舟」
 といい、板舟を並べる権利を「板舟権」あるいは「板船権」と呼んだそうです。いわば、営業権の走りのようなもので、売買や譲渡、さらには賃貸までされていたそう
 です。板舟権をめぐっては大岡裁きもあったそうですから、江戸では誰もが知る権利だったと思われます。
  ネット検索で見つけた「板舟権」の記事二つのファイルを次に掲げます。
   板舟権記事
  記事にあるように、板舟権の他にも、海から運んできた魚類を陸揚げするための、「平田舟」と呼ばれる艀舟(はしけぶね)を利用する「平田舟権」もあったようです。
  板舟権や平田舟権も興味深いですが、それ以上に興味深いのは、日本橋の魚河岸が築地市場に移転する際に、それらの営業権の消滅についての補償をめぐって大問題
 になったことです。築地市場が誕生するときに営業権の消滅が大問題になり、いま、築地市場が廃止されようとしているときに営業権が大きな問題になっているという
 ことになります。
  しかし、築地問題をめぐっては長年の運動がありながら、営業権組合が昨年6月に創立されるまで「営業権」が全く問われてこなかったのです。江戸時代から1923年
 築地市場誕生の頃まで二百年あまりも広く知られていた営業権が築地市場が廃止されそうになった今、忘れ去られそうになっていたということは、驚くべきことですが、
 それは、民衆の知恵の積み重ねがいかに困難か、不十分になりがちか、を物語っています。
  要するに、権力の側の知恵の積み重ねは税金を使って行なわれるので確実に行なわれますが、民衆の知恵の積み重ねが行なわれるのは保証されないということです。
  同じことを辺野古問題でも感じています。本HPの辺野古基地埋立問題の頁で報告している「入会漁業権」ですが、実は、1990年代に大きな社会問題になった石垣新空
 港問題(石垣島白保地区の地先のサンゴ礁が破壊されるということで当時、全国的に有名になった問題)でも「入会漁業権」の存在を指摘し、山里節子さんら白保住民と
 ともに「入会漁業組合」を創ろうとしたのでした。入会漁業権のことを「オバアたちの権利」と呼んで沖縄タイムスに3回連載したり、当時の大田知事とお会いして説明
 したりしたのでした。しかし、辺野古基地埋立問題では、名護市東海岸入会漁業組合の取組みが始まるまで、白保での取組みの経験や知恵は全く生かされていませんで
 した。
  民衆が権力と闘ううえでは、いかに民衆の知恵の伝承を意識的に行なう必要があるか、また、単に情緒的に「反対」を唱えるだけでなく、後世にも伝える意義のある
 「権力と闘う知恵」を考え出す必要があるか、ということだと思います。

◇2019年4月19日
 1.Tさんからのメール
  低周波音問題に苦しんで環境省と闘っておられるHPの読者Tさんから丁重なメールをいただきました。
  営業権組合の取組みから「元気と勇気をいただいております」とのこと。励ましていただいて、こちらこそ元気と勇気をいただきました。
  匿名で掲載することを了承していただきましたので、次に紹介します。

   はじめまして。Tです。いつもHP拝見し勉強させていただいています。
  私は、現在長年にわたり「低周波音被害」に遭い、環境省と情報公開を主な武器としてバトルちゅうです。
  築地市場問題の構造と同じです。酷いものです。
  大企業VS国民という問題についての行政・企業の姿勢は、対外的に克服したと日本がする公害行政のとき、と同じで何ら進歩がありません。むしろ表面的に装い、たち
  が悪くなっています。
   「権力の側の知恵の積み重ねは、税金を使って行われるので確実に行われる」まさにそのとおりです。「権力と闘う知恵」を考え出す必要がある。という先生の指摘
  を痛感しております。
   自身の被害をとおして、なんとか同じく被害に苦しんでいる人の役に立つこと、今後この悲惨な被害に遭う人が出ないよう、の一心でやっています。
   何もお手伝いできない現状ですが、お礼と応援していることをお伝えしたくて、メールさせて頂いたしだいです。
   どうかお身体大切にしてください。とつぜんのメールにて失礼いたしました。

  匿名でのHP掲載を打診したメールへの返信も、門馬好春さんや島崎武雄さんや水谷和子さんの奮闘に触れておられますので、次に紹介します。

   早速のお返事、ありがとうございます。労いのお言葉ありがとうございます。
   汚染土の問題についての環境省のひどさは知っておりましたが、中間貯蔵施設問題についてもですか、知りませんでした。
   門馬様もさぞ大変な目にあっておられるでしょう。島崎様の件はよかったです。しかし随分なおもいをされたことでしょう。これが同様の案件の鉄槌になればとおも
  わずにいられません。
   先生の「情緒的な運動はたくさん起こるのですが、運動が終わると、あとに何も残らない運動が多すぎるように思いますので」と指摘がありますが、おっしゃられる
  とおりで「運動」というのは難しいですね。情緒ばかりにふりまわされ、闘う手法がおろそかにされているように考えます。後世が同様な苦しみにあわないように、
  あってもすぐ是正されるシステムができないといつまでも同じことの繰り返しですもの。ですから先生のHPで学ばせていただいています。
   買物ツアーについても、水谷様たちお仲間のツイッタ―にて拝見しております。先生の築地市場突撃の勇姿も拝見いたしました。
   近くであるなら、とさっそく参加させて頂きたいとのおもいでいっぱいですが、大阪なんです。
   それに1年365日24時間のひがいに、打ちのめされている状況です。追い打ちをかけるのが環境省です。
   でも皆様、がんばっておられることに、「ここにも世の中よくしようと闘っておられる人達がいる」と孤軍奮闘の中、元気と勇気をいただいております。
   今日、先生にメールさせていただいて初めて知っていただいたように、声や姿として届いていなくても、応援している方達が大勢いらっしゃるとおもいます。
   匿名であればHPに掲載頂いて結構です。すこしでも励みにして頂ければ幸いです。
   ありがとうございます。

  営業権組合の取組みにも。また、このHPにも、大きな励みになりました。
  また、各地で孤軍奮闘されている方に少しでもお役に立てるようなHPにしたいとの思いを新たにしました。
  大変有難うございました。

◇2019年4月21日(日)
 1.第38回買物ツアー報告
  4月20日、第38回買物ツアーを開催しました。
  この日は、暑さ対策で初めてテントを張りました。車の後部ドアを開け、ドアと支柱二本とを結んで屋根をつくったのです。製品の解凍対策になりますし、お客
 さん・売り子にとっても日影ができて助かります。さすがは村木さん、とてもいいアイデアです。
  その効果あってか、第38回買物ツアーは、とても活気あるものになりました。通行人の方が買物に立ち寄る確率も高まったようです。
  とともに、支柱に本が加わって、より大変になった後片付けも、きわめて順調でした。なにしろ、十人を超える市民の方々が後片付けに協力してくださるのです。
 もう慣れた手つきで、手際よく片付けてくださいます。皆さん、買物が終わっても、終了時まで、売り子を担当してくださった市民とともに後片付けしてくださるの
 です。
  市民の方々のご厚意とご協力に支えられて、第38回買物ツアーを順調に終えることができました。大変有難うございました。
 2.反論書の提出は今週中
  二つの行政処分(業務停止処分及び改善措置命令)についての都の弁明書に対する反論書を今週中に提出します。お楽しみに。

◇2019年4月25日(木)
 1.反論書を提出
  4月24日午後、東京都総務局総務部法務課に反論書を提出してきました。
  審査請求の対象は、業務停止処分と改善措置命令の二つありますが、とりあえず、改善措置命令の反論書を下に掲げます。
  反論書は、東京都処分庁の弁明書に対する反論書なのですが、処分庁の弁明書(3月14日掲載済み)も再掲しておきます。
  改善措置命令反論書
  改善措置命令弁明書
  皆さん、ぜひ、弁明書と反論書を見比べてみてください。我田引水で恐縮ですが、論理・内容では反論書が弁明書を圧倒していると思います。
  ただ、心配なのは、行政処分を出した処分庁も審査請求を審査する審査庁も同じ東京都の内部にあることです。日本では、このような場合、往々にして癒着が生ま
 れますから。
  癒着を未然に防ぐには、できるだけ市民に知らせ、内容を理解してもらって、審査庁を監視してもらうことが何より大事です。そのためにも、ぜひ皆さん、二つの
 文書を読んで、内容を理解してください。そして、なるべく拡散してください。また、いずれ口頭意見陳述(口頭弁論)の機会も設けられますので、関心をお持ちく
 ださい。
  反論書の内容については、連休中に分かり易い解説を掲載したいと思っています。
  なお、業務停止命令の反論書については、弁護士さんが、HP掲載にあたっては、さらに手を加えてからにしてほしい、と言われていますので、しばらくお待ちくだ
 さい。

◇2019年4月27日(土)
 1.業務停止処分の反論書について
  審査請求の東京都弁明書についての反論書は、4月24日に改善措置命令と業務停止処分の二つを提出しましたが、翌日、都審査庁から連絡があり、後者は㈲ムラキ
 の分と杉原水産の分の二部を提出してほしいということでした。業務停止処分の審査請求には、㈲ムラキは「30総総法査第1089号」,杉原水産は「30総総法査第
 1090号」と別々の番号が付けられていましたが、都処分庁の弁明書は一つだけで、「30中洲水農第397号」しか付けられていませんでした。弁明書が一つだったの
 で反論書も一つ提出したのですが、反論書は、審査請求の番号に応じて別々に提出してほしいというのです。
  そのため、正式なもの(提出済みのものとほとんど変わりませんが、ごく一部、別々の記述をします)は連休明けに提出することになりました。ご了解ください。

◇2019年4月29日(日)
 1.第39回買物ツアー報告
  第39回買物ツアーを4月27日(土)、午後1時から開催しました。
  前回、第38回に続き、活気あふれる買物ツアーになりました。この日は、曇りで気温も低かったのに、またテントも張らなかったのに、何故活気あふれるものにな
 ったか、思い当たる理由は二つあります。
  一つは、目玉商品が充実していたことです。祝島のヒジキ、ビワ茶に加え、イクラ醤油(市価の半額程度です)、最近血液サラサラ効果で急速に有名になった海藻
 アカモク、かの懐かしい鯨ベーコン、サバ・サケ・サワラの粕漬け等々、とても質の高い人気製品が目白押しです。村木さんの調達努力の賜物です。今後とも、目玉商
 品を揃えますので、ご期待ください。
  もう一つは、Oさんが売り子を担当してくださったことです。その売り子ぶりには、皆さん、唖然とされたほど。早速、「売り子の天才」とか「女寅さん」という称
 号を頂戴されました。終了後、俳優をやられていると聞いて納得しました。南京玉すだれも特技だとか、そのうち披露してもらいましょう。
  帰り際に、常連客のKさんに「Kさんも売り子を担当されませんか」と声を掛けたら、嬉しそうな表情で、OKされました。Kさん、次回からご都合のつく時にお願
 いしますね。Oさんほどうまく売り子をやれるはずはありませんし、エンタテイナー売り子はOさん一人で十分です。買うだけでなく、売る方も楽しみながらやってい
 ただければ結構ですし、私たちにとっても嬉しいことです。
 2.第40回買物ツアーは5月11日
  5月4日(土)には買物ツアーは休みます、次回の第40回買物ツアーは5月11日(土)に開催します。

◇2019年5月2日(木)
 1.改善措置命令反論書の書証
  4月25日に改善措置命令の反論書を掲載しましたが、より分かり易くなるように、その書証も以下に掲載します。
  疎甲第1号証~第3号証は、「築地市場の豊洲移転」に際して「築地市場の廃止」の手続きが必要であったことを示す書証です。「築地市場の廃止」の手続きを採ら
 ず、「業務規程の変更(位置及び面積の変更)」で誤魔化したのは、「廃止の認可」は「一般消費者及び関連事業者の利益が害される恐れがないと認めるとき」でなけ
 ればしてはならない(卸売市場法第14条)からです。同条項に基づけば、「築地市場の廃止」は不可能になるからです。
  農水省及び東京都が、いかに「一般消費者及び関連事業者の利益」を無視した法律の運用を行なっているかを読み取ってください。
  ちなみに、疎甲第1号証は、卸売市場法制定に携わった農水省のメンバーによってまとめられたものですから、卸売市場法の解説書として大変権威のあるものです。ま
 た、疎甲第2号証は、8頁末尾に「築地市場の廃止」が明記されています。
  疎甲第4号証~第6号証は、HPに既に紹介していますが、再掲します。
  改善措置命令反論書疎甲第1号証
  改善措置命令反論書疎甲第2号証
  改善措置命令反論書疎甲第3号証
  改善措置命令反論書疎甲第4号証
  改善措置命令反論書疎甲第5号証
  改善措置命令反論書疎甲第6号証

◇2019年5月8日(火)
 1.業務停止処分反論書を提出
  都庁総務局法務課を訪ね、業務停止処分についての東京都処分庁弁明書に対する反論書を提出してきました。4月24日に一部を提出したところ、翌日連絡があり、
 ㈲ムラキの分と杉原水産の分の二部を提出してほしいとのことで、改めて提出した次第です。正式には、5月8に提出ということになります。
  HPへの掲載に関しては、弁護士に打診中ですので、しばらくお待ちください。
  今後、都処分庁から再弁明書が出されれば、「再弁明書→再反論書→口頭意見陳述」という流れになります。再弁明書が出されなければ、口頭意見陳述に入ります。
  通常は「再弁明書→再反論書」は経ないのですが、今回は、再弁明書があるのではないかと推測します。理由は、「弁明書→反論書」のままでは、通常の思考力があ
 る人が読めば、反論書が弁明書を圧倒しているからです。また、7日に都審査庁の審理員の方お二人と話しましたが、その時の感触でも、弁明書がありそうだと感じま
 した。
  再弁明書が出るにしろ、口頭意見陳述に入るにしろ、約一カ月後になるとのことでした。
 2.イカラー発売はもうすぐ
  名護市東海岸入会漁業組合(詳しくは辺野古基地埋立問題の頁を参照)の特産品「イカラー」の発売はもうすぐです。イカラーはイカから作る「ご飯の友」で、一度
 食べたら病みつきになってしまうといわれるほどの珍味かつ美味です。今は、名護市の「わんさか」という「道の駅」でしか買えず、本土では入手不能な貴重品です。
  なにしろ、本土での発売は初めてなので、いま、本土で発売する際の値段を決めてもらっているところです。決まれば注文して買物ツアーで発売します。
  そうなれば、祝島のヒジキ・ビワ茶と並んで、買物ツアーの目玉商品になりますね。お楽しみに。

◇2019年5月12日(日)
 1.第40回買物ツアー報告
  第40回買物ツアーを5月11日(土)、午後1時から開催しました。
  初夏のような暑さをテントを張ってしのぎ、多数の品目を販売しました。2個150円の黒豆等からイクラ・エビの高級品まで格安販売です。
  仙台の菅原邦昭さんが、また参加してくださり、熱弁を奮ってくださったのも、暑さを吹き飛ばしてくれた大きな要因です。買物ツアー後の打ち合わせでも、菅原さん
 を迎えて、卸売市場法改悪についての勉強会を持ちました。今後とも勉強会・打ち合わせを進め、6月上旬にその成果を打ち出したいと思っています。
  買物ツアーの途中で、お巡りさんが私に話しかけてこられ、「ここでの販売について、警察は承知しているんでしょうか」と質問されましたので、築地署に威力業務妨
 害罪の被害届を出して、「業務妨害の現行犯が現れたら通報してください」との回答をいただいている旨の話をしておきました。通常、民衆運動は警察を敵視しますが、
 買物ツアー実施にあたっては、敵視するどころか、法律を調べるとともに、素直な感覚で警察に被害届を出すことで警察を味方につけ、本当に良かったと改めて思ったこ
 とでした。ひょっとしたら、警察を味方につけた民衆運動は本邦初かもしれません。
 2.イカラーの価格は5月16日に決定
  名護市東海岸入会漁業組合の特産品イカラー(5月8日のHP参照)の本土発売価格は、5月16日の総会で決めてくださることになりました。
  価格は理事会で決めてもいいと思うのですが、組合員の意思を尊重して総会に諮るそうです。組合員の意思を無視して豊洲移転や条例見直しに関する都との協議を進め
 ている東卸の一部理事たちに、名護市東海岸入会漁業組合の方たちの爪の垢を煎じて呑ませたいものです。
  5月16日価格決定ですので、早ければ18日、遅くとも25日には買物ツアーで販売できると思います。お楽しみに。

◇2019年5月15日(水)
 1. 業務停止処分への反論
  業務停止処分についての反論書のHP掲載について弁護士さんに打診していますが、完璧を期されているため、まだOKが出ていません。
  他方で、その内容を一日も早く知りたい読者もおられますので、反論書の核心部分を簡潔に、かつ市民が理解しやすいよう分かり易さを心がけて説明することにします
 (反論書づくりの参考になるよう、私のほうでも4月上旬に案を作っておいたので、またこれまでHPでも反論を加えてきたので、それらを活用します)。
 (1) 条例91条は本件に適用されない
  東京都が業務停止処分の法的根拠としたのは、東京都中央卸売市場条例第91条です。
  この点については、昨年12月9日のHPに次のように記しています。

  3.ムラキ・杉原水産への行政処分は無効である
  1)行政処分の法的根拠は条例第91条
   東京都が11月26日付けで交付したムラキ・杉原水産への行政処分の通知書を次に再掲します。
    処分決定通知書
   通知書に示されているように、行政処分の法的根拠は条例第91条と第103条第1項第5号です。しかし、条例第103条第1項第5号は「条例に違反したときは処分でき
  る」旨の規定ですから、実質的な法的根拠は第91条しかありません。
  2)条例第91条のポイントは「使用資格が消滅したとき」
   第91条は次のような規定です。
   (市場施設の返還)
   第91条 使用者の死亡、解散若しくは廃業等又は業務の許可の取消しその他の理由により市場施設の使用資格が消滅したときは、相続人、清算人、代理人又は
      本人は、知事の指定する期間内に自己の費用で当該施設を原状に復して返還しなければならない。ただし、知事の承認を受けた場合は、この限りでない。

   この規定のポイントは、使用者に起因して「使用資格が消滅したとき」にあります。
  3)本件は「使用場所が消滅した」に過ぎない
   では、本件は、使用者に起因して「使用資格が消滅したとき」にあたるでしょうか。
   明らかに違います。本件では、都が築地市場を豊洲に移転することを決めたために、使用者の使用場所が消滅したに過ぎません。
   原因は使用者には全くなく、都にあります。使用者の使用資格が消滅したわけでは全くありません。
   要するに、都は「使用場所が消滅したとき」を第91条の適用要件「使用資格が消滅したとき」にすり替えて本件に第91条を適用したのです。
   「使用者に起因して使用資格が消滅したとき」にあたらない本件に第91条を適用することは「重大かつ明白な瑕疵」にあたります。
   したがって、本件行政処分は無効です。

   皆さん、ぜひ、この「重大かつ明白な瑕疵」を広めて、都の凶暴で違法な行為を多くの人に知ってもらうようにしてください。
   これを広めれば広めるほど、本件行政処分の無効あるいは取消しを勝ちることができるようになります。
   皆さんのご協力を切にお願いいたします。
   広めやすいよう、3.の記述をWordファイルにして脚色を加え、次に掲載しておきます。
    仲卸業者への行政処分は無効である

  以上のことを、市民に身近な例を挙げて説明しましょう。
  民間においても、借家からの立退きの際、「大家(貸主)都合の立退き」と「借家人都合の立退き」では、手続きが全く違うことは常識ですね。したがって、卸売市場
 においても、「東京都(貸主)都合の立退き」と「仲卸業者(借主)都合の立退き」では、手続きが全く違ってくるのは当然です。ところが、都は、都の都合で豊洲移
 転したにもかかわらず、仲卸業者都合で立ち退く場合の規定である条例第91条を適用したということです。
  ですから、条例第91条に基づいて仲卸業者に原状回復を義務付けることなどできないのです。
 (2) 損失補償なしの原状回復義務付けはあり得ない
  上記のように、条例第91条に基づいて仲卸業者に原状回復を義務付けることなどできないのですが、仮に、第91条に基づいて原状回復を義務付けられるとしても、損失
 補償なしに原状回復義務付けを行なえることはあり得ません。
  道路法・河川法・海岸法・都市公園法において、原状回復命令を出せるか否か、及び損失補償が必要か否かを、本人に帰責事由がある場合とない場合とに分けて記せば
 表1のようになります。ここで「本人に帰責事由がある」とは「本人に責任を負わせる事由がある」という意味です。
   表1.許可取消等に伴う原状回復命令と損失補償の必要性の有無

  原状回復命令を出し得るとしても、本人に帰責事由がない場合には損失補償が必要であることは、表1にみるように、道路法・河川法・海岸法・都市公園法に共通のこ
 とです。それは、民間の事例に即しても、大家都合での立退きの際に、大家が補償もなしに原状回復を命ずることなどできるはずがないことからも明らかでしょう。
  したがって、東京都の都合で移転が強行される際、すなわち「本人に帰責事由がない場合」に、損失補償なしに都が業者に原状回復を命ずることなどできるはずがない
 のです。東京都は、本件で「損失補償はしない」と言明していますから、原状回復を命ずることなどできないのです。

  以上のように、
 ①条例第91条は、使用者に起因して「使用資格が消滅したとき」にのみ適用される条項であり、本件には適用できない。
 ②仮に、条例第91条に基づき仲卸業者に原状回復命令を出せるとしても、「本人に帰責事由のない」本件で損失補償なしに原状回復命令を出せることはあり得ない。
  したがって、本件業務停止処分は明白な違法性を有する無効な処分です。
  そのほか、東京都は手続きのうえでも理不尽かつ強引な手法をとっていますが、その点は反論書を公開する際に記すことにします。

◇2019年5月18日(土)
 1.業務停止処分の違法性は東京高裁判決から明らか
  いままで何度か東京高裁平成3年7月20日判決について触れてきましたが、5月15日の記述に関連して条例91条に関わる部分を改めて次に引用しておきます。赤字部
 分は私のコメントです。
   東京高裁平成3年7月30日判決91条関連部分
  業務停止処分が違法であることは、東京高裁平成3年判決のこの部分だけからも明らかなのです。
 2.東京都が執行費用額確定処分を申立て
  東京地裁から東京都が行なった執行費用(築地市場に残した私物の撤去の仮引渡執行費用)額確定処分の申立書が㈲ムラキ及び杉原水産に送られてきました。㈲ムラキ
 の分を次に掲げます(杉原水産の分も同様ですが、売場と事務所の二か所あるだけに、より高額です)。
   ムラキ 催告書
   ムラキ 疎甲第1号証
   ムラキ 疎甲第2号証
   ムラキ 疎甲第3号証
   杉原水産 催告書
   杉原水産 疎甲第1号証
   杉原水産 疎甲第2号証
   杉原水産 疎甲第3号証
  昨日持った打ち合わせで申し立ての内容・手続きに弁護士さんも呆れはてておられましたが、次のA,B,Cの方針で反論をしていくことになりました。
  A そもそも東京都に明渡し請求権はない
   業務停止処分の審査請求で争っている「条例91条に基づいて原状回復命令を出せない」の争点と同じです。つまり、原状回復命令が出せなければ明渡し請求権はな
  いことになります(この点の反論がメインになりますが、業務停止処分の違法性のところで記しているので、詳細はそちらを参照してください)。
  B 仮引渡執行の必要はなかった
   私物の撤去に関しては、㈲ムラキも杉原水産も「撤去する場合には自ら行う」と都に伝えてあったのです。ただし、もちろん、営業権や損失補償についての都との
  話し合いを経たうえで、という条件付きです。また、昨年10月19日以降は、築地市場は完全にロックアウトされていましたから、撤去しようにも市場内に入ることさ
  えできなかったのです。
   また、村木さんが、HPに記しましたように、10月14日に電話で猪口部長から「村木さんの書類提出は遅れてもいいです」と聞いていましたので、まだ時間的余裕
  があると考えていたのです。
   ところが、東京都は、10月18日には早くも東京地裁に「債務者(㈲ムラキ、杉原水産)は、債権者(東京都)に対し、土地を仮に明け渡せ」という仮処分命令申立書を
  出しています。10月14日に「遅れてもいいです」と言っておきながら、4日後に仮処分命令申立書を出すとは、騙し討ちにも等しい行為です。また、また、全く入場で
  できないようにしたのなら、仮処分申立書を出す前に「撤去しないなら仮処分申立書を出しますが、撤去されるならば、その間入場できるようにします」との打診があ
  ってしかるべきですが、そのような打診は一切ありませんでした。
   さらにひどいのは、東京地裁の仮処分決定が出た後の措置です。
   仮処分申立をめぐる東京地裁での二回(2018年10月30日及び11月5日)の審議(審議内容はHPに記しましたのでそちらを参照してください)を経て、仮処分決定が
  11月22日(木)に出されました。主文は、都の申立て通り「債務者(㈲ムラキ、杉原水産)は、債権者(東京都)に対し、土地を仮に明け渡せ」でした。
   債務者に「土地を明け渡せ」という決定が出たのなら、債権者は、債務者に「いつ明け渡すのか」と打診するのが当然でしょう。ましてや、都は築地市場をロックア
  ウトしていて、債務者は入場不能だったのですから、問合せするのはなおさら当然、かつ必要です。
   ところが、呆れたことに、東京都と東京地裁は、11月26日午前7時20分~午前10時10分に仮引渡を執行したのです。債務者は、テレビのニュースで仮引渡を知った
  のでした。
   11月22日仮処分決定の翌11月23日(金)は祝日で、仮処分決定が債務者に届いたのは24日(土)でした。そして、25日(日)を経て、26日(月)早朝に仮引渡で強制的に
  債務者の私物を世田谷市場まで運んでしまったのでした。
   この手続きは、間髪を入れずに仮引渡を行なったという時間の問題もさることながら、「土地を明け渡せ」という決定が出たにもかかわらず、債務者に明渡しの機会
  を全く与えなかった点で理不尽極まりない手続きです。分かり易く言えば、東京都が「仮処分決定に従って、いつ私物を撤去しますか」という打診をしなければならな
  かったということです。あまりにも当たり前のことです。
   もしも、当たり前の手続きが取られていたならば、仮引渡執行の必要は全くなかったはずなのです。
  C 仮引渡執行の必要が仮にあったとしても費用が高過ぎる
   そのうえ、仮引渡執行の必要が仮にあったとしても費用が高過ぎます。
   村木さんによれば、自主撤去した場合には、廃棄物処理費用を除けば、2~3万円で済んだはずだ、と言われています。杉原水産の場合には、売り場と事務所の二か
  所あったのでもう少し高くなるでしょうが、それにしても、二社で約三百万円もの執行費用額は、いくらなんでも高過ぎます。
  反論は、5月24日ないし25日までに陳述書等を提出することを通じて行ないます。
  法的には、また道理の上では、こちらに理があると思われますが、なにしろ権力に弱い裁判所のことゆえ、楽観はできません。
 3.イカラーの発売は5月25日から
  5月12日に「イカラーの価格は入会漁業組合の総会で16日に決定する」旨、記しました。
  17日午前中に電話して、総会での決定を尋ねたところ、中心メンバーのN氏のお母さんが急逝されたため、総会が一週間延期になったとのことでした。
  それで、「支払いは価格が決まったのちに支払いますので、来週中に30個送ってください」と依頼したところ、承諾してくださいました。
  ですから、おそらく5月25日からは発売できると思います。とりあえず、二種類、それぞれ15個、計30個揃えます。その後は、売れ行きを見ながら、再注文の時期を
 判断します。
  お楽しみに。また、お買い上げはお早めに。

◇2019年5月20日
 1.第41回買物ツアー報告
  第41回買物ツアーは5月18日(土)、午後1時から開催されました。
  この日は、所用で参加できませんでしたが、村木さんの話によれば、大変な活況で、今年1月の中断前の盛況ぶりを回復できたとのことで、大変喜んでおられました。
  1月の中断前後は、買物ツアーを続けられるかどうか、手探り状態でしたが、今では、全く心配いりません。市民の皆さんのご協力のおかげです。有難うございます。
  次回からは、イカラーに加え、宮城名物のカキの販売も開始します。しかも市価の半額近くで。19日午後に試食会を開きましたが、大変美味で好評でした。ご期待
 下さい。
  なお、イカラーは、二種、各50個、計100個を注文することにしましたので、25日には充分な量があります。ご安心ください。
 2.杉原水産への催告書等も掲載
  5月18日に㈲ムラキへの催告書等を掲載しましたが、杉原水産への催告書も18日HPに追加して掲載しました。

◇2019年5月23日(木)
 1.反モンサント集会でのアピール
  水谷和子さんが5月18日反モンサント集会で話されたアピ―ルの文章を次に掲げます。
   5月18日反モンサント集会でのアピール
  卸売市場法「改正」は、卸売市場制度廃止に等しいような内容ですが、それは、TPP、遺伝子組換え、種子法廃止、漁業法改悪、水道民営化等々と同様、多国籍企業や
 大手資本などの新自由主義勢力によって進められています。彼らにとっては、卸売業者と仲卸業者とがセリを通じて完全競争、公正な価格形成を実現する卸売市場は邪魔
 者であり、農水産物について価格支配を行ない、より多くの利益を目指そうとしているのです。その動きを許せば、買い叩き・売り惜しみ・価格支配が横行し、生産者も
 消費者も損害を受けるとともに、多くの業者の就労と雇用の場が失われ、地域経済が破壊されます。また、モンサントの遺伝子組換え食品(GM食品)が、いま以上に氾濫
 することになります。アピール文章には、そのことをわかりやすく説明してあります。
  反モンサント集会では、新自由主義による社会改編の危険性に敏感な方が多数参加されているので、アピールの効果は大きかったものと思われます。
 2.東京都に築地市場・都市計画変更手続きの中止を求める申立
  まずは、次に掲げる築地市場の都市計画の変更案概要という東京都の文書を見てください。
   築地市場の都市計画の変更案概要
  「卸売市場法に定める中央卸売市場である築地市場を廃止し、豊洲市場を開場したことから、都市計画の変更を行う」と明確に記されています。
  これは変ですね。昨年9月以来、都は度々、築地市場の「位置及び面積」を変更するんだと言ってきましたが、それと矛盾しますね。
  このHPでも、「位置及び変更」は卸売市場法第14条の適用を回避するためのトリックであるとの指摘を度々してきました(2018年10月10日、11日、2019年2月15日
 、5月2日)が、その指摘が裏付けられたことになります。
  この都市計画変更案に水谷さんが気づかれ、東京都に対し、次に掲げる「築地市場・都市計画変更手続きの中止を求める申立書」を営業権組合から出すことになりま
 した。
   築地市場・都市計画変更手続きの中止を求める申立書
  役所は縦割り行政なので、まさか都市計画のほうで「位置及び面積の変更」のトリックが攻められるとは予想していなかったのでしょう。
  複眼的総合的な視点を持つこと、あるいは多様な視点から攻めることがいかに有効かを示す取組みになりました。東京都がいかに苦しい言い訳をしてくるか、いかに白
 を黒と言いくるめてくるか、楽しみが増えました。
 3.イカラーの初回発売は各30個
  度々の変更ですみませんが、イカラーの初回(25日に間に合いそうです)発売は、二種、各30個、計60個を用意することになりました。計60個あれば、売り切れること
 はないと思われますので、ご安心ください。
  入会漁業組合では5月下旬からイカラーのネット販売も開始する予定ですが、これまでは名護市の道の駅「わんさか」でのみ発売されていたもので、買物ツアーでの販
 売が本土初になります。味噌を使った製品で保存も冷凍でなく冷蔵でOKです。
  ネット販売では、買物ツアーへの卸値よりも販売価格が高くなり、かつ1個当たり送料も高くつくので、買物ツアーでの購入が、うんとお得ですよ。
  25日には宮城のカキも初登場です。カキもイカラーもお楽しみに。

◇2019年5月26日(日)
 1.第42回買物ツアー報告
  第42回買物ツアーは5月25日(土)、午後1時から開催されました。
  25日は、5月でにもかかわらず30度を超える真夏日になりましたが、テントを張って凌ぎました。
  新発売の沖縄イカラー、宮城カキが加わり、品目多数で売り子が大変でしたが、Nさんが値段表を用意してくださったおかげで、ずいぶん助かりました。病み上がりで
 体調が万全でないのに、値段表を用意してくださったNさんに感謝します。また、来週以降も値段表を活用させていただきます。
  値段表とともに助けになったのは、セルフサービスです。値段の計算→支払いの後、かごの中にある品物や氷・保冷剤をポリ袋等に入れる作業をお客さま各自にしてい
 ただき、売り子の負担がかなり楽になりました。今後とも宜しくお願いいたします。
  新発売のイカラーもカキも売れ行きが大変好調でした。私はイカラーの製造元、名護市東海岸入会漁業組合との連絡の責任を負っていますので、イカラーの売れ行きを
 確認しましたが、用意した二種、各30個のうち、それぞれ約半分が売れたそうです。ですから、来週は何とか品不足にならずに済むと思いますが、再来週に向けては、二
 度目の注文をしなければいけないようです。5月下旬からネット販売が始まるものの、本土の店頭で買えるのは買物ツアーだけですので、今後ともご愛好ください。
 2.東京地裁に執行費用確定処分申立てに対する意見書を提出
  5月18日HPに記しました執行費用確定処分申立てに対する意見書を24日に東京地裁に提出しました。
  弁護士さんが作成されたのでHPに掲載できませんが、その要旨は、18日HPに記したA,B,Cのとおりです。
 3.業務停止処分に関するカンパの会計最終報告
  昨年12月の㈲ムラキ及び杉原水産への業務停止処分に関し、多くの激励・支援の声が寄せられたため、12月5日のHPでカンパを呼びかけました。
  そして、本年2月13日のHPにカンパ口座の会計中間報告を掲載しました。
  中間報告に掲載したカンパ総額は、業務停止処分審査請求の反論書及び執行費用確定処分申立てに対する意見書を作成された弁護士二名に支払った手付金に全額充当し
 ました(より正確に言えば、掲載したカンパ総計では足りず、匿名カンパも充当しました)。ちなみに、中間報告以降のカンパ収入はなかったそうです。
  収入報告だけでなく、支出報告もしたほうがよいと思いましたので、25日の打ち合わせで、営業権組合として支出報告もすることを確認し、ここに報告する次第です。
  なお、執行費用確定処分申立てについては、こちらの意見書に理があると思いますが、権力に味方をする体質の強い裁判所のことですから予断を許しません。もしも
 東京地裁が執行費用支払いを命ずる判断をした場合、多額の支払いが必要となりますので、改めてカンパをお願いしたいと思っています。さらに、できれば、カンパの
 お願いが運動の広がりにつながるようにしたいと思っています。その節には宜しくお願いいたします。

◇2019年6月3日(月)
 1.第43回買物ツアー報告
  第43回買物ツアーは6月1日(土)、午後1時から開催されました。
  品目が多数になり、開始前の設営準備も終了後の片付けも大変ですが、多数の市民の皆さんが手伝って下さるので大助かりです。この日は、手伝ってくださる市民の多
 さ、熱心さに改めて驚き、その有難さを痛感したことでした。
  この日も菅原邦昭さんが駆けつけてくださいましたが、マイクは握られませんでした、というのは、Oさんの呼び込みぶりに舌を巻かれたからです。あの雄弁な菅原さ
 んが舌を巻かれるくらいですから、Oさんの呼び込みぶりはプロも顔負け、それだけでも一見の価値がありますよ。
  東京都は、以前は「買物ツアーをやめなさい」と中から叫んでいましたが、かなり前から何にも言わなくなりました。都が沈黙せざるを得なくなった一因は、改善措置
 命令を始めとした買物ツアーについての都の見解が反論書で論破されたことにもあると思います。改善措置命令の反論書を出したのは、4月25日。もう一カ月以上も経ち
 ました。
 通常は相手からの書類が届いてから一カ月が反応の期限ですので、都からの反応が通常よりも遅れているということです。反論書への対応に苦心していることでしょう。
 2.東京都への要望書、申立書、公開質問状等を準備
  午後3時からは、東京都への要望書、申立書、公開質問状等の打ち合わせを行ないました。
  今週中には、東京都に提出する予定です。お楽しみに。

◇2019年6月5日(水)
 1.東京都に要望書、申立書、公開質問状等を提出
  6月4日、営業権組合から東京都に次の文書を提出しました。
   ①業務条例見直しについての要望書
   ⓶築地市場・都市計画変更手続きの中止を求める申立書
   ③築地市場の都市計画の変更案概要
   ④豊洲市場の欠陥構造について
   ⑤公開質問状
  それぞれの文書について、以下、概要を説明します。
 ①業務条例見直しについての要望書   東京都は、現在、卸売市場法「改正」に伴う卸売市場業務条例の見直しを行なっています。
  5月23日HPに記しましたように、卸売市場法「改正」は、卸売市場法が持っていた公平・公正な価格決定を保証する制度を廃止し、多国籍企業や大手流通資本が価格
 支配できるような卸売市場に改悪しようとするもので、「規制改革」の名のもとに進められている種子法廃止や水道民営化と同根の法改悪です。
  この法改悪が、国の狙い通りに進むか否かは、卸売市場の開設者の自治体が、卸売市場業務条例の見直しを国の意向に沿って見直すか否かにかかっています。国の意向
 を忖度することなく、開設者の自治体が卸売市場の公益的機能を保証した条例を維持すれば、国の意向は挫折することになります。
  国が種子法廃止を決めたのに対し、従来、種子法に基づいて品種改良と種子開発に取り組んできた自治体が種子法と同内容の条例を制定する動きが広がっています。す
 でに北海道,新潟,富山,兵庫,山形,埼玉の道県が条例を制定済み、さらに岐阜,長野,福井,宮崎,滋賀,宮城,鳥取の各県も年内の条例制定を決めたり、検討を表明したり
 しています。詳しくは、次のサイトをご覧ください。
  安倍政権の種子法廃止に“地方の反乱”拡大
  種子法と同様、卸売市場法に関しても地方の反乱を起こしたいものですが、文書①は東京都に対して、業務条例を維持するよう要請したものです。
 ②築地市場・都市計画変更手続きの中止を求める申立書
  卸売市場法に基づいて築地市場・都市計画変更手続きの中止を求める申立については、5月23日HPに記しましたが、今回の文書⓶では、さらに地方自治法に基いて、
 次のように都市計画変更手続きの中止を求めています。

  地方自治法244条の2第2項により、条例で定める重要な公の施設のうち条例で定める特に重要なものを廃止するときは、議会において出席議員の三分の二以上の者の同
 意を得なければならないとしている。一方東京都震災対策条例により「中央卸売市場」は「防災対策上特に重要な建築物」として指定されている。したがって、防災上特
 に重要な施設、中央卸売市場である築地市場は、その「廃止」について、都議会にその是非について諮らなければならないのは明白であるが、都議会ではその審議がなさ
 れた事はない。それにも拘わらず、都市計画審議会をもって「廃止」の都市計画変更手続きは地方自治法を無視し、違法である。

 ③築地市場の都市計画の変更案概要
  5月23日HPでも紹介した文書⓶の資料となる東京都の文書です。
 ④豊洲市場の欠陥構造について
  豊洲市場は4,5,6,7街区から構成されており、5街区(青果)、6街区(仲卸)、7街区(卸)が商取引の場となっているが、それらの街区が道路により分断されてい
 る。道路による分断の原因は、市場の開設者(東京都)と設計者(日建設計)が現実の事業者(卸、仲卸、買出人、運送業者等)の作業や経費負担を考慮しないで市場を設計
 した点にある。この豊洲市場の設計ミスが、関連事業者に対して圧迫・負担を強いていること、このままでは今後とも事故が頻発することを指摘するとともに、設計見直
 しについて、営業権組合との協議の場の設定を東京都に要求しています。
 ⑤公開質問状
  1.東京都中央卸売市場条例の改定に関して,2.都市計画変更手続きに関して,3.豊洲市場の欠陥構造に関しての三点にわたる東京都への公開質問状で、文書①、②、④
 を補完するとともに、6月25日までの都の回答を要請しています。
  買物ツアーが築地市場の跡地利用の障害となることが明らかになってきた状況において東京都が公開質問状に回答しないことはそれほど容易ではないと思います。

◇2019年6月10日(月)
 1.第44回買物ツアー報告
  第44回買物ツアーは6月8日(土)、午後1時から開催されました。
  この日も多くの市民に参加していただき、順調に買物ツアーを実施できました。天気予報では午後から雨とのことでしたが、雨も全く降りませんでした。
  売り子を担ってくださる市民が何人もおられ、また後片付けは、さらに多くの市民が手伝ってくださいますので、大助かりです。有難うございます。
  ただ、品数が増えて、値段の計算が益々大変になってきました。値段計算を容易にしようと表を作成しましたが、新発売の品数も多く、また値段が変わる(たいてい安
 くなります)品もあるので、計算が大変なのです。さらに、品数が多すぎて、どの品が表の何処に記載されいてるか探すだけでも大変なので、表が期待したほど役に立ち
 ません。8日には、値段計算を担当してくださったNさんの大奮闘で何とかなりましたが、今後、販売システムを工夫する必要があるように感じます。
  というわけで、午後の打ち合わせで、次回から、売り子が品物陳列の内側にだけ立つのでなく、外側に居て、お客の買物に付き添いながら値段計算をする売り子役を作
 ろうということになりました。内側に居ると値札が見えませんが、外側からは値札が見えるので計算が容易になるからです。
  水谷さんからの提案で、次回(6月15日)には、水谷さんと私が外側売り子役を担当することになりました。上手くいくかどうかわかりませんが、少なくともベターに
 はなるでしょう。
  15日に参加される皆さんにも「外側売り子役の新設」を予めご承知おきいただき、ご活用いただければ、と思います。
 2.上関原発計画の埋立免許再延長問題についてのコメントは築地市場問題についても共通
  上関原発計画の頁に6月8日に記したコメントは、築地市場問題についても全く同様にあてはまるものです。
  どのようにあてはまるか、皆さんで考えてみてください。
  住民運動は、全体の構造、流れを見ずに、目前のその都度の問題にすべて全力投球し、徒労感や挫折感を味わったり、あきらめなくてもいいのにあきらめたりしがちで
 す。実にもったいない、エネルギーの無駄遣いです。
  運動の中で、何処に力を入れればよいかを知ること、「力を入れずに形だけの抗議で済ませていい問題」と「力を注いで取り組む必要のある問題」とを峻別し、エネル
 ギーを有効に使うことは、とても大事なことです。

◇2019年6月14日(金)
 1.卸売市場制度を守ろう!国民連絡会のHP
  卸売市場制度を守ろう!国民連絡会のHPが開設されました。次のサイトです。
  卸売市場制度を守ろう!国民連絡会
  私たちの暮らしの場、地域経済を守るために、卸売市場業務条例を変更しないで現行通り存続させることを訴えています。卸売市場の開設者(自治体)に業務条例を変
 更しないよう訴える請願書も上記サイトからダウンロードできるようになっています。
  ここからも請願書をダウンロードできるように、次に掲げておきます。ご活用ください。
   請願書

◇2019年6月17日(月)
 1.第45回買物ツアー報告
  第45回買物ツアーは6月15日(土)、午後1時から開催されました。
  この日は、大雨。風もあり、嵐のような状態でした。買物ツアーで雨天になったのは、第14回(11月6日)以来のこと。雨天の頻度は極めて少ないですが、降った時は
 大雨になります。
  にもかかわらず、いつものように10数名の市民が準備に駆けつけ、ずぶ濡れになりながら準備し、販売してくださいました。いつも以上に皆さんの買物ツアーを支えよ
 うという熱意を感じ、感激しました。
  お客さんも、開始時には少なく、10-15分位で閉めようかな、と思っていたところ、続々とお見えになり、完売が続出するほどで、結局、いつも通り1時40分頃に片づ
 けに入りました。片づけにも、10数名の市民の皆さんが参加してくださいました。おかげさまで、大雨下の買物ツアーを無事、終了できました。有難うございました。
 2.那覇市公設市場の移転のこと
  沖縄で那覇市の公設市場の移転の話を聞いてこられたNさんから、話を伺うことができました。
  那覇市の牧志公設市場は、有名な国際通りに入口が面したアーケード街にあり、いつも賑わっています。観光客も訪れますが、むしろ地元の人、沖縄県人のほうが多
 く、那覇市民、沖縄県民に愛され、支えられている市場です。国際通りの店のほぼ100%が本土資本で占められていますが、公設市場のあるアーケード街は、逆にほぼ
 100%が地場資本です。沖縄名物「ソーキそば」は、国際通りの店では700円ほどですが、公設市場の近くには「ソーキそば380円」の店もあるほどです。
  その那覇市公設市場が、改築のため、2019年7月から3年間、仮設市場に移転するそうです。詳しくは、次のサイトを見てください。
  那覇市公設市場の移転
  Nさんが業者から聞かれた話によれば、引っ越し代は那覇市負担するとのこと。当たり前です。借家でも大家の都合で移転する場合に大家が引っ越し代・立退き料を
 支払うのが当たり前なのと同じように、公が移転を決めた場合に公が引っ越し代を負担するのは当然すぎるほど当然の話です。
  築地の豊洲移転では、当然過ぎるほど当然の引っ越し代すら都が支払わなかったのですから、いかに豊洲移転が強権的に行なわれたか、明らかです。買物ツアーは、そ
 のような東京都の強権的かつ傲慢な姿勢をただす取組みなのです。
  Nさんのお話では、牧志公設市場の業者の中には、豊洲移転で引っ越し代が支払われなかったことを知っていた業者さんもおられたそうです。
  公設市場の移転の事例を身近にご存知の方は、ぜひ、Nさんが那覇市で聞いてこられたような点を調べて、情報をお寄せください。東京都以外は、すべて引っ越し代を
 行政が負担しているはずです。
 3.新名事務局長の報告の動画がYou-tubeに
  買物ツアーの目玉商品「イカラー」に関連して、「辺野古基地埋立問題」の頁に掲載した記事を、この頁にも、以下掲載します。
  入会漁業組合の新名善治事務局長が、「6/9連帯のつどい」で報告された動画がYou-tubeにアップされました。次のURLです。
 新名事務局長の報告
 沖縄県民はじめ、全国的にも入会漁業組合の取組みが知られるようになるうえで、大きな効果があると思います。ぜひ、みなさんも拡散してください。
⇒すみません。拡散は、入会漁業組合の取組みがもう少し進んでから、ということになりましたので、掲載も後になります。

◇2019年6月21日
 1.東京都からの再弁明書
  通常は、反論書提出後、約一カ月らしいのに、ずいぶん時間がかかりました(改善措置命令のほうは56日、業務停止処分のほうは43日)が、東京都からの再弁明書
 が届きました。次に掲載します(業務停止処分はムラキと杉原水産の二通ありますが、ほとんど同じなので一通だけ掲載)。
   業務停止処分再弁明書
   改善措置命令再弁明書
  ざっと目を通したところ、こちらからの反論にまともに答えず、自らの主張を繰り返しているように感じました。
  再弁明書に対する再反論書は7月23日までに提出してくださいとのこと。しっかり再反論したいと思います。

◇2019年6月23日(日)
 1.第46回買物ツアー報告
  第46回買物ツアーは6月22日(土)、午後1時から開催されました。
  この日は、梅雨らしい小雨が降りました。大雨は過去二回ありましたが、小雨は初めてのことでした。
  特産品を初め品目が豊富になったのは大変いいことなのですが、置く場所に苦労するのと値段計算が大変になるのが悩みの種です。値段計算は、値段表を作って対
 応していますが、品目が新たに増えたり、値段が変わったりするので結構大変なのです。
  しかし、22日には村木さんが値段計算を担当されましたので楽でした。値段計算を素早くされるのは、さすがでした。
  22日にも準備、売り子及び後片付けに多くの市民が協力してくださり、おかげさまで順調に実施することができました。有難うございました。
 2.公開質問状には無回答
  6月4日に要望書と公開質問状を都に提出したことを6月5日HPで報告しましたが、東京都が「要望書は受け取るが公開質問状には答えない」と言ってきたそうです。
 無回答の理由は、営業権を認めていないので営業権組合からの質問には答えないとのことだそうです。営業権組合からの要望書を受け取ることと矛盾するのですが。
  ちなみに、営業権について、まだ疑問をお持ちの方は、行政法の大家、田中二郎の次の一節を熟読してください。営業許可に基づき営業権という財産権が生じること
 、営業権の喪失による損害を生ぜしめた場合には正当な補償を与えなければならないことが、端的に説明されています。
  田中二郎「営業権」
  また、無回答の理由として「回答するのは面倒くさい」とも言ったそうです。「答え難い」、「答えたくない」とは言えないので、そう言ったのでしょうが、たいて
 いの自治体は、答え難くても、答えたくなくても、形ばかりでも、一応、回答はするのです。「面倒くさい」を理由として無回答にするとは、実に情けない都政です。
  「要望は聞いてあげるが、質問には答えない」とは、上から目線を象徴する、公僕にあるまじき言葉です。「面倒くさい」が回答を拒む理由になると思っていること
 にも強権性が現れています。政権に都合の悪い報告書を受け取らない、と言った麻生太郎と同質です、麻生太郎と同様、自分たちが如何に強権的で傲慢かの自覚は全く
 ないでしょうが。

◇2019年6月24日(月)
 1.都が公開質問状を受け取らない理由を変更
  本HPを見たのでしょうか、東京都が6月4日提出公開質問状に答えない理由を変更してきました。新たな理由は「築地市場問題では、今まで受け取ったことがないか
 ら」だそうです。
  23日に記した「営業権を認めていないので営業権組合からの質問には答えない」及び「面倒くさい」という理由は、実は豊洲市場の都役人の挙げた理由でした。二
 つの理由を挙げて、豊洲市場から本庁(新宿都庁)に公開質問状を上げない、と言っていたのです。
  ところが、24日になって「本庁に上げる」と変更してきたそうです。ただし、本庁は、受け取る際に「公開質問状に答えない。今までも女将さん会等からの公開質
 問状に答えてこなかったから」と言ったそうです。こういうのを「公平性」とでも思っているのでしょうか。
  「今までも赤信号で渡ってきたから、今回も渡る」にも似た、理由にならない理由ですが、「答え難い」、「答えたくない」という本音は、しっかり伝わってきます。
  責任の押し付け合いの結果の無責任体制、ということです。笑ってあげましょう。

◇2019年6月30日(月)
 1.第47回買物ツアー報告
  第47回買物ツアーは6月29日(土)、午後1時から開催されました。
  この日も小雨の中、敢行されました。
  いつも客引きを担当されるOさんがこの日は不参加だったため、村木さんが客引きを担当、SさんとPさん及び補助的に私が値段表を片手に値段計算を行ないました。
 お客さんのなかには、品物の所に立てられた値札をもとにご自分で値段を計算されている方もおられ、結構助かります。また、値段計算のところで多少の滞留はありま
 すが、参加してくださるお客さんが、そもそもご厚意で参加されているので、協力してくださるのも有り難いことです。
  ともあれ、値段表をもとになんとか値段計算ができることがわかってよかったです。
  ところで、ツアー終了後、忘れ物の通知が入りました。ベージュのビニール手提げ袋を忘れた方がおられるそうです。心当たりのある方は、お知らせいただければ幸い
 です。

◇2019年7月6日(土)
 1.板舟権についての三つのサイトを紹介
  板舟権については、2019年4月17日のHPで簡単に触れましたが、最近、興味深いサイトを三つ見つけましたので、URLを紹介するとともに記事の主要部分を引用して
 おきます。
 板舟権の確定
  魚河岸のメインストリートである本船町は、町割が出来たときには麻店(船具商)が営業を許可された場所であり、後に魚河岸がその規模を拡大する際に、河岸地で荷
 揚げに都合の良い場所ということで、徐々に麻店を侵食するかたちで入り込んでいったという経緯があります。しかし、数は減りながらも、麻店は従来通りの営業も続け
 ていたため、仲買人は早朝までという条件で、その店先を借りて商売をしていました。ところが、魚河岸の仲買人というのは、何といっても「いさみ肌」をかざす商売で
 すから、乱暴な振舞いや往来をふさぐ行為、時間が過ぎても営業を続けるといったことで、麻店側とたびたび争いがあり、特に享保十二年(1727年)四月には、刃傷沙汰
 の騒動にまで発展、名奉行大岡越前の裁きにより、魚河岸側は「喧嘩をしない、道に出張らない、時間を守る」等の一札を入れて何とか事無きを得た、ということは前に
 みました。
  しかし、丸く収まったかにみえた魚河岸と麻店との関係は長続きせず、十四年後の寛保元年(1741)には、問題が再燃いたします。
 、享保十二年のときには、争いの直接の原因は、魚河岸と麻店との口論からはじまったと言われていますが、今回は特に荒っぽい事件が起きたということではないようで
 たぶん魚河岸側は奉行所に一札を入れた通りに、しばらくはおとなしく営業を続けていたのでしょうが、当時は不況が長く続いたことで、問屋間の競争が激化し、結局は
 最初の状況に戻ってしまったということでしょう。麻店としては何度も魚問屋と話合いをしましたが、解決には至らず、約束を破られたも同然ですし、何しろ魚河岸側は
 先に一札入れていて立場は弱かったということもあって、寛保元年六月十二日、当時の南町奉行石河土佐守正民に対して「店前における魚商引払願い」の訴えを起こすこ
 とになりました。
  町奉行石河土佐守は、この一件を直接は取り扱わずに、本船町名主太郎兵衛と家主の仲裁に委ねます。これは店子である麻店と公道使用の魚河岸の争いであったからで
 、名主と家主らは双方の言い分を聞いた上で、魚河岸側に具体的な協定書を差し出させることとしました。前回はわび証文というかたちでしたが、今回はもっと具体的な
 取決めとなりました。
  なかでも重要なのは、仲買人の公道使用許可証として「板船権」が確定したことです。
  板船とは仲買人が魚を並べる台のことですが、この大きさが間口四尺五寸と定められて、板船一枚あたりの庭銭は一ヶ月銀十三匁五分と決定されました。
  四尺五寸はメートル法に換算しますと約1.4メートル。これが銀十三匁五分というと銀六十匁で金一両の計算ですから、約四分の一両弱ということになり、これは当時
 の物価などからすると、ずいぶんと高い借り賃だったといえるでしょう。
  そして、その支払先は家主ではなく、店子として営業している麻店の方でした。したがって、「板船権」は仲買人からすれば営業権ということになり、場所を貸してい
 る側からすれば使用料を徴収する権利となります。この二面性がずっと後になって市場移転案が浮上してきたときに、その補償に対して大きな問題となるのですが、それ
 はさておき、「板船権」の確定によって、仲買人はそれを有することで自由に商売が出来ることになり、それまでの問屋従属のかたちから離れて、独立して営業する者も
 現れるようになります。結果として問屋と仲買の分業化のはじまりということになるでしょう。
 日本橋魚河岸:大江戸歴史散歩を楽しむ会
 〇日本橋魚市場より東京築地中央卸売市場へ移転する復興計画
  関東大震災の惨状を受けた東京市は、もともと手狭な魚市場での復旧を諦め、新市場の選定を計画した。大正12年12月に隅田川の水運と汐留駅の貨車輸送の利便性の
 高い、築地の海軍省所有地を借り受けて、臨時の東京市設営魚市場を開設した。これが築地市場の始まりである。
 〇江戸三百年の板舟権
  昭和3年(1928)8月11日、日本橋魚河岸移転に伴う板舟権の補償を巡り、築地へ移転中の魚河岸関係者の理事らと、東京市議会議員らとの間で汚職事件が発覚して、
 逮捕拘留議員25名の大疑獄事件に発展した。これに対して、昭和3年12月、内務省は東京市議会の解散を命じた。板舟権とは、市場で魚を売買する営業権の一種で、江戸
 時代より認められた板舟を並べる権利で、平田舟を利用する権利は営業権の象徴として、売買、譲渡さらに賃貸され高価な権利となっていた。日本橋市場内で魚を販売す
 るため幅1尺長さ5尺の平板を並べ板舟と呼んでいた。また、船荷の魚を河岸で陸揚げするため、いったん浮舟に積む。この浮舟を平田舟という。築地移転で板舟権の権利
 を失うことになり、東京市がこれを賠償すべきか否かが問題になっていた。
東京市会疑獄
 〇東京市会疑獄(昭和初期の政治とカネ)
  昭和3年(1928年)8月11日、魚河岸移転に伴う板舟権補償を巡り、築地へ移転中の魚河岸関係の理事と 東京市会議員らとの間で汚職事件が発覚した。
  同月15日、京成電鉄の乗り入れに関する東京市会の汚職事件が明るみに出た。
  二つの疑獄事件の規模は大きく、議員の逮捕が相次ぐ東京市会に対して、昭和3年12月には内務省が同市会の解散を命令した。
  東京市会とは、今の東京都議会のことである。
  昔の東京の魚河岸は江戸時代から日本橋にあったが、関東大震災で全焼したため築地に移転する復興計画が進んでいた。
  板舟権とは、市場で魚を売買する営業権の一種であったが、当時の魚河岸理事らと東京市会議員らとの間で、この板舟権の補償に関する汚職事件が発覚し、大量検挙
 (逮捕拘留の議員25人)の大疑獄に発展した。

  以上の三つの記事により、次のことがわかります。
  ①板舟権は、江戸中期(1741年頃)に確立された営業権である。
  ②日本橋魚河岸の築地移転の際、板舟権への補償が大問題となった。
  ③板舟権への補償に関し、魚河岸理事らと東京市会議員らとの間で汚職事件が発覚し、大量検挙の大疑獄に発展した。
  日本河岸魚河岸の築地移転の際には、板舟権への補償をめぐって、大疑獄事件につながり、内務省から東京市会(都議会)の解散命令まで出たのですから、東京都に
 とっては忘れがたい大事件であり、築地市場の廃止を担当した都の役人にとっては、大きな「心配の種」だったに違いありません。
  そんな都の役人が「板舟権」や「営業権」を知らないはずがありません。もしも、知らないとしたら、不勉強もいいところです。
  都の役人にとっては、築地市場の廃止に際して最も気になる営業権の問題が明るみに出ないまま移転できそうになった昨年6月、営業権組合ができてガッカリしたと
 いうところでしょう。
  魚河岸の先人たちが、権力が今よりもはるかに強大な時代に「板舟権」に基づいて果敢に闘ったのですから、現代の仲卸業者が、当時よりもより強力な闘いに取り組
 まないと先人たちに恥ずかしい、とも言えると思います。

◇2019年7月7日(日)
 1.第48回買物ツアー報告
  第48回買物ツアーは7月6日(土)、午後1時から開催されました。
  この日は曇りで風もほとんどなく、過ごしやすい日でした。しかし、なぜか、この間、最もお客さんの多かった日は、第45回6月17日の嵐の日でした。悪天候だと「
 自分が支えなければ」と思って駆けつけてくださる方が多いようです。
  過ごしやすい天候だったせいか、6日には、お客さんの参加はもう一つでした。それでも三々五々来てくださるので、いつも通り午後1時40分頃まで営業できました。
 参加してくださった方々、支えて下さった方々、有難うございました。
  いつも支えて下さっているSさんによれば「選挙が決まったので、選挙関係の催しに出かける人が多い」とのことでした。卸売市場が潰されようとしている問題は、
 関係事業者にとってのみならず、市民生活にとっても大問題のはずですが、買物ツアーに参加した議員は山本太郎議員一人だけ。他の議員・政党は、全く関りを持ちませ
 ん。卸売市場法改悪や築地問題は票にはならないとでも思っているのでしょうか。
  築地に通っていると、日本政治の貧しい実相が見えてきます。

◇2019年7月15日(月)
 1.第49回買物ツアー報告
  第49回買物ツアーは7月13日(土)、午後1時から開催されました。
  この日は気温が28度くらいまで上がるという予報だったにもかかわらず、昨日までと同様、肌寒い一日でした。明らかに冷夏ですが、地球温暖化キャンペーンを行なっ
 ている原子力ムラの連中は「冷夏」とは言わず、「梅雨寒」という耳慣れない言葉でゴマかしています。
  お客さんは、先週からかなり回復しました。悪天候にもかかわらず、通ってくださるお客さんの方々に感謝です。
  ただ、私は、天気予報に騙されて薄着で行ったため、風邪をひいてしまいました。書込みが遅れたのもそのためですが、ようやく机に向かえるようになりましたので
 ご安心ください。
  グリーンのカーディガンの忘れ物がありましたが、その後、忘れ物をした方から連絡がありましたので、来週には無事お届けできそうです。
  また、この間、東京都のひどさ、おかしさについてわからないと言われていた方から、「わかりました」との連絡を受けました。大家都合の立退きと借家人都合の立退
 きに即して考えたらわかったそうです。やはり、誰もが身近に経験したことのあるこの事例に即して考えるとわかりやすいようです。わかれば簡単なことなのです。
  来週は、記念すべき第50回買物ツアーになります。権力に抗する民衆の営みがこれほど長く続くことは珍しいでしょう。楽しみに迎えましょう。

◇2019年7月21日(日)
 1.第50回買物ツアー報告
  第50回買物ツアーは7月20日(土)、午後1時から開催されました。
  この日は曇りでしたが、蒸し暑く、梅雨明けが間近であることを予感させる天候でした。
  買物ツアーに参加されるお客さんは意識が高く、多くの方が参議院選挙の手伝いに奔走されていますが、投票日前日の割には多くのお客さんが参加してくださいまし
 た。
  品物は土用の鰻を中心に販売、品目が多くていつも並べるのと値段計算に苦労しますが、お客さんが設営を手伝ってくださったり、ご自分で値段を計算してくださっ
 たりするので大助かりです。
  今まで漁民が漁業権を主張して闘って成果を得たことはありますが、商人が営業権を主張して闘ったのは初めて。昨年11月以来、50回、8カ月余りも続けてこれた
 のは画期的なことで、皆さんのご協力のおかげと感謝しています。
  国や都、とくに農水省が買物ツアーをずいぶん気にしていて、卸売市場法改悪の強制を緩和しているとか、都も跡地利用の障害になることを気にしているようです。
  50回を達成したので次の目標は100回。しかし、100回を迎えるまでには何らかの成果を得られていると思います。
  グリーンのカーディガンは無事持ち主の手に戻りました。ご安心ください
  東京都のひどさ、おかしさについて「わかりました」との連絡を下さった方は、HP7月15日を印刷して大事に保管してくださったそうです。有難いことです。

◇2019年7月25日(木)
 1.東京都の条例改正の日程が判明
  卸売市場法改悪に伴い、現在、東京都が中央卸売市場条例の見直しを進めていることは、既報(6月5日)のとおりです。
  東京都は見直しを役人で構成される卸売市場条例改正準備会議と関連事業者・議員・学者等が加わった東京都中央卸売市場取引業務運営協議会で進めていますが
 、7月26日に条例改正準備会議を非公開で開き、その後、条文作成に取り掛かるようです。条例改正案は、秋に開かれる運営協議会にかけられた後、議会に答申される
 予定だそうです。
  以下、この日程についての水谷和子さんの二度にわたるツイッターコメントを紹介します。
   一度目
   #卸売市場条例改定 最大の山場第4回東京都卸売市場条例改正準備会議が今週26日(金)に非公開!に行われる。総論に3回も費やしたが、肝心の仲卸の権利が守
  られるかどうか等の各論は次の1回で決めると言うのだ。反論の余地なく #小池百合子都知事は条文作成に入る予定。仲卸、生産地、商店街の運命が決まる。
   二度目
   卸売市場条例改正準備会議、次回26日が最後の会議、関係者の意見を聴く為の会議。会議の概要及び資料はHPに公開。前回は公開まで一か月。条例改定の答申案は
  秋に開催される運営協議会にかけられ、反対があれば委員で採決。議会に答申される。一般事業者が内容を知って意見を述べる機会はあるのだろうか。 業務課小野崎
  氏 03-5320-5754

  条例改正準備会議を非公開で開くことに示されるように、運営協議会で関係事業者の声を聴くのは形ばかり、実質的には役人主導で進められていることがわかります。
  本来、卸売市場業務条例とは、「お上」が勝手に上から変えたりしてはならないものです。市場取引現場の当事者たちの声で「業務規程」が変更された場合、それに準じて
 為されるのが「業務条例の改正手続き」なのです。にもかかわらず、都は役人主導で条例改正を進めているのです。数ある自治体の中でも最も悪質な行政です。
  以下、東京都中央卸売市場取引業務運営協議会の委員名簿を紹介しておきます。
   東京都中央卸売市場取引業務運営協議会の委員名簿

◇2019年7月27日(土)
 1.第51回買物ツアー報告
  第51回買物ツアーは7月27日(土)、午後1時から開催されました。
  猛暑にもかかわらず、常連の売り子さんも参加してくださり、またお客さんも多くて順調に実施することができたそうです。
  「そうです」と書いたのは、いま諌早にいて、買物ツアーの様子は、村木さんから電話で伺ったからです。
  25~26日と広島(上関原発に関する学習会と中国電力交渉)、27日伊万里(射撃場・土壌汚染問題祝勝会)を経て、諌早に着きました。これから、諌早漁民と今後の
 取組みについて打ち合わせます。裁判で開門せずが確定したので、今後何かできるかを探り、励ましてきたいと思います。

◇2019年8月1日(木)
 1.再反論書を提出
  審査請求の再反論書を提出しました。これで処分庁の弁明書→請求人の反論書→処分庁の再弁明書→請求人の再反論書という書面のやり取りを終えて、あとは口頭意見
 陳述を待つこととなります。
  改善措置命令に関しては、それぞれ次の日のHPに掲載しました。
  処分庁の弁明書3月14日
  請求人の反論書4月25日、反論書書証5月2日
  処分庁の再弁明書6月21日
  次に、7月31日付けで提出した再反論書及び書証を掲載します。
   再反論書
   疎甲第7号証
   疎甲第8号証
   疎甲第9号証
   疎甲第10号証
   疎甲第11号証
   疎甲第12号証
   疎甲第13号証
   疎甲第14号証
  改善措置命令については、その根拠が「見える」しかないことから、その不当性・違法性は明らかだと思います。
 「見える」を根拠に因縁や難癖を付けることはヤクザの常套手段ですが、行政が「見える」を根拠に処分や命令を出すことがまかり通ったら、とんでもない社会にな
 ってしまいます。
  とんでもない社会をつくらせないためにも、改善措置命令の審査請求で勝つ必要があります。皆さんの注目・監視をぜひ、よろしくお願いいたします。

◇2019年8月5日(月)
 1.第52回買物ツアー報告
  第52回買物ツアーは8月3日(土)、午後1時から開催されました。
  第51回(7月27日)には私が広島・九州行きで休んだため、第50回(7月20日)までとの比較になりますが、大変な猛暑でした。始めるときには、これでは長くできな
 いな、と予想していたのですが、次々に来られるお客さんの対応をしているうちに、瞬く間に時間が経ち、結果的にいつも通りの時間の開催になりました。売り子のほ
 うも、これまでの売り子役を担当されてきた方々が、ほぼ全員、参加してくださいました。売り子の方々は、もう手伝いという感じではなく、主役、主体という感じで
 担っておられます。
  猛暑にもかかわらず、参加してくださったお客さん、また売り子を担当してくださった皆様に心から感謝いたします。
  猛暑とお盆休みとを考慮して、8月10日及び17日は買物ツアーを休みます。次は8月24日です。
  身体に気を付け、熱中症対策にも配慮し、8月24日に元気で再会しましょう。

◇2019年8月10日(土)
  「富士川・サクラエビ問題」に記したものですが、築地問題・卸売市場問題と根が共通なので、以下、ここにも掲載することにします。
  免許や許可を廃止し、民衆の権利を奪おうとする手法が共通していることにも注目してください。

 1.漁業権廃止を目論む日本経済調査協議会
  産業界は、長年、漁業権を目の仇にしてきました。漁業権が海の開発の障害になっている、という認識からです。
  産業界の意を受けて、官邸は水産庁に2018年漁業法改悪を実現させました。区画漁業権(養殖の漁業権)に企業が進出しやすくなるよう、漁協に優先的に区画漁業
 を免許する制度を廃止したのです。
  しかし、産業界は、2018年漁業法改悪では飽き足らず、さらに漁業権自体を廃止する漁業法改悪を狙っています。2019年5月に発表された次の報告書に、その狙いが
 示されています。
  日本経済調査協議会 第2次水産業改革委員会 最終報告(提言)
  報告書をまとめた第2次水産業改革委員会の委員長は高木勇樹元農水省事務次官です(注:2018年11月15日及び2019年4月7日にも言及しました)。高木氏は、2018年
 漁業法改悪や卸売市場改悪の委員会の委員長をも務め、産業界・官邸の意を受けた社会改編のお先棒をかついでいる中心人物です。
  報告書は、「序」で、2018年漁業法が改正されたが、「その内容は、科学的資源管理や沿岸漁業への企業参入など2007年高木委員会の提言の一部がようやく実現され
 たものの、基本理念が『海洋と水産資源は国民共有の財産である』に変更されず、また、漁業権漁業という聖域を残したままという点で画竜点睛を欠くと言わざるを得な
 い」としていますが、この一節に報告書の本質が示されています。すなわち、2018年漁業法改正は不十分だったので、海洋開発の障害になってきた漁業権を廃止する狙い
 を「海洋と水産資源は国民共有の財産」という理念に基づいて実現しようというのです。
  「海洋と水産資源は国民共有の財産」は、都会の市民には受け入れられやすい理念で、一見もっともです。しかし、長年、持続的社会を研究してきた私には、その背後
 に海洋と水産資源をわがものとしたいという大資本の欲求があることが見えてくるのです。
  実は、この報告書を丸写しした日経新聞社説についての感想を静岡新聞S氏から求められ、感想を寄せました。
  日経社説と私の感想を次に掲げます。
  日本経済新聞社説
  日経社説について
  私の感想の結論部分を次に展開します。

  大資本による社会改編を防ぐ必要
   近年、大資本による社会改編が加速化しています。産業界の意を受けた官邸が強力に進めているからです。種子法の廃止、水道民営化、漁業法改悪、卸売市場法改悪
 等々の動きは、そこに起因しています。
  その場合、「大資本が進出しやすいように」などという本音は決して表には出されません。市民の反発を受けてしまう本音は隠されたまま、「資源はみんなのもの」
 や「既得権の打破」や「効率的利用」などという、市民受けしやすいキャンペーンが張られます。
  この日経社説も、日経新聞が産業界を代弁する新聞であるだけに、そのようなキャンペーンの一環であるような疑念を抱かざるを得ません。
  「資源はみんなのもの」は決して間違いではありません。しかし、だからこそ、その管理・利用を、みんなに委ねるのではなく、そこに生活のかかっている地域住民に
 委ねることが大事だと思います。

  この感想をS氏に送ったところ、共感していただくとともに、「こんな報告書を見つけました。日経社説は、これを丸写ししたものですね」と上掲報告書を送っていた
 だいたのでした。結果として、私の感想は日経社説の背景にあるものを当てていたことになります。
  種子法の廃止や水道民営化や漁業法改悪や卸売市場法改悪の根が共通であることに気づき、注意・監視しましょう。
  「資源はみんなのもの」や「既得権の打破」や「効率的利用」などという、市民受けしやすいキャンペーンには。くれぐれも注意しましょう。
  さもなければ、山・川・海が大資本に支配され、民衆の生活基盤が奪われ、民衆が大資本に隷属して生きなければならない社会に改編されてしまいます。
  ちなみに、第2次水産業改革委員会 最終報告(提言)は、漁業権についての認識があまりにも低レベルなため、漁業権廃止が実現することにはならないと思います。
  よくこんなに低レベルのものを出したものと、その厚顔さに呆れます。
  しかし、最近は官邸が違法なことも平気で進め、官庁も司法も安倍に忖度して違法行為に従うようになっていますので、油断はできません。今後、監視していきたいと
 思います。

◇2019年8月13日(火)
 1.条例改正を批判する営業権組合ビラ
  卸売市場法改悪に伴い、現在、東京都が中央卸売市場条例の見直しを進めていることは、既報(6月5日,7月25日)のとおりです。
  築地市場営業権組合では、都の条例改正案を批判するビラを作成し、豊洲市場等で配布しました。
  次に紹介します。
  ビラ表面
  ビラ裏面

◇2019年8月20日(火)
 1.横浜市がカジノ誘致へ
  横浜市がカジノを誘致する方針を固めたとのニュースが流れています。ネットで見つけた読売新聞オンラインニュースは次のように報じています。
 読売新聞オンラインニュース

  横浜市がカジノ誘致へ…候補地に山下ふ頭、市長が近く表明
  横浜市が、カジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致する方針を固めたことが、市関係者らへの取材で分かった。林文子市長が近く表明する。市は候補地と
 して、山下公園に隣接する山下ふ頭(横浜市中区)を検討。東京都心部や羽田空港からの交通利便性が高い横浜が名乗りを上げることで、自治体間の誘致競争が
 過熱しそうだ。
  市は9月の市議会定例会に、約3億円の関連費を盛り込んだ補正予算案を提出 する。「IR推進室(仮称)」も新設する予定だ。
  林市長は誘致に一時前向きだったが、3選に臨んだ2017年の市長選を前に「白紙状態」と慎重姿勢に転じた。その後、参入に前向きな民間企業12社から
 提出された計画案を検討するなどした結果、市の観光や経済発展に有益になると判断した。
  市が立地先に検討している山下ふ頭は47ヘクタールで、再開発が予定されている。ただ、ふ頭には誘致に反対する港湾関係者らの倉庫などがあるほか、市民
 に治安悪化を懸念する声も強く、市は説明会を重ねて理解を求める考えだ。
  政府はIRを成長戦略の柱に据え、昨年7月に成立したIR実施法では国内で3か所までの設置が認められている。誘致する自治体は実施方針を定めて事業者
 を公募。選定後に整備計画を作り、地元議会の議決を経て国土交通相に申請する。
  政府が昨年秋、都道府県と政令市を対象に実施した意向調査では、大阪府・市、和歌山、長崎両県が「申請する」、北海道や東京都、横浜、千葉両市が「誘
 致を検討中」と回答した。

  1月24日、3月31日のHPに記載したように、東京都の「築地まちづくり案」は、まさにIR(カジノを含む統合型リゾート)そのものです。IR実施法では国内で3か
 所までの設置ということですから、東京、横浜、千葉の中から多くて一つの指定ということでしょう。
  築地市場という都民の共有財産を解体して跡地にカジノという東京都は言うに及ばず、横浜、千葉等々も全く情けない限りです。
  カジノを成長戦略とする国も、カジノを誘致しようという自治体も異常、狂っているというほかありません。
  種子法廃止や遺伝子組換え食品・水道民営化・原発の推進は「いのち」を脅かす動きですが、それに加え、カジノは、ギャンブル依存症という言葉に示されるように、
 「心」を脅かそうとしているのです。「いのち」や「心」を脅かすことなしには経済成長ができなくなった日本は、ひたすら亡国の途をたどっているということです。
 2.買物ツアー再開は8月24日(土)
  猛暑とお盆休みで中断していた築地市場買物ツアーは8月24日(土)に再開します。
  築地買物ツアーを続けていけば、都のもくろむカジノ誘致の障害になるはずです。開始した時には予想もしなかった効果ですが、カジノ撃退という大きな効果をめざ
 して頑張りましょう

◇2019年8月24日(日)
 1.第53回買物ツアー報告
  第53回買物ツアーは、8月24日(土)午後1時から開催されました。
  ピークを越したとはいえ、まだまだ厳しい残暑の続くなか、大勢のお客さんが参加してくださいました。また、常連の売り子さんもほぼ全員、売り子を担当してくだ
 さいました。この10カ月以上、力を合わせて買物ツアーを続けてきたことで、信頼と連帯感でしっかりと結ばれているように感じます。有難く、また嬉しいことです。
  品数が増え、また値下げも少なくないことから、相変わらず値段の計算は大変ですが、値段表を活用すること、及びお客さん自身が値段を確認しながら籠に入れてく
 くださることで、なんとか乗り切っています。ご協力、有難うございます。
  24日は、干しタコを初め、多くの珍品も格安で(市価の半値以下程度)提供いたしました。JAL機内飲料も500ml50円という安さです。
  また、沖縄のイカラーが切れていたのに気づきましたので、入荷するように頼んでおきました。来週に間に合うことを期待しましょう。
 2.築地市場営業権組合のHP
  遅ればせながら、築地市場営業権組合のHPを紹介します。次のURLです。
  https://tsukiji.themedia.jp/
  メインはYoutube築地市場営業権組合チャンネルです。築地市場・豊洲市場や卸売市場制度に関するタイムリーな情報がわかりやすい動画で発信されています。
  そのほか、資料・記事も掲載されています。
  ぜひ、時折覗いてみてください。

◇2019年9月1日
 1.第54回買物ツアー報告
  第54回買物ツアーは、8月31日(土)午後1時から開催されました。
  この日は、開始早々お客さんが殺到し、大忙しで大変でしたが、15分くらい経過して何とか落ち着きました。市価と比べて格安値段の情報が広がれば、もっとお客さ
 んが増えることでしょう。
  途中から気温が上がり、猛暑になったので、目玉商品の一つ、JAL機内飲料(500ml三つで100円)のキウイジュースを呑みました。買物で200円カンパしていたので、
 「一本もらいますよ」と言って、近くにある一本を飲んだのです。ただの塩水のような味がして「変だな」とは思いましたが、あまりもの暑さで三口ほど飲んだところ、
 Nさんから「それ、保冷剤ですよ」と一言。空きボトルに海水を詰めて保冷材として利用していたものを間違えて飲んでしまったのでした。どうりで塩水のような味がし
 たはずです。
  海水をボトル一本飲むと死んでしまうとか。Nさんのおかげで命拾いしました。
  暑さで脳みそが沸騰して判断力がおかしくなっていたようです。皆さんもお気を付けください。
 2.「卸売市場を守ろう!都民連絡会」を立上げ
  買物ツアー終了後、買物ツアーの常連客の方にお集まりいただき、「卸売市場を守ろう!都民連絡会」の第1回会合を開きました。
  これまで市民の方は、築地市場営業権組合主催の買物ツアーを支援する立場で関わってきてくださいましたが、これからは自らが主体になって関われる道が開けまし
 た。
  今後の「卸売市場を守ろう!都民連絡会」の活動にご期待ください。
 3.日経調批判の論稿
  8月10日のHPで触れた日本経済調査会が進めている農林水産関連法の改悪(卸売市場法改悪もその一環)について、菅原邦昭さんが批判する論稿をまとめられました
 ので、次に掲げておきます。地方の商店街を軒並みシャッター街にした犯人と卸売市場法改悪を進めている犯人は同一であることがよくわかります。
  日経調批判の論稿「暴走する新自由主義・多国籍資本列車」

◇2019年9月4日
 1.口頭意見陳述は10月1日
  審査請求の口頭意見陳述が、10月1日午後3時からに決まりました。予定時間は、業務停止処分(ムラキ,杉原水産)が45分、改善措置命令(ムラキ)が30分です。
  口頭意見陳述は、公開で、かつ議論を尽くすことができる、と聞いていたのですが、残念ながら、非公開で時間も制限されています。非公開にすることの法的根拠を尋
 ねましたが、「公開にする」との明文の規定がないので、また従来すべて非公開にしているので、という、あまり説得力ののない回答でした。
  買物ツアーの売り子・常連客の皆さんにも聴いていただきたいと思っていましたが、残念なことです。
  とはいえ、重要な機会ですので、しっかり準備して臨みたいと思います。

◇2019年9月8日(日)
 1.第55回買物ツアー報告
  第55回買物ツアーは、9月7日(土)午後1時から開催されました。
  この日は緊急用件が入り、いつもより遅れて午後1時10分頃、築地正門前に着きましたが、順調に始まっていました。売り子・お客の皆さん、有難うございました。
  台風が近づいているにもかかわらず変わらぬ暑さでしたが、おかげさまでいつもより長く営業ができました。
  買物ツアー終了後、都民連絡会の第2回会合を1時間ほど持ちました。都民連絡会に加入してくださった方で都合がつく方に参加していただいています。都民連絡会を
 創ったことで、買物ツアーのほうも、皆さんより熱意を込めて関わってくださるようになったと感じています。今後、相乗効果をもたらしていくようにしたいものです。
 2.仙台市仲卸経営者協会等の仙台市への要請書
  9月6日、仙台市中央卸売市場の仲卸経営者協会、水産物卸協同組合、青果卸売協同組合、花卉仲卸協同組合が、卸売市場条例改正問題で仙台市に要請書を出されまし
 た。要請書を次に掲げます。
  仙台市への要請書
  新自由主義に基づく社会改編を目論んでいる規制改革推進会議が卸売市場制度の改悪を言い出したこと、卸売市場制度改悪のポイントは「第三者販売の容認」にあるこ
 とがわかります。
  中央卸売市場は、問屋の買占めや売り惜しみによって起こった米騒動(1918年)の経験から、公平公正な価格形成を主たる目標として制度設計された(中央卸売市場法制
 定1923年)のですが、財界にとっては、公平公正な価格形成が邪魔な存在であり、卸売市場制度改悪によって「強者の意向で意図的な価格形成ができる市場」、「強者が
 価格支配できる市場」にしようとしているのです。
  喉元過ぎれば熱さ忘れる。強欲な権力が、新自由主義に基づいて、再び米騒動以前の「価格支配できる市場」に戻そうとしているということです。
  その強欲さは、築地市場跡地にカジノ誘致を図ろうとしていることにも示されています。

◇2019年9月12日(木)
 1.東京都が「築地市場の廃止」を決定
  東京都が「築地市場の廃止」を決定しました。テレ朝ニュース2019.9.2は次のように伝えています。

   東京都は築地市場について、「市場」として廃止する決定をしました。これにより、跡地に商業施設などが建てられるようになります。
   東京都中央卸売市場の築地市場は去年10月、豊洲に移転しました。市場の機能は豊洲に移りましたが、東京都市計画においては築地市場が中央卸売市場のまま
  になっていました。そのため、2日の審議会で築地市場の廃止を決定しました。
   これにより、1935年から去年まで83年にわたって「東京の食」を支えてきた築地市場の跡地には今後、市場関連以外の商業施設や住宅などが建てられるように
  なります。来年の東京オリンピック・パラリンピックでは、大会関係者の車両を止める駐車場として活用する予定で、その後については「築地の食文化」などを生
  かした土地利用が想定されています。

  昨年10月以来、HP上で「築地市場の廃止が必要」と度々言ってきましたが、ようやく都は「築地市場の廃止」を決定したのです。
  何故、「築地市場の廃止」がこんなに遅れたのでしょうか。
  それは、これまでにも説明してきたとおり、「中央卸売市場の廃止」には、農水大臣の認可が必要で、認可は一般消費者及び関係事業者の利益を損なわない場合で
 なければできない(卸売市場法第14条)からです。「築地市場の廃止が一般消費者及び関係事業者の利益を損なわない」とは到底言えないので、その決定を遅らせたの
 です。そして、築地市場を解体し、市場機能をなくした後に廃止を決定したのです。
  これは明らかに卸売市場法第14条の適用を回避する脱法行為です。
  また、地方自治法では、重要な「公の施設」の廃止には、議会において出席議員の三分の二以上の者の同意を得なければならない、とされています(第244条の2第2項)
 が、「築地市場の廃止」の決定は、この地方自治法の規定をも無視しています。都は脱法行為も違法行為も平気で犯しています。議会もそれをチェックできていません。
  東京都は、「築地市場の廃止」の決定は都市計画法に基づくもので、卸売市場法に基づくものではないから、卸売市場法第14条は適用されない、と反論するかもしれま
 せん。都は、東京都中央卸売市場は、築地市場、豊島市場等の11の個別市場全部で一つの中央卸売市場であるから、一つの個別市場である築地市場を廃止する際には、14
 条は適用されないと主張しているのです。
  しかし、「築地市場の廃止」の必要性が、法によって異なるとは不可解なことです。
  そのうえ、卸売市場法に基づいても、「築地市場の廃止」が必要なことは、2019年7月31日付け再反論書(HP2019.8.1に掲載)の付論2に詳しく述べたとおりです。
  今回の「築地市場の廃止」にあたって、次に付論2を再掲しておきます。
  再反論書付論2
  付論2は長いので、読むのが面倒と思われる方のために、都の主張のおかしさが端的にわかる点を一点だけ挙げておきます。
  それは、卸売市場法第3条で、次のような規定です。
   第3条 中央卸売市場又は地方卸売市場の名称中には、中央卸売市場又は地方卸売市場という文字を用いなければならない。
     2 卸売市場であって中央卸売市場又は地方卸売市場でないものの名称中には、中央卸売市場又は地方卸売市場という文字を用いてはならない。
  この第3条だけで、「中央卸売市場築地市場(築地市場の正式名称)は、11あるうちの一つの個別市場に過ぎず、中央卸売市場ではない」とする都の主張が詭弁である
 ことは明白です。

◇2019年9月15日(日)
 1.第56回買物ツアー報告
  第56回買物ツアーは、9月14日(土)午後1時から開催されました。
  猛暑が過ぎ、初秋の爽やかな気候の下で開催できました。
  初めてお見えになった年配の紳士が値段の安さに驚いて、たくさん買い上げられるとともに「もっと宣伝すればたくさん客が来るよ」とさかんに勧めておられました。
  見る目があるなと感心しましたが、弟さんが仲卸業者だったとのことで納得しました。
  お勧めもあって、今後、値段表を広めることを検討していきたいと思います。
  14日には、大型観光バスが買物ツアーの側に止まって客が降りてきたので、ついに買物ツアーが観光バスが寄るほど有名になったか、と糠喜びしましたが、値段表が広
 く知られるようになると実現するかもしれません。
 2.都から「口頭意見陳述期日の指定について」が届く
  東京都総務局から審査請求の口頭意見陳述の期日等の通知が届きました。次に掲げます。
  業務停止処分ムラキ口頭意見陳述
  業務停止処分杉原水産口頭意見陳述
  改善措置命令ムラキ口頭意見陳述
  東京都処分庁の弁明書→審査請求人からの反論書→再弁明書→再反論書という文書のやり取りを経ての口頭でのやり取りになります。時間が短く(業務停止処分のほうは
 二件で45分,改善措置命令のほうは一件で30分)、かつ非公開という不十分さはありますが、制約のなかで最大限、活用したいと思います。
 3.諌早湾の最高裁判決は築地市場問題にも通底
  ご承知と思いますが、9月13日に最高裁小法廷が開門命令を無効とした国勝訴の二審判決(福岡高裁2018.7.30判決)を「審理が尽くされていない」と破棄し、審理を福
 岡高裁に差し戻す判決を出しました。同判決に関する東京新聞の記事を次に掲げます。
  最高裁2019.9.13判決
  二審判決では「開門を命じた2010年確定判決の根拠となった漁業権は2013年に消滅したので漁業者に開門を求める権利はなくなった」としていましたが、最高裁は「
 確定判決は漁業権が消滅した後も同じ内容の漁業権が与えられることを前提にしている」と判示したのです。漁業権は十年に一度切り替えられますが、切替え前の漁業権
 と同じ内容の漁業権が切替え時に免許されるということです。
  実は、この最高裁判決の判示事項は、漁業法を勉強した者にとっては、ごく初歩的な基礎知識です。漁業では免許や許可が出され、いずれにも存続期間があって、存続
 期間が過ぎれば、漁業権は「切替え」によって、許可は「更新」によって新たな免許や許可が出されることになりますが、新たな免許や許可は、旧い免許や許可の内容を
 踏襲することになるのです。なぜなら、免許や許可によって漁業が営まれる実態を通じて、それが権利になっているからです。免許や許可の存続期間が過ぎても、実態に
 基づいて権利になっていますから、新しい免許や許可でそれを認めるほかないのです。
  漁業権の切替えや許可については、詳しくは「最近の取組み」に掲載ずみの拙稿「諌早開門に関する福岡高裁判決を批判する」(月刊「漁業と漁協」2018年9月号)をお
 読みいただくとして、ここまで書けば、今回の最高裁判決が築地市場問題にも関連していることがお分かりだと思いますが、分かり易くするために6月23日HPで紹介した
 行政法の大家田中二郎の一節を次に再掲します。営業許可を受けて営業を営み続けてきた者に営業許可に基づき営業権という財産権が生じること、営業権の喪失による損
 害を生ぜしめた場合には正当な補償を与えなければならないことが、端的に説明されています。
  田中二郎「営業権」
  日本人は、あまりにも権利意識が希薄です。それをいいことに、日本では、免許の切替えや許可の更新の際に、免許や許可に基づく営みが実態に基づいて権利化してい
 ることを権利者に知らせず、権利や補償を無視する行政が横行しています。例えば、山形県は、漁業権の切替えにあたり、小国川ダムに賛成しなければ、新しい漁業権を
 免許しないと脅し、そのために小国川漁協の沼沢組合長は自殺に追い込まれました(詳しくは拙著『漁業権とはなにか』を参照)。
  そんな横暴・違法な行政を正していくことが、日本人に権利意識を根づかせることにつながります。それは世直しの大きな力になります。
  日本で初めて営業権を掲げた築地市場営業権組合の取組みは、商業の分野で権利意識を根付かせる初めての取組みといっても過言ではありません。
  築地市場営業権組合の取組みは、日本の民衆史において重要な歴史的意義を持っているのです。

◇2019年9月22日
 1.第57回買物ツアー報告
  第57回買物ツアーは、9月21日(土)午後1時から開催されました。
  8月の酷暑が嘘のような、爽やかな秋晴れの下、快適にツアーを実施できました。多くのお客が値段の安さに驚かれて、買物されます。この日は、懐かしい鯨の缶詰も
 登場しました。おしどりマコさんも参加され、辺野古や祝島関連の製品に喜ばれるとともに、値段の安さに驚かれて、大量に買っていかれました。
 2.営業権組合ニュースNo.4
  9月19日、築地市場営業権組合のニュースNo.4を豊洲市場で配布しました。都の条例が改悪されると卸売市場がどのように変わるかを図解したものです。
  次に掲げます。
  営業権組合ニュースNo.4表
  営業権組合ニュースNo.4裏
  図の趣旨を簡潔に言うと、都条例改悪に伴い、仲卸業者・卸業者がつぶれ、卸売市場そのものが解体されて、大手資本のための物流センターに変わるということです。
 築地市場及び豊洲市場の構造を元に作られているので、直感的にも分かり易い図になっています。本邦初の卸売市場制度の図解、ご活用ください。

◇2019年9月25日(水)
 1.福島みずほ議員を訪問
  9月24日、卸売市場を守ろう!都民連絡会の方々と共に参議院議員会館の福島みずほ議員を訪ね、卸売市場条例問題、カジノ問題に関して協力をお願いしてきました。
  福島議員は快く承諾してくださいました。
  協力をお願いした内容は、いずれ明らかになってくると思います。お楽しみに。
 2.法律と条例の関係
  東京都議会の会派回りをして明らかになったのですが、東京都は「卸売市場法が改正されたので、東京都中央卸売市場条例も改正法に合わせて変えなければならない」
 と都議に説明しているようです。
  しかし、それは間違いです。
  間違いであることは、主要農産物種子法が2018年4月1日に廃止された後、すでに11の都道府県で種子保護条例が制定されたことからだけでもわかると思います。
  では、法律と条例の関係は、どうなっているのでしょうか。
  地方自治法14条1項は「普通地方公共団体は,法令に違反しない限りにおいて……条例を制定することができる」と規定しています。
  この地方自治法14条1項の解釈について、最高裁昭和50.9.10大法廷判決は,次のように判示しています。

  ①条例が国の法令に違反する場合には無効である。
  ②しかしながら,条例が法令に違反するかどうかは,それぞれの趣旨,目的,内容及び効果を比較し,両者の間に矛盾牴触があるかどうかによつてこれを決しなけ
   ればならない。
  ③国の法令中に一定事項について規律する明文の規定がない場合
   ア.それが規制をすべきでないという趣旨で規定を置かなかったとすれば,条例でそれを規制することは許されない。
   イ.しかし,法令と条例とが併存する場合でも,条例の目的が法令の目的や意図や効果を阻害することがないとき,あるいは,法令と条例が同一の目的に出たもの
    であつても,国の法令が全国一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく,それぞれの普通地方公共団体においてその地方の実情に応じて別段の規制を施すことを
    容認する趣旨であると解されるときは,法令と条例との間にはなんらの矛盾牴触はなく,条例が国の法令に違反する問題は生じえない。

  卸売市場法は、昨年改悪されましたが、旧法が83条もあったのに、ほとんどの条文が削除され、新法では19条になってしまいました。つまり、ほとんど③の「明
 文の規定がない」ような法律になったのです。
  そのうえ、卸売市場法はそもそも、国全体で一律に規制せずにそれぞれの開設者(自治体)ごと、さらにはそれぞれの市場ごとにルールを決めてくださいという趣旨
 の法律なのです。農水省も、法改悪に当たって全国の開設者の集まりでそのような説明をしています。
  したがって、卸売市場法と条例の関係は③のイに当たるのです。
  さらに、新法では、中央卸売市場の開設者に自治体だけでなく、株式会社もなれることになりました。したがって、新法は、開設者が自治体か株式会社かに関わらず
 適用され得るような内容の法律になったのです。そのために、従来の中央卸売市場が持っていた公益的機能(公正公平な価格形成機能など)を実現するための規定が削除
 されたのです。
  他方、東京都中央卸売市場の開設者は東京都です。その東京都が中央卸売市場条例を定めるのですから、新法と異なり、中央卸売市場の公益的機能の確保を謳い、公益
 的機能を実現するための諸規定を残すことは当然可能ですし、そうすべきなのです。
  以上のように、東京都の「卸売市場法が改正されたので、東京都中央卸売市場条例も改正法に合わせて変えなければならない」との説明は誤り、より正確には、役人
 たちの権力への忖度に起因する嘘なのです。
  ぜひ、これが嘘であることを広めてください。特に知り合いの議員に知らせてください。

◇2019年9月29日(日)
 1.第58回買物ツアー報告
  第58回買物ツアーは、9月28日(土)午後1時から開催されました。
  再び30度近い気温になり、強い日差しが射すなか、市民の皆さんのお力添えを得て、いつもより長く開催することができました。
  市民の皆さんの多くは、営業権組合の取組みを支えるという目的だけでなく、消費者として卸売市場制度の改悪を防ぐという目的で参加されています。9月1日HPに記
 しましたように、そのような市民の方々により卸売市場制度を守ろう!都民連絡会が創られましたが、同会により、その後、数度の例会が持たれています。都民連絡会が
 創られてから、市民の方々の取組みが一層熱を帯びてきたように感じられます。お手伝いだけでなく、わがこととして関われるようになったからでしょう。
  都民連絡会のHPは次のとおりです。覗いてみてください。
 都民連絡会HP
 2.「卸売市場条例改悪No!」を市民に訴える図
  都民連絡会に集う市民の熱意が早速、成果となって現れました。「卸売市場条例の改悪にNo!」を市民に訴えるための図です。次に掲げます。
  卸売市場条例改悪にNo!を訴える図
  都民連絡会のNさんが作られた図ですが、市民に大変分かり易く、かつポイントを押さえた図になっています。あの仙台の菅原さんも大絶賛されたそうです。
  9月22日HPでご紹介した図は仲卸業者の小松和史さんが作られたものですが、この図も菅原さんは大絶賛されました。その改訂版も次に掲げます。
  営業権組合ニュースNo.4改訂版表
  営業権組合ニュースNo.4改訂版裏
  これで、市民向けにも仲卸業者向けにも、卸売市場制度の大エキスパート菅原さんが大絶賛される素晴らしい図が出来上がりました。二つとも強力な武器になります。
  都民連絡会では、表に図を掲げ、裏にQ&A等を載せたポスターを作成する予定だそうです。お楽しみに。

◇2019年10月1日(火)
 1.口頭意見陳述が開かれる
  予定通り、口頭意見陳述が開かれました。
  業務停止処分について15:00-15:45の予定が延びて16:05頃まで。改善措置命令が16:15-16:35まででした。業務停止処分のほうが長引き、予定していた質問が終わ
 りそうになかったので、私から「改善措置命令のほうは30分もかからないと思われるので、5-10分差し上げますよ」と提案して、審査員がそれを認めてくれたのでした。
  結論から言えば、二件とも、かなり押し気味に進めることができました。ポイントとなる回答もいくつか引き出すことができました、予め、用意して配布した資料が大
 変効果的でした。
  しかし、今日は、疲れていますので、詳しい報告はご容赦下さい。
  一両日中に、詳しい報告をしたいと思います。
  今日は、結果を心配してくださっている方々に、一刻も早く、大変上手くいったとの報告をしたいと思って記した次第です。

◇2019年10月2日
 1.口頭意見陳述の概要
  以下、10月1日口頭兼陳述の概要を記します。
 (1)口頭意見陳述の開催場所・時間
  審査請求に関する口頭意見陳述は、2019年10月1日、都庁25階116号室でそれぞれ、次の時間で開催されました。
  ・業務停止処分(30総総法査第1089号,第1090号)15:00-16:05
  ・改善措置命令(30総総法査第1048号)16:15-16:35
  予定では、業務停止処分が45分、改善措置命令が30分だったのですが、私から、業務停止処分の時間が45分経った頃、「改善措置命令のほうは30分もかからない
 と思われるので、5~10分譲りたい」と要望し、原弘樹審理員がそれを認めてくれて時間を延長できました。
 (2)業務停止処分について
  業務停止処分については、次の六つの質問項目(優先順位順)を予定していましたが、6を除いて、質問できました。
  1.条例第91条の適用に関して
  2.損失補償の必要性に関して
  3.履行催告書の手渡しについて
  4.村木―猪口電話の件
  5.撤回書の件
  6.オリンピック・パラリンピックの輸送拠点工事への引渡しについて
 (2)-1.条例第91条の適用に関して
  条例91条は、次のような規定です。

   (市場施設の返還)
  第91条 使用者の死亡、解散若しくは廃業等又は業務の許可の取消しその他の理由により市場施設の使用資格が消滅したときは、相続人、清算人、代理人又は
   本人は、知事の指定する期間内に自己の費用で当該施設を原状に復して返還しなければならない。ただし、知事の承認を受けた場合は、この限りでない。

  市場の移転に際し、事業者に91条が適用されるか、すなわち91条に基づく原状回復・返還義務が生じるか否かが、法的に最大の争点です。
  この点に関し、東京都は、再弁明書2頁において、平成30年9月21日の都の説明の内容について次のように記しています。

   ・築地市場は、都民に生鮮食料品を安定的に供給するという行政目的を果たすために、都が設置している中央卸売市場であり、仲卸業者への市場施設の使用許可
   は、こうした行政目的の範囲内で行っているものであること
   ・築地市場から豊洲市場への移転に伴い、事業者に対する使用許可は消滅するが、築地市場の施設の使用を許可している場合は、原則として豊洲市場の施設の
   使用を許可することとしているなど、豊洲市場で事業を営む環境は整えていること

  ところが、東京都中央卸売市場条例には、「仲卸業者への市場施設の使用許可」という規定はないのです。それらしき規定として88条1項がありますが、88条1項
 は次のような規定です。

  第88条 市場内の用地、建物、設備その他の施設(以下「市場施設」という。)のうち、卸売業者、仲卸業者及び関連事業者が使用する市場施設の位置、面積、期間
   その他の使用条件は、知事がこれを指定する。

  すなわち、88条1項には「許可」なる文字は全く含まれていません。「仲卸業者が使用する市場施設の使用条件(位置、面積、期間等)を指定する」旨の規定であり、
 仲卸業者が市場施設を使用できることを前提として、その使用条件を指定するに過ぎません。
  したがって、「仲卸業者への市場施設の使用許可」には、条例上の根拠がなく、法的にできるはずのない行政行為なのです。
  この点に関し、口頭意見陳述の場で、次のA,B二つのファイルを配布するとともに、①、②の二つの質問をしました。
  [配布したファイル]
  A.「市場施設の使用許可」について
  B.東京高裁判決抄及び注・コメント
  [質問]
  ①再弁明書p.2の「仲卸業者への市場施設の使用許可」の条例上の根拠は何か?
  ②再弁明書p.2で「築地市場から豊洲市場への移転に伴い、事業者に対する使用許可は消滅する」とする条例上の根拠は何か?
  これに対し、都は、「88条1項の使用条件の指定により、使用資格が生じる」、「使用条件の期間が満了すれば使用資格が消滅するとの答弁をしました。
  そこで、東京高裁判決の次の部分を指摘して、「都の見解は、高裁判決の判示内容と異なりますね」と質したところ、「そうです」と認めました。

   卸売業者は、農水大臣の許可により中央卸売市場において卸売業務を行う資格を取得するのであり、市場の移転に伴い市長の使用指定の対象施設が旧市場から
  新市場の市場施設に変更されたとしても、形式上は、旧市場の市場施設の使用許可の取消がなされたものとみる余地はない。

  高裁判決は「使用資格は業務許可(卸売業者は農水大臣による業務許可、仲卸業者は知事による業務許可)に因るのであり、使用条件が変わっても旧市場の使用
 資格には影響がない」旨明確に判示しており、私たちの見解と同じで都の見解とは全く異なることを明らかにできたことは、大きなポイントです。
  以上のこと、より詳しくは、上掲のA,B二つのファイル(特にファイルBのコメント③、④)をお読みください。
 (2)-2.損失補償の必要性に関して
  市場の移転に伴う損失補償の必要性について、岩崎弁護士が東京高裁判決を引用して質問しようとしたところ、都は「弁明書で述べたように、東京高裁判決の案件
 は、損失補償を支払った後の争いであり、また市場移転後の争いだから本件とは関係がない」旨答弁しました。法的争点は、どちらも「行政上の必要から市場を移転す
 る場合に条例91条が適用されるか」、「市場移転に際して損失補償が必要か」で全く同じなのに、補償後か否か、移転後か移転前か、という形式論で「異なる案件」と
 するとは呆れた主張です。
  そこで、ファイルBを示して、「高裁判決の本件に関連する部分、こちらの見解と同じ部分に黄色マーカーを付け、注・コメントをしている。高裁判決が本件に関係な
 いというのであれば、黄色マーカー部分が何故関係ないのか、説明した文書、また都の見解に有利だと思われる部分にマーカ-を付けて示した文書を、後日でもいいから
 提出しなさい」と言いました。それに対して、原審理員が「それは要望ですか」と尋ねたので「はい、要望です」と答えました。原審理員が、「要望が出ましたが、応え
 ますか」と都に尋ねたところ、都は「提出しません」と答えるほかありませんでした。
  本当は、「提出しません」でなく「提出できません」なのですが、ともあれ、都が提出しないと答えざるを得なかったことは、こちらのポイントになったと思います。
 (2)-3.履行催告書の手渡しについて
  郵送で送ったものが相手に届かないことが判る前に手渡しで渡すなど、あり得ないことです。岩崎弁護士の質問(2-3,2-4,2-5については岩崎弁護士が中心となって質
 問されました)によって、都の「手渡しした」との主張が嘘であることが浮き彫りになりました。
 (2)-4.村木―猪口電話の件
  2018年10月14日の村木さんと猪口部長の電話内容が明らかにされ、猪口部長がかなりうろたえていました。
 (2)-5.撤回書の件
  撤回書については、2018年10月15日のHPに詳しく書いた通りですが、「築地市場閉場に伴う市場施設の造作等原状回復計画書の提出について」という文書を送りつけ
 て、それが土曜日に届いたのに、「翌日日曜日までに工事業者との契約書まで添えて提出しろ、提出しなければ撤回書を無効と見なす」との目茶苦茶な手続きが明らかに
 されました。
 (3)改善措置命令について
  改善措置命令については、まず「買物ツアーが営業権組合の主催であることを知ったのは、何時、何によってか」との質問をしました。
  都の西坂氏は、知ったのは改善措置命令が出された2018年12月17日以降である旨答えました。
  そこで、次の資料①、②を配布し、資料①が都作成の資料であることを確認した後、12月11日、15日の記録には村木氏が営業権組合の販売である旨発言したと何度も
 記されているではないか」と追及したところ「聞いたけど(仲卸業者の営業であるように)見えた」との苦し紛れの答弁をし、村木さんから「目と耳が分離しているのか
 」と言われてしまいました。
  資料①旧築地市場前における市場業者等の活動状況
  資料②報告書(疎乙第12号証の一部)
  次に、「買物ツアーのしくみ(反論書p.7参照、個人が買い付けて営業権組合に売ったものを営業権組合が販売するという流れ)を知ったのは何時、何によってか」との
 質問をしました。
  今度は、都の大谷氏が「反論書(2019年4月24日付け)が最初」と答えました。
  そこで、資料②の「理由」欄に記してある図を示して、「これはあなた方が提出した証拠だが、そこに買物ツアーの仕組みが示されているではないか。仕組みが12
 月12日に示されているにもかかわらず、それを無視して17日に改善措置命令を出したことになるではないか」と追及しました。
  さらに、「『見える』では根拠にならないから、ふつうなら仲卸業者の営業であることの証拠を探して、見つかった証拠を根拠に命令を出そうとする。証拠を探す努力
 はされたのか」と尋ねたところ「努力しなかった」と答えました。「ならば、『見える』を根拠に難癖をつけるヤクザと同じではないか」と言っておきました。
  加えて、買物ツアーを2019年2月に再開する際、都は「営業権組合の販売であることを冒頭に述べれば、買物ツアーについて何も言わない」と言って再開を認めたばか
 りか、その後、「『今日は〇時〇〇分までに終えてほしい』とか『今日は、開催場所を西側出入口には近づけないでほしい』とかのお願いをしてきたではないか」と都が
 命令どころかお願いをしてきたことを暴露しておきました。

  以上、改善措置命令に関する口頭意見陳述の質問-答弁を記しましたが、このやり取りで、改善措置命令の違法性・不当性も、営業権組合主催の買物ツアーに都が何も
 言えないことは、誰の目にも明らかになったと思います。
  最後に、「『のれんの売買』が行なわれていることを知っているか」との質問をし、西坂氏が曖昧な答えをしたため、村木氏が「のれんの売買」について詳しく説明す
 るとともに、市場関係者全員が知っていることを強調されました。

  以上が口頭意見陳述の概要です。
  昨日は「押し気味」と書きましたが、概要を整理してみると、口頭意見陳述は「完勝」といっても過言ではないことが確認できました。
  「完勝」に確信が持てない方は、ぜひ、資料も含め、熟読してみてください。確信を持てるはずです。

◇2019年10月5日(土)
 1.今日の買物ツアーは中止
  緊急連絡です。
  直前の連絡で申し訳ありませんが、今日の買物ツアーは、スタッフの体調不良により中止します。
  来週以降のことは、体調回復状況を見ながら、追ってお知らせします。

◇2019年10月6日(日)
 1.来週以降、買物ツアーを開催します
  ご心配いただきましたが、スタッフの体調が快復しました。激励、有難うございました。
  来週以降の買物ツアーは、予定通り開催いたします。これまで同様、宜しくお願いいたします。

◇2019年10月10日(木)
 1.10月12日の買物ツアーは中止
  ご存知のように、大型台風19号が12日(土)に関東地方を直撃することが予測されているため、12日の買物ツアーは中止します。
  二週連続の中止で恐縮ですが、大型台風直撃のためですので、ご理解・ご容赦ください。
 2.10月19日は1周年記念フェアー
  10月19日は、買物ツアー1周年記念で規模を拡大し、早め(12時から)に準備しますので、多少早めにお越しいただいても結構です。
  どんな新商品が並ぶか、お楽しみに。

◇2019年10月13日(日)
 1.業務停止処分の法的争点①について
  業務停止処分の法的争点、「『使用条件の変更』により使用資格が消滅するか」について、わかりやすい解説ファイルを作りましたので、次に掲げます。
  業務停止処分の法的争点①「使用条件の変更」により使用資格が消滅するか
  業務停止処分についての最大の争点であり、処分の是非は、この争点についての判断にかかっていますので、ぜひお読みいただいたうえ、広めてくださるよう
 お願いいたします。

◇2019年10月17日(木)
 1.東卸が「条例改正特集」
  東卸が条例改正特集のニュースを発行しました。次に紹介します(大きいので分割してあり、読み難いですが、ご容赦下さい)。
  東卸ニュース「条例改正特集」
  仲卸業者潰しの条例改悪なのに、危機感が全く感じられない内容です。
  問題点については近日中に掲載しますが、とりあえずニュースをお届けします。

◇2019年10月18日(金)
 1.10月19日の買物ツアーは中止
  緊急連絡です。
  19日は大雨が予想されるため、買物ツアーを中止するとの連絡が入りました。
  せっかくの1周年記念ですから、大雨下でない状態で開きたいとの思惑も働いたと思われます。
  三週連続の中止になり、恐縮ですが、その分、26日の1周年記念フェアーにエネルギーを注ぎましょう。

◇2019年10月22日(火)
 1.東卸ニュースの問題点
  10月17日に掲載した東卸ニュースについて「仲卸業者潰しの条例改悪なのに、危機感が全く感じられない内容です。問題点については近日中に掲載しますが、
 とりあえずニュースをお届けします」と書き、営業権組合で話し合った後に掲載しようと思っていましたが、営業権組合での打合わせが早くても26日になります
 ので、ここに主な問題点について私見を記します。
 (1)第三者販売について
  卸売紫市場制度は、問屋の買占め・売り惜しみによって米騒動が起きたことの反省から生まれました。誰かが価格支配できることのないような制度を目指した
 のです。
  卸売市場制度の趣旨を徹底させるべく、昭和46年卸売市場法は、売手(供給)側の卸売業者と買手(需要)側の仲卸売業者とが供給と需要とを市場で突き合わせる
 ことによる公正公平な価格形成機能を中央卸売市場に持たせ、そのための取引ルールを設けました。その最たるものが「卸売の相手方の制限」です。これは、卸
 売業者の卸売の相手方を卸売市場の仲卸業者と売買参加者に制限するもので、「第三者販売の禁止」とも呼ばれます。
  もしも、卸売業者が大手スーパー等に自由に卸売できることになったら、卸売市場における供給がその分減ってしまい、減少した供給量と需要量との間で価格
 が形成されてしまいます。それは当然、価格高騰につながります。ですから、「卸売の相手方の制限」は、公正公平な価格形成の要なのです。
  ところが、「卸売の相手方の制限」を規定していた昭和46年卸売市場法第37条は、昨年の法改悪で削除されてしまいました。
  とはいえ、東京都が都の中央卸売市場に公正公平な価格形成機能を持たせようと思えば、条例で「卸売の相手方の制限」を規定している60条をそのまま残せば
 よいのですが、東卸ニュースに示されているように、都は、第三者販売を原則自由化し、第三者販売禁止をセリ・入札についてのみ限定しようとしています。
  セリ・入札において第三者販売を禁止するのは当たり前のことで、問題はセリ・入札以前に第三者販売されることです。それが制限されなければ、大手スーパー
 による価格支配が容易になってしまいます。
  ことは、卸売市場の存在意義、仲卸業者の生存に関わることなのに、東卸ニュースは「都と市場関係者との協議の場を活用して、具体的な疑義や課題に対応」な
 どと、他人事のような悠長なことを言っています。
 (2)業務許可と施設使用許可について
  従来の卸売市場制度では、卸売業者は農水大臣の業務許可、仲卸業者は知事(又は市長)の業務許可を受けます。業務許可を受ければ、業者は、それだけで営業権を
 持つことになります。
  ところが、国は、昨年の卸売市場法改悪で卸売業者の業務許可を廃止し、「開設者が定めて、農水大臣が認可」することとしました。また、東京都は、仲卸業者
 の業務許可を廃止し、「市場施設の使用許可」に変えようとしています(おそらく、卸売業者に対しても同様)。
  「市場施設の使用許可」は、10月13日に掲載したファイル「業務停止処分の法的争点①『使用条件の変更』により使用資格が消滅するか」に記したように、売買
 参加者や買出人に対して出されるもので、営業権を生むものではありません。この変更は、卸売業者や仲卸業者の持つ営業権を侵害する変更であり、こんな変更を条
 例で行なうには損失補償を伴わなければなりません。
  東卸ニュースは、「仲卸業者の許可制度は、大正12年、食糧難の時代に設けられたもので、今は食糧難の時代とは異なるので業務許可の理由がなくなった」旨の
 説明をしています。これは、実におかしな説明で、大正12年当時は別に食糧難の時代ではありません(食糧難の時代は戦後)。また、仲卸業の業務許可が条例で規定
 されるようになったのは、昭和46年卸売市場法以後のことです。歴史を全く無視しています。
  東卸ニュースは、また、「今の制度は業務許可に付随して取引のルールがあり、施設の使用許可に付随して造作承認などがあるという形になっている。新しい制度
 は取引のルールを守ることも含めて使用許可の条件としている」と説明しています。
  この説明も実におかしな説明で、かつ事実に反します。「業務停止処分の法的争点①『使用条件の変更』により使用資格が消滅するか」に記したように、仲卸業者
 に対して出されるのは、業務許可と使用条件の指定であって、使用許可など出されていません。ですから、「使用許可に付随して造作承認などがある」ということも
 全くありません。
  都は、業務許可を廃止して、代わりに「市場施設の使用許可」を出し、それに付随して取引ルールを守ることを定めようとしているようです。
  しかし、「施設の使用許可」に取引ルールを付けるというのは、いかにも無理筋の話です。取引ルールは、あくまで業務許可に付けなければならないはずです。都は
 、法や条例が守るべき最低限のルールを無視して無理筋の規定を設けなければならなくなっているということです。
  卸売市場制度の改悪は、公正公平な価格形成機能を担っている仲卸業者を潰し、大手スーパー等による価格支配を目指したものです。にもかかわらず、仲卸業者の権
 利や利益を守るために創られたはずの東卸に卸売市場制度改悪と闘う姿勢が全く見られないのは、不思議かつ遺憾なことです。

◇2019年10月24日(木)
 1.10月26日の買物ツアーについて
  10月26日の買物ツアーについて、次のようなツイッターが流れましたので、ツイッターをやらない人のために掲載しておきます。
  築地市場営業権組合主催【築地市場お買い物ツアー】
  10月26日土曜13時より、築地市場正門前にて開催予定です。
  しかし、天候など状況によっては中止せざるを得ない場合もあります。当日の朝の様子で再度お知らせ致しますので、ご注意下さい。
  この問題の追求には臨機応変と持久力が必要です。

  恐縮ですが、10月26日ご午前中のツイッター又はHPにご注意くださるよう、お願いいたします。

◇2019年10月26日(土)
 1.10月26日の買物ツアー、決行
  遅くなりましたが、今日の買物ツアー、決行します。1周年記念になります。

◇2019年10月27日(日)
 1.第59回買物ツアー報告
  第59回買物ツアーは、4週間ぶりに10月26日(土)午後1時から開催されました。
  都に予め早く始めるよう通告していたため、午前11時半から準備ができ、これまでよりも買い物しやすい配置に変えることができました。
  おかげで、買いやすく、売りやすい買物ツアーになりました。
  1周年記念の一万円タラバガニも陳列されました。さすがに、高くて売れませんでしたが、飾りの意味もあったようなので。OKです。
  昨年10月11日以来、よくぞ一年間も続けてこられたものです。
  継続は力なり。この一年間の成果は、今後、築地市場の跡地の利用に関して、じわじわと力を発揮していくと思います。
  1周年、おめでとうございます。

◇2019年11月3日(日)
 1.第60回買物ツアー報告
  第60回買物ツアーは、11月2日、秋晴れの下、順調に開催され、お客さんも多かったそうです。
  「そうです」と書いたのは、私は参加しなかったからです。これまでにも2回ほど参加できなかったことがありますが、東京に居て参加しなかったのは初めて
 です。
  不参加の理由は、10月29日~31日に上関原発に関する山口県交渉で山口県に行っていたのですが、帰京後早々に交渉のテープ起こしをし、また、交渉の成果を
 今後に如何に活かすかの文書を作って送らなければならなかったからです。昨日、テープ起こしをし、HPの上関原発の頁に録音ファイルと共にアップできました。
 文書はこれから作成します(こちらは内密です)。
  上関原発予定海域では、8年ぶりに海上工事(ボーリング調査)が予定されています。また、漁民と工事業者が対峙する場面になりそうです。8年前までも5,6回対峙
 する場面がありましたが、その都度、早朝から何度も小中さんからの電話に応対して、工事を止めるうえでの法律論を担ってきました。
  以上のように、いよいよ上関原発で緊急事態に入りました。また、名護市東海岸入会漁業組合(HP参照)のほうも、年末から年始にかけて、漁協認可申請を進める
 予定で、そろそろ緊急事態に入ります。
  他方、築地のほうは、昨年10月から今年春頃までは緊急事態でしたが、審査請求に関する文書作成も一段落し、口頭意見陳述も10月1日に終わりましたので、当
 面、移転問題に関しては、緊急事態を脱することができました。
  卸売市場条例に関しては、これからが緊急事態ですが、水谷さんをはじめとした都民連絡会の方々が熱心に取り組まれており、また、菅原さんという卸売市場
 問題の最高のエキスパートが居られるので、私自身は側面的なサポートだけで済んでいます(ただ営業権に関することは担当しています)。
  というわけで、私の関わっているテーマのうち、上関原発と辺野古が緊急事態に入り、さらに都市計画道路問題も今後緊急事態に入りそうなので、それらの法的、
 あるいは理論的サポートに力を入れざるを得なくなってきたのです。
  もちろん、時間の許す限りは今後とも参加しますが、以上の理由から、今後、東京から離れることが多くなり、また東京に居ても買物ツアーに参加できないこと
 が今までよりも増えてくると思います。
  買物ツアーに参加されている方々の中にも上関原発や辺野古に関心をお持ちの方が多いですが、根は共通の問題ですので、ご理解・ご容赦をお願いいたします。
 2.新名善治氏を豊洲市場に案内
  11月1日、イカラーの製造者、名護市の新名善治氏を豊洲市場に案内しました。
  区長会で東京に来られ、1日午前中に豊洲市場見学というプログラムだったので、見学が終わる午前11時にお会いして、仲卸棟に案内し、営業権組合の杉原さん、
 小松さん、堀冨さんの売り場を訪ねました。村木さんは仕事が早く終わったらしく不在でした。
  お互いに顔見知りになったことで、新名さんも営業権組合の方々も、より熱を込めてイカラーの製造・販売に取り組めるようになったと思います。
  新名さん、豊洲市場を見て、これは業者の立場になった設計じゃないですね、と鋭い指摘をされていました。根本的欠陥をたちどころに見抜くとは、さすが新名さ
 んでした。

◇2019年11月10日(日)
 1.第61回買物ツアー報告
  第61回買物ツアーは、11月10日、晩秋の小春日和の下、開催されたそうですが、私は不参加でした。11月3日に書きましたように上関原発が緊急事態を迎えてお
 り、11日に山口県との交渉が持たれることになったため、10日から14日頃まで山口県に行くことになり、準備に追われているからです。14日にボーリング調査に本格
 的に着工(埋立着工ではありません)という予定になっているので、14日に着工されるか否かを見定めてから帰京しようと思っていますが、これも成り行き次第でどう
 なるかわかりません。
  申し訳ありませんが、当面、上関原発への取組みで手一杯なので、買物ツアー報告は、しばらく休ませてください。
  審査請求のほうは、動きがありましたら、報告します。
  上関原発に関しては、上関原発の頁をご覧ください。

◇2019年12月7日(土)
 1.審理員より通知
  東京都の二名の審理員から「審理員による審理手続きの終結について」という文書が届きましたので、次に掲載します。
  審理員による審理手続きの終結について
  審理員が審理員意見書をまとめ、今後1週間以内に審査庁に送るので、審理員による審理手続きは終結した旨の通知です。
  通常は、口頭意見陳述から1.5ヶ月で審理員意見書が出ると聞いていましたので、本件では約1.5倍の時間がかかったことになりますが、二件あったので無理から
 ぬことでしょう。
  4,5日前に長谷川審理員と電話で話したのですが、とても人柄のいい方で、今までにも増して、いい感触でしたので、きっといい意見書を書かれたに違いないと思
 っています。
  この後、本件が東京都行政不服審査会に諮問されるか否かが約半月の間に決定され、諮問されれば、諮問後、約3カ月で結論が出る、と聞いています。

◇2019年12月15日(日)
 1.12月14日仙台市中央卸売市場で講演
  12月14日に仙台市中央卸売市場で「漁業権・営業権と地域経済」というテーマで講演を行なってきました。
  講演レジュメを次に掲載します。
  12月14日仙台市中央卸売市場での講演レジュメ
  「自由漁業の権利」という財産権に基づいて上関原発のボーリング調査を止めている状況下で話したので、公権力によって財産権を侵害するには損失補償が必要
 という趣旨の話に現実感を持っていただだけたのではないかと思います。
  レジュメを作りながら、今後は国賠訴訟が鍵になると改めて強く感じました。

◇2019年12月16日(月)
 1.中国電力がボーリング調査の中止を発表
  16日午後4時頃連絡が入りましたが、中国電力が来年1月一杯まで予定されていたボーリング調査の中止を発表しました。
  中電が「法的論争には応じない」と言っていたにも関わらず、ボーリング調査が一切できなくて困ったのでしょう、12月10日付けで「漁業補償等に関する回答書」
 なるものを送ってきましたが、それに対する反論・質問書を12月12日付けで作成し、それを祝島島民の会代表清水敏保さんから中電に16日に届くように送ってもらい
 ました。清水さんはじめ、上関原発反対運動の中心メンバーの方々は、反論・質問書が奏功したものと分かっておられます。
  そして、熟読していただければ分かりますが、この反論・質問書の論理はボーリング調査を中止に追い込んだだけでなく、埋立も原発建設も中止に追い込んだのです。
  詳しくは、HPの「上関原発計画」の頁をご覧いただきたいですが、なぜこのニュースをここに紹介したかといいますと、反論・質問書の論理が、卸売市場法及び
 条例の改悪に対する営業権に基づく主張と全く同じだからです。
  反論・質問書の論理を一言で言えば「中電の占用許可申請は『公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱』違反であり、したがって憲法29条違反である」というもの
 です。他方、営業権に基づく主張は「卸売市場法・条例の改悪に伴い損失補償をしないのは要綱違反であり、したがって憲法29条違反である」という主張です。両者
 は「要綱に違反することは憲法違反にあたる」という全く同じ主張なのです。
  上関原発では全く同じ主張で「ボーリング調査中止」,「埋立、原発建設中止」を勝ち取れたのですから、営業権に基づく闘いに希望と勇気を与えてくれたことにな
 ります。
  全国の仲卸業者の皆さんの営業権に基づく今後の奮闘を期待したいものです。

◇2019年12月28日(土)
 1.諮問通知書及び審理員意見書
  東京都審査庁から、業務停止処分の取消しを求める審査請求(30総総法査第1090号)について、東京都行政不服審査会に諮問した旨の「諮問通知書」及び審理員意見
 書が届きました。次に掲げます。
  諮問通知書
  審理員意見書
  審理員意見書は、東京都処分庁の見解をそのまま認めたような内容で、東京都の役人に東京都が行なった処分に異議を唱えることを期待するのは無理だと改めて思い
 ました。移転に伴う損失補償の必要性について、唯一の判決ともいえる東京高裁平成3年7月30日判決について、「その判断はあくまで 当該訴訟類型の下で個別具体敵事
 例に即して行われたものであり、当該判断基準を本件にそのまま用いなければならないというものではない(さらには、中央卸売市場の移転に係る損失補償 の判断基準と
 して、裁判所において確立し統一されている形跡も見受けられない。) 」としてその判示事項を無視しています。また、手続きについても、届いた翌日に原状回復計画書
 を提出しなければ、撤回書を無効と見なすという無茶苦茶な手続きを正当と見なしています。とても公平な判断とは言えません。
  今後は、諮問通知を受けた東京都行政不服審査会の判断を待つことになります(約3カ月かかるそうですので、3月末頃になります)が、都の機関である同審査会が都の
 行なった処分に対して公正な判断をするか、注目していきましょう。
  なお。改善措置命令に関する審査請求についての通知は、まだ届いていません。
 2.1月25日トークセッションのお知らせ
  卸売市場条例の改悪、とりわけ東京都の条例改悪を批判するトークセッションが1月25日に開催されます。東京都卸売市場取引業務運営協議会・会長代理を務めた藤島
 廣二氏が都の卸売市場条例改定の進め方と制度破壊を厳しく批判されるとともに、藤島氏・菅原邦昭氏及び私によるトークセッションが持たれます。
  トークセッションのチラシが届きましたので、次に掲げます。
  2020年1月25日トークセッション
  卸売市場法・卸売市場条例の改悪に対する反撃として国賠訴訟を目論んでいますが、その先駆けとなるものです。
  ぜひ、ご参加ください。

◇2020年1月10日(金)
 1.諮問通知書及び審理員意見書
  東京都審査庁から、業務停止処分の取消しを求める審査請求(30総総法査第1089号)及び改善措置命令の取消しを求める審査請求(30総総法査第1048号)について、
 東京都行政不服審査会に諮問した旨の諮問通知書及び審理員意見書が届きました。次に掲げます。
  第1089号諮問通知書及び審理員意見書
  第1048号諮問通知書及び審理員意見書
  感想は、12月28日に記したものと同じ、都の役人である審理員が、都の主張を認めないような意見書を書けるはずがない、の一言に尽きます。
  改善措置命令に関して、「見える」を根拠に命令を出せるとの都の主張をそのまま認め、請求人の主張について営業権組合が販売しているとの証拠が示されていない、
 としていますが、証拠を示さなければならないのは命令を出す都のほうであって、なぜ命令を受けるほうが「証拠を出せ」とも言われていないのに示さなければならなか
 ったのか、わけが分かりません。しかも、都は、口頭意見陳述の場で、「証拠はあるのか」という問い「いいえ」と、「証拠を探す努力をしたのか」にも「いいえ」と答
 えたのです。「推定無罪の原則」に明らかに反します。
  そもそも、非公開(密室)で都の役人を審理員(行司役)として開かれる審査形式自体、初めから都に軍配を上げることを前提としているようなものです。
  今後は、12月28日に記したように、約3か月後に出される行政不服審査会の結果を待つことになります。

◇2020年1月23日(木)
 1.1月25日トークセッションのお知らせ及びレジュメ,を掲載
  1月25日トークセッションが近づいてきましたので、改めて「トークセッションのお知らせ」を掲げるとともに、私の報告レジュメも掲載しておきます。
  2020年1月25日トークセッション
  2020年1月25日熊本報告レジュメ

◇2020年1月26日(日)
 1.1月25日トークセッションのパワーポイント
  1月25日トークセッションで使用したパワーポイントを掲載しておきます。
  1月25日熊本報告パワーポイント

◇2020年6月20日(土)
 1.都知事候補者へ政策提言
  東京都知事選挙が告示されましたが、仙台の菅原邦昭さんや豊洲市場仲卸業者有志、卸売市場制度を守ろう!全国連絡会・都民連絡会が、都知事候補者
 に対して政策提言を行ないました。以下に掲げます。候補者たちの卸売市場制度への姿勢を問いかけるものです。
  都知事候補者への政策提言

◇2020年7月10日(金)
 1.改善措置命令に係る審査請求についての答申
  改善措置命令に係る審査請求についての答申(2020年7月7日付け)が届きました。次に掲げます。
  改善措置命令に係る審査請求についての答申
  知事選が終わったので、そろそろ届くのでは、と思っていましたが、案の定でした。知事選で問題にされるのがよほどイヤだったようです。
  内容も、予想どおり、都の主張を認めるだけの答申になっています。
  最大の争点は、証拠も無しに「見える」だけで命令を出せるのか、という点ですが、答申は、「証拠は提出されていない」から「請求人の主張に理由はない」と
 しています(9頁)。これは、買物ツアーの冒頭に営業権組合の主催であることを述べ、営業権組合の旗等で営業権組合の主催であることを明示するようになって
 から、東京都は一切口出しできなくなった経緯を無視しています。
  また、証拠を提出すべきは命令を出す東京都のほうであるにもかかわらず、都は、証拠提出責任を請求人のほうに転嫁しています。これは、「疑わしきは罰せず」
 という「推定無罪の原則」に反しています。
  少なくとも、都は、請求人に対して、「証拠を提出する機会」を与える必要があったはずです。営業権組合では証拠(領収書等)をそろえていたにもかかわらず、
 それを提出する機会を与えないまま、「証拠がない」を根拠に命令を正当化することは権力の横暴にほかなりません。
  以上のように、答申は都の主張を認めるだけの内容ですが、都の改悪条例はすでに2020年6月に施行されており、新条例では「開設区域」の規定がなくなりました
 ので、改善措置命令を出す根拠は全くなくなりました。
  したがって、本答申は、営業権組合による買物ツアーに関しては、今では何の効力も持っていません。買物ツアーは、この答申に関わらず、営業可能ということです。

◇2020年7月19日(日)
 1.営業権組合の今後の方針
  昨18日に久しぶりに営業権組合の打ち合わせを持ち、次の①~③のような、とても建設的な方針を決めることができました。
 ①買物ツアーの再開
  コロナ禍のため買物ツアーは中断中ですが、今後、コロナ禍の状況を見きわめながら、都民連絡会ともども再開を目指します。
  来年7月の都議選に向けて築地市場の跡地利用が大きな争点になるはずですので、そこに「築地市場の再生」を問題提起できるような再開の仕方を目指します。
 ②国賠訴訟
  新型コロナに関し、休業要請に応じた業者に補償が必要ということがしばしば指摘されています。公権力が私権を制限した結果損失が生じたときには、憲法29条3項
 に基づき補償が必要なのです。
  しかし、新型コロナでは、国は批判にさらされながらも「補償しない」との方針を崩していません。都は、国の方針に抵触しないよう、「補償金」とは言わずに「協力
 金」という名目で実質的な補償金を支払ってきています。
  2018年10月の築地市場の豊洲移転によって、業者は大きな損失を被りました。したがって、憲法29条に基づけば、損失補償(営業補償)が必要です。
  さらに、東京都中央卸売市場条例改悪(施行2020年6月)によって、業者への「許可」制がなくなりました。「許可」を受けて営業を続ければ業者は権利を持つのです
 が、「許可」がなくなったために業者は権利を持つことができなくなりました。したがって、改悪条例施行の際にも、憲法29条に基づく補償が必要だったはずです。
  豊洲移転や条例改悪の際に補償は皆無だったのですから、業者は、国や都に損害賠償を求める国賠訴訟を提訴することができます。
  国賠訴訟の時効は、損失を知った時点から3年間です。
  豊洲市場の業者は、豊洲移転後、大幅な売上げ減に苦しんでいます。既に多くの業者が廃業を余儀なくされています。
  営業権組合は、豊洲移転に関しては2021年10月まで、条例改悪に関しては2023年6月までに国賠訴訟を提訴することを目指します。
 ③本の出版
  営業権組合の取組みは、日本で初めての「営業権」を掲げた取組みです。買物ツアーを支えている都民連絡会・全国連絡会の取組みも日本で初めてです。
  営業権組合及び都民連絡会・全国連絡の取組みは、今後の日本にとって多くの貴重な示唆を含んでいますので、本にまとめたいと思います。2020年1月25日のトーク
 セッションをベースに、営業権組合の会員、都民連絡会・全国連絡会の会員に寄稿していただいて、出版を目指します。
  「島崎さんを支える会」に、国賠訴訟に勝利した記録の出版の目処が立ったことを記しましたが、その本が一つの参考になると思います。

◇2020年9月16日
 1.業務停止処分に係る審査請求についての答申
  業務停止処分に係る審査請求についての東京都行政不服審査会の答申(2020年9月14日付け)が届きました。通常は、口頭意見陳述(2019年10月1日実施)後、約半年で
 答申が出るとの話(東京都審理員の話)だったのですが、約1年かかってようやく答申が出ました。次に掲げます。
  業務停止処分に係る審査請求についての答申(杉原水産)
  業務停止処分に係る審査請求についての答申(ムラキ)
  ある程度予想されていたとはいえ、都の主張をそのままオウム返しにしただけの答申になっています。
  東京高裁判決についても、「(東京高裁判決の事案は)本件とは事案を異にする」の一言で片づけて、その判示事項には一切触れていません。こちらは、判示事項が
 本件と如何に密接に関わっているかを、次の二つの表に示されるように、懇切丁寧に説明したにも関わらずです。
  処分庁主張と東京高裁判決 条例91条の適用に関して
  処分庁主張と東京高裁判決 損失補償の必要性に関して
  また、「営業権や損失補償の必要性について東京都に説明をする法律上の義務はない」との記述にも呆れました。
  新型コロナをめぐって「休業を強制するには補償(営業補償)が必要」がほぼ常識になっていますが、ならば、強制的市場移転に伴う収益減に対しても営業補償が必要
 なことは、当時よりも、より明らかになっています。都は、営業補償どころか引っ越し代さえも一切支払わなったのでした。
  やはり、東京都行政不服審査会が都に不利な判断をするはずがなかったと改めて痛感します。
  今後の対応については、近日中に弁護士事務所で話し合う予定ですが、答申内容は十分予想されていましたから、7月19日に記した「営業権組合の今後の方針」には、
 変更はないと思います。

◇2020年10月30日
 1.業務停止処分答申についての打合せ
  業務停止処分に係る審査請求についての東京都行政不服審査会の答申(2020年9月14日付け)に関して10月27日に樋渡弁護士事務所で樋渡・岩崎両弁護士、杉原さん及
 び私で打合せを持ちました。主な論点は次の通りです。
  ①答申は元裁判官の近藤ルミ子氏を中心にまとめられたものだが、元裁判官にしては手抜きもいいところ。
   手抜き記述の例を挙げると、
   ・東京高裁判決について「個別具体的事例に即して行なわれたもので、本件とは事案を異にする」(15頁)としているだけだが、事例が異なるのは当たり前のこと
    で、問題は判示事項が本件と係るか否かである。
   ・市場移転に伴う損失補償の要否について「確立された判例も見受けられない」(14頁)としているが、東京高裁平成3年7月30日判決以外の判例は見当たらず、
    同判決が有力な判決として確立されていることを無視している。
  ②「損失補償義務の履行と原状回復義務の履行が同時履行の関係に立つとは解されない」(14頁)としているが、その根拠となっている最高裁昭和24年7月13日判決
   は、米の強制供出に伴う損失補償が、供出が義務付けられた時期が昭和22年3月31日までであったのに対し、損失補償が支払われたのが昭和22年5月20日であった
   ことについて、憲法29条は「正当な補償が必要である」旨規定しているが、損失補償の時期については言明していないとして同時履行の主張を否定しているのであ
   り、本件のように損失補償を払わないとしている相手に対して原状回復義務の履行を拒むことを否定しているわけではない(この点は私が提起し、両弁護士が同意
   されました)。
  ③本件の最大の争点は、使用条件の指定がなされなければ使用資格が消滅するか否かであるが、それは、入学許可と座席指定の関係と同じである。
   入学が許可されれば、学校がクラスや座席を指定して授業が受けられるようにする義務があるのであって、座席指定がなければ授業を受ける資格が消滅することに
   なるはずはない。それと同様に、仲卸業者は「業務許可」によって使用資格を得るのであって、使用条件の指定がないからといって使用資格が消滅することには
   ならない。要するに、「使用条件の指定」と「使用資格の消滅」は別物である(この点は、東京高裁判決に基づき、私が主張しました)。
  ④行政不服審査会のこの答申が出された後、都審査庁の裁決が出されるが、裁決はもっと丁寧なものになるであろうものの、答申の結論を覆す可能性は低い。
   裁決で答申と同じ結論が出された場合、提訴し得るが、裁判所が行政権力に味方をする実態に鑑みれば、判決に過大な期待は持てない。
   また、社会的意義を考慮すれば、本件で提訴するよりも国賠訴訟を提訴するほうが良い(本件も国賠訴訟に含まれる)。
   ただし、その場合、原告となる仲卸業者等を多数にする必要がある。
  以上のようなことが話し合われ、当面は都審査庁による裁決を待つことにしました。
  打合せをつうじて、改善措置命令についての裁決書をHPにアップしていないことに気づきましたので、次に掲載しておきます。
  裁決書は、答申を踏襲したものに過ぎませんので、感想は7月10日記載の答申についての感想と同じです。
   裁決書の送付について
   改善措置命令に係る審査請求についての裁決書

◇2020年12月23日
 1.業務停止処分裁決書
  業務停止処分についての裁決書が届きました。次に掲げます(ムラキについても殆ど同じなので杉原水産のみ)。
   業務停止処分に係る審査請求についての裁決書(杉原水産)
  改善措置命令についての裁決書と同じく、答申(2020.9.16HP掲載)を踏襲したものに過ぎません。10月30日HP④に「裁決はもっと丁寧なものになるであろうもの
 の、答申の結論を覆す可能性は低い」と記しましたが、「もっと丁寧」どころか、ほぼそのままでした。
  10月30日HP④に記した次の私見は、裁決書が出ても全く変わりません。
   裁決で答申と同じ結論が出された場合、提訴し得るが、裁判所が行政権力に味方をする実態に鑑みれば、判決に過大な期待は持てない。
   また、社会的意義を考慮すれば、本件で提訴するよりも国賠訴訟を提訴するほうが良い(本件も国賠訴訟に含まれる)。
   ただし、その場合、原告となる仲卸業者等を多数にする必要がある。


                                              、